ヘルパンギーナの症状や治療法は?大人にも感染する?食事やお風呂はどうするの?

ヘルパンギーナは夏に流行する感染症です。子どもへの感染が非常に多く、夏の三大風邪とも呼ばれています。ヘルパンギーナでは、どのような症状が出るのでしょうか。大人にも感染するケースはあるのでしょうか。ここでは、ヘルパンギーナに感染した場合の治療法や過ごし方について詳しく解説します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. ヘルパンギーナとは?いつ流行する?
  2. ヘルパンギーナの症状や潜伏期間は?
  3. ヘルパンギーナの原因やウイルスの感染経路は?
  4. ヘルパンギーナは大人にもうつる?
  5. ヘルパンギーナの治療法は?
  6. ヘルパンギーナになったら食事やお風呂は?
  7. ヘルパンギーナのウイルス感染を予防するには?
  8. ヘルパンギーナは冬でも感染する?
  9. ヘルパンギーナは予防に努めることが大切
  10. あわせて読みたい

ヘルパンギーナとは?いつ流行する?

ヘルパンギーナは夏に、子どもを中心に流行しやすい感染症です。その年によりますが、一般的に5月ごろから患者数が増え始め、7月ごろにピークを迎えるとされています。8月以降に患者数が徐々に落ち着き始めるようです。

ヘルパンギーナの症状や潜伏期間は?

ヘルパンギーナに感染してから、回復するまでにはどのような症状や病状が見られるのでしょうか。

潜伏期

ヘルパンギーナの潜伏期間は平均2~4日とされています。感染してから発症までの潜伏期間内では、特にこれといった症状や前兆などはありません。同じ時期に手足口病などが流行しがちですが、ヘルパンギーナの場合には発疹や湿疹などは特に見られません。

発症期

潜伏期を過ぎると39℃以上の高熱を出し、その熱が2~3日続くことが多いでしょう。頭痛や身体全体のだるさ、節々の痛みなどを訴えることもあります。場合によっては、嘔吐や下痢などの症状が起こることもあるようです。

ヘルパンギーナの大きな特徴は喉や口腔内の炎症を起こすことです。喉が赤く腫れてひどく痛むなどの症状が現れ、喉の奥や口の周りに、直径1~5mm程度の赤くプツプツとした水泡ができます。この水泡がつぶれるとさらに痛みが増し、食事はもちろんのこと、水や唾液すらも飲み込むのがつらくなってしまうことがあります。

回復期

2~3日高熱が続いた後は自然と熱が下がり、症状も1週間ほどで治まるとされています。ただし、症状が治まっても身体の中にはウイルスが残っている状態が続いています。感染から3週間ほどは二次感染の可能性があるため、十分に注意が必要です。

ヘルパンギーナの原因やウイルスの感染経路は?

ヘルパンギーナは、コクサッキーA群ウイルスやコクサッキーウイルスB群ウイルス、エコーウイルスなどが原因で起こる感染症です。主な感染経路は次のとおりです。

飛沫感染

ヘルパンギーナの主な感染経路は、くしゃみや咳による飛沫感染です。特に喉の水泡の中に含まれるウイルスは感染力が強いため、注意が必要です。

接触感染

ヘルパンギーナの感染原因となるウイルスは、感染者の便や鼻水、口腔内の水泡の中にも含まれています。鼻水がついた手で触ったものをほかの子どもが触ったり、舐めたおもちゃを口にしたりといった行為で接触感染してしまうこともありえます。

ヘルパンギーナは大人にもうつる?

大人にも感染する

ヘルパンギーナは子どもに多いとされていますが、大人であってもうつる可能性は十分にあります。さらに、大人の場合には子どもよりも症状が重症化しやすい場合もあるのです。ヘルパンギーナにかかった子どもの看病疲れで免疫力が落ちているパパママは、特に注意が必要ですね。

症状が治まるまで出社は控えて

働いているママやパパにとって、ヘルパンギーナにかかったら出社できるのかどうかは気になるところですよね。ヘルパンギーナは、特に出社停止となる伝染病に指定されていません。そのため、ヘルパンギーナにかかった場合であっても、出社してはいけないということはありません。

しかし、ヘルパンギーナは非常に感染力が強く、二次感染の可能性が非常に高い感染症です。感染を拡大させないために、熱が下がったとしても症状が治まるまでのあいだは出社を控えたほうが賢明です。

妊娠中は注意が必要

妊婦は一般的に抵抗力が弱く、感染症のリスクがより高いといえます。ヘルパンギーナにもかかりやすい傾向にあるため、注意が必要です。

妊娠中にヘルパンギーナにかかったとしても、お腹の中の赤ちゃんに影響を与えることはないとされています。しかし、高熱が出るなどといった症状は、妊婦の身体には負担になると考えられます。

ヘルパンギーナの治療法は?

処方される薬の種類

ウイルス性の感染症であるヘルパンギーナには、残念ながら抗生物質は効かず、特効薬もありません。そのため、病院では、熱を下げるための薬や、喉の痛みや炎症を抑えるための薬が処方される対処療法が一般的です。

自宅で療養

ヘルパンギーナにかかっても、熱が引けば次第に症状も治まっていきます。医師と相談の上、症状が重症化していない場合には、症状がなくなるまでのあいだ、自宅でゆっくりと療養するようにしましょう。

夏場は暑さによって特に脱水症状を引き起こしやすい状況にあります。自宅で療養をする際には脱水症状に注意し、水分補給を心がけましょう。

ヘルパンギーナになったら食事やお風呂は?

喉に優しい食事を

ヘルパンギーナにかかると喉に炎症を起こし、食事が難しくなってしまいます。塩気の強いものは喉への刺激となるほか、炎症を悪化させてしまう場合もあります。

やわらかく煮て薄く味つけしたうどんなど、喉に負担をかけない食事を中心とするのがおすすめです。冷やした豆腐やゼリーなども、喉に優しいメニューです。喉の痛みから水分補給が難しいときは、アイスクリームや氷菓子などを口にするなど、少しずつ水分を摂っても良いですね。

体力をみて入浴する

ヘルパンギーナにかかっても、熱が引き症状が落ち着いたころに、体力を見て入浴する分には問題はありません。しかし、ヘルパンギーナでは高熱や喉の痛みといった症状が起こり、体力の消耗も非常に激しいものです。発熱中や喉に水泡があるなどの症状が見られるあいだは、入浴を控えておくと安心です。

ヘルパンギーナのウイルス感染を予防するには?

手洗い、うがいをしっかりと

ヘルパンギーナには特別な予防薬がないため、予防接種などで感染を防ぐことはできません。飛沫感染や接触感染が主なので、日ごろの手洗いやうがいは効果的です。周囲にくしゃみや咳などをしている人がいる場合は、マスクなどで予防することも大切ですね。

子どもの排泄物にも注意

ヘルパンギーナに感染した子どもの便には、感染源となるウイルスが含まれています。おむつ替えをした後には必ず石鹸で手洗いをするなどの対処をし、それ以上ウイルス感染を起こさないようにすることが大切です。

おむつ替えシートにもウイルスがついている場合があります。アルコール除菌シートなどを使って消毒をすることも、感染予防につながりますよ。

ヘルパンギーナは冬でも感染する?

夏の三大風邪とも呼ばれ、夏に感染者のピークを迎えるヘルパンギーナは、冬の感染者数はほとんど報告されていません。これは、ヘルパンギーナの感染原因となるウイルスが、あたたかくじめじめとした空気を好むことに起因しています。

しかし、冬に絶対にヘルパンギーナにかからないというわけではありません。感染数や規模は小さくとも、ヘルパンギーナにかかる可能性はあります。疑わしい症状が現れた場合にはすぐに受診しましょう。

ヘルパンギーナは予防に努めることが大切

ヘルパンギーナは、子どもの夏風邪として非常に流行しやすい感染症です。高熱や強い喉の痛みなど、つらい症状を引き起こして体力を奪ってしまうため、夏の季節には注意が必要です。保育園や幼稚園に通っている子どもは特に感染しやすい傾向にあるため、日ごろから手洗いやうがいを行って予防しましょう。

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