【小児科医監修】大泉門と小泉門とは?赤ちゃんの頭蓋骨のへこみはいつ閉じる?ふくらみが気になる場合は?
赤ちゃんの頭蓋骨には「大泉門」と「小泉門」というへこみがあることをご存知でしょうか。ここでは、大泉門・小泉門それぞれの概要と、大泉門・小泉門の大きさ、閉じる時期、また閉じないときに考えられる病気を紹介します。頭蓋骨のふくらみやへこみが気になる場合についても解説するので、参考にしてみてくださいね。
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目次
赤ちゃんの頭蓋骨の状態は?
生まれるときには頭蓋骨がつながっていない
頭蓋骨は、チューリップの花びらのような形の骨が集まって形成されています。赤ちゃんは、この骨と骨のつなぎ目がふさがっておらず、骨のあいだに隙間があります。この隙間を「泉門」といい、いくつかある泉門の中でも一番大きいのが「大泉門」です。膜で覆われただけの状態なので、やわらかくぺこぺことしています。
赤ちゃんが生まれるときは、ママの狭い産道を通らなければなりません。赤ちゃんの頭蓋骨がつながっていないのは、出産のときにママの産道の形に頭蓋骨を変形させるためだと考えられています。
また、生まれたばかりの赤ちゃんの脳の発達は著しく、1年間でおよそ2.5倍になります。大泉門は、頭蓋骨が脳の成長をさまたげるのを防ぐ役割を果たしているのかもしれませんね。
脳と頭蓋骨のあいだに隙間がある
頭蓋骨の内側には、硬膜(こうまく)と脳のあいだに脳脊髄液(のうせきずいえき)で満たされた隙間があります。脳はしっかりとは固定されておらず、この中に浮いた状態です。大人の脳は大きく、頭蓋骨と脳のあいだの隙間が狭い一方で、赤ちゃんの脳は未発達で小さく、隙間が広く空いています。
大泉門(だいせんもん)・小泉門(しょうせんもん)とは?

大泉門
大泉門とは、おでこの上の辺りにある頭の骨がないやわらかい部分のことをいいます。赤ちゃんが生まれたときの大泉門は3cm程度の大きさで、ひし形のような形をしているのが特徴です。大泉門は頭のちょうどてっぺんの部分にあるため、正面から赤ちゃんを見ると頭がへこんでいるように見えるでしょう。
1ヶ月健診以降、大泉門が3cm以上ある場合は、精密検査を受けるように指示されることが多いようです。
小泉門
赤ちゃんの後頭部には、「小泉門(しょうせんもん)」という骨のないやわらかい部分があります。小泉門は大泉門と比べて小さく、出生時にはほとんど閉鎖した状態です。出生時より小泉門が大きくなっているようなら「先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)」の可能性があるので、医師に相談してみましょう。
大泉門はなぜ押してはいけないの?

大泉門は頭蓋骨の隙間の部分なので、強く押すと脳に損傷を与える可能性があります。赤ちゃんの大泉門は、強く押さないように注意しましょう。赤ちゃんの大泉門に触れることに不安を感じるママもいるようですが、よほど強い力で押さない限り問題はないといわれています。
誤って大泉門を押してしまい、赤ちゃんが大丈夫なのか心配な場合は、ママの不安を解消するためにも病院を受診しましょう。
大泉門・小泉門はいつ閉鎖する?閉じない場合は?

閉鎖する時期は?
大泉門は生後10ヶ月頃から閉じ始め、1歳半から2歳頃には完全に閉鎖するといわれています。小泉門は、生後2ヶ月から3ヶ月を目安に閉鎖するようです。
ただし、大泉門・小泉門が閉鎖する時期には個人差があります。自治体で行われる乳幼児健診では、頭部を触診して大泉門の状態を確認するため、気になることがある場合はここで相談してみてもよいでしょう。
閉じない場合は?
赤ちゃんの大泉門や小泉門が目安の時期を過ぎても閉じない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。大泉門が閉じない場合は、「水頭症」や「ダウン症候群」「骨疾患」「先天性奇形症候群」などの病気が疑われる場合があります。下記の症状が伴っている場合は、早急に専門医やかかりつけ医に相談しましょう。
・頭囲が成長曲線の範囲を超えて大きくなっている
・頭蓋骨異常
・顔貌異常
・成長遅延
・発育遅延
また、小泉門が閉じない場合には「先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)」などが疑われます。大泉門や小泉門の状態が正常なのかどうか、素人では判断することが難しいものです。自己判断をせず、乳幼児健診を定期的に受診して赤ちゃんの異変を見逃さないようにしましょう。
早く閉じた場合は?
大泉門は1歳前後から閉じ始め、1歳半頃に閉鎖するのが一般的ですが、それよりも早く閉鎖することがあります。早期に閉鎖した場合、「頭蓋骨早期癒合症」や「小頭症」などが疑われる場合があります。頭囲や頭蓋骨の変形、顔貌、発達などをチェックし、必要に応じて詳しい検査を行います。
とはいえ、大泉門は生後半年や8ヶ月ころに閉鎖している事例もあり、大泉門の閉鎖だけで異常という判断はできません。頭の成長に問題がなければ、経過観察で済むこともあります。
大泉門のふくらみ、へこみが気になるときには?

大泉門がふくらんでいるとき
赤ちゃんの大泉門がふくらんでいる場合は、以下のような可能性が考えられます。
■水頭症(すいとうしょう)
「水頭症」とは、脳の真ん中に水がたまる病気です。赤ちゃんの頭蓋骨は脳の大きさに合わせて大きくなるため、水頭症になると頭が異常に大きくなることがあります。赤ちゃんの頭が大きくなっていることに、ママが一目で気づくのは困難なことです。このような病気を見逃さないため、乳幼児健診では頭囲をチェックします。
■髄膜炎(ずいまくえん)
大泉門がふくらんでおり、嘔吐や発熱を伴っている場合は「髄膜炎」を起こしているかもしれません。小さな子どもほど髄膜炎は症状が軽くなる傾向があり、発熱しないこともあります。赤ちゃんの場合、低体温や黄疸などの症状がでることもあるので、疑わしい症状がある場合はすぐに小児科を受診しましょう。
■頭部外傷
赤ちゃんの脳は頭蓋骨内に浮いている状態で頭を支える筋肉も弱いため、頭をぶつけたり激しく揺さぶったりすると、脳が大きく揺れ脳組織や脳につながる血管が損傷する可能性があります。このとき「硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)」や「脳実質異常」などが起こり、大泉門がふくらむことがあります。
そのため、赤ちゃんが頭をぶつけた場合、軽くぶつけた程度であっても呼吸やミルクの飲み方、泣き声などを確認し、普段と違う様子がみられたら小児科を受診しましょう。
赤ちゃんを激しく揺さぶったことによる頭部外傷は従来、「揺さぶられっ子症候群(乳幼児揺さぶられ症候群)」と呼ばれていました。しかし、頭部の外傷は激しい揺さぶりだけではなく頭部の打撲などでも生じるため、現在は「虐待による乳幼児頭部外傷」という用語が使われています。
脳が損傷を受けると、重大な後遺症が残る可能性もあります。赤ちゃんを激しく揺さぶることは絶対にやめましょう。首すわり前に首を支えることなく強めに「高い、高い」を繰り返すことや、赤ちゃんを放り上げてキャッチするような遊びもリスクです。
大泉門がへこんでいるとき
大泉門がへこんでいる場合は、脱水症状を起こしている可能性があります。小さな赤ちゃんは身体の水分量が多いため、脱水症状を引き起こしやすいものです。以下のような症状が併発している場合、特に注意しましょう。
・舌・口・目が渇いている
・お腹や太ももなどの皮膚の弾力が低下している
・おしっこの量が少ない
・赤ちゃんの泣き方が弱々しい
当てはまる症状がある場合は、早急に病院へ向かいましょう。
赤ちゃんの頭はデリケートなので、注意しよう
赤ちゃんの頭蓋骨には、脳の成長に対応できるように大泉門や小泉門という隙間があります。赤ちゃんの頭は脳と頭蓋骨のあいだにも隙間があり、脳が固定されていないため、非常にデリケートな状態です。大泉門を強く押したり、強く揺さぶったりすると、脳が傷ついて重い後遺症が残ってしまうかもしれません。
ただし普通に生活している分には何も問題はないので、あまり心配しなくても大丈夫です。赤ちゃんが頭をぶつけたり、強く揺さぶってしまったりしたときは、異変がないか様子を見るようにしましょう。様子が普段と違うようなら、早めにかかりつけの小児科医に相談することをおすすめします。
※この記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。


