赤ちゃんの体重が増えない原因と対処法は?母乳不足のせい?

赤ちゃんにはすくすく成長してもらいたいですよね。赤ちゃんの体重がなかなか増えないと、不安になるママもいることでしょう。母乳不足なのかと、心配になってしまいますよね。赤ちゃんの体重が増えないのは、何が原因なのでしょうか。ここでは、赤ちゃんの体重が増えない原因と対処法について解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 気になる赤ちゃんの体重増加
  2. 赤ちゃんの体重増加の目安
  3. 赤ちゃんの体重が増えない原因
  4. 赤ちゃんの体重が増えないときの対処法
  5. 体重増えない赤ちゃんに関する体験談
  6. 赤ちゃんの成長スピードは人それぞれ

気になる赤ちゃんの体重増加

生まれたばかりの赤ちゃんは、水分が多く脂肪や筋肉の割合がとても少ない状態です。このため、体温調節が上手くできず、寝返りを打つ、歩くといったことができません。今後の成長のためにも「身体を作る」ということが大切になりますね。しっかりと栄養をとることで、脂肪や筋肉、骨、全身の臓器が発達していくので、体重が増えるということはとても大事なことです。

赤ちゃんの体重増加の目安

赤ちゃんの体重は、生まれてから数日経つと約10%ほどの体重が減ります。これを「生理的体重減少」と呼びます。赤ちゃんの体内に蓄積していた、排泄物や老廃物、汗などが出ることによる、自然な現象ですので心配はいりません。生まれてから1~2週間程経過すると出生時の体重に戻ります。

生後1~3ヶ月

赤ちゃんの体重は、生後2週目あたりから急速に増え始めます。生後1~3ヶ月の体重増加の平均は1日25~30gです。

生後4~6ヶ月

生後4~6ヶ月には平均で20~25g/日ほど体重が増加します。少し緩やかになりますが、まだまだ急激な増加といえるでしょう。

生後7~9ヶ月

生後7~9ヶ月には平均で10~20g/日ほど体重が増加します。段々と緩やかな増加になってきます。

生後10~12ヶ月

生後10~12ヶ月になると平均で7~10g/日ずつ体重が増加するようになり、生後間もない頃と比べるとかなり緩やかな増加ペースになりますね。

あくまでも平均であり、目安なので、数値にこだわる必要はありません。それぞれの子どもなりに成長していれば大丈夫な場合がほとんどです。

赤ちゃんの体重が増えない原因

生後1ヶ月頃

赤ちゃんは、生まれてから数日経つと「生理的体重減少」で体重がおよそ5〜7%程度減少しますが、生後2週間ほどすると出生体重よりも増加し始めます。このため、体重が減少していても最初の頃は心配いりません。生後1ヶ月経っても体重が増えない場合には、母乳が上手く飲めていなかったり、母乳の分泌量が足りなかったりする可能性があります。

その他に考えられる原因としては、室温が低すぎる場合があります。室温が低いと、脂肪が十分でない赤ちゃんは体温を維持するためにたくさんのエネルギーを使います。授乳で摂取したエネルギーを体温維持で消費してしまい、身体に蓄積されていない状態になっている可能性があります。

生後2~4ヶ月頃

生後2〜4ヶ月頃の赤ちゃんの体重が増えない場合には、母乳やミルク不足が原因として考えられます。授乳の間隔は個人差も大きいので赤ちゃんが元気で体重もしっかりと増えていれば、問題ないでしょう。夜一度眠ると朝まで起きないという赤ちゃんもいますが、これも体重が増えない要因としてあげられます。お母さんは大変ですが、夜中でも4時間くらいの間隔で授乳すると良いでしょう。

授乳量が足りているかどうかを判断するためには、1日に5~6回おむつがしっかりと濡れているかを確認しましょう。しっかりと濡れていれば、水分量は足りています。1回の授乳時間が40分以上かかる場合には、母乳量が十分でないためにいつまでも吸っている可能性もあります。母乳不足によって体重が増えないという可能性もあるでしょう。

生後5~6ヶ月頃

生後5~6ヶ月頃から、離乳食がスタートします。離乳食をきちんと食べてくれるかどうかで、体重の増加に差が出ます。離乳食を残してしまい体重が増えない場合には、ミルクを足してあげても良いでしょう。授乳は欲しがるだけあげても構いません。この時期には、寝返りをしたり、ほふく前進のような「ずりばい」を始めたりして、運動量が増えてきます。カロリーが消費されている場合、栄養が足りていても体重が増えない場合もあるでしょう。

赤ちゃんの体重が増えないときの対処法

室温を調節する

健康・快適居住環境の指針~健康を支える快適な住まいを目指して~」(平成28年度改定版)によると、乳幼児がいる部屋の室温は冬は20−26℃、夏は外気よりも4〜5℃ほど低いくらいが目安とされています。(※)

暑かったり寒かったりしたら、エアコンなどで室温を調整しましょう。特に冬は暖かい空気が上へ行くため、赤ちゃんが寝ている床は冷えている場合があるので要注意です。衣服を一枚多く着せたり、毛布を掛けたりして体温の調節をしてあげましょう。

授乳間隔の目安は参考程度に考える

初めての育児はわからないことだらけで、育児参考書とにらめっこしているお母さんも多いかもしれません。参考書には、授乳間隔は「3時間おきが最適」だと書かれている場合がありますが、あくまでも目安です。母乳だけの場合は3時間とは限らないことを忘れないでくださいね。

必ず3時間おきにしなければいけないということはなく、赤ちゃんが欲しがっているのであれば、3時間以内に再度授乳しても構いません。一度の授乳で飲める量は赤ちゃんによってバラバラです。たくさん飲める子どももいれば、少ししか飲めない子どももいて、個人差があります。大切なのは、赤ちゃんをよく観察し、おっぱいを欲しがっていたら与えるということでしょう。

ミルクを足すことを検討する

生後5ヶ月くらいまで、赤ちゃんは母乳かミルクで栄養を摂取します。母乳にはたくさんの栄養が含まれているため、母乳で育てたいと考えるお母さんは多いかもしれません。一方で、中には乳頭のトラブルや乳腺炎などの影響で赤ちゃんの体重が増えない場合もあります。さまざまな理由により母乳育児が困難になったら、ミルクを足すということを検討しましょう。一時的にミルクも足しながら授乳して、落ち着いたら積極的に母乳をあたえるという形でも良いでしょう。

うんちやおしっこの回数を確認する

母乳不足の判断材料として、うんちやおしっこの回数を確認するという方法があります。うんちは1日1~2回、おしっこは1日に5~6回が目安となります。おむつがしっかりと濡れていれば、水分量は足りているということになるので、体重が増えないのは母乳不足が原因ではないということになります。

便秘の場合には、お腹が苦しくて母乳やミルクを十分に飲みことができない場合があり、体重増加に影響することもあるでしょう。便秘を解消してあげることも大事です。

赤ちゃんの活動量をチェックする

生後5~6ヶ月頃になると、寝返りをしたりずりばいを始めたりと、全身を使って動くようになり、赤ちゃんの運動量がアップします。赤ちゃんが元気でよく動いているようであれば、カロリーをたくさん消費するため、体重が増えにくくなる場合があります。必要であれば母乳やミルクの回数を増やしたり、離乳食の量や回数を増やしても良いかもしれません。

フォローアップミルクを活用する

離乳食をあまり食べてくれない場合、フォローアップミルクを飲ませるのも良いでしょう。栄養を補うのが目的なので、離乳食の進みが悪く体重増加が思わしくない赤ちゃんには、フォローアップミルクがオススメです。離乳食に混ぜても良いかもしれません。ただし、「市販のフォローアップミルクは生後9ヶ月頃から」飲ませるものが多いです。生後6・7・8ヶ月頃の離乳食初期には通常のミルクを与えるようにしてください。

心配しすぎない

赤ちゃんの体重の増え方には個人差があります。育児書や周りの赤ちゃんと比べて心配しすぎるのはよくありません。機嫌がよく元気で、その子どもなりに少しずつでも体重が増えていれば、ほとんどの場合は大丈夫です。どうしても心配なら、病院で診てもらうと安心できるでしょう。体重が増えないことに対して、あまり神経質にならず、大きな気持ちで、赤ちゃんの成長を見守ってあげてください。

母子健康手帳の後ろの方には、グラフに体重を書き込めるようになっていますので、活用してくださいね。成長曲線に沿って体重が増えていれば様子を見ても大丈夫です。

体重増えない赤ちゃんに関する体験談

上の子を出産したときは、初めての育児でわからないことだらけでした。育児書を見たり、周りの子どもと比べたりして、かなり神経質になっていました。2週間健診で体重の増えが悪いと指摘されたときには、とても心配になりました。筆者の場合は、「心配しすぎた」ということと、「授乳間隔は3時」という説にこだわりすぎた」ことで、授乳後1~2時間くらいで子どもが泣き出しても授乳をしなかったことが、体重増加に影響を与えていたのかもしれません。

生後2ヶ月を過ぎた頃から、保健センターへ体重チェックに行きましたが、少しずつ増えていたので、その後はあまり心配することなく育児に専念できました。生後半年くらいまでは周りの子どもと比べても小ぶりでしたが、離乳食をよく食べていたのでどんどん大きくなり、今では大きいくらいです。

当時は本当に心配でたまりませんでしたが、思い返してみると、そんなに心配しなくても大丈夫だったなと思います。筆者自身も昔は小柄だったため、成長曲線から外れていて母は大変心配をしたそうですが、何の問題もなく成長しました。

赤ちゃんの成長スピードは人それぞれ

赤ちゃんの成長スピードには個人差があります。育児書や周りの子どもと比べたり、体重という数字にこだわって振り回されていては、気苦労が絶えないでしょう。毎日かわいいわが子と向き合い、あまり心配しすぎず大きな心で、元気に育つ姿を見守ってあげましょう。

どうしても気になるようであれば、病院の診察を受けたり、保健センターへ相談に行って悩みをひとりで抱え込まないようにしてくださいね。