添い乳での寝かしつけはいつまで?寝ないときには?夜泣きの原因になるの?
添い乳での寝かしつけには、夜間授乳が楽になるといったメリットがある一方で、赤ちゃんの眠りが浅くなり夜泣きの原因になる可能性があるというデメリットもあります。そのため、添い乳での寝かしつけには賛否両論あります。ここでは、添い乳での寝かしつけのメリット・デメリットと、添い乳での寝かしつけのやめ方を解説します。
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目次
添い乳での寝かしつけとは?
赤ちゃんの寝かしつけの方法として、添い乳での寝かしつけがあります。添い乳とは、ママと赤ちゃんが一緒に横になって授乳をすることです。添い乳をしているあいだに赤ちゃんが眠くなり、自然と赤ちゃんが寝つくため、添い乳で寝かしつけを行うママも多いでしょう。
添い乳での寝かしつけはママの身体が休まる一方で、添い乳での寝かしつけが癖になったり赤ちゃんの眠りが浅くなったりすることから、賛否がわかれます。しかし、寝かしつけに添い乳を取り入れるかどうかに正解はありません。それぞれの赤ちゃんとママにとって心地良いのであれば、添い乳での寝かしつけを取り入れることを検討してみても良いでしょう。
添い乳で寝かしつけをするメリット
添い乳での寝かしつけは、ママと赤ちゃんの身体を休めることができる、昔から多くの人が実践している寝かしつけ方法です。具体的にどういったメリットがあるか解説します。
ママの寝かしつけの負担が軽い
赤ちゃんのなかには寝つくのが上手でない子もいます。授乳の後にお布団に赤ちゃんを寝かせ、トントンと軽くたたいたり、ママやパパが添い寝をしたりすればスムーズに寝つく赤ちゃんがいる一方で、何十分も抱っこでゆらゆらしてあげることで、ようやく眠りに入る赤ちゃんもいます。入眠が苦手な赤ちゃんを寝かしつけることは、ママの身体にも負担がかかるでしょう。
添い乳をすると、お腹がいっぱいになった赤ちゃんがそのまま眠くなることが多いようです。ママも身体を横にしたまま赤ちゃんを寝かしつけることができるため、寝かしつけの負担が軽くなります。
赤ちゃんの背中スイッチが作動しない
抱っこで寝かしつけをする場合に、赤ちゃんを布団に置いた途端、泣き出すことはよくあります。環境の変化に敏感な赤ちゃんの中には、ママの腕の中でしか眠りにつけない子もいます。その場合には、ママは疲労困憊してしまうこともあるでしょう。
添い乳で寝かしつけをすると、眠った赤ちゃんを布団に寝かせる必要がありません。そのため、赤ちゃんの背中スイッチが作動して起きてしまうということが少なくなります。
夜間授乳が楽になる
生まれて間もない新生児には、夜間に頻繁に授乳をする必要があります。産後のママは出産による疲労が回復していないうえ、慣れない育児や細切れ睡眠による疲れがたまっているものです。ママの体調が優れない中で、夜中に赤ちゃんが泣くたびに起き上がって授乳をするのは、非常に負担が大きいでしょう。
また、一般的には月齢が上がるにつれて赤ちゃんの眠りが深くなり、夜間授乳の回数が減ってくるといわれています。しかし、月齢が上がっても、何度も目を覚ます赤ちゃんもいます。添い乳ではママが身体を横にしたまま授乳をすることができるため、ママの夜間授乳の負担を軽くしてくれます。
添い乳で寝かしつけるデメリットは?
添い乳での寝かしつけは、ネンネトレーニングの本の中で否定的に捉えられている場合も多くあります。ここでは、具体的に添い乳にどのようなデメリットがあるのかを解説します。
赤ちゃんを圧迫してしまう危険がある
授乳とは直接関係ありませんが、添い寝することで入眠中に赤ちゃんに覆いかぶさってしまったり、腕などで圧迫してしまったりすることがあります。添い寝は生後6ヶ月頃までの乳幼児突然死症候群の主な原因といわれています。
生後7ヶ月は寝返りをしたり、手足の動きや泣き声が強くなってきたりすることもある時期です。ママが疲れて深く寝入ってしまうと、赤ちゃんを圧迫していることに気づけない場合もあります。月齢の低い時期ほど、添い乳での入眠後は別々に寝るほうが安全です。
赤ちゃんの眠りが浅くなり夜泣きにつながる
添い乳のために赤ちゃんの眠りが浅くなり、睡眠の質が悪くなるという説があります。 しかし、生まれてすぐの赤ちゃんは、基本的に短時間のあいだに寝て起きるという睡眠リズムを繰り返すものです。月齢が上がるにつれて活動できる範囲が広がり、活発に動くようになると、一度に眠る時間だんだんとが延びていきます。
赤ちゃんが眠る時間の長さや、夜間に何度起きるかといったことは個人差が大きいものです。そのため、一概に添い乳だから赤ちゃんの眠りが浅くなり、十分な睡眠が取れていないと決めつけることはできません。
添い乳や夜間授乳をしている赤ちゃんが夜泣きをするというケースは少なくありません。しかし夜中に赤ちゃんが何度も起きておっぱいを欲しがったとしても、おっぱいを飲めばすぐに泣き止んで眠るのであれば、それは赤ちゃんの正常な欲求で問題ないと考える助産師さんもいます。
添い乳なしで寝かしつけられない
赤ちゃんが添い乳での寝かしつけに慣れてしまうと、添い乳なしでは赤ちゃんが寝付いてくれないことがあります。赤ちゃんが添い乳なしで寝ついてくれなくなると、ママの体調が悪いときに授乳をお休みしたり、パパに赤ちゃんを任せてでかけたりすることができなくなるかもしれません。
しかし、添い乳をしないと寝ない赤ちゃんでも、保育園ではトントンと軽くたたいてあげるだけで眠るといったことはよくあることです。ときにはパパに赤ちゃんの寝かしつけを代わってもらい、添い乳以外の入眠方法を練習してみるのも良いかもしれませんね。
卒乳・断乳に苦労することがある
寝かしつけを添い乳に頼っていると、いざ断乳・卒乳する時期になったときに、どうやって寝かしつけをすれば良いのかがわからず、戸惑ってしまう場合があります。赤ちゃんの方も添い乳で眠るのが当たり前になっているため、授乳以外の入眠方法では寝てくれなくなることも少なくありません。
虫歯のリスクが高くなる
「添い乳をすると赤ちゃんに虫歯ができる」とよくいわれますが、実は母乳そのものが歯に悪いというわけではありません。近年の研究によれば、母乳に含まれている糖の成分(乳糖)は虫歯の原因になりにくく、むしろ母乳に含まれているラクトフェリンという成分は、口内の虫歯菌の増殖を防いでくれるともいわれています。
ただし、離乳食を始めたあとも添い乳を続ける場合は注意が必要です。母乳だけで虫歯になることはまれですが、離乳食の残りかすが歯についた状態で添い乳をして寝かしつけると、虫歯の原因菌である「ミュータンス連鎖球菌」を増殖させてしまう可能性があるからです。
歯がはえてきたら、食後は歯みがきをしっかりと行うようにし、添い乳で寝かしつける場合は、特にみがき残しがないか気を配ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんが添い乳で寝ないときには?
赤ちゃんが小さく体力がないうちは、おっぱいを飲んでいるうちに赤ちゃんが眠くなるため、添い乳をするとすぐに眠ってしまう赤ちゃんが多いでしょう。しかし、赤ちゃんの体力がついていくうちに、添い乳をしても赤ちゃんが寝てくれないことが増えるかもしれません。おっぱいを飲んでパワーチャージした赤ちゃんがなかなか寝てくれず、ママがイライラすることもあるでしょう。
赤ちゃんが添い乳で寝ないときには、お腹や背中をトントンしてあげる、顔や身体を優しくなでてあげるなどして赤ちゃんをリラックスさせてあげましょう。赤ちゃんが眠くなったタイミングでもう一度添い乳すると眠ってくれることもありますよ。
また、添い乳でないと赤ちゃんが寝つけないとママに負担がかかることがあります。添い乳で赤ちゃんが寝てくれないことが続くときには、少しずつ添い乳以外の寝かしつけも練習してみても良いかもしれません。
添い乳での寝かしつけはいつまで?
添い乳での寝かしつけをいつまでするか、特に決まりはありません。生後8~10ヶ月頃に夜間断乳のタイミングで添い乳を卒業するケースもあれば、2歳頃まで添い乳で寝かしつけを行うケースもあるようです。
添い乳は虫歯の原因になるため、歯の生え始める生後5~8ヶ月に添い乳をやめるよう推奨する声もありますが、母乳が虫歯の直接的な原因になるわけではありません。食事の残りかすを取り除くようしっかりと歯磨きをしてあげれば、添い乳をしても虫歯は防げるでしょう。
ただし、赤ちゃんが大きくなるにつれて、添い乳での寝かしつけがママにとって負担になることもあります。添い乳をしてもなかなか寝てくれない、夜中に何度も添い乳をすることがつらいなど、ママが添い乳による寝かしつけをやめたいと感じることもあるでしょう。
添い乳での寝かしつけの卒業のタイミングに正解はありません。赤ちゃんとママにとって負担のないタイミングで卒業できると良いですね。
添い乳での寝かしつけをやめる方法は?
添い乳での寝かしつけをやめるときは、大きくわけて添い乳での夜間授乳のみをやめる場合と、夜間も続けていた授乳そのものをやめる場合があります。
どちらの場合も日中は活動的に過ごし、昼寝の時間が長くなり過ぎないよう注意しましょう。添い乳の卒業のしかたは人それぞれです。できるだけママと赤ちゃんに負担のない方法を選んでくださいね。
夜間断乳:入眠の習慣をおっぱいと切り離す
添い乳での寝かしつけは、ママのおっぱいが赤ちゃんの入眠アイテムになっている状態です。夜間の授乳での寝かしつけをやめるというのは、おっぱいと入眠の習慣を切り離すということです。赤ちゃんに新たな入眠方法を身につけてもらうよう、安心させてあげてくださいね。
夜間授乳のみをやめる場合は、日中はしっかりと赤ちゃんに母乳を飲んでもらうようにし、夜はお風呂のあとなどにお茶やお水を飲ませましょう。赤ちゃんに「おっぱいさんもねんねしたよ。また明日飲もうね」といったような声かけをしてあげると、スムーズに夜間断乳が進むこともあります。
断乳:授乳そのものをやめる
授乳そのものをやめる場合にはできれば計画を立て、1週間ほど前から赤ちゃんに「〇日になったらおっぱいとばいばいしようね」といった声かけをしていきましょう。断乳(卒乳)の方法はいろいろとありますが、断乳(卒乳)前から、添い乳をする前に入眠儀式を行うようにすると、断乳(卒乳)後の寝かしつけに役立ちます。
添い乳以外の寝かしつけの方法
添い寝をする
ママの体温が近くにあると赤ちゃんは安心できるものです。添い乳はしなくても、そばに寄り添って赤ちゃんの頭や背中を優しくなでてあげてください。 ただし、赤ちゃんとの添い寝にはリスクも伴います。窒息やベッドからの転落などが起こらないよう、赤ちゃんが寝入ったら大人は離れて眠り、柵のあるベビーベッドやベビー用布団を利用するなどの十分な配慮が必要です。
抱っこをして歩く
多くのママが、経験上「赤ちゃんは抱っこをして歩いているとよく眠る」と感じており、これは赤ちゃんに「輸送本能」が備わっているからだといわれています。輸送本能とは、親が子を運ぼうとするとき、子どもは親の輸送を阻害しないよう、即座におとなしくなってリラックスするという反応です。
赤ちゃんを寝かしつけるときには、この輸送本能を利用し、抱っこをして歩いてあげるのが効果的です。赤ちゃんを長時間腕だけで支えるのは大変という場合は、抱っこ紐を利用しても良いでしょう。スリングなど、やわらかい素材の抱っこ紐を利用すると、ベッドにおろしたときにも赤ちゃんの眠りを妨げにくいのでおすすめです。
入眠儀式や入眠グッズを決める
添い乳に代わる入眠儀式や入眠グッズを決めるのも効果的です。入眠儀式であれば、絵本を読む、子守歌をうたうといった方法があり、入眠グッズでは毛布やぬいぐるみなどが一般的です。月齢とともに赤ちゃんの好みの入眠儀式や入眠グッズが変化することもあるので、柔軟に対応していきましょう。
添い乳での寝かしつけの体験談
添い乳での寝かしつけについてままのてに寄せられた体験談を紹介します。
赤ちゃんは寝るのが仕事だと思っていたのに、生まれてきた我が子はちっとも寝ない子。抱っこでゆらゆらしても、授乳をしても、お腹や背中をトントンしても、なかなか寝付けずに泣く我が子に、途方にくれる日々でした。いろいろなネンネトレーニングの本を読みあさりましたが、どれを試してもうまくいきません。どの本にも「添い乳は癖になるから良くない」と書いてあり、実践していませんでした。
そんなときに図書館で出会ったのが「シアーズ博士夫妻のベビースリープブック(現在廃盤)」という本でした。この本では添い乳についても否定しておらず、赤ちゃんのネンネのためはいろいろな方法があって「あなたの赤ちゃんとあなたにとって一番心地良い睡眠を見つけてね」というスタンスです。
それ以来、夜中に子どもが起きたときには添い乳をするようになりました。ほかのネンネトレーニングの本を参考に生活リズムを整えながら、添い乳も取り入れるようになったところ、子どもと私にとって楽な睡眠リズムができた気がします。
赤ちゃんとママにとって快適な寝かしつけを
添い乳での寝かしつけには、メリットもデメリットもあります。夜中に赤ちゃんが目を覚ましたときにおっぱいをあげて安心させてあげることも、赤ちゃんがおっぱいなしで寝つけるようにしてあげることも、どちらもママの愛情です。
大切なのは赤ちゃんとママにとって毎日の生活が快適であることです。赤ちゃんにとってもママにとっても心地良く感じられる寝かしつけ方法をみつけられると良いですね。