子どもにできるブツブツした発疹の見分け方は?症状・原因・治療法・スキンケアはどうする?

赤ちゃんや子どもにみられる発疹は、赤く盛り上がったブツブツやじくじくしたものなど、症状はさまざまです。また、発熱や嘔吐・腹痛をともなうなど、ウイルスや細菌の感染によってみられる発疹もあるでしょう。ここでは、発疹があらわれたときにどのような原因が考えられるのか、治療法やスキンケアなど、子どもの発疹について紹介します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 子どもにできる発疹
  2. 赤くて小さいブツブツ「あせも」
  3. 発熱やかゆみと関係する発疹
  4. 発熱とあまり関係しない発疹
  5. 子どもに発疹がみられたら何科を受診する?
  6. 子どもに発疹がみられたときのスキンケア
  7. 子どもの病気おすすめ本
  8. 子どもがかゆがる場合は早めに受診しよう
  9. あわせて読みたい

子どもにできる発疹

子どもの発疹(ほっしん)とは、皮膚が赤くなる・ブツブツと赤い斑点(はんてん)ができる・ジクジクした水疱・かさつきなど、皮膚にトラブルがおこることを言います。皮膚の表面に炎症がおこる「湿疹」や、アレルギー・感染症などからおこる「蕁麻疹(じんましん)」も含めて「発疹」と言います。主に、細菌やウイルス・乾燥・炎症などが原因です。

子どもの皮膚のトラブルは、とても多いようです。湿疹のような皮膚のトラブルが続くものもあれば、発熱から発疹ができるという症状もあるでしょう。皮膚にできた発疹の原因はさまざまで、症状や状態によって診断名や治療法が変わってきます。

ここでは、子どもに発疹ができたときに、考えられる原因を紹介します。

赤くて小さいブツブツ「あせも」

あせもとは?

あせもとは、皮膚にかゆみをともなう、小さな赤いブツブツがあらわれることを言います。代謝の良い子どもによく見られる発疹のひとつで、小さいころに子どもが頻繁にあせもになったというママもいるでしょう。

あせもの原因は、皮膚の汗の出口がふさがれて、スムーズに汗が分泌されずに炎症がおこることです。特に汗をかきやすい、以下の部分に発症しやすいでしょう。

・おでこ(額)
・くびの辺り(頸部)
・背中
・お腹
・ひじの内側やひざの裏
・赤ちゃんはおむつで覆われている部分

あせも対策

あせもは、汗やよごれ・皮脂などで、汗の出口がふさがれることが原因でおこります。そのため、あせもの予防には、皮膚の清潔を保つことが大切とされています。

・汗をかいたらこまめに拭いたりシャワーを浴びる
・なるべく涼しくする

あせもを予防するために、汗をかいたら、身体を拭いたり着替えたりすることが予防につながります。木綿やガーゼの肌着は汗を吸いやすいので、汗を頻繁にかく季節におすすめです。

また、夏は適度にクーラーをつけることで、あせもを予防できるでしょう。夏にクーラーをかけると「子どもが自分の力で体温調節できなくなるのではないか」と心配するママも多いようです。しかし、近年の夏の暑さは子どもにとっても過酷です。昼間の気温が上がる時間帯や寝つくまでの時間に適度にクーラーをかけることで、子どものあせもだけでなく汗による不快感・熱中症も予防できます。

夏にベビーカーで出かける際は、保冷まくらなどを使用しても良いですね。

あせもの治療方法

あせもになったらまずは皮膚科や小児科を受診しましょう。医師の判断で、あせもが広がらないように患部を保護するものや、かゆみや炎症を抑えるための軟膏を処方してくれます。

あせもはかゆみをともなうので、知らず知らずのうちにかきむしることが多い発疹です。すると、そこから雑菌が入り、炎症が広がる「とびひ」になるおそれがあります。

子どもに、あせものような発疹がみられたら、迷わず病院を受診しましょう。

あせもになりやすい季節は?

あせもは、暑さが増して汗をかきやすい夏によく見られる症状です。特に真夏は、肌を清潔に保ち、スキンケアをしているつもりでも、いつのまにかあせもができているということが多いでしょう。

しかし、あせもは夏だけではなく、冬にもみられます。子どもは代謝が良く、遊んだり運動をしたりすると、汗だくになっていることが多いですよね。冬は寒いからと思い厚着をさせたり、寝るときに裏起毛(うらきもう)のパジャマを着せたりすると、暑がりな子どもほどあせもになりやすいようです。

もちろん、冬にあせもになるのを恐れ、薄着をさせて風邪をひかせてはいけません。そのため、特に季節の変わり目は、子どもの状態を観察しながら、肌に負担の少ない服装を選んであげられると良いですね。

「あせも」に関する体験談

第三子は4月生まれです。上にふたりの子どもがいると、母親の身動きがとりやすいように、第三子は首がすわったころからおんぶをしていました。

生後7ヶ月のころの11月。寒くなってきたので、第三子をおんぶしながら常にケープをかぶせていました。しばらくして、お腹に赤い発疹ができているのに気づきました。乾燥などからくる発疹かと思い、保湿をするのですが良くなるどころか、発疹が広がっていきます。

赤い発疹をかきむしるため、皮膚科を受診したところ「あせも」と診断されました。処方された薬を塗ると、みるみる発疹が治まり、適切な治療法が必要だったと反省しました。

また、寒い季節だからといって、過度な厚着をさせるとあせもの原因になるのだなと痛感しましたよ。

ままのて体験談

発熱やかゆみと関係する発疹

発熱を伴う発疹は、ウイルスや細菌による感染症が多いようです。

「発疹が出てから熱が出たか」「熱が出てから発疹が出たか」で診断が違うことがあります。発疹とともに発熱が見られたら、子どもの症状や経過をメモしておくと、受診をした際に詳しく診断してもらうことができますよ。

水疱瘡(みずぼうそう)

水疱瘡(みずぼうそう)は、「水痘帯状疱疹(すいほうたいじょうほうしん)ウイルス」という、ウイルスによって引きおこされる病気です。非常に感染力が強く、水疱瘡を発症すると、幼稚園や保育園などの集団生活は控えなければいけません。

最初は、風邪症状からはじまり、次第にポツポツと虫刺されのような赤く小さな発疹があらわれ、次第に水を含んだ発疹に変わります。主に、頭皮・顔、お尻・お腹にあらわれ、半日程度で全身に水疱が広がるでしょう。

38℃前後の発熱が2~3日続いたり、37℃程度の微熱が続いたりと、発熱には個人差があります。全身に広がった水疱は、2~3日かけて徐々にかさぶたになり、完治までは1週間~10日ほどかかるでしょう。

突発性発疹(とっぱつせいほっしん)

突発性発疹とは、発熱をともなう感染症で、90%の赤ちゃんが経験するといわれています。生後6〜12ヶ月までに発症することが多いようです。

高熱が下がると胸を中心に、お腹や背中に赤くて細かい発疹がプツプツと出てきます。2~3日は湿疹が目立ちますが、徐々に薄く消えていくでしょう。かゆみはあまりないとされていますが、発疹の出はじめは機嫌が悪くなる赤ちゃんが多いようです。

りんご病(伝染性紅斑)

りんご病とは、頬がりんごのように真っ赤になる病気で、正式名称は、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)と言います。

潜伏期間は2週間程度で、発疹が出る1週間~10日前から、発熱や身体のだるさがみられます。その後、両方の頬にぽつぽつと発疹があらわれて、次第に頬がリンゴのように真っ赤に盛り上がります。また、腕や足の外側にも、まだらな発疹があらわれることがあるようです。

発疹が発症した後は感染力はなくなり、1~2週間で自然と消えるでしょう。

川崎病

川崎病とは、高熱が出て2~3日たったころに、目の充血・口の中の粘膜が真っ赤になる・首のリンパが腫れるなどの症状とともに、全身にさまざまな大きさの赤い発疹が出る病気です。

2008年に行われた調査では、4歳以下の子どもに多く見られることがわかっています。川崎病は、まれに冠状動脈(かんじょうどうみゃく)障害といって、心臓の筋肉に栄養や酸素を運んでいる部分に異変をおこすことがあります。適切な治療をおこなうためにも、完治するまでは定期的に医療機関に通うことが大切ですよ。

麻疹(はしか)

麻疹(はしか)とは、はしかウイルスに感染して発症する伝染病です。人から人にうつり、感染力が非常に強いウイルスとされ、潜伏期間は10~12日程度とされています。

はしかウイルスに感染すると、熱や咳・鼻汁とともに、目の充血や口の粘膜が真っ赤に腫れ、口の中に白いブツブツとした斑点がみられます。同時に、耳の後ろから発疹があらわれて、全身に広がります。

発疹がみられてから3~4日経つと熱が治まると、発疹は黒ずんだ色に変わり、次第に治まっていくでしょう。

風疹

風疹(ふうしん)とは、発熱・発疹・リンパ節の腫れなどの症状があらわれるウイルス性の疾患です。乳幼児にかかることは比較的少なく、学童期の子どもによくみられる病気です。

軽い発熱とともに、顔や首に小さな赤い発疹があらわれ、次第に全身に広がります。発疹のでる1~2日前から発疹が完全に消えるまでは感染力があるので、集団生活は避けて自宅で安静にすることが大切です。

手足口病

手足口病は、ウイルスの感染により、口の中・手足などに、水疱性の発疹があらわれる病気です。夏に流行することが多く、集団感染がおこりやすい病気のひとつです。

感染してから、3~5日後に、口の中・手のひら・足の裏などに2~3cmの発疹がみられます。通常は、医師から処方された薬を飲むことで、数日間で治まるでしょう。しかし、まれに高熱が続き、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎などの合併症をおこすことがあるので注意が必要です。

溶連菌感染

溶連菌感染(ようれんきんかんせん)とは、高熱とともに舌が赤くなり、1~2日遅れて全身に発疹があらわれる病気です。

発疹は赤いブツブツしたもので、頬・首・胸・脇の下・内ももなど、全身に広がります。強いのどの痛みや腹痛がみられますが、咳や鼻水はほとんどありません。

発熱とあまり関係しない発疹

虫刺され

虫刺されは、とても多い皮膚炎のひとつです。虫に刺され、ポツと赤い斑点が見られることがほとんどです。蚊・ブヨ・ノミなど、身近にいる虫が原因のことが多く、いつのまにか虫に刺されていたということがほとんどでしょう。

虫が多く発生する時期は、虫よけなどを使いながら虫刺されを予防していきたいですね。

ヘルペス

ヘルペスは、口の中や皮膚などに発疹があらわれる感染症です。皮膚や口の中・唇などに水疱をつくります。また、ヘルペスの種類によっては、外性器に水疱ができて痛みをともないます。早期治療で症状が軽く済むことがほとんどなので、ヘルペスの症状が出たらできるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

口の中にできると、歯ぐきが赤く腫れて、よだれが増え、口の中が痛むので食欲がなくなることがあります。食事が摂れないことから、まれに脱水症状におちいり、入院が必要な場合があるので注意が必要です。口の中の水疱が痛むときは、刺激の少ないものを与えて、水分はこまめに与えましょう。

とびひ

とびひとは、細菌が原因で皮膚にトラブルがおこる感染症のひとつです。とびひになっている部分を触ると、他の皮膚にうつり、火事の「飛び火」のように広がることから、「とびひ」と言われています。

赤ちゃんや子どもの代表的な皮膚トラブルで、主に夏に見られることが多いようです。虫刺されやあせもがかゆくてかきむしり、細菌が感染することが原因で傷口炎症をおこします。

とびひになったら、きれいな皮膚の部分に広がる前に、皮膚科で適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

子どもに発疹がみられたら何科を受診する?

赤ちゃんや子どもに発疹がみられたら、一般的に皮膚科を受診します。皮膚のトラブルにはさまざまな要因があります。症状によって治療方法が変わることがあるので、発疹の専門的な知識がある皮膚科がおすすめです。

しかし、皮膚のトラブルと同時に、機嫌が悪い・発熱や嘔吐があるなどの、感染症による症状がみられたら、小児科を受診した方が良いでしょう。発疹の他に、咳や下痢、目の充血などがないか観察して、子どもの様子や変化を医師に伝えるようにしてください。

もし、受診した科の医師が他の科を受診した方が良いと判断をすれば、紹介状を書いてくれるなど、他の専門の科をすすめてくれるので安心してください。皮膚に発疹が出たときの原因やケアなど、気になることは医師に相談して、ママの不安を解消していきましょう。

子どもに発疹がみられたときのスキンケア

発疹がみられたときのスキンケア

赤ちゃんや子どもに発疹がみられた場合は、まずは皮膚科を受診することが大切です。発疹の状態によって治療内容が変わることがあるので、自己判断は控えて医師の指示に従いましょう。医師から処方された軟膏や薬を使い切ってくださいね。

また、子どもの発疹は、必要に応じて定期的に受診をすることが大切です。処方された薬を塗ってすぐに治ったとしても、再発を防ぐためにも、医師が大丈夫というまで皮膚の状態を診てもらうようにしましょう。

子どもに発疹があらわれると、ときには我慢ができないほどかゆみをともなうことがあるようです。子どもの皮膚にトラブルがみられたら、かゆがる様子を見過ごさないようにしましょう。

日ごろのスキンケア

あせもなど、子どもに多く見られる皮膚のトラブルは、汗が皮膚に残ることが原因とされています。そのため、汗をかいたら拭いたりシャワーを浴びるなど、できる範囲で日ごろから肌を清潔に保つようにしましょう。

また、肌トラブルを予防するためにも、日常的な保湿は重要とされています。入浴のときに子ども用の刺激の少ない石鹸をよく泡立てて身体を洗い、入浴後に、皮膚の乾燥を防ぐためにしっかりと保湿をしてあげましょう。

子どもの肌は、うるおいがあるようでも乾燥しがちで、皮膚のバリアが未熟です。清潔と保湿を心がけて、肌の健康状態を保ってあげられると良いですね。

子どもの病気おすすめ本

子どもの発疹は、ウイルスや細菌に感染しておこることもあります。子どもには、どのような病気が多くみられるのかを知ると、いざ発疹があらわれたときに冷静に対処できることもあるでしょう。ここでは、自宅に一冊置いておきたい、子どもの病気に関する本を紹介します。

出典:amzn.to
はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア
¥1,430〜(2020/07/22 時点)

出版社: 主婦の友社
ページ数: 191p

「0~6才 病気とホームケア」は、子どもの病気が写真付きで解説されているので、初めて育児をするパパやママにもわかりやすい内容です。就学児までの子どもの病状が紹介され、いざというときに頼りになる一冊になるでしょう。

病気ややホームケアのコツ・病気のときの写真・年齢別の体格・視力に関すること・歯ならびまで、子どもの身体が網羅されています。

赤ちゃんと子どもの病気とホームケア
¥1,430〜(2020/07/22 時点)

発行元:学研パブリッシング
ページ数:249p

「赤ちゃんと子どもの病気とホームケア」は、赤ちゃんと子どもの病状だけではなく、薬の効果や薬の使い方まで幅広く紹介されている一冊です。赤ちゃんや子どもの症状から、どのような病気が考えられるか調べることができるチェックシート付なので、子どもの症状にあわせていざというときの対処の参考になります。

また、ホームケアが詳しく書かれているので、医療機関を受診しようか迷うときや、夜間や休日に頼りになりますよ。

子どもがかゆがる場合は早めに受診しよう

赤ちゃんや子どもの皮膚トラブルでもある発疹には、さまざまな原因があります。発熱がある、また、発疹が徐々に広がるようであれば、自己判断でのケアは避けて、皮膚科や小児科を受診しましょう。

子どもの発疹は、大人が思っている以上にかゆみをともなうものが多いようです。かきむしって傷をつくったり炎症をおこしたりする前に、適切な処置をしてあげましょう。また、日ごろから皮膚の清潔を保ち、保湿をしてあげることで、子どもの肌の健康を守ってあげられると良いですね。

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