赤ちゃんが哺乳瓶を拒否!ミルクを飲まない理由は?拒否するときの飲ませ方のコツと10の克服方法|助産師監修
【助産師・保育士監修】赤ちゃんが急に哺乳瓶を拒否したり、哺乳瓶でミルクを飲んでくれなくなったりしたらママやパパは心配になってしまいますよね。ここでは、哺乳瓶のちくびやミルクの状態など赤ちゃんが哺乳瓶を拒否する原因と、おすすめのミルクを飲ませる方法を助産師監修で解説します。
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この記事の監修
目次
赤ちゃんは哺乳瓶を拒否することがある?
完全ミルク育児(完ミ)のママや混合育児(混合)のママはもちろん、完全母乳育児(完母)のママも、自分の体調が悪いときや赤ちゃんを預けるときなど哺乳瓶を使用する機会はあるものです。赤ちゃんが急に哺乳瓶を拒否したりミルクを吐き出してしまったりすると、どうすれば良いのか困ってしまいますよね。
赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がるのには、理由があります。赤ちゃんはまだ自分の気持ちを言葉で主張できないので、赤ちゃんの様子を見ながら対処していくようにしましょう。
赤ちゃんが哺乳瓶を拒否する原因
ミルクよりも母乳が好き
完全母乳育児や混合育児の場合、粉ミルクとママのおっぱいの味の違いによって赤ちゃんが哺乳瓶を拒否してミルクを飲まないことがあります。
生後1ヶ月~3ヶ月頃になると味の違いがわかるようになるといわれ、この時期から哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんが多いかもしれません。搾乳した母乳なら哺乳瓶で飲んでくれるかどうか、一度試してみてはいかがでしょうか。
哺乳瓶のちくびが合わない
哺乳瓶のちくびには対象月齢があり、赤ちゃんの吸う力によって出てくるミルクの量が変わるように設計されているのが一般的です。赤ちゃんが成長してからも低月齢のちくびを使い続けていると、思うようにミルクを飲むことができずに嫌がってしまうことがあります。赤ちゃんが吸ったときにミルクがきちんと出ているか、逆に、出すぎて口からあふれていないかを確認してみましょう。
ただし、赤ちゃんの発達には個人差が大きく、月齢はあくまで目安として考えるようにしてくださいね。また、メーカーや商品によってちくびの硬さや穴の形が違うので、赤ちゃんに合うものを選ぶようにすることが大切です。
お腹が空いていない
母乳はミルクと違い、どのくらいの量を飲んでいるのか目で見て確認することができません。混合育児の場合、実際は母乳でお腹がいっぱいになっているのにミルクを与えようとしたために、赤ちゃんが拒否しているという可能性があります。
哺乳瓶は嫌がるけれど母乳を欲しがる場合は、お腹が空いているのではなく、ママに甘えたいだけかもしれません。ママが母乳の量に自信がないときは、どのくらいの量を飲んでいるかは赤ちゃんの体重の増減でチェックしてみてくださいね。
ミルクの味が嫌
粉ミルクの味に違いはないのではないかと思うママやパパは多いかもしれませんが、実は、メーカーによって味やにおいが違うものです。ミルクの味が濃かったり薄かったりすることで哺乳瓶を嫌がる場合もあります。
ミルクの温度が熱い・冷たい
ふだん母乳中心で育児をしているママやミルクの扱いに不慣れなママやパパが調乳した場合、ミルクの温度が適温になっていないことがあります。ミルクの温度が熱すぎたり冷たすぎたりすることも、赤ちゃんが哺乳瓶で飲んでくれない原因のひとつです。
抱っこの体勢が嫌
哺乳瓶でミルクや母乳を飲ませるときは赤ちゃんを抱っこしますよね。その抱っこの体勢が原因で赤ちゃんがミルクを飲まないことがあります。また、赤ちゃんを横抱きにした状態でミルクを与えると、ミルクが気管に入ってむせてしまうおそれがあるので注意が必要です。
ミルクアレルギー
赤ちゃんが繰り返し何度もミルクを吐いてしまうときは、ミルクアレルギーが原因かもしれません。
ミルクアレルギーの場合、嘔吐(おうと)以外に下痢や血便、蕁麻疹(じんましん)などの症状が出ることがあります。またこれらの症状に血圧の低下や意識障害をともなう「アナフィラキシーショック」を起こすおそれもあるので、赤ちゃんの様子をしっかりと見て、できれば記録しておくようにし、異変を感じたら病院で診てもらうようにしましょう。
ミルクアレルギーと診断されたらアレルギー用の粉ミルクを使用することになります。自己判断で使用せず、必ず医師や管理栄養士の指示に従って与えるようにしてくださいね。
赤ちゃんに哺乳瓶の練習は必要?
そもそも哺乳瓶でミルクを飲む練習を赤ちゃんにさせる必要があるのか、あるいはなぜ必要なのか、気になるママやパパもいるかもしれません。嫌がっているのにわざわざ哺乳瓶で飲ませなくてもよいのでは、と考える人もいるでしょう。赤ちゃんが哺乳瓶でミルクを飲めない場合、何か困ることはあるのでしょうか。
水分不足の心配
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、よく汗をかきます。特に夏場は多量の汗をかくので母乳やミルクから水分補給ができない状態になると脱水症状が心配ですね。母乳中心の育児の場合でも、ママのおっぱいに傷や異常があるときなどには哺乳瓶が活躍するので、哺乳瓶で水分を摂れるようになっていると安心です。
保育園に預けづらい
哺乳瓶からミルクを飲めないと赤ちゃんを預かってもらえないとは限りませんが、ママがいない環境で過ごすことになるため「できるだけ哺乳瓶から飲めるようにしてきてくださいね」とお願いされることは少なくないでしょう。
哺乳瓶を受けつけない状態で保育園に預けるのは、赤ちゃんの健康面を思うと不安なものです。保育士さんはプロだとはいえ「迷惑を掛けるのでは」と心配になるママやパパも多いようです。
赤ちゃんのペースで哺乳瓶を試してみる程度で良い
哺乳瓶から飲めるようになると安心とはいえ、無理に練習をさせてしまうと、赤ちゃんに哺乳瓶への苦手意識を植えつけてしまうおそれがあります。おしっこの回数や機嫌、体重増加などによって水分や栄養が足りているかどうかを確認し、急激な異変がある場合は医師に相談するようにしましょう。
赤ちゃんが哺乳瓶を拒否するときの対策・克服方法10通り
1.哺乳瓶からミルクが出ているか確認する
手持ちの哺乳瓶を赤ちゃんが嫌がる場合は、赤ちゃんが吸ったときにしっかりとミルクが出ているかどうかを確認するようにしましょう。
ちくびの穴や通気孔にミルクのカスが詰まっていると、ミルクの出が悪くなったりちくびが潰れたりすることがありますよ。その場合は、ちくびを優しく揉み洗いするか、哺乳瓶に付属のニップルピンやつまようじの先でちくびの穴や通気孔ををそっとつついてみましょう。
哺乳瓶によってはちくびが上下非対称の形をしていて、赤ちゃんがくわえる向きが間違っているとうまく吸えない場合があります。また、哺乳瓶のパーツが正しくセットされているかどうかも改めて確認すると良いでしょう。
2.眠りかけているときに試してみる
お風呂上がりや寝る前の、赤ちゃんがうとうとしているときに試してみるのもひとつの手です。母乳中心の場合、最初はいつも通りおっぱいをあげておき、タイミングを見てさっと哺乳瓶にすり替えると飲んでくれる場合がありますよ。嫌がって泣いてしまうようときは無理に続けず、翌日またチャレンジしてみると良いですね。
3.お腹を空かせた状態で飲ませる
いくら哺乳瓶から飲ませようとしても、お腹がいっぱいのときはうまくいきにくいでしょう。いつもよりも授乳の間隔をあけて試してみましょう。お腹が空いているときであれば、赤ちゃんが諦めて飲んでくれるかもしれません。
4.哺乳瓶本体・ちくびを変える
哺乳瓶本体やちくび部分はさまざまなタイプが販売されていて、どれを選んだら良いのか悩んでしまいますよね。特にちくび部分は月齢によってサイズアップが必要となるものがあるので、赤ちゃんの発達に合ったものを選ぶようにしましょう。
月齢に合わせてちくびのサイズを変えた途端に哺乳瓶を嫌がるようになった場合は、出てくるミルクの量が急に増えたことが原因かもしれません。そのときは一度元のちくびに戻し、1~2週間後にもう一度サイズアップしたちくびを試してみてくださいね。
月齢に合ったものを用意していても、ちくびの硬さや素材、形などにより赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がってしまうことがあります。どうしても哺乳瓶を拒否するときは、まず、同じメーカーの違うちくびを試してみるようにしましょう。それでも嫌がって飲まないときには、思い切って違うメーカーのものに変えてみるのもひとつの方法です。
5.ミルクを変える
メーカーによってミルクの味やにおいは異なるものです。そのため、違うメーカーのミルクに変えると赤ちゃんがゴクゴク飲んでくれるようになることがありますよ。また、ミルクが濃すぎたり薄すぎたりして嫌がっている可能性もあるので、別のミルクに変える前にミルクの濃さが正確かどうかを確認してみると良いでしょう。
ミルクの味が嫌なのか、哺乳瓶自体が嫌なのか見極めたいときには、月齢によってお茶や果汁、搾乳した母乳を与えてみると原因がわかるかもしれません。お茶などを問題なく飲める場合は、ミルクの味が原因になっている可能性が高いですよ。
飲んでくれるかわからないミルクを大きな缶で買うのに抵抗がある場合は、ドラッグストアやメーカーのホームページから試供品を手に入れてみてはいかがでしょうか。必ずもらえるとは限りませんが、キャンペーン情報などをチェックしてみてくださいね。
6.ミルクの温度を変える
粉ミルクの扱いに慣れていない人が調乳するときには、ミルクの温度調整に注意しましょう。赤ちゃんに与えるミルクの温度は人肌の温度に近い37℃前後が目安とされています。赤ちゃんに飲ませる前に、ママやパパの手首の内側など皮膚の薄い部分で温度を確かめるようにするとわかりやすいですよ。
ガラス製の哺乳瓶のほうがプラスチック製の哺乳瓶よりも熱が伝わりやすいので、ミルクの温度を確認しやすい傾向があります。
7.哺乳瓶のちくびを温める
ミルクの温度が適温になっていても、ちくびの部分が冷たいと赤ちゃんが嫌がってしまうことがあります。冬場などにちくびが冷たくなっているときには、ママの乳首と同じくらいの温度になるように温めてあげるようにしましょう。
8.ママ以外の人がミルクを与える
母乳中心または混合育児の場合、ママが哺乳瓶でミルクを与えようとすると拒否することがあります。「ママ=母乳」というイメージが赤ちゃんの頭の中にあると、母乳がほしいのにミルクを飲ませられることに対して怒り、嫌がってしまう可能性があります。
そういった場合は、パパや祖父母などママ以外の人にミルクを与えてもらうと、抵抗なくミルクを飲んでくれるかもしれませんよ。
哺乳瓶からミルクを飲まない状態で赤ちゃんを保育園に預けなければならないときも、ママがいないところでは諦めて哺乳瓶から飲んでくれる場合があります。心配な気持ちは残るかもしれませんが、事前に保育士さんに相談のうえ保育園で哺乳瓶にチャレンジしてみるのもひとつの手です。
9.空の哺乳瓶で試す
哺乳瓶は嫌がっていても歯固めやおもちゃは抵抗なく口にしているようならば、中身を空にした状態で哺乳瓶に慣れさせてみても良いですね。赤ちゃんが哺乳瓶のちくび部分をくわえてくれるようになったら、ミルクに挑戦してみましょう。
慣れさせるために赤ちゃんに哺乳瓶を渡す場合はプラスチック製のものをおすすめします。ガラス製だと赤ちゃんが落としたときに割れてけがをしてしまう危険性があります。また、ちくびなどのパーツが外れて赤ちゃんが誤飲してしまわないよう、目を離さないようにしましょう。
10.コップやストローで飲ませる
哺乳瓶をどうしても受けつけてくれないときには、スプーンやコップなどを使ってミルクを与えてみるのも良いでしょう。月齢が低い赤ちゃんの場合は、少量ずつ与えやすいスプーンやスポイトを使うと飲ませやすいですよ。コップで飲ませるときは小さめのものを用意し、赤ちゃんの口に勢い良くミルクが流れ込んでしまわないように注意しましょう。
赤ちゃんの発達に合わせてスパウトやストローなどに挑戦してみるのもおすすめです。ただし、スパウトやストローが苦手な赤ちゃんもいるので、無理をしないようにしてくださいね。
月齢によって哺乳瓶を嫌がる時期も
新生児から1ヶ月~3ヶ月頃になると、おっぱいと哺乳瓶の違いがわかるようになり、赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がることがあります。また、5ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃんは自我が芽生えてくるので、「これが嫌」という主張をする場面が増えてきます。
哺乳瓶の練習がうまくいかなくてママやパパが困ってしまうことがある反面、自己主張は赤ちゃんの成長の証ともいえます。あせらずに見守ってあげましょう。
赤ちゃんが哺乳瓶を拒否したときの体験談
生後3ヶ月頃に哺乳瓶を嫌がるようになりました。それまで完全母乳だったので、母乳と哺乳瓶とで違和感があったのだと思います。哺乳瓶を口にくわえるのを嫌がって大泣きし、ちくびを口元に近づけても口を開こうとしませんでした。
しかし生後3ヶ月の終わりごろに保育園への入園が決まっていたので、哺乳瓶の練習をせざるをえませんでした。哺乳瓶のちくびの先に母乳をつけて、おしゃぶりのように少しずつくわえることに慣れさせ、ちくびをくわえることができるようになったら搾乳した母乳を哺乳瓶で飲む練習をし、最終的には哺乳瓶で飲めるようになりました。
産後すぐは寝かしつけと人に預けるときのみミルクで育てていましたが、生後2ヶ月頃、ある日突然哺乳瓶を嫌がるようになりました。ちくびを口に含ませようとしても、舌で突き返すような素振りをして嫌がっていました。母乳:ミルクが9:1くらいの割合だったので母乳のほうが飲みやすくて味も好きだったのかな…と思います。
その後、何度か哺乳瓶の種類を変えて練習しました。いつもはピジョンの哺乳瓶だったのですが、ベッタやビーンスターク、チュチュベビーなど色々な種類で試してみました。しかし、結果的に全然飲めるようにならなかったので、完母に移行しました。
赤ちゃんのペースに合わせて試してみよう
赤ちゃんが哺乳瓶を受けつけてくれなくなると、心配になって何とか飲んでもらおうとするママやパパもいるでしょう。しかし、必死に飲んでもらおうとすればするほど、赤ちゃんは哺乳瓶に対して苦手意識を持ってしまう可能性があります。赤ちゃんにとって無理のない飲ませ方、無理のないペースで試していきましょう。
赤ちゃんの健康や発達に問題がなければ、哺乳瓶の使用を一度中断してしまうのもひとつの方法です。時間をおいてからまた試してみると、すんなりと飲んでくれるようになるかもしれませんよ。哺乳瓶を拒否する赤ちゃんにやきもきしてしまうかもしれませんが、根気強く付き合ってあげましょう。
※この記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。