【小児科医監修】子どもが風邪のときの食事は?控えたい食べ物は?乳児は?

子どもが風邪やインフルエンザにかかってしまったとき、できるだけ早く治ってほしいのがママの気持ちですね。こんなとき、どのような食事を選べば良いのでしょうか。ここでは、子どもが風邪をひいてしまったときの食事を症状にあわせて、紹介します。幼児食も紹介していますので参考にしてみてくださいね。

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この記事の監修

眞々田 容子
小児科医
眞々田 容子

目次

  1. 子どもが風邪をひいたら飲み物で十分な水分補給を
  2. 子どもが風邪のときには症状にあわせた食べ物を与えよう
  3. 子どもが風邪で高熱が出ているときの食事
  4. 子どもが風邪で鼻水や咳が出るときの食事
  5. 子どもが風邪で下痢や吐き気・嘔吐があるときの食事
  6. 子どもが風邪で下痢や吐き気・嘔吐のときに控えたい食べ物
  7. 子どもが風邪のときは少しずつ食事をとりましょう
  8. 子どもの様子を良く観察して対応しましょう
  9. 動画でみる|小児科医の山口先生にインタビュー
  10. あわせて読みたい

子どもが風邪をひいたら飲み物で十分な水分補給を

子供が風邪やインフルエンザにかかり、発熱や下痢などの症状があると特に、体内の多くの水分が失われるため、脱水症を発症しやすくなります。普段以上に意識して水分補給をさせるようにしましょう。

吐き気や嘔吐などの症状が出ているときは、無理をせず、1回あたりの飲む量を少なくして、こまめに水分をとるように心がけましょう。

スポーツ飲料で補う

スポーツ飲料は、熱などで失われたカリウムやナトリウムなどの電解質(イオン)を補うことができます。風邪などで水分補給する際には水と同時に電解質も摂取できると良いでしょう。

スポーツ飲料を飲むときの注意点

スポーツ飲料には糖分が含まれているため、飲みすぎると糖分過多により別の病気を引き起こしてしまうかもしれせん。糖分の摂り過ぎを防ぐために、子どもがスポーツ飲料を飲む場合には、水かお湯で2~3倍に薄めて飲む方法がすすめられていることもあるようです。

しかし、メーカーによっては、薄めて飲むことはおすすめされていません。あらかじめ水分と電解質のスムーズな吸収のために、成分調整がされているため、水で薄めてしまうと水分と電解質のスムーズな吸収が損なわれてしまう可能性があるようです。

したがって、スポーツ飲料は失われた電解質の補給という役割にて使用し、スポーツ飲料のみでの水分補給は避けた方が良いかもしれません。もしくは子ども用のイオン飲料であれば、はじめから子どもの身体にあわせて作られているので安心ですね。

経口補水液で補う

経口補水液はスポーツドリンクと比べ、ナトリウム、カリウムがより豊富に含まれており、脱水症状のときに必要な成分を補給することができます。しかし、自己判断で飲むことは控えたほうが良いようです。商品の注意書きにも「医師の指示があった場合のみお飲みください」と書かれています。

子どもの症状によって適切な摂取量がありますので、医師に指示を受けた場合に、量を調整しながら飲むようにしましょう。

赤ちゃんの水分補給

風邪をひいた際、赤ちゃんは特に、普段より水分を摂るようにしましょう。赤ちゃんの腎臓は未発達のため身体の水分調節がうまくできず、身体に必要な水分も排出してしまうことがあります。母乳やミルク、赤ちゃん用の麦茶やほうじ茶などでこまめに水分補給をしましょう。

赤ちゃん用のイオン飲料を選ぼう

脱水症状が危惧され、医師によりイオン飲料などの摂取を指示された場合、赤ちゃん用のものを選ぶと良いでしょう。赤ちゃん用イオン飲料は、赤ちゃんの身体に負担をかけず、吸収されやすいように調整がされています。

頻度はまれですが、イオン飲料の多量摂取により、乳幼児の健康状態が悪化したことが報告されています。商品の説明などには「医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合にお与えください。」などと表記されています。

乳幼児に経口補水液を与える際は、飲む量などを医師に相談しましょう。1歳未満の赤ちゃんの場合、1日に飲ませる量は体重1kgあたり30~50mLなどとされていますが、そのときの赤ちゃんの調子にもよるようです。また、発熱や下痢の症状がある程度落ち着いたら、麦茶や湯冷ましなどにかえてあげましょう。

水分が摂れなくなったら病院へ

もし、嘔吐や下痢を繰り返し、水分が飲めないことや、水分さえ戻してしまうことなどがあれば、早めに病院を受診するようにしましょう。

子どもが風邪のときには症状にあわせた食べ物を与えよう

風邪やインフルエンザで食欲がないときは無理に食べさせる必要はないようです。食欲が戻ってきたら、少しずつ栄養のあるものを摂取するようにしましょう。症状にあった食事をとることで、ここでは症状に適した食事を幼児食もあわせて紹介します。

子どもが風邪で高熱が出ているときの食事

風邪やインフルエンザで高熱が出ているときは、身体がウイルスと闘っている状態です。適切な栄養素を摂ることで、身体を回復させましょう。このとき、「ビタミンB群」や「ビタミンC」、「ビタミンE」を摂取することをおすすめします。

ビタミンB群

ビタミンB群は、タンパク質や糖質の代謝をサポートするなど、私たちが生きるためのエネルギーをつくるのに重要な役割を担っています。発熱したときに失われやすい栄養素でもあるため、しっかり補給するようにしましょう。

ビタミンB群が多く含まれる食材: 豚肉、卵、海苔、ヨーグルト、バナナ など

【バナナヨーグルト】
食欲がないときには、ひんやりするヨーグルトは食べやすいですね。ただし、冷やしすぎには気をつけてください。バナナは薄くスライスしてあげると食べやすいですね。消化にも良い乳製品のたんぱく質と、身体に入ってからすぐにエネルギーになる果物も取り入れることができます。

ビタミンC

ウイルスに対する抵抗力を高めるのに効果的な栄養素だといわれています。

ビタミンCが多く含まれる食材: じゃがいも、さつまいも、みかんなどの柑橘類、キウイフルーツ、いちご、パイナップル、キャベツ、チンゲン菜 など

【みかんの缶詰め】
用意も簡単にできますし、果実とシロップでカロリーを簡単に摂取することができますね。保管が簡単なのでいざというときに、家に常備しておくのもよさそうですね。

ビタミンE

ビタミンEには全身の血行をよくするほか、体内の抗酸化作用に働きかけ、栄養をエネルギーに変えて細胞を活発にする作用があります。そのため、自己治癒力や抵抗力が高まるといわれています。

ビタミンEを多く含む食品: 植物油、大豆、玄米、アーモンド、ウナギ、サンマ、イワシ、かぼちゃ、ブロッコリー、アボカド など

【かぼちゃの煮物・かぼちゃのスープ】
大人のおかずにもなりますし、すりつぶしてあげれば幼児食にもなりますね。煮物にする前に、裏ごしをしてスープにしてあげるとより食べやすいですね。裏ごしをしなかった分は、家族のかぼちゃサラダにもできますね。

子どもが風邪で鼻水や咳が出るときの食事

風邪やインフルエンザで鼻水や咳などの呼吸器症状が出ているとき、意識して摂りたい栄養が「タンパク質」と「ビタミンA」です。

タンパク質

身体の修復をする働きがあります。また、抗インフルエンザウイルスを活性化させるともいわれています。

タンパク質が多く含まれる食材: 白身魚、鶏のささみ、卵(うずら卵、鶏卵)、豆腐、納豆 など

【湯豆腐】
冷ややっこですと、お腹を冷やしてしまうかもしれませんので、なるべく温めて食べるようにしましょう。

ビタミンA

「ビタミンA」は、ウイルスへの抵抗力を高め、鼻やのどの粘膜を助ける働きがあります。

ビタミンAが多く含まれる食材:卵(主に卵黄、うずら卵)、レバー、チーズ、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜 など

【たまごスープ】
お湯に粉末のコンソメを溶かし、溶き卵を入れたスープはいかがでしょうか。用意も簡単ですし、喉に通りやすく食べやすいのではないでしょうか。卵アレルギーの場合、ほうれん草のコンソメスープも良いですね。

子どもが風邪で下痢や吐き気・嘔吐があるときの食事

風邪で下痢や吐き気、嘔吐などの消化器症状がある場合、無理に食べ物を食べずに水分補給をこまめに行うようにしましょう。

食事は、吐き気や下痢などの症状がおさまってから、消化しやすいように、やわらかく調理したものをとると良いでしょう。腸を刺激しないように気を付けたいですね。たとえば、次のような食べ物がおすすめです。

【おかゆ】
やわらかく炊いたおかゆは消化しやすくお腹に負担がかかりません。おかゆばかりで飽きてしまったときには、身体の修復を促すタンパク質も一緒に摂ることができる、卵がゆも良いですね。

【野菜スープ】
かぼちゃ、大根、にんじん、じゃがいもなど、消化の良い野菜をやわらかく煮てスープにしましょう。赤ちゃんに食べさせたい場合は、裏ごしてあげるとより食べやすくなりますね。

【うどん】
くたくたに煮込んだうどんは喉に通りやすく食べやすいです。赤ちゃんの場合は、短く切ってあげるようにしましょう。

【すりおろしりんご】
身体に入ってすぐにエネルギーになりやすい果物は、食欲がなく、あまり食べられないときにも助かりますね。するのには手間もかかりますので、ジュースという考え方もありますが、濃縮還元ジュースなどは赤ちゃんに対して糖分が多いこともあるため、ストレートのものを選びましょう。

ただし、ジュースだけで水分補給をすることはせず、水や母乳などで摂るようにしてください。

子どもが風邪で下痢や吐き気・嘔吐のときに控えたい食べ物

風邪で下痢や吐き気・嘔吐の症状があるときには、食べ始めは急にたくさん食べるのではなく、少量から徐々に量を増やすようにしましょう。吐き気や下痢などで食事がとれない状況から、急にたくさんの量を食べてしまうと、また吐いてしまうこともあり得ます。食事の際は十分気を付けてくださいね。

食物繊維が豊富な海藻類やきのこ類

食物繊維が豊富なキノコや海藻類は特に下痢や嘔吐の症状があるときにはなるべく控えるようにしてましょう。レンコンやゴボウなども繊維質が多いので避けたほうが良い食材です。おかゆや野菜スープ、うどんに具材を入れるときなどに注意してください。食べ過ぎると、腸内でガスが大量に発生して刺激を与えてしまうことがあるようです。

ネギや生姜、唐辛子

ネギや生姜、唐辛子といった香辛料は身体を温める効果があり、喉が痛いというときには効果のある食物です。一方で胃腸への刺激が強いため、下痢などの消化器症状が出ている場合は控えるのが良いでしょう。

冷たい飲み物


風邪やインフルエンザに感染しているときは通常より内臓の働きが弱まっています。胃腸に負担をかけてしまうこともありますので、消化器系が弱っているときは冷たい飲み物は避け、常温のものや温かい飲み物を飲むようにしましょう。

油分の多い食事

油分の多い揚げ物やスイーツなどは、胃腸への負担が大きいので、風邪やインフルエンザにかかっているときには避けたほうが良いでしょう。通常時よりも免疫力が落ちていて、さらに下痢や嘔吐を悪化させることになるかもしれません。

子どもが風邪のときは少しずつ食事をとりましょう

風邪やインフルエンザにかかると、子どもは特に、発熱や、嘔吐などでつらく、食事をうまくできないときもあるかもしれません。食欲がわかないときなどは無理に食事をする必要はないようです。

無理に食べると吐き出してしまうこともあり、子どもが食事をつらく感じて、なかなか食べなくなってしまうこともあるようです。たとえば、おかゆやうどんは嫌がっても、喉に通りやすいゼリーやプリンなら食べられる場合もあります。刺激物を避けながら、食べられるものから徐々に食べさせてあげましょう。

子どもの様子を良く観察して対応しましょう

風邪をひいてしまうと、意識がボーッとすることや、熱で身体がしんどいときがありますね。このようにつらいとき、大人は大抵どのようにしたら良いか自分でわかりますが、子どもはやって欲しいことなどをうまく伝えることができないかもしれません。

子どもの様子を普段以上に良く観察し、症状にあわせた水分補給、食事を心がけましょう。少しでも早く、症状が回復に向かうといいですね。

動画でみる|小児科医の山口先生にインタビュー

・子どもが風邪をひいたら小児科?耳鼻科?
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小児科医の山口先生に、「子どもが風邪をひいたときにはどうすればよいのか?」についてインタビューいたしました。
 
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