【小児科医監修】子ども(赤ちゃん・幼児)のものもらいの種類・症状・治療法!プールには入れる?保育園・幼稚園・小学校は?

子どものまぶたが腫れていて驚いた経験のあるママは多いのではないでしょうか。保育園や幼稚園・小学校に通っている場合の対処法なども参考にしてみてくださいね。抵抗力の弱い子どもはものもらいになりやすいので、適切な対処法を把握しておきましょう。子どものものもらいの種類や症状、治療法について小児科医監修で解説します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 子どものものもらいの種類と症状
  2. 子どものものもらい(麦粒腫)の症状は?
  3. 子どものものもらい(麦粒腫)は小児科に行く?眼科に行く?
  4. 子どものものもらいの治療法は?目薬が良いの?
  5. 子どものものもらい(麦粒腫)におすすめの市販の目薬を紹介!
  6. 子どもがものもらい(麦粒腫)はうつるの?幼稚園や保育園・小学校に行ける?
  7. 子どものものもらい(麦粒腫)でプールには入れる?
  8. 子どものものもらいでの注意点!眼帯はつけるの?
  9. 子どものものもらいの予防法は?
  10. 子どものまぶたに異常があれば、すぐに受診しよう
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子どものものもらいの種類と症状

まぶたが腫れ、痛みやかゆみを伴う病気を「ものもらい」といいます。地域によっては「ものもらい」ではなく、「めばちこ」や「めいぼ」と呼ぶこともあるでしょう。主に関東地方では「ものもらい」、大阪などでは「めばちこ」と呼ばれているので、「めばちこ」のほうが馴染み深い人も多いかもしれません。

ものもらいには「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の2種類があります。一般的にものもらいという言葉が使われることが多い、目が赤みがかって腫れる症状は麦粒腫を指しています。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は赤い腫れが特徴

麦粒腫は、黄色ブドウ球菌に感染することで起こります。黄色ブドウ球菌とは手や鼻の穴、傷口など身体のあらゆるところに存在する常在菌で、健康なときには害はありません。しかし、免疫力や抵抗力が下がっているときは感染しやすくなるので、注意が必要です。

黄色ブドウ球菌は食中毒やとびひの原因になることもある細菌で、28~30℃の温度で大量発生するといわれています。麦粒腫は、黄色ブドウ球菌が汗を出す腺やまつ毛の毛根に感染する「外麦粒腫」と、まぶたにあるマイボーム腺に感染する「内麦粒腫」に分けられます。

麦粒腫になると、初めは局所的な軽い痛み・かゆみを伴う赤い腫れが起こります。炎症が悪化すると赤み・かゆみ・痛みが増していくでしょう。化膿した部分が自然に破れ、膿が出ることもあります。膿が出れば症状は改善していくでしょう。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)は白いしこりが特徴

霰粒腫は、まぶたにあるマイボーム腺の出口が詰まり、肉芽腫という固まりができる病気です。細菌感染を伴わないことが麦粒腫との大きな違いといえるでしょう。しかし、霰粒腫が細菌感染すると赤い腫れや痛みが起こるため、麦粒腫との区別が難しくなります。細菌感染して炎症を起こした霰粒腫を「急性霰粒腫」といいます。

娘が霰粒腫と診断されました

娘が目に違和感があるとのことで、眼科を受診したところ「霰粒腫」と診断されました。まぶたの上から触れてみるとしこりのようなものがあり、めくってみると白いしこりがありました。そのとき処方されたのは、炎症を抑える目薬でした。

子どものものもらい(麦粒腫)の症状は?

一般的にものもらいといわれる「麦粒腫」になると、どのような症状が現れるのでしょうか。以下の症状が出たときには、注意が必要です。

目の周りが赤く腫れる

ものもらいになると、目の周りが赤く腫れます。症状が軽ければまぶたの一部、炎症が広がるとまぶた全体が腫れあがることも珍しくありません。

目の周りにかゆみや痛みを感じる

ものもらいはかゆみや痛みを伴うものです。症状が強い場合は、まばたきするだけで痛みを感じることもあるでしょう。しかし、目がかゆいからと患部に触れると炎症を悪化させかねないので、注意が必要です。

目が充血する

ものもらいになると、白目の部分が充血して赤くなることがあります。

目がごろごろする

目に違和感を覚えたり、ごろごろしたりするのもものもらいの症状のひとつです。

子どものものもらい(麦粒腫)は小児科に行く?眼科に行く?

子どもがものもらいになったら、小児科に行くべきか眼科に行くべきか悩むママは多いかもしれません。ものもらいはまぶたの病気なので、専門は眼科です。そのため、子どもがものもらいになったら小児科ではなく眼科を受診すると良いでしょう。

子どものものもらいの治療法は?目薬が良いの?

麦粒腫は目薬や内服薬による治療

麦粒腫の治療は、基本的に抗生物質の目薬や内服薬で行われます。しかし、化膿が進んでいる場合は、小さな針を使って切開し、膿を出す処置がとられることもあります。

麦粒腫は細菌感染が原因となって起こるため、抗生物質を使わないと治らないことが多いでしょう。適切に治療しても治らない場合は、急性霰粒腫の可能性があるので再度眼科を受診してください。

霰粒腫は摘出手術が必要な場合も

霰粒腫は自然に消失することもありますが、大きさによっては摘出手術が行われることがあります。細菌感染を伴う急性霰粒腫の場合、抗生物質の目薬や内服薬が処方されるでしょう。

霰粒腫の治療後、再発するときは悪性腫瘍の可能性があるのですぐに受診してくださいね。霰粒腫の治療には数ヶ月かかることもあるため、なかなか治らないからと心配しすぎないようにしましょう。

「手術」という言葉に衝撃を受けました

娘が霰粒腫になったとき、医師から治療に手術を行うこともあると聞き、衝撃を受けました。しかし、全身麻酔のリスクもあるため、あまりにも大きくなったり悪化したりしない限りは手術の必要はないとのことでした。幸い娘の霰粒腫はその後再発することもなく、一度眼科に行っただけで済みました。

子どものものもらい(麦粒腫)におすすめの市販の目薬を紹介!

子どもにものもらいができても、パパやママが仕事だったり病院が休診だったりして、すぐに受診できないこともあるでしょう。そういったときに役立つ、子どものものもらいにおすすめの市販の目薬を紹介します。ただし、ものもらいの薬は病院で処方してもらうことが望ましいので、可能な限り市販薬に頼るのではなく受診してくださいね。

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1回分ずつ使い捨てになっている「抗菌アイリス」は、防腐剤無添加でも衛生的に使えるのが魅力的です。ものもらいや結膜炎、まぶたのただれなどに効果が期待できるでしょう。また、薬液が目の表面にとどまる時間が長くなるよう、独自の技術が使われています。

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容量:10mL

生後4ヶ月の赤ちゃんにも使える「抗菌目薬EX」は、フリーアングルノズルになっており、さまざまな向きからの点眼が可能です。子どもが目薬を嫌がっても使いやすいのがうれしいですね。目にゴミや汚れが入るのを避けるため、容器の先端が目やまぶたに触れないように点眼しましょう。

子どもがものもらい(麦粒腫)はうつるの?幼稚園や保育園・小学校に行ける?

ものもらいは細菌感染が原因で起こるため、人にうつる心配はありません。幼稚園や保育園・小学校に行っても問題ないでしょう。しかし、ものもらいではなく、実は「流行性角結膜炎(はやりめ)」だったというケースもあるため、注意が必要です。

流行性角結膜炎はウイルス感染が原因となる病気で、感染力が強いため出席停止扱いになります。幼稚園や保育園・小学校などで集団生活をしている場合は早めに受診し、ものもらいなのか流行性角結膜炎なのか、医師の判断を仰ぎましょう。

子どものものもらい(麦粒腫)でプールには入れる?

子どもがものもらいになったとき、プールに入れてよいのか悩んでしまいますよね。ものもらいになっているということは抵抗力が落ちている状態なので、プールは控えることをおすすめします。プールに入ると炎症が悪化する可能性があるので注意しましょう。

本当はものもらいではなく「流行性角結膜炎(はやりめ)」や「プール熱(咽頭結膜炎)」などの病気である可能性もあります。プール熱は流行性角結膜炎と同じウイルスによる病気です。結膜炎や高熱、喉の腫れなどの症状が起こり、感染力が非常に強いので、出席停止扱いとなります。

子どものものもらいでの注意点!眼帯はつけるの?

手をよく洗い、なるべく目を触らないように注意する

子どもはものもらいになったら、かゆみや痛みからつい目を触ってしまいがちです。目を必要以上に触ったりこすったりすると、症状を悪化させてしまうので注意しましょう。爪を短く切り、手をきれいに洗い、細菌の数を減らすことも大切です。

眼帯はつけない

ものもらいになると、眼帯を付けるイメージがあるかもしれません。しかし、眼帯を付けると細菌の繁殖を引き起こしてしまうことがあるため、眼帯はつけないようにしましょう。

眼帯で目を覆うことで、子どもの正常な視力の発達をさまたげてしまう可能性もあります。とくに乳幼児期は視力が著しく発達する時期なので、気をつけてくださいね。

ものもらいではなく流行性角結膜炎(はやり目)や涙嚢炎(るいのうえん)の可能性も!

ものもらいと似た症状が現れる病気に「流行性角結膜炎(はやりめ)」や「涙嚢炎(るいのうえん)があります。

流行性角結膜炎はウイルス感染が原因で起こり、感染力が強いのが大きな特徴です。幼稚園、保育園、小学校に通っている場合は、ものもらいのような症状が出ても自己判断せず、医師の診断を仰ぎましょう。流行性角結膜炎の場合は出席停止扱いになるため、医師の許可が出るまで自宅で安静に過ごすようにしてくださいね。

涙嚢炎は、たまった涙を鼻から排出するための通り道である鼻涙管が詰まることによって起こる病気です。鼻涙管が詰まると目頭の奥のほうにある涙嚢という場所に涙がたまり、粘り気のある液になります。この粘液が目に逆流し、細菌感染することで膿が慢性的に出るようになるのです。

さらに、涙嚢内に細菌が入り込み、周囲が感染すると赤い腫れや強い痛みのある腫瘍ができる「急性涙嚢炎」になります。素人ではものもらいとの区別が難しいため、きちんと病院に足を運ぶようにしましょう。

子どものものもらいの予防法は?

目を清潔に保つ

ものもらいを防ぐには、目や目の周りを清潔に保つことが大切です。汚れた状態のまぶたをこすると、細菌感染しやすいので注意しましょう。目の周りに傷がある場合も感染の可能性が高くなるので、気をつけてくださいね。

お風呂では湯船につかる

夏場のお風呂は湯船につからず、シャワーで済ませている家庭もあるかもしれません。しかし、湯船につかって全身を温めないと、まぶたまでしっかりと温まらず、マイボーム腺に脂肪などが詰まりやすくなります。暑い季節でも、40℃程度のお湯に10~15分程度つかる習慣をつけるようにしましょう。

体調管理をしっかり行う

ものもらいは、風邪をひいているなど抵抗力が落ちているときにできやすいものです。規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけ、体調管理をしっかりと行うこともものもらいの予防に効果的だといえますね。

子どものまぶたに異常があれば、すぐに受診しよう

子どものまぶたが腫れているからといって、必ずしもものもらいだとは限りません。感染力の強い流行性角結膜炎などの可能性も考えられるため、できるだけ早めに受診して医師の診断を受けるようにしましょう。

まぶたに異変があるときは、普段以上に手や目を清潔に保つことを心がけ、悪化を防いでくださいね。早寝早起きや栄養バランスに気を配った食事で健康な状態を維持することも、ものもらいの予防につながるでしょう。

※この記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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