子どもの手のひらの湿疹の原因は?症状と対処法まとめ
ある日気が付くと、子どもの手のひらに赤いブツブツが…そんな子どもの症状に親は慌ててしまいそうですが、子どもの手のひらの湿疹は何が原因なのでしょう。突然の手のひらの湿疹は、症状や対処法を知っておくことで親としても安心ですよね。今回は、子どもの手のひらの湿疹の原因、知っておきたい症状や対処法についてご紹介します。
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目次
子どもの手のひらが赤い?
普段そこまで気にすることがない子どもの手のひらですが、ふと気が付くと手のひらに湿疹があったり、赤みを帯びている状態が目についたりした経験はありませんか。実は、手のひらには意外にも病気のサインが現れていることもあります。単なる血行が良いということだけでなく、子どもの手のひらに湿疹があった場合は、何か病気のサインかもしれません。
手のひらの湿疹の原因と症状・対処法
手白癬
手白癬とは、手のひらにできる水虫のことです。赤ちゃんの皮膚はまだ弱く、家庭内で足の水虫を発症している人から感染します。足に水虫がある人が歩いた場所には、白癬菌という水虫の菌が残っています。そこに赤ちゃんがハイハイをした場合、白癬菌に感染してしまう可能性があるのです。感染すると指のあいだや手のひらが赤く、皮がむけたような状態になります。多少のかゆみを伴うこともあります。
手白癬を発症した場合、外用薬と、必要に応じて内服薬で治療をしていきます。典型的な湿疹であれば、見た目で診断できますが、わかりにくい場合は顕微鏡で白癬菌を確認します。また、手白癬が手のひらや指のあいだだけでなく爪にも症状が出た場合は、完治するまでに時間を要するため、根気強く治療が必要となります。
手足口病
手足口病とは、その名の通り手のひらや足の裏、口の中に、中心が白く周囲に赤みのある発疹のできる病気のことです。最近は手足口に限らず、おしりやお腹などいろいろな場所に発疹が出るタイプも増えています。2歳以下の子どもに多く、特に1歳児の手足口病の発症率が高いといわれています。しかし、手足口病は子どもだけがかかる病気ではなく、子どもから大人にも感染します。発疹は痛みや痒みを伴うこともあります。
手足口病は特効薬がなく対症療法で症状を抑えていくのですが、水疱にかゆみを伴う場合は抗ビタミン剤でかゆみを抑えます。
汗疱
手のひらや手指、指の側縁・指背に突然小さな水疱がたくさんでき、その後水疱が破れて角質が皮膚からはがれ落ちる鱗屑になります。初夏に多く、手のひらに汗を多くかく人に発症しやすい特徴があります。通常かゆみを伴い、湿疹が悪化すると強いかゆみや痛みを生じることもあります。
ニッケルやクロムなどの金属アレルギーが関連して症状が重くなる人もいます。治療にはステロイドの外用薬を使用します。
砂かぶれ様皮膚炎(小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎)
砂かぶれ様皮膚炎とは、手のひらや足の裏に小さな湿疹がたくさんでき、砂にかぶれたように見えるためこのような病名がついています。生後6ヶ月から4歳頃に発症しやすく、最も多いのが1歳児での発症です。初めは手のひらや足の裏に細かい赤みのある湿疹がたくさんできるのですが、徐々に全体が真っ赤に腫れ上がったような状態となり、約4週間で自然の状態に戻ります。
原因はウイルス感染症の可能性が高く、微熱を伴うこともありますが、特に治療は行いません。かゆみが酷い場合には、ステロイド軟膏や抗アレルギー薬を使うのが良いでしょう。
手湿疹(主婦湿疹・進行性指掌角皮症)
いわゆる手荒れです。手湿疹は子どもが発症すると、かゆみに我慢できずかきむしってしまいより悪化してしまうケースが多くあります。手湿疹の症状は、指先や指の腹、手のひらや甲の赤みや乾燥、鱗屑です。丘疹がみられることもあります。
手湿疹は水仕事をする大人の病気と思われがちですが、アトピーの子どもも発症することがあります。治療は、保湿とステロイドの外用、抗アレルギー薬の内服を組み合わせて行います。
接触性皮膚炎
特に赤ちゃんは皮膚が弱いため、触れてしまった物の刺激で肌が荒れたり湿疹ができてしまったりすることもあります。シャンプーやハンドソープ、食べ物、石けんなどなんでも、赤ちゃんが触れることで手のひらに湿疹ができることがあります。
手掌紅斑
手掌紅斑(しゅしょうこうはん)とは、何らかの原因で手のひらが赤くなる状態で、特に手のひらの中でも親指の付け根や小指の付け根といった部分に現れることが多いです。
主な原因として肝臓機能の障害、妊娠、経口避妊薬の内服、アレルギーやアトピー皮膚炎による場合もあります。多くは肝臓機能の低下によりエストロゲンが分解されず、血中エストロゲン濃度が上昇することでおこります。原因疾患がある場合は、疾患に対する治療が行われます。
手のひらの湿疹が気になったら病院へ
かゆみがある
手のひらにかゆみがある場合は、かくことで皮膚のバリアが壊れ症状が悪化したり、傷口から細菌が入り二次感染を起こしたりすることもあります。子どもがよく手のひらをかいている場合は、手のひらに赤みや湿疹がないか確認しましょう。
炎症がある
子どもの手のひらに湿疹ができ炎症を起こしている場合は医療機関を受診しておくと安心です。手のひらの湿疹の原因に、感染症や免疫の疾患が隠れている可能性もあります。
アレルギーがある
アレルギー体質の子どもが発症しやすい、手湿疹や汗疱といった病気もあります。手のひらの湿疹が気になる場合は病院を受診するのが良いでしょう。
子どもの肌は敏感
乾燥肌やアレルギー体質など、子どものころから皮膚の病気に悩んでいる人も多くいます。手のひらの湿疹もそのひとつで、子どもが発している何らかの病気のサインかもしれません。単なる手のひらの赤みであることもありますが、気になることがあればすぐに医療機関を受診するのが良いでしょう。