赤ちゃんに歩行器はいつから使う?本当はよくない?デメリットもあるの?

歩行器でよちよちと歩く赤ちゃんの姿はとってもかわいいものですが、赤ちゃんに歩行器はよくないという意見も聞かれます。赤ちゃんの歩行器にはメリットとデメリットがあり、使用する際は注意が必要です。ここでは、赤ちゃんの歩行器の使用時期、使用する際の注意点について解説します。

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この記事の監修

千葉 智子
小児科医
千葉 智子

目次

  1. 赤ちゃんの歩行器とは
  2. 赤ちゃんの歩行器はいつから使ってよい?
  3. 赤ちゃんの歩行器は本当はよくない?デメリットは?
  4. 赤ちゃんに歩行器を使用する際の注意点
  5. 赤ちゃんの歩行器に関する体験談
  6. 歩行器はパパママが一緒のときに使うおもちゃとして
  7. あわせて読みたい

赤ちゃんの歩行器とは

歩行器は昔からある赤ちゃんの育児アイテムのひとつです。赤ちゃんの身体を取り囲むようにテーブルがついた椅子のような形のもので、足の部分に4個以上の車輪がついています。赤ちゃんは、椅子の部分に腰かけて足を延ばすと、床をけって自分で移動することができます。


以前は、歩行器は赤ちゃんの歩行をサポートし、歩行の練習になるものと考えられていました。しかし、実際に足腰をしっかり使うわけではないので歩行の練習には役に立たないというのが現在の考え方です。

一方で、歩行器に赤ちゃんを座らせると、赤ちゃんの目線が高くなったり、自分で好きなところに移動できたりすることから、機嫌良くひとり遊びしてくれることも多いようです。現在は、テーブルがついた歩行器や、おもちゃのついた歩行器など、いろいろなタイプのものが販売されています。赤ちゃんに歩行器を使いたいという場合には、発達をサポートするものとしてではなく、短時間赤ちゃんを遊ばせるためのおもちゃとして、大人の目が届くときに使用しましょう。

赤ちゃんの歩行器はいつから使ってよい?

赤ちゃんが歩行器使ってもよい時期はひとりでお座りができるようになってきたらといわれています。赤ちゃんがひとりでお座りできるのは、首がすわり、腰もだいぶしっかりすわってきた証拠です。

販売されている歩行器には対象月齢が記載されており、おおむね生後7ヶ月~生後15ヶ月となっています。ただし対象月齢であっても、まだ腰がすわっていないうちは使用を避けましょう。

赤ちゃんの歩行器は本当はよくない?デメリットは?

ケガや事故の危険性

歩行器の一番のデメリットは、赤ちゃんがケガをするリスクが高いことでしょう。東京都の調査では、赤ちゃんが歩行器で移動する際に加速してしまうことや、段差や配線コードによる転倒、赤ちゃんが乗り降りする際の事故があげられています(※1)。

そのため、日本では消費者庁が転倒・転落などの事故例があると報告していて、常に見守れる環境での使用を心がけるよう注意喚起しています(※2)。さらにカナダでは、乳児の事故原因になるとして2004年から販売を禁止していて、中古品の販売も禁止されています。

アメリカでも、CPSC(アメリカ合衆国消費者製品安全委員会)によると、2005年時点で赤ちゃん用歩行器やベビージャンパーで、約3000件の乳幼児の事故が発生しているそうです(※3)。そのため1997年より安全性強化のための製品規格を導入しています。しかし現在も事故発生数が多く、赤ちゃんが階段などから落下した場合に歩行器に入っているとより大きな事故につながる可能性が高いことから、AAP(アメリカ小児科学会)は販売禁止を訴えています(※4)。

身体の発達を遅らせる可能性

昔は赤ちゃんの発達をサポートすると考えられていた歩行器ですが、過去20年間はそうしたメリットはなく、わずかではありますが歩行を遅らせる可能性も指摘されています(※5)。

小児科医の多くが、赤ちゃんのうちは自然な本人の発達に任せることがよい、と指摘しています。また、ハイハイでしっかり腕・足・体幹を使うことは、運動系だけでなく、脳の刺激にもつながる重要なプロセスです。赤ちゃんを歩行器に乗せると腰が固定されてしまうため、全身ではなくつま先だけを使うこととなります。

無理に歩行器で高い視野に慣れさせなくても、ハイハイを始めた赤ちゃんはやがてつかまり立ちを始めるようになりますよ。

赤ちゃんに歩行器を使用する際の注意点

安全な場所で使用する

段差がある場所、下にものや配線が散らかっている場所、窓を開けっぱなしの部屋での使用は避けましょう。歩行器は加速がつくこと、重量があることから、赤ちゃんが転んだときに通常よりも危険性が高いです。

常に目を離さないように

歩行器に乗せると赤ちゃんがご機嫌でいてくれて、ママも家事がしやすくなりますよね。とはいえ、歩行器に乗った赤ちゃんは通常より早く動くことができるようになるため、目が離せません。

長時間の使用はNG

長時間歩行器にのせたままにすることは、避けましょう。赤ちゃんは自由に動かしてあげることが大事です。

赤ちゃんの歩行器に関する体験談

赤ちゃんの歩行器に関してままのてに寄せられた体験談を紹介します。

危うく玄関から落ちそうに

友人宅に遊びに行ったとき、友人の下の男の子が歩行器に乗って遊んでいました。もうハイハイを始めて腕力もあったのか、歩行器から逃げ出そうとして上半身を乗り出した際に、顔から転倒そうになりました。幸い周りに大人がたくさん居たので、なんとか玄関に転げ落ちるのは阻止することができました。段差の近くでは使わない、こまめにストッパーをかける、ということが大事だなと実感しました。あと、力がついてくると使えないので、買っても使える期間が限られているので買うのはもったいないと思いました。

常に危険がないかチェック!

賛否両論ある歩行器ですが、赤ちゃんの歩行器を使っていました。デメリットの話が多いのでいらないと思っていましたが、使ってみたらとっても便利でしたよ。

長時間使用することはなかったですが、家事が短時間でもまとめてできるのはとても楽でした。ご機嫌なときとそうでないときがあるので、必ずしも歩行器に乗ってくれるとは限りませんが、少しでも歩行器を使ってくれるとそのあいだに用事をすませられるので、助かりました。

もちろん、歩行器は目の届くところで使わせ、危険がないか常にチェックはしていました。

歩行器はパパママが一緒のときに使うおもちゃとして

歩行器は、赤ちゃんの成長をサポートするものではありません。また、ママが手を離せないときに使用するには、危険性があります。必ずママやパパがそばにいて安全性を確認できるときに、遊ばせるようにしましょう。

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