臍肉芽腫・臍炎とは?赤ちゃんのおへそが赤い・ジュクジュクするときの対処法

へその緒が取れた後も赤ちゃんのおへそが赤かったり、ジュクジュクしていたりすると、心配になる方は多いでしょう。ここでは、新生児のおへその病気で知られる臍肉芽腫(さいにくげしゅ)と臍炎(さいえん)について、症状や原因、治療方法をご紹介します。

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この記事の監修

千葉 智子
小児科医
千葉 智子

目次

  1. 新生児や赤ちゃんのおへそはトラブルを起こしやすい
  2. 臍肉芽腫(さいにくげしゅ)とは?原因と治療法
  3. 臍炎(さいえん)とは?原因と治療法
  4. 臍肉芽腫や臍炎が悪化するとどうなる?
  5. 臍肉芽腫や臍炎を予防することはできるの?
  6. 乳幼児になっても臍肉芽腫や臍炎が治らないときには?
  7. 臍肉芽腫や臍炎になってもあまり心配しないで

新生児や赤ちゃんのおへそはトラブルを起こしやすい

通常、新生児のへその緒は生後4~7日頃に取れます。へその緒が取れた後もしばらくはジュクジュクとしていることがありますが、自然に乾いていきます。しかし、生まれたばかりの新生児のおへそはとてもデリケートです。細菌が侵入しやすいため、乾燥せず、膿んでしまうことも少なくありません。

2週間ほど経ってもおへそが膿んでいる、赤い豆粒のできものが見られる場合は、臍肉芽腫(さいにくげしゅ)や臍炎(さいえん)といったトラブルを起こしている可能性があります。早めに病院で処置をしてもらいましょう。

「おへそのトラブルは何科を受診すれば良いか」と悩む人も多いでしょう。まずは出産した産婦人科に連絡し、診察可能か聞いてみましょう。

臍肉芽腫(さいにくげしゅ)とは?原因と治療法

新生児の赤ちゃんのおへそのトラブルとして多く見られる臍肉芽腫について、どのような原因で起こるのか、治療方法について解説します。

臍肉芽腫の原因

何らかの原因でへその緒が完全に取れずに根元が残ってしまった場合、根元が増殖し、赤いいぼのようなできもの(肉芽)が生じます。臍肉芽腫は米粒や小豆くらいの大きさで、赤い色をしています。臍肉芽腫ができるとおへそから粘液が分泌され、血が混じることもあります。

臍肉芽腫の治療法

臍肉芽腫が小さい場合は、病院で硝酸銀棒や硝酸銀液を用いて焼き切る手術が行われます。硝酸銀と聞くとこわい薬のようなイメージがあるかもしれませんが、古くから医薬品として使用されているものです。濃度によって消毒や殺菌、収れん効果が認められており、医療現場で多く活用されています。

大きい肉芽の場合は、臍肉芽腫の根元を糸で縛る切除術にて取ってもらいます。いずれも処置から数日できれいなおへそになります。

臍肉芽腫には神経がありません。治療や手術で痛みや熱さを感じることはほとんどないので安心してください。

臍炎(さいえん)とは?原因と治療法

臍炎の原因

臍炎は、へその緒や、へその緒が取れた後の乾いていないおへそに細菌が侵入して炎症が起こる病気です。おへそがジュクジュクとして乾きにくくなり、赤く腫れたり、膿が出たりします。出血が見られることもあり、炎症を起こしている場所には痛みが感じられます。

臍炎は新生児に多い病気です。しかし、乳児や子ども、大人においても、おへそを不用意に触ることで臍炎になることがあるので気を付けましょう。

臍炎の治療法

軽い臍炎であれば自然治癒することもあります。しかし、おへそが腫れている、赤い、膿が出るなど炎症の症状が見られたら、小児科で手当てを受けたほうが良いでしょう。

治療ではおへそを消毒したのちに、ステロイド剤と抗生物質の合剤を塗布することが多いです。

臍炎は、病院での処置を受けるとたいていは改善されます。再発を防ぐためにも、治療後もおへその周辺を清潔に保つことが大事です。

臍肉芽腫や臍炎が悪化するとどうなる?

臍肉芽腫や臍炎を放置すると、細菌が赤ちゃんの全身にまわってしまい、敗血症や腹膜炎となることがあります。おへその炎症や出血などが見られたら、病院を受診し、治療薬の処方や切除術を受けましょう。

・敗血症
敗血症とは、おへそなどから侵入した細菌が血液を通じて全身をめぐり、赤ちゃんの臓器を攻撃する病気です。機嫌が悪い、食欲がない、体温が低いといった症状をもたらします。症状が悪化すると、出血が止まらないなどの深刻な病気になることもあります。

・腹膜炎
腹膜炎とは、身体の臓器を覆っている膜(腹膜)に炎症が起こる病気で、腹痛やお腹の違和感をともないます。ひどい場合は吐き気や嘔吐が見られることもあります。

赤ちゃんに異変を感じたら症状を放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

臍肉芽腫や臍炎を予防することはできるの?

臍肉芽腫や臍炎を予防するには、赤ちゃんのおへそを丁寧にお手入れし、異変がないか確認することが大事です。

お手入れは毎日の入浴で行います。お風呂でおへそをきれいにし、お風呂から出たら丁寧に拭いてあげましょう。おへそのあたりをこすらず、タオルやガーゼで軽くおさえるように水分を吸収させましょう。ジクジクしている間は、アルコールなどの消毒薬で周囲を綿棒できれいに消毒するのがおすすめです。消毒効果だけでなく、周囲を綿棒で軽くこすることにより、へその緒が取れやすくなります。

おむつをはかせるときは、おへそに当たらないように気を付けます。症状によっては入浴で悪化する可能性がるので、心配な場合はかかりつけの医師に相談しましょう。

乳幼児になっても臍肉芽腫や臍炎が治らないときには?

臍肉芽腫や臍炎は、主に新生児に多い病気ですが、乳児や子どもにもみられることがあります。乳児や子どもの臍炎は、尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)や卵黄のう管遺残が原因になることもあります。

・尿膜管遺残
尿膜管遺残とは、胎児のときに必要だったおへそと膀胱をつなぐ管がなくならずに残っている状態のことです。

・卵黄のう管遺残
卵黄のう管遺残とは、おへそと腸をつなぐ管が残った状態のことです。

いずれも深刻な症状ではありませんが、臍炎などの症状が繰り返し起こる場合は手術をして原因を取り除いたほうが良いでしょう。臍肉芽腫や臍炎がいつまでも治らなかったり、症状が繰り返されたりする場合は、かかりつけの小児科医や皮膚科医に相談してください。

臍肉芽腫や臍炎になってもあまり心配しないで

新生児や乳児、子どもが臍肉芽腫や臍炎になってしまった場合、「きれいに治るだろうか」「痛みは強くないか」など、さまざまな不安を感じるでしょう。しかし、臍肉芽腫や臍炎は、治療薬や切除術など適切な処置を施せば、たいていはすぐに良くなるといわれています。肉芽の手術にも痛みはなく、あまり心配はいりません。

治療後は再発を防ぐためにもおへそを清潔に保つように心がけましょう。