赤ちゃん・新生児の咳の原因!鼻水・吐くときの対処法は?病院に行く目安は?

「赤ちゃんの咳が止まらない」「ケンケンと変な咳をしている」など、新生児や赤ちゃんが咳をするととても心配になりますよね。咳にもいくつか原因があり、一時的なものからすぐに病院に行く必要があるものなどさまざまです。ここでは、新生児や赤ちゃんの咳の原因や考えられる病気、自宅での対処法、病院にかかるときの目安をお伝えします。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 新生児や赤ちゃんの咳が出る仕組み
  2. 赤ちゃんの咳の原因
  3. 赤ちゃんの咳の音をチェックしよう!
  4. 赤ちゃんの咳で疑われる病気
  5. 赤ちゃんの咳!鼻水・嘔吐の症状別の対処法
  6. 赤ちゃんの咳で病院に行く目安
  7. 赤ちゃんの咳をやわらげる薬はあるの?
  8. 新生児・赤ちゃんが咳をしているときにお風呂に入って良い?
  9. 日ごろからの備えや習慣が大事
  10. あわせて読みたい

新生児や赤ちゃんの咳が出る仕組み

咳は、口や鼻から入ったほこりなどの異物を身体の外に出そうとする防御反応です。そのため、新生児を含めた赤ちゃんが咳をすることは何も不思議なことではなく、たまに咳をする程度であればあまり心配はいりません。しかし、新生児や赤ちゃんの咳がなかなか治らない場合や、咳込んでしまい眠れない場合は受診しましょう。

赤ちゃんの咳の原因

赤ちゃんが咳をする原因には、次のことが考えられます。

日常生活の刺激

赤ちゃんの身体は敏感なので、ささいな刺激でも咳が出ます。たとえば、暖かい室内から外に出たときなど、冷たい空気を吸い込むだけで咳込みます。

部屋や寝具のほこり、タバコの煙、授乳のときに多くのミルクや母乳を飲みこんだことが咳につながることもあります。新生児や赤ちゃんの咳が気になる場合は、部屋をこまめに掃除する、タバコを控えるなど、原因を取り除いてあげましょう。

ウイルスや細菌

ウイルスや細菌などの病原体が原因で鼻水が出たり、喉が刺激に敏感になったり、肺の炎症が起こったりすると咳が出ます。風邪のケースが多いですが、百日咳や急性気管支炎(ヒトメタニューモウイルス、RSウイルスなど)、肺炎などの疑いもあります。赤ちゃんに熱がなくても咳が長引く場合は受診しましょう。

アレルギー

赤ちゃんや子どもに多い気管支ぜんそくは、部屋のほこりやダニ、カビ、花粉、動物の毛などのアレルゲンが原因となることが多いものです。アレルゲンによって気管支の粘膜が炎症し、発作のような咳や呼吸困難を起こします。

空気の通り道が狭くなるので、ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音が特徴です。鼻水や鼻づまり、目のかゆみがみられることもあります。アレルギーを疑う場合には、大発作が起こる前に小児科を受診しておくことが大切です。

そのほか

赤ちゃんが硬貨やピーナッツなどを誤って飲みこんで気管に詰まらせたことで、激しくせき込むことがあります。赤ちゃんが落ちているものを飲みこんでしまうことがないように、赤ちゃんの手の届くところに、口に入るくらいの小さいものを置かないようにしましょう。

万が一、赤ちゃんがものを飲みこんで激しく咳き込んだときには、背中を強くたたいたり、みぞおちを圧迫したりして吐かせます。目の焦点が合わない、唇が紫色になるなど、明らかに異常がみられる場合は、夜間であっても大至急病院に行きましょう。

赤ちゃんの咳の音をチェックしよう!

赤ちゃんは自分で症状を伝えられないため、パパやママが咳の音やほかの症状をしっかり確認しておくことが必要です。乾いた咳、痰が絡んだ咳、ゼーゼーをともなう咳など、咳の音と種類をチェックしましょう。咳の種類が変わったら、いつからどのように変わったのかも説明できるようにメモしておきます。

診察時に赤ちゃんが咳をするとは限りません。たとえば、夜間にしか咳が出ないというケースもあります。もし余裕があれば咳きこんでいる状態を動画に撮り、診察時に診てもらうようにしましょう。

コンコンという咳

コンコンという咳は風邪のひき始めの可能性が高いようです。赤ちゃんが比較的元気で機嫌が良く、熱がないようであれば、少し様子を見ても良いでしょう。しかし、熱がなくても咳が長引く場合は別の病気の疑いがあります。

ゴホンゴホンという咳

赤ちゃんのゴホンゴホンという湿った咳は、痰をともなう場合にみられます。風邪が長引くことなどで、気管支が炎症を起こしている可能性があります。熱や鼻づまりなどのほかに気になる症状を確認し、早めに受診しましょう。

ケンケンという咳

ケンケンという特徴的な咳や、オットセイの鳴き声のような変な咳がみられる場合は、クループ(急性喉頭炎)の可能性があります。赤ちゃんの呼吸が苦しそうなときや、唇や手足の先が青紫色になっている場合(チアノーゼ)には、すぐに病院に連れていきましょう。

咳の音以外のチェック項目

咳の音以外にチェックしておきたい項目は次の通りです。いずれも診断を的確にするための材料になります。赤ちゃんに症状が出始めたらメモをとり、病院に持参しましょう。

1.咳が出始めてからどのくらい経つか
長期的な咳は、百日咳やマイコプラズマによるものが考えられます。咳の期間がわかると、ぜんそくの可能性が高いなど、病気を特定しやすくなります。

2.咳が出る時間帯
1日のうちで咳が出るのはどの時間帯なのか、何をしているときかを把握しておきましょう。病気なのかアレルギー性なのかを見極めやすくなります。

3.咳以外の症状
ほかに目立った症状がないか確認しましょう。

・鼻水が多い
・発熱
・嘔吐・下痢
・ゼイゼイした音が聞こえる
・胸を痛がる
・目やにが多い
・呼吸が荒い
・顔色が悪い など

赤ちゃんの咳で疑われる病気

赤ちゃんが咳をしているときは、次の病気の疑いがあります。症状をよく確認してみましょう。

風邪

風邪とは、ウイルス感染によって鼻、のど、気管が炎症を起こすことで、医学的にはかぜ症候群と呼ばれています。通常は安静に過ごしていれば自然に体力が回復し、3~4日で治ることが多いものです。

しかし、月齢が低い赤ちゃんは抵抗力が弱いため、場合によっては症状が悪化したり合併症を起こしたりすることがあります。赤ちゃんに異変を感じたら病院を受診しましょう。

細気管支炎(さいきかんしえん)

気管支は肺の中で細かく枝分かれしており、細気管支はその先端部分にあたります。細気管支にRSウイルスなどの病原体が侵入し、細気管支の粘膜に炎症を起こす病気が細気管支炎です。

風邪のような症状から始まり、数日すると激しい咳がみられ、呼吸が早くなります。赤ちゃんに呼吸困難や唇や手足が青紫色になる症状(チアノーゼ)が現れたら、夜間や休日でも至急医療機関にかかるようにしましょう。特に赤ちゃんの場合は入院治療が行われることが多いようです。

肺炎

肺炎とは、風邪などの症状が悪化し、病原体が赤ちゃんの肺に入り込むことで炎症を起こす病気です。肺炎を起こす病原体は3つに大別できます。

1.細菌性肺炎 (肺炎球菌、連鎖球菌など)
2.ウイルス性肺炎 (ヒトメタニューモウイルスやRSウイルスなど)
3.マイコプラズマ肺炎 (マイコプラズマ)

原因によって症状は異なりますが、一般的に細菌性肺炎やアデノウイルスによる肺炎は重症化しやすいといわれています。激しい咳、発熱、鼻水、息苦しさなどがみられ、呼吸困難になることもあります。赤ちゃんの顔色が悪く、呼吸が荒い場合は病院で診てもらいましょう。

急性喉頭炎(クループ)

ウイルスに感染して赤ちゃんの喉頭部(のどの奥)が炎症を起こし、咳や呼吸困難になることを急性喉頭炎(クループ)と呼びます。生後3ヶ月頃から幼児期までにみられる病気です。

急性喉頭炎に感染したら、喉頭部が腫れて空気の通り道が狭くなります。結果として赤ちゃんの声が出にくくなる、呼吸がしづらくなる、母乳やミルクが飲めない、オットセイの鳴き声やケンケンといった変な咳がみられます。

急性喉頭炎にかかると発熱することが多いですが、熱が出ないこともあるので注意しましょう。軽症の場合、安静にしていれば2~3日で良くなることがあります。重症の場合は呼吸困難や唇や手足が青紫色になる症状(チアノーゼ)がみられます。赤ちゃんの命に関わるおそれがあるので、夜間でも病院に連れていきましょう。

百日咳(ひゃくにちぜき)

百日咳は百日咳菌に感染すると発症し、激しい咳が約2ヶ月近く続く病気です。現在では四種混合ワクチン(または三種混合ワクチン)で予防できますが、予防接種前の赤ちゃんであれば感染することがあります。特に百日咳菌の免疫は、ママから赤ちゃんに受け継がれることはあまりなく、新生児でもかかる可能性があるので、注意が必要です

百日咳にかかると、最初はくしゃみや咳など風邪の症状がみられ、数日たっても治まらずに症状が重くなります。息苦しくなったり、発作のように咳が出たり、けいれんを起こしたりします。肺炎や脳炎、中耳炎などの合併症を起こすおそれも考えられます。

赤ちゃんに発熱の症状がないため、軽い風邪と思ううちに症状が進行してしまいます。赤ちゃんに熱がなくても咳が治らない場合は受診しましょう。赤ちゃんは重症になる可能性があり、入院をすすめられることもあります。

ぜんそく様気管支炎

気管支ぜんそくに比べて症状が軽く、明確にぜんそくといい切れない場合にぜんそく様気管支炎と呼ばれます。代表的な症状は、咳や呼吸時のゼイゼイ音です。

ぜんそく様気管支炎は、赤ちゃんが風邪をひいたり冷たい風にあたったりすることで気管支の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなることで引き起こされます。特に夜や明け方にひどくなります。

年齢とともに気管支の粘膜が丈夫になるため、小学生になるとみられなくなることが多いです。しかし、ぜんそくに移行する子どもは珍しくないので注意しましょう。

赤ちゃんの咳!鼻水・嘔吐の症状別の対処法

具体的な咳の対処法について症状別に見ていきましょう。

咳と鼻水がひどいとき

鼻水が赤ちゃんの喉に入ってしまうことで咳が出ることがあります。こまめに拭き取ったり鼻水吸引器を使ったりして取り除いてあげましょう。

咳も鼻水も湿度をあげることで症状が和らぐことがあります。加湿器を使ったりお湯を沸かしたりして部屋の湿度をあげましょう。湯気が立ったバスルームで赤ちゃんを縦抱きしながらしばらく過ごすという方法もあります。

また、赤ちゃんが咳込んでいるときは姿勢を変えるだけで楽になることがあります。赤ちゃんの上半身が高くなるよう、寝ているときは背中に座布団を当てて寝かせたり、横向きにして背中をさすったりとさまざまな方法を試しましょう。

赤ちゃんが吐く!咳と嘔吐があるとき

赤ちゃんの胃の形状は特殊であるため、咳の勢いで吐くことがあります。赤ちゃんの咳が出にくくなるよう、湿度をあげる、上半身を高くするなどの方法を試しましょう。

赤ちゃんに大量の嘔吐や下痢がみられるときは感染性胃腸炎(いわゆる胃腸風邪)などの可能性があるため、早めに病院で診てもらいましょう。吐しゃ物や便に触れると感染するおそれがあるので、パパやママも手洗いを徹底してください。

咳と熱があるとき

咳と熱があっても、食欲があって元気にしていれば自宅で様子を見ても良いでしょう。しかし、新生児~生後4ヶ月頃の赤ちゃんの場合は免疫や体力が少なく、すぐに重症化するおそれがあります。元気そうにしていても、早めに病院に連れていきましょう。

発熱時のホームケアのポイントは次のふたつです。

・体温調節
熱の上がり始めは寒気があるので、服や布団を1枚増やします。湯たんぽやあんかを使用するのもおすすめです。熱がピークを迎えて下がっていくときには身体がほてるので、服や布団を1枚減らします。

・水分摂取
特に熱の下がり始めは、発熱によって汗の量が多くなります。脱水症状を予防するためにこまめな水分補給を心がけましょう。一度に大量に与えると、赤ちゃんがむせやすいので注意しましょう。

赤ちゃんの咳で病院に行く目安

咳で授乳や睡眠に影響が出ているとき

あまりにも赤ちゃんの咳が激しく、授乳や睡眠に影響がみられるときは、呼吸器の病気や感染症の疑いがあります。睡眠不足や栄養不足は体力低下を招くため、早めに病院を受診しましょう。赤ちゃんの授乳の回数や睡眠時間を記録したものを持参すると、スムーズに診察できます。

咳が長く続くとき

赤ちゃんの軽い風邪による咳は、通常2~3日で良くなることが多いですが、さらに咳が続く場合は百日咳や気管支ぜんそくなどの別の病気の疑いがあります。いずれの場合も早めに医師に相談することが重要です。熱がない場合でも病院を受診しましょう。

咳のほかの症状が伴うとき

咳のほかにも、赤ちゃんに次の症状があるときは早めに病院を受診しましょう。

・横になると苦しがる
・咳がひどくて眠れない、授乳がしづらい
・痰や色が濃い鼻水が多い
・声が枯れている

特に、赤ちゃんに下記のような症状があらわれたときは、夜間や休日であってもただちに受診します。

・唇や手足が青紫色になる症状(チアノーゼ)が出る
・急に激しく咳をする(誤飲の可能性)
・胸骨が上下に動く、または助骨のあいだがへこむ
・呼吸困難な状態
・意識がもうろうとしている

赤ちゃんの咳をやわらげる薬はあるの?

咳は病原体などの体内の異物を出す役割があるので、むやみに咳をとめるのはあまり良くないと考えられています。しかし、赤ちゃんが咳によって眠れない、嘔吐するなど日常生活に支障がある場合は、薬を服用して症状を和らげます。いずれも、市販の薬ではなく病院で処方された薬を使用しましょう。

・鎮咳(ちんがい)薬 
咳を抑える薬です。止めてはいけない咳もあるため、使用されないこともあります。

・去痰薬(きょたん)薬  
痰を取り除く薬です。痰を切りやすくします。

・気管支拡張剤 
狭くなった気道を広げる薬です。ぜんそくの場合などに使用されます。

新生児・赤ちゃんが咳をしているときにお風呂に入って良い?

赤ちゃんが機嫌良く元気そうにしていれば、お風呂に入ってもよいでしょう。お風呂の湯気を吸うと鼻の通りがよくなり、喉も潤うため、咳などの症状が和らぐことがあります。入浴後は暖かい部屋で過ごす、早めに布団に入るなどして、湯冷めを予防しましょう。

ただし、赤ちゃんがお風呂に入ると体力を消耗するおそれがあります。赤ちゃんがぐったりしている場合は、無理にお風呂に入れない方が良いでしょう。

日ごろからの備えや習慣が大事

赤ちゃんの体調は変わりやすく、昨日まで元気にしていたのに、翌朝具合が悪くなることは珍しくありません。急に具合が悪くなっても、慌てずに対処できるようにしておきたいものです。かかりつけの病院や夜間診療窓口の連絡先をすぐに把握できるようにする、母子手帳や保険証の場所を家族で共有するなど、日ごろから備えておくことが大事です。

咳の症状は病気を特定する際の手がかりになります。軽い咳であっても、症状がみられたらメモを取る習慣をつけておきましょう。受診時に持参すると、医師や看護師に説明する際に便利ですよ。

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