熱のある赤ちゃんをお風呂に入れる判断基準は?お風呂に入らない場合はどうすればいい?

ママやパパが子どもだったころは「熱があるときはお風呂に入らない」というご家庭が多かったのではないでしょうか。最近では熱があってもお風呂に入れても良いといわれています。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 赤ちゃんの発熱、平熱とは?
  2. 発熱時の入浴の判断基準
  3. お風呂に入らない場合のケア
  4. お風呂に入れる場合の注意点
  5. お風呂に入るメリット・デメリット
  6. 海外では、昔から熱があるときもお風呂に入れる!?
  7. 判断基準をしっかり守って入浴を

赤ちゃんの発熱、平熱とは?

まず一番勘違いされがちなのが平熱。赤ちゃんの平熱はおよそ36.3℃~37.4℃です。37.5℃を超えると発熱した状態といわれています。保育園や幼稚園でも子どもの熱が37.5℃を超えると保護者に連絡がいく園が多いようです。

また、赤ちゃんによって平熱はそれぞれ。自分の子の平熱は何度なのかを普段から知っておくことが重要です。平熱が36.3℃の赤ちゃんと37.4℃の赤ちゃんでは、同じ37.5℃に発熱したときでも重症度がまったく異なります。

発熱時の入浴の判断基準

基本的には、
・38℃未満であること
・ひどい悪寒や全身の倦怠感はなく、活気、元気があること
・嘔吐やひどい下痢がないこと
・子ども自身が入浴を嫌がらないこと
の場合は、入浴させて良いと判断できます。

風邪による発熱

風邪のひきはじめの「悪寒のあるとき」と「倦怠感が強いとき」は入浴を控えましょう。治りかけの場合は皮膚を清潔に保つことで細菌に対する抵抗力を高める効果が期待できるので、入浴することにもメリットがあります。しかし治りかけの場合でも入浴して良いのは熱が38℃未満でぐったりしておらず、ひどい嘔吐や下痢がない場合のみ。赤ちゃんに元気があってママが入浴させられるようなら入浴させてあげましょう。

予防接種の副反応による発熱

麻しん・風しんワクチン、水ぼうそう、おたふくかぜ、BCG、ロタウイルスワクチンなどは、弱毒性の生ワクチンのため副反応で発熱することがあります。しかし微熱程度であれば接種した部位をこすらないように気をつけての入浴は可能。発熱がつづくときは必ず医師の診察を受けてください。

お風呂に入らない場合のケア

発熱時は赤ちゃんはたくさん汗をかくため、服やおむつの中もいつもより蒸れやすくなっています。お風呂に入らない場合は、洗面器に熱めのお湯をいれて柔らかいガーゼやタオル、スポンジなどで汗をかきやすいところ(首、わきの下、手足、おむつの中)だけでも拭いておくと、赤ちゃんもスッキリします。そのときも拭いてすぐに服を着せてあげましょう。

お風呂に入れる場合の注意点

まず、お風呂に入れる場合の注意点は脱衣所や浴室を暖かくしておくこと。そして、熱いお風呂やお湯ではなく40℃以下のぬるま湯にしておきましょう。髪の毛は洗わないようにすることも大事です(もし洗うのであればすぐに完全に乾かしましょう)。

お風呂から出たら清潔なタオルで完全に乾かしてすぐに服を着せます。水分補給をしっかりして、すべて終わったら布団に入ってきちんと休むところまでが一連の流れになります。この注意点をきちんと守ってお風呂に入れてあげましょう。

そこまでしてお風呂に入れた方が良いのかと思う人もいるかもしれませんが、発熱時にお風呂に入ることにはメリットもたくさんあるのです。そのメリットについては以下にご紹介します。

お風呂に入るメリット・デメリット

熱のあるときでもお風呂に入れることのメリットは、免疫力を上げることで鼻詰まりや喉の痛みが軽減すること。また、お風呂の水が熱を体内から逃がすことを助けてくれます。

逆に、お風呂に入れるデメリットは体力が奪われやすいということ。風邪のひき始めなどの悪寒がするときは入浴で体力が奪われてしまうとその後にやってくる本格的な風邪症状に立ち向かえない可能性があります。あまり無理をしてお風呂に入れないようにしましょう。

海外では、昔から熱があるときもお風呂に入れる!?

熱が出たらお風呂に入ってはいけないと教えられてきた日本と違い、海外では風邪のときほどぬるま湯で熱を下げるように子どものころから教えられているようです。海外では昔から熱があってもお風呂に入れることのメリットを感じていたのでしょう。

古い日本家屋ではお風呂が離れにあって道のりが寒いことや、銭湯へ通っていた昔の風習から「湯冷め」を恐れて発熱時はお風呂に入ってはいけない、といわれていた部分もあります。現代の住宅事情は海外に似てきたため、海外式のやり方が少しずつ浸透してきたのかもしれません。

判断基準をしっかり守って入浴を

発熱時のお風呂は正しい判断をして入浴させることでメリットもたくさんあることがわかりました。ただし、入浴させるか迷うようなら入浴させないこともひとつの選択肢。そのときは「お風呂に入らないときのケア」にもあるように、汗をかきやすい部位だけでも清潔にしてあげましょう。スッキリすると赤ちゃんも気持ちよく眠れるかもしれませんよ。