赤ちゃんの寝返り防止グッズは必要?クッションは危険?

赤ちゃんが寝返りを始めると、ママやパパは心配ごとが増えますよね。特に寝ているあいだは思わぬ事故もあることから、どうしたら安全に寝かせられるか頭を悩ますママやパパも多いでしょう。ここでは、赤ちゃんの寝返りによる危険性を防止するための方法について説明します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 赤ちゃんの寝返りは危険?寝返りを防止したい理由は?
  2. 寝返り防止クッション・グッズによる危険性
  3. 寝返りによる危険性を防止しよう
  4. 寝返りは赤ちゃんの成長の証、赤ちゃんが寝返りしても安全な環境を
  5. あわせて読みたい

赤ちゃんの寝返りは危険?寝返りを防止したい理由は?

赤ちゃんの寝返りを防止したい一番の理由は、睡眠中の事故ではないでしょうか。特に夜はパパもママも深い眠りにつくので、いっそう心配になることでしょう。

寝返りによる窒息防止

消費者庁が、厚生労働省「人口動態調査」結果を5年間分(平成22年~26年分)分析したところ、赤ちゃんの不慮の事故のトップが睡眠中の窒息死でした(※1)。寝返りそのものが窒息につながるのではなく、寝返った後、マットレスや掛け布団、クッションなどで口や鼻をふさがれたり、壁との隙間に挟まれたりすることが窒息事故の原因です。母乳やミルクの吐き戻しによる窒息にも気を付ける必要があります。

画像引用元:消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!(PDF)」

画像引用元:消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!(PDF)」

寝返りによる落下、転落防止

赤ちゃんのベッドからの落下は、落下後の窒息事故につながる他、頭をケガすることにより重篤な症状を引き起こす恐れがあります。特に大人用ベッドは、落下の危険性が高いためベビーベッドで寝かせることが推奨されています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)防止

赤ちゃんが寝ているあいだに突然亡くなる乳幼児突然死症候群(SIDS)は、原因ははっきりしていないものの、仰向けに寝かせることで防止できるといわれています。そのため、赤ちゃんが寝返りをしてうつぶせになることで危険性が高まるのでは、と心配するママが多いようです。

しかしながら、厚生労働省によると、自由に寝返りがうてるようになった赤ちゃんは、SIDSのリスクが下がるというデータもあります(※2)。自由に寝返りができるのであれば、無理して戻す必要はないといわれていますが、寝返りをしたときに顔がうもれるものがないよう気をつけましょう。

SIDSを防止するためには、寝かしつけのときは仰向けに寝かせることと、身体を温め過ぎないことが大事なようです。重ね着をさせすぎることは避け、大人にとって快適な室温で寝かせるようにしましょう。毛布が厚手で重い場合は、バスタオルなどで代用しましょう。

赤ちゃんの寝返りは成長の過程

厚生労働省は、寝返りは赤ちゃんの重要な成長過程であり、防止する必要はないとの見解です。また、赤ちゃんが寝返りできるようになれば、仰向けにして寝かせたあと寝返りをしてうつぶせになっても、もとに戻さなくて大丈夫としています。赤ちゃんの寝返り自体を防止するのではなく、寝返りをしても大丈夫な環境を整えましょう。

また、1歳までの赤ちゃんは仰向けに寝かせることが基本とされています。しかし、1歳を過ぎても原因不明のうつぶせ寝での死亡があるのも現実です。気になるときには仰向けに戻してあげ、うつぶせ寝の場合は注意深く見守りましょう。

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寝返り防止クッション・グッズによる危険性

寝返り防止クッション・枕、バスタオルによる代用品は使用しない

日本では寝返り防止クッション・枕を使用することは禁止されていません(2017年12月時点)が、消費者庁は注意して使用するよう呼び掛けています(※4)。一方、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、寝返り防止クッション・枕が窒息事故の原因になるという理由で、決して使用しないよう告知しています(※5)。イギリスでもすでに大手小売店が販売を禁止し、リコールを開始しているようです(※6)。

アメリカやイギリスの赤ちゃんにとって危険なものが、日本の赤ちゃんにとっては安全ということはありませんよね。寝返り防止クッションは使用しないようにしましょう。また、既製品の代わりに家庭にあるクッションや枕で挟むことも、同じように窒息事故につながりかねません。バスタオルを丸めて作った代用品も同じです。

画像引用:消費者庁「乳児用の寝返り防止用枕の使用に当たっての注意」

大人用ベッドに取り付けるベッドガードは生後18ヶ月までは絶対に使用しない

赤ちゃんが大人用ベッドから転落防止のために取り付ける幼児用のベッドガードは、18ヶ月未満の赤ちゃんへの使用が禁止されています。このベッドガードとマットレスとのあいだに赤ちゃんがはさまって窒息する事故が、2017年だけでも2件報告されているようです。

画像引用:消費者庁「0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!」

また、アメリカ小児科学会は、赤ちゃんがベッドの柵に頭をぶつけないよう使用されるベビーベッドガードも、窒息事故の原因になるとして使わないようにすすめています。クッション性が低く、通気性の高さをうたっている製品もありますが、わざわざ使う必要性はありません。

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寝返りによる危険性を防止しよう

大人用ベッドに寝かせない

寝返りを始めた赤ちゃんの転落防止のためにも、2歳まではなるべくベビーベッドに寝かせるようにしましょう。大人用ベッドは転落の危険性があるだけでなく、ベッドと壁のあいだに赤ちゃんがはさまって窒息することもあります。赤ちゃんはベビーベッドに寝かせるようにして、柵をあげるのを忘れないようにしてくださいね。赤ちゃんがつかまり立ちを始めたら、ベビーベッドの底板を下げて赤ちゃんが乗り越えないようにしましょう。

ベビーベッドを用意するのが難しい場合は、赤ちゃんを布団で寝かせるようにしましょう。布団であれば床との段差が少なく、赤ちゃんの転落の危険がありません。赤ちゃんが布団から出ていくのではと心配になりますが、枕やクッションなどで囲うほうが赤ちゃんにとっては危険です。赤ちゃんの寝る部屋にはなるべく物を置かないようにしましょう。

敷布団・マットレスは固いものを使用、掛け布団は軽いものを

赤ちゃんが寝返りをしてうつぶせになっても顔がうずまらないよう、敷布団やマットレスは固めのものを選びましょう。掛け布団は赤ちゃんが足で蹴とばせるぐらい軽めのものにして、顔を出すようにしてかけてください。夏場であればバスタオルで十分でしょう。

赤ちゃんの周りに顔が埋まるもの、首に巻きつきそうなものは置かない

赤ちゃんに枕は必要ありません。枕、クッション、ぬいぐるみなどは、寝返り後に赤ちゃんの顔を覆ってしまう可能性があり、大変危険です。また、スタイのひもやフェイスタオルなども、子どもの首に巻きつくと危険なので、寝かせるときには外すようにしましょう。

授乳後はゲップさせてから寝かせる

吐き戻した母乳やミルクが、赤ちゃんののどにつまり窒息する可能性があります。授乳後は必ずゲップをさせるようにしましょう。ゲップをしなかった場合は、10分~15分ほど縦抱きをするか頭を上げ気味にして様子を見るようにしてください。吐き戻しでベッドが汚れるのが心配な場合は、枕ではなくバスタオルを赤ちゃんが寝る場所の下に敷き、バスタオルの両端はマットレスの両端に織り込んで固定しましょう。

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寝返りは赤ちゃんの成長の証、赤ちゃんが寝返りしても安全な環境を

赤ちゃんが寝返りを始めるとママの心配事は増えますが、寝返りは赤ちゃんの大事な発達の過程です。赤ちゃんの寝返りは喜ばしいできごとと受け止めて、防止するのではなく赤ちゃんが安心して寝返りできる環境を整えましょう。

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