赤ちゃんがうつぶせ寝を好きな場合は対策するべき?窒息やSIDSの危険性は?

「赤ちゃんはいつからうつぶせ寝するの?」「うつぶせ寝はよく寝るって本当?」といった、うつぶせ寝に関する疑問をお持ちの方は多いでしょう。特に生後7ヶ月や8ヶ月頃になると、自然とうつぶせ寝になることが増えますよね。ここでは、うつぶせ寝のメリットや危険性、睡眠中の寝返りによる事故を防止する方法をご紹介します。

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この記事の監修

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小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 赤ちゃんのうつぶせ寝はいつから?新生児もできる?
  2. 赤ちゃんのうつぶせ寝のメリットは?
  3. 赤ちゃんのうつぶせ寝の危険性は?
  4. うつぶせ寝が好きな赤ちゃんは寝返りを防止するべき?
  5. 赤ちゃんがうつぶせ寝をするときの注意点
  6. 定期的に部屋の環境を見直そう
  7. あわせて読みたい

赤ちゃんのうつぶせ寝はいつから?新生児もできる?

少し前までは赤ちゃんのうつぶせ寝が日本でも定着していました。パパやママのなかには、赤ちゃんのころによくうつぶせ寝をさせられたという方は多いでしょう。

うつぶせ寝がブームとなった背景には、欧米諸国では赤ちゃんをうつぶせに寝かせるのが一般的で、「赤ちゃんはうつぶせ寝のほうがよく寝る」「うつぶせにしたほうが頭の形がきれいになる」といった話が広まったことが考えられます。

しかし、90年代になると、うつぶせ寝と乳幼児突然死症候群(SIDS)の関係性が指摘されるようになります。さらに、うつぶせ寝による赤ちゃんの窒息死も問題になり、うつぶせ寝は危険であるという見方がされるようになりました。

現在では、赤ちゃんは仰向けに寝かせるという考えが一般的です。厚生労働省は、赤ちゃんが1歳になるまではうつぶせ寝をさせず、仰向けで寝かせるよう見解を示しています。

寝返りが上達する生後7ヶ月前後には自然とうつぶせ寝をすることも

基本的には、SIDSなどを予防するため1歳になるまでは仰向けで赤ちゃんを寝かせてください。ただし、赤ちゃんの寝返りによって自発的にうつぶせになった場合は、自分で元に戻ることができるようであればそのままにしても良いでしょう。

いつから赤ちゃんが寝返りを始めるかには個人差がありますが、生後5~6ヶ月頃から始まります。個人差はありますが、生後7ヶ月後半から生後8ヶ月頃には、ほとんどの赤ちゃんが寝返りできるようになるでしょう。最初は仰向けからうつぶせができるようになり、うつぶせから仰向けに戻れるようになるまでは少し時間がかかります。

生後9ヶ月頃にはすっかり寝返りが上手になり、赤ちゃんは自分の好きな体勢で寝るようになります。自然とうつぶせ寝になり、よく寝ることがありますが、パパやママが最初からうつぶせ寝をさせる必要はありません。

赤ちゃんのうつぶせ寝のメリットは?

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過去に赤ちゃんのうつぶせ寝がブームとなった際には、うつぶせ寝をすると頭の形が良くなるという情報がママのあいだで伝わりました。さらに、実際に赤ちゃんのうつぶせ寝が一般的だった欧米人は頭の形が良いことから、多くの日本人が真似をするようになりました。

赤ちゃんをうつぶせ寝にするとよく寝るともいわれます。うつぶせ寝をするとママのお腹にいるときの体勢に似ているため、安心感が得られ、安眠につながるという意見があります。赤ちゃんが自分で寝返りをし、うつぶせ寝の体勢でよく寝るのであれば、そのまま寝かせておいても良いでしょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝には上記のようなメリットが伝えられています。しかし、寝返りができない月齢が低い乳児の場合、うつぶせ寝は窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めてしまうため、必ず仰向けで寝かせるようにしましょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝の危険性は?

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赤ちゃんのうつぶせ寝にはどのような危険性があるのでしょうか。順にみていきましょう。

窒息

うつぶせ寝は赤ちゃんの窒息事故を引き起こす可能性があります。消費者庁によると、0歳児の就寝時の窒息死事故件数は160件であり、そのほとんどが自宅内で発生していると報告されています。(平成22年から平成26年までの5年間)

窒息事故の原因はさまざまですが、顔がマットレスなどに埋まったことによる窒息が160件中33件と最も多いです。消費者庁は、仰向け寝をさせることが事故の防止につながるとして注意を促しています(※1)。

乳幼児突然死症候群(SIDS)

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、前触れや既往歴がない状態で、睡眠中に赤ちゃんが突然死してしまうことを指します。乳幼児突然死症候群は原因不明の死を指すものであり、窒息は含まれません。

厚生労働省によると、平成28年度には109名の赤ちゃんが乳幼児突然死症候群で亡くなっており、乳幼児突然死症候群は乳児の死亡原因の第3位となっています(※2)。乳幼児突然死症候群の原因は、はっきりとしたことはわかっていません。生後2ヶ月から6ヶ月の赤ちゃんに多く、まれに1歳以上でも発症する場合があります(※3)。

しかし、研究者の調査では、乳幼児突然死症候群は仰向け寝のときよりもうつぶせ寝のときに発症率が高いことがわかっています。厚生労働省は、乳幼児突然死症候群を防止するためには、寝返りができるようになっていても、生後1歳まではうつぶせ寝ではなく仰向けで寝かせることとしています。

1歳以上の子どものうつぶせ寝の事故を受けて、東京都では、2017年に「1歳以上でも発達状況を把握できるまでは、必ずあおむけに寝かせる」ことを提言しています。

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乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?原因や前兆、予防法はある?

うつぶせ寝が好きな赤ちゃんは寝返りを防止するべき?

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自分で寝返りができるのであれば、うつぶせ寝をしていてもあまり心配はいりません。もし息苦しさを感じても顔を動かせるので、その都度赤ちゃんを仰向けに戻さなくても良いとされていますが、気になる場合は、気がついたら仰向けにしてあげても良いでしょう。ただし、寝具選びと周囲の環境には十分に注意してください。

赤ちゃんの寝返りを防ぐために、寝返り防止クッション(枕)という商品が販売されています。しかし、消費者庁は寝返り防止クッションが窒息の原因になることがあるため、使用時は十分注意するように呼びかけています。また海外では、寝返り防止クッションの販売自体が禁止されている国もあります。

寝返り防止クッションだけでなく、バスタオルやクッションを用いた代用品も使用を避けるようにしてください。

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赤ちゃんの寝返り防止グッズは必要?クッションは危険?

赤ちゃんがうつぶせ寝をするときの注意点

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赤ちゃんのうつぶせ寝には、さまざまな事故やけがのリスクがあります。赤ちゃんが自分で寝返りをし、うつぶせ寝をする場合はどのようなことに注意すれば良いでしょうか。

ベッドや布団はかたいものを利用する

敷布団やマットレスは硬めのものがおすすめです。弾力性がある布団、まくら、マットレスは顔をうずめてしまうおそれがあるため、使用を控えましょう。掛け布団は子どもが払いのけられるような軽いものにしてくださいね。

赤ちゃんのまわりに物を置かない

布団と同様に、顔をうずめる可能性がある枕・クッションやぬいぐるみは近くに置かないようにします。生後7ヶ月頃になると寝返りがますます上達し、赤ちゃんが眠りながら布団の外に出てしまうことも多いです。

周囲の家具に頭をぶつけたり、ベッドから転落した拍子に物とあたったりとケガをしないよう、十分に注意を払ってください。赤ちゃんの周りにものを置かないようにすることで、事故防止のほか常に部屋を清潔に保てるというメリットもあります。

赤ちゃんが挟まる隙間をつくらない

赤ちゃんが寝返りをするようになると、寝ているあいだも活発に動き回るようになります。寝ているあいだにベッドから転落して壁とのあいだに挟まると、ケガや窒息の原因になります。

消費者庁の報告では、過去5年間で子どもの頭がベッドと壁などに挟まって窒息死に至った事故が13件あるとされています。(平成22年から平成26年までの5年間※1)大人用のベッドに取り付けた転落防止用のベッドガードに赤ちゃんが挟まった事故も報告されています。

消費者庁は、こうした痛ましい事故を防ぐために、赤ちゃんを極力ベビーベッドで寝かせることを推奨しています。ベビーベッドの場合は柵とマットレスのあいだに隙間がないように気を付けましょう。こうした事故は生後10~11ヶ月頃の赤ちゃんにも十分に起こり得るため、パパやママは油断せずにしっかり対策を講じてくださいね。

厚着をさせすぎない

厚着をさせたまま寝かせると、うまく寝返りがうてずに苦しい思いをしてしまいます。特に冬場は上着を着たまま昼寝をしてしまうこともあるでしょうが、必ず防寒着を脱がせてから寝かせるようにしましょう。窒息の危険を回避できるほか、汗による寝冷え、脱水症状を予防できます。

フードの紐やスタイなどは、寝返りの際に首を絞めるおそれがあります。睡眠中は使用を控えるようにしましょう。

定期的に部屋の環境を見直そう

寝ているあいだも赤ちゃんは活発に動きます。パパやママが眠っている夜中などに赤ちゃんに事故が起こるケースもあり得ます。赤ちゃんのうつぶせ寝対策を考えるのであれば、うつぶせ寝を直す方法だけでなく、うつぶせ寝になった場合の危険性を減らすことにも注力しましょう。

赤ちゃんの予期せぬ事故を防止するには、赤ちゃんの発達にあわせて定期的にお部屋の環境を見直すことが大事です。特に睡眠中のケガや事故は、パパやママも眠っているために発覚が遅れてしまう危険性があるため、事前に対策を講じておきたいですね。

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