新生児がよく寝てくれる「おひなまき」とは?効果と巻き方・注意点
生まれたばかりの赤ちゃんのなかには、お布団に置くと泣いてしまい一日中抱っこしないといけない子もいるでしょう。「おひなまき」はおくるみでお腹の中にいるときの状態を再現してあげることで、赤ちゃんがぐっすり眠れるといわれています。おひなまきのやり方や効果、おすすめのおくるみ、手を布の外に出すなど注意点を紹介します。
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目次
おひなまきとは?
生まれる前の赤ちゃんは、ママのお腹のなかで子宮壁に囲まれて過ごしています。約10ヶ月過ごしたママのお腹から出てくると、赤ちゃんはこれまでとはまったく違った環境で過ごすことになるのです。
生まれたばかりの赤ちゃんをおくるみで巻いてあげると、赤ちゃんがママのお腹のなかにいたときと似た姿勢をつくってあげることができます。そのため、多くの赤ちゃんが安心して泣き止んだり、ぐっすり眠ったりするといわれているのです。
赤ちゃんをおくるみで巻くことは「スワドリング」と呼ばれ、海外では広く受け入れられているようです。海外のスワドリングをもとに、トコちゃんベルトの青葉に関係の深い助産師さんたちが考案したメッシュ素材のおくるみが「おひなまき」です。
おひなまきは青葉のおくるみの商標ですが、一般的には赤ちゃんのおくるみの巻き方として受け入れられています。実際に、おひなまきをすると赤ちゃんが落ち着いて泣き止んだり、すやすやと眠ってくれたりするという声は多いようです。
おひなまきの効果
おひなまきは赤ちゃんがぐっすり眠ってくれる寝かせ方として、産院などでも取り入れられていることもあるようです。一般的にいわれるおひなまきの効果は下記の通りです。
赤ちゃんに安心感を与える
生まれる前の赤ちゃんは、10ヶ月ものあいだ、ママの静かなお腹の中でママの心音を聞きながらゆらゆらと羊水中を漂いながら過ごしてきました。出産とともにずっと育ってきた子宮の中とは違う環境に急に飛び出した新生児は、これまでの環境と外の環境の違いに適応できず、不安に感じて泣いてしまうこともあるかもしれませんね。
おひなまきをすると、赤ちゃんはおくるみにギュッとくるまれて、子宮のなかにいたときのように丸まった姿勢になります。そのため、安心して落ち着くことができるといわれていますよ。
モロー反射を防ぐ
生まれたばかりの赤ちゃんには、モロー反射と呼ばれる原始反射があり、両腕を広げたり足をビクッと痙攣させたりすることがあります。モロー反射が起こると、赤ちゃんが起きてしまうことがあるのです。
おひなまきをして身体を固定すると、モロー反射を防ぐことができます。そのため赤ちゃんの眠りが邪魔されることがなく、赤ちゃんの睡眠が細切れになることを防げます。
赤ちゃんがぐっすり眠る
おひなまきの大きな効果のひとつが、おひなまきにするとぐっすり眠る赤ちゃんが多いということでしょう。
出産直後のママは出産のダメージに加え、慣れない赤ちゃんのお世話や頻回授乳で、くたくたになっていることも多いでしょう。赤ちゃんがぐっすり眠ってくれる時間があれば、ママの身体も休まります。赤ちゃんが寝てくれず困っているママは、おひなまきにチャレンジしてみるとよいかもしれませんね。
そのほかの効果
医学的に立証はされていませんが、おひなまきを実践した赤ちゃんには、下記のような効果があったという声もあるようです。
・首のすわりが早くなる
・ウンチがよく出る
・赤ちゃん自身が丸くなっているので抱きやすくなり、スリングにも入れやすくなる
「おひなまき」の巻き方
トコちゃんベルトの青葉が公式サイトで紹介しているおひなまきのやり方は、下記の通りです。
1.おくるみの端が赤ちゃんの首のあたりにくるように、赤ちゃんを寝かせます。
2.おくるみの上の両端を結びます。このとき、ひじはおくるみに入れたままにし、手だけを出しておきます。
3.おくるみの下の片方の端を2の結び目の下に通します。
4.3の布の端を赤ちゃんの足にフィットさせるように引き上げます。足の形は赤ちゃんの自由にしておきましょう。
5.反対側のおくるみの下の端と、4の端を軽く結びます。
6.赤ちゃんの背中やおしりをさすったり、身体を優しくゆすったりしてあげます。
7.赤ちゃんが丸まってくると、おくるみにゆるみができます。そのゆるみを解消するために、もう一度結びなおします。
詳しくは青葉の公式サイトを確認してみてください。
また、下記の動画は青葉のおひなまきのやり方に近い方法でおひなまきを行なっています。やり方がわかりにくい場合には参考にしてみてはいかがでしょうか。
おひなまきの注意点
おひなまきをすると赤ちゃんがぐっすり眠ってくれることを実感したことがある方は多いようです。おっぱいをあげ、おむつを替えてあげても泣き止まない赤ちゃんが眠ってくれるといわれているおひなまきを実践したいというママやパパもいるでしょう。
しかし、おひなまきによる先天性股関節脱臼や乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性を指摘している医療関係者もいます。間違ったおひなまきで大切な赤ちゃんを危険にさらすことがないよう、下記のことに注意をしてくださいね。
必ず手をおくるみの外に出す
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、赤ちゃんが何の前触れもなく眠っているあいだに突然死する病気です。なぜ乳幼児突然死症候群(SIDS)が起こるのかはまだ医学的にもはっきりと解明されていませんが、多くの研究がされています。
最近の研究のなかで、赤ちゃんの体温が上がりすぎると、深い眠りについて目が覚めにくくなるということがわかってきています。赤ちゃんの体温が上がりすぎることが、乳幼児突然死症候群(SIDS)の一因ではないかという説もあるようです。
赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。そのため手と足をおくるみで覆ってしまうと、身体のなかの熱を外に出すことができなくなる怖れがあります。おひなまきをするときには、必ず手を外に出すようにしましょう。
赤ちゃんから目を離さない
ヨーロッパの研究でスワドリング(赤ちゃんをおくるみで巻くこと)により、赤ちゃんを仰向けに寝かせることができ、さらには寝返りを防止することができるため、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症を抑制しているという報告があります。しかし一方で、乳幼児突然死症候群(SIDS)になったスワドリング中の赤ちゃんの多くは、うつ伏せになった状態で発見されているそうです。
おひなまきをした赤ちゃんが万が一寝返りをしてしまった場合、首を横に向けることができないため窒息する危険性が高く、寝返り返りをすることができないため乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まると考えられます。おひなまきで赤ちゃんを寝かせるときには、必ず赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんの足はM字またはあぐらの状態で
おひなまきは赤ちゃんをお腹のなかのときのように丸まった姿勢にさせるために、おくるみで身体を締め付けます。そのため先天性股関節脱臼のリスクがあるといえるでしょう。おひなまきをするときには、足をM字にしたりあぐらをかかせたりするようにしましょう。
長時間のおひなまきは控える
赤ちゃんの足の姿勢に気をつけていてもどうしても足を締め付けてしまうため、おひなまきをしない赤ちゃんに比べて先天性股関節脱臼のリスクは高まります。また、育児中のママやパパは忙しく、どうしても赤ちゃんから目を離してしまうこともあるでしょう。
そのため、赤ちゃんを長時間おひなまきにしておくことはおすすめできません。寝つくのが苦手な赤ちゃんであれば、赤ちゃんが寝つくまでのあいだはおひなまきにしてあげ、しっかりと眠ったらおくるみをほどいてあげると安心です。またすぐに目を覚ましてしまう赤ちゃんであれば、お昼寝のときにだけおひなまきにしても良いかもしれませんね。
赤ちゃんが嫌がるときには無理強いしない
多くの赤ちゃんがおひなまきで安心して眠れるといっても、なかにはおひなまきが嫌な赤ちゃんもいます。そのようなときには無理に赤ちゃんをおひなまきにしないでくださいね。おひなまきは、ママやパパと赤ちゃんが快適に過ごせるための育児の知恵です。その赤ちゃんにとって快適でないのであれば、赤ちゃんとママやパパにあった寝かしつけ方法を探してみてはいかがでしょうか。
「おひなまき」ができるおくるみ3選
おひなまきをするおくるみを選ぶうえで注意したいのがその素材です。生後3ヶ月までの新生児はまだ自分でうまく体温調節をすることができないので、おくるみを巻くときは通気性などを考えて赤ちゃんが暑くなりすぎないようにしましょう。
通気性の良いコットン100%のものや麻(リネン)を使用しているものがおすすめです。
青葉 おひなまき
●内容:2枚入
●素材:綿100%メッシュ
●サイズ:約85×85cm
おひなまきを考案した青葉のおくるみ。おひなまきはもともと、このおくるみの商品名です。綿100%でメッシュになっているため、夏も蒸れにくく赤ちゃんが体温調整しやすいでしょう。
エイデンアンドアネイ モスリンスワドル おくるみ
●素材:モスリンコットン100%
●推奨使用期間:生後4~6ヶ月頃
●サイズ:約120×120cm
モスリンコットンは、織目が細かく、通気性に優れているコットン。熱がこもらず、一年を通して使用することできます。きめ細かい繊維が肌になじみ、赤ちゃんを優しく包み込みます。
デザインも豊富なので、自分の好きな柄を選べるのが嬉しいポイントですね。推奨使用期間は生後から寝返りを打つようになる4~6ヶ月のあいだです。
NOMI ITO たまごマットおくるみCLOUD
●内容:おくるみ、たまごマット
●素材:コットン100%
●サイズ:約137×105cm
赤ちゃんをやさしく包み込む、雲の上のような感覚が安らぎを与えるクッション付きおくるみです。 後頭部と背中を柔らかなクッションが支えることで、抱っこして寝かしつけた際のわずかな刺激による モロー反射を防ぎ、寝付いた後もおくるみに包まれた安心感で夜泣きを防ぎます。
おひなまきの体験談
おひなまきについてままのてに寄せられた先輩ママの体験談を紹介します。
我が家の第1子はよく寝てくれる子だったので気にしたことがなかったのですが、下の双子は寝てくれず、ほぼ24時間起きていることなんてしょっちゅうでした。眠ることのできない毎日は疲労がたまる上に情緒不安になり、良いことなんてひとつもありません。そんなつらいときに出会ったのが「おひなまき」でした。
おくるみではなくバスタオルで代用していましたが、実際におひなまきをすると、確かに効果があると感じました。赤ちゃんを寝かせたいときや、双子の片方の子のおむつ替え中など手が離せないときに、よくおひなまきをしていましたよ。
なんといってもおひなまきで包まれている赤ちゃんが最高にかわいかったです。今では当時の悩みが嘘のように、2歳になった双子たちは、まったく起きずに朝までよく寝ています。
寝かしつけにおひなまきを上手に取り入れて
生まれて間もない赤ちゃんの子育てに奮闘しているママやパパのなかには、赤ちゃんがなかなか寝てくれず、寝かしつけで毎日フラフラになっている方がいるかもしれません。抱っこでゆらゆらして、ようやく寝てくれた赤ちゃんをお布団に置くと、背中スイッチが作動して泣き出してしまうこともありますよね。
おひなまきはぐっすり眠ってくれる赤ちゃんが多い一方で、リスクもあるので注意が必要です。それでも、普段ひとりで赤ちゃんのお世話をしなければいけないママや、きょうだい育児で忙しいママやパパにとっては心強い育児方法になるかもしれません。寝かしつけでストレスを抱えている場合には、まずは赤ちゃんが寝つくまでのあいだにおひなまきをするなど、育児に上手におひなまきを取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、うまく寝つけず泣いている赤ちゃんを寝かせてあげようとすることは、ママやパパにとっても大変なことです。ひとりで抱え込まずパートナーや周囲の人を頼って、ママやパパも身体を休めるようにしてくださいね。