【体験談あり】赤ちゃんの斜視の種類、見分け方、原因、治療法を紹介!検査内容は?手術は必要?

赤ちゃんの斜視には注意が必要だといわれますが、どのように見分ければ良いのでしょうか。ここでは、赤ちゃんの斜視の種類や原因、検査内容、治療法を紹介します。赤ちゃんの斜視は放置すると弱視を引き起こすこともあるので、早期発見・早期治療が重要です。赤ちゃんの目の動きで気になることがあれば、早めに医師に相談しましょう。

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この記事の監修

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小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 赤ちゃんの斜視とは?
  2. 赤ちゃんの斜視の見分け方
  3. 赤ちゃんの斜視の原因は?
  4. 赤ちゃんの斜視の検査は?
  5. 赤ちゃんの斜視の治療法!手術は必要?
  6. 赤ちゃんの斜視を放置するとどうなるの?
  7. 斜視が疑われる症状があれば、すぐに受診しよう
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赤ちゃんの斜視とは?

斜視とは?

人の目は、通常右目も左目も視線がそろっているものです。右目と左目の視線にズレがある状態を「斜視」といいます。ただし、寝起きなどに視線がズレる程度で、普段はズレがないようなら問題はないようです。

普段は両目とも視線はそろっているものの、片目ずつ調べると視線にズレがある状態を「斜位」といいます。ほとんどの人に軽度の斜位があるといわれているので、これも心配する必要はないでしょう。

赤ちゃんの斜視の種類

斜視は子どもの約2%に起こるといわれている、小児眼科の代表的な病気のひとつです。赤ちゃんや子どもの斜視の種類には、以下のようなものがあります。

・外斜視 ズレているほうの目が外側を向いている斜視
・内斜視 ズレているほうの目が内側を向いている斜視
・上斜視 ズレているほうの目が上側を向いている斜視
・下斜視 ズレているほうの目が下側を向いている斜視

内斜視のうち、生後1ヶ月頃から生後6ヶ月頃に発症するものを「乳児内斜視(先天性内斜視)」といい、生後6ヶ月以降に発症する内斜視を「後天性内斜視」といいます。後天性内斜視の中でも遠視が原因で起こる「調節性内斜視」は、1歳6ヶ月頃から3歳頃に発症することが多いでしょう。

赤ちゃんに斜視が多いといわれる理由は?

新生児は目を動かす筋肉や視力が未発達なので、両目の視線が安定せず斜視が疑われることが多くあり、そのため赤ちゃんには斜視が多いといわれています。また子どもはもともと遠視気味なので、遠視の程度が強いことで調節性内斜視になる可能性があります。

赤ちゃんの斜視の見分け方

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新生児の場合、目を動かす筋肉や視力が未発達なので、両目の視線が安定せず、目の動きがおかしな状態でも問題ないことが多いようです。生後2~3ヶ月頃になると視力が発達し、ものを目で追う「追視」が徐々にできるようになるため、目の動きや位置も安定していくでしょう。

ただし、未熟児で生まれた赤ちゃんの場合、視線が安定するのに時間がかかることがあります。さらに、赤ちゃんは顔立ちがまだはっきりしておらず、鼻の根元の部分が低くて広いことから、内斜視でなくても内斜視のように見えることがあります。これを「偽斜視」といいますが、斜視ではないので治療の必要はありません。

新生児の場合、上記のような目の筋肉の未発達や偽斜視の影響で、斜視の判断をすることは難しいものです。そのため、生後1ヶ月を過ぎてから、乳児内斜視(先天内斜視)と診断されるケースが多いのでしょう。

斜視は3歳児健診の視力検査によって発見されることもあります。自治体によって検査方法は異なりますが、3歳児健診の視力検査は家庭で行うことも少なくありません。正しい方法で測定を行い、異変があれば専門医に相談するようにしましょう。斜視の改善には早期発見・早期治療が重要です。

赤ちゃんの斜視の原因は?

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眼球を動かす筋肉や神経の異常

眼球を動かす筋肉や神経に異常があると、眼球を正常に動かすことができなくなります。異常によって目の位置がズレて斜視になるのです。斜視の原因のほとんどは、この眼球を動かす筋肉や神経の異常か遠視によるものだといわれています。

遠視

人は近くのものを見るときに、目のピントを合わせるための調節を行っています。この調節によって眼球が内側に寄るのです。遠視の場合、強く調節をしないとものが見えないため、目が内側に強く寄って内斜視となることがあります。これを「調節性内斜視」と呼びます。

目・脳・全身の病気

目や脳、全身の病気が原因で斜視を引き起こすこともあります。遺伝や脳の異常などによって生まれつき両眼視ができないと、両目の視線がバラバラになってしまうのです。両眼視とは、両目で見たものを脳でひとつにまとめることをいいます。

病気やケガ

病気やケガなどの影響で片目の視力が低下すると、両眼視ができなくなってしまい、斜視になることがあります。病気やケガによる視力低下が原因の場合、外斜視になることが多いようです。

赤ちゃんの斜視の検査は?

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検査ができる場所

赤ちゃんの斜視の検査は眼科や小児眼科で行います。斜視や弱視の治療の専門家である、視能訓練士の在籍している病院を選んでも良いですね。

検査内容

斜視の検査では、主に以下のようなことが行われます。

・視力検査
小さな子どもの場合、大人の視力検査に使うランドルト環(アルファベットのCに似たマーク)ではなく、ちょうちょなどの絵が使われることがあります。

・屈折検査
遠視や近視、乱視の度合いをチェックする検査です。調節麻痺薬を使い、眼球の調節機能を停止して検査を行うケースもあります。

・眼位調査
左右の目の動きが合っているか確認する検査です。左右の目の動きにズレがある場合、ズレの角度も測ります。

・眼球運動検査
目がスムーズに動いているか調べる検査です。

・両眼視の検査
両方の目でひとつのものを正常に見ることができているか確認します。偏光レンズという特殊なメガネを使い、絵が浮き上がって見えるかチェックするなどして検査が行われるようです。

斜視の原因を調べるため、全身検査やMRI検査が行われることもあります。

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両眼視の検査は小さな子どもには難しいようです

子どもが重度の遠視で眼科に通院していますが、毎回斜視の症状が出ていないか検査を行っています。視力検査や眼位調査、眼球運動調査は慣れてきたこともあり上手にこなせるのですが、両眼視の検査がどうしても難しいようです。

子どもが行っているのは、特殊なメガネをかけた状態で虫の絵を見て、浮き上がって見えるはずの羽根をつかむテストです。「羽根をつかんで」という指示を受けているからか、指先に何かが触れる感覚がないことが納得できないらしく、毎回絵をべったりと触ってしまいます。

まだ4歳なので先生も「よくわからないね」と首をかしげて検査を終えていますが、両眼視ができているのかわからない状態に、親としては少しやきもきしています。

検査費用

斜視の検査費用は、初診の場合5,000円程度が目安となります。ただし、自治体によっては乳幼児医療費助成制度を設けているため、赤ちゃんの斜視検査は無料で受けられるかもしれません。

赤ちゃんの斜視の治療法!手術は必要?

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斜視の治療は、主に以下の方法で行われます。

メガネ

機能性内斜視の場合、原因となる遠視の程度によって最適なメガネをかけることで治療を行います。斜視や弱視の治療用メガネの場合、健康保険組合や国から一部費用が助成されているので、ぜひ利用するようにしましょう。

アイパッチ

斜視の治療では、両目の視力を伸ばすことが重要です。メガネだけでは視力が十分に伸びない場合、視力が良いほうの目にアイパッチという眼帯のようなものを1日数時間つける治療が行われることがあります。アイパッチによって視力の悪いほうの目を強制的に使わせ、視力を伸ばすのだそうです。

病院での訓練

病院に通院しながら、視能訓練を受けることもあります。病院の訓練だけでなく、自宅での訓練の指導が行われるケースもあるようです。

手術

斜視の種類や程度、治療を始める年齢によっては、手術が行われることもあります。手術は短時間で終わりますが、何度か手術を繰り返すケースも珍しくありません。手術は点眼麻酔で痛みなく行うことが可能ですが、小さな子どもの場合は暴れる可能性があるので、全身麻酔を行うことが多いようです。

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遠視の治療でメガネとアイパッチを続けています

娘は斜視はありませんが、遠視が強いためメガネを作ることになりました。子どもの矯正メガネの費用は高額ですが、国や健康保険組合から補助が出たので、自己負担はほとんどありませんでした。しかし、メガネだけの治療を1ヶ月続けてもほとんど効果がなかったため、加えてアイパッチによる治療が始まりました。

周囲から光が入らないように、アイパッチはばんそうこうのように粘着面で固定します。そのため、粘着面に触れる皮膚がかぶれてしまい、真っ赤になってしまいました。しかし、かぶれるからといって治療をやめては視力が伸びないので、アイパッチをはがした後にワセリンで保湿しています。

アイパッチを続けて4ヶ月ほどになりますが、皮膚が少しずつ強くなってきたのか、当初のようにかぶれることは少なくなりました。しかし、長時間アイパッチを貼っていると、やはり赤く跡が残ってしまいます。アイパッチを剥がす痛みに泣いてしまう娘を見るのはつらいですが、視力は徐々に伸びているので続けて良かったです。

斜視の治療は、両目の視力を伸ばして目の位置をまっすぐにし、両眼視機能を培うことを目的としています。しかし、早期に治療を始めたとしても、両眼視機能が発達しない可能性もあることを頭に入れておきましょう。治療には時間がかかるため、根気よくつき合っていくことも大切です。

赤ちゃんの斜視を放置するとどうなるの?

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斜視は早期発見・早期治療が重要だといわれている病気です。とくに乳幼児期は視覚が著しく発達する時期なので、斜視を放置することで両眼視機能が発達せず、弱視になることがあります。弱視とは、視力の発達がさまたげられることで、メガネやコンタクトレンズをつけても視力が出ない目のことをいいます。

たとえば、裸眼時の視力が0.1程度でも、メガネをかけていれば1.0程度視力が出れば弱視とはいいません。メガネをかけても視力が0.1程度のままだというのが弱視です。

斜視になると、ものが二重に見えたりズレている目の視界がぼやけたりすることで、無意識のうちにズレている目を使わなくなることがあります。それによって視力の発達がさまたげられ、弱視になるのです。

弱視が改善するかどうかは、治療を始める時期や弱視の原因などによって異なります。3歳頃までに治療を開始すると改善する可能性が高いといわれているので、3歳児健診での視力検査を怠らないようにしましょう。

「まだ3歳だからできなくても仕方ない」「普段見えづらそうにしていないから大丈夫」と自己判断するのは危険です。発見が遅れるほど、治療の効果が最大限受けられなくなる可能性があるため、少しでも気になることがあれば専門医に相談するようにしましょう。症状が落ち着いたからといって、自己判断で治療をやめるのも控えてくださいね。

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3歳児健診で視力の異常に気づくことができました

娘の3歳児健診での視力検査を自宅で行ったところ、右目はしっかり見えているのに左目がほとんど見えていないことがわかりました。まだ幼いこともあり、検査に集中できていないのだと思っていたのですが、日を変えて何度試しても見えなかったので本当に見えていないのだと気づいたのです。

私自身子どものころ重度の遠視で治療用メガネをかけて生活をしていたので、娘も遠視かもしれないと思いいたりました。近くの眼科で診断してもらったところ、やはり重度の遠視とのことでした。治療が早く始められたおかげか、定期検診のたびに視力の成長が見られます。3歳児健診がなければ、異変には気づけなかったでしょう。

斜視が疑われる症状があれば、すぐに受診しよう

赤ちゃんや小さな子どもは、斜視の症状を自分から伝えることはほとんどありません。順応性の高い時期なので、見えない世界にも慣れてしまうものです。子どもの様子をきちんと親がチェックし、異変があれば病院へ連れていくことが大切でしょう。

・ぼーっとしている子どもの視線が左右でズレている
・横目でものを見ている
・対して強くない光に対しても、目を細めて眩しがる
・首をかしげたり、あごをあげたりしてものを見ている

上記の症状に当てはまるものがあれば、一度専門医に相談してみることをおすすめします。早期に適切な治療を受けることで、治療の効果を十分に得られる可能性が高まるはずですよ。

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