更新日:2018年05月14日

麻疹(はしか)に赤ちゃんや子どもが感染したら?予防接種前は?後遺症は残る?【2018】

2018年3月の沖縄での感染報告以降、全国でも続々と感染者が増え続けている麻疹(はしか)ですが、赤ちゃんがかかってしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか。症状や後遺症の有無などが気になるところです。ここでは、麻疹(はしか)にかかってしまった場合の症状や対処法、予防策などについて医療監修付きで紹介します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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記事の監修

麻疹(はしか)とは?症状は?

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2018年3月、沖縄での麻疹(はしか)の感染者が確認されて以降、東京都や埼玉県、愛知県などでも続々と感染が報告されています。いまだ流行終息の兆しがみられず、感染者が増え続けているのが現状です。テレビや新聞などでも注意が呼びかけられているため、感染度合いが気になっている方や感染しないか不安に感じられている方も多いのではないでしょうか。

麻疹とは、麻疹ウイルスが空気感染、飛沫感染、接触感染などのさまざまな感染経路によって、人から人へと感染する病気です。感染力が非常に強い上に、免疫を持たない人が感染するとほぼ100%に近い確率で発症するとされています。感染するとさまざまな症状が現れ、合併症などを起こすと死に至る危険性もあるようです。麻疹を発症した場合、いったいどのような症状があらわれるのでしょうか。

麻疹(はしか)の初期症状

麻疹(はしか)に感染すると、10~12日間ほどの一定期間の潜伏期を経てから発症します。潜伏期を過ぎた後、2~4日間ほどさまざまな初期症状が起こります。初期症状としては、38 ℃前後の発熱や身体のだるさ、のどの痛みや鼻水、咳やくしゃみといったものです。さらに、麻疹(はしか)に感染した赤ちゃんや幼児のうち約8~30%は、消化器系の症状として腹痛や下痢を伴うこともあります。

初期症状だけでは普通の風邪とあまり変わらないようにも思えますが、実はこのような症状がでている期間が、最も麻疹の感染力が強い時期だといわれています。ほかにも、目の粘膜の炎症による目ヤニや結膜炎やなども、麻疹の初期症状としては多くみられる症状です。また、この時期には口の中の粘膜部分に白いプツプツとした口内炎のようなものができる場合もあるとされています。

麻疹というと、身体に赤くて細かい湿疹のようなものが出るといった印象を持たれている方も多いかもしれません。しかし、実際はこうした発疹などが身体に出てくるのは、初期症状が現れたあとのようです。この時期は発疹期とも呼ばれています。熱がさらに上がり、赤い発疹が耳の裏から出始め、次第に顔や身体全体へと広がっていきます。こうした発疹は皮膚表面だけでなく、粘膜の部分に出ることもあります。腫れやかゆみを伴うため、赤ちゃんや子どもにとっては非常につらい状況となってしまいます。

麻疹(はしか)と間違えやすい病気

麻疹(はしか)は初期の段階では風邪と見分けがつきづらいでしょう。また、麻疹と同じように発熱や発疹といった症状があらわれる風疹は、麻疹とよく間違えられる病気でもあります。風疹は、別名「三日はしか」とも呼ばれていることなどから、小さいころに風疹にかかったことを麻疹であると勘違いしたまま大人になるケースあるようです。

麻疹(はしか)に感染したら?治療法は?

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もしも、麻疹(はしか)に感染してしまった場合には、どのように対応すれば良いのでしょうか。感染を拡大させないためにも、適切に行動したいものですよね。それぞれの対処法や治療法について確認しておきましょう。

症状を疑ったら病院で検査

麻疹(はしか)特有の症状や、感染者との接触の可能性が思い当たる場合には、重症化を防ぐためにもすみやかに病院で検査を受ける必要があります。

まずは慌てず、病院などの医療機関へ電話をし、症状や麻疹の可能性があることを伝えましょう。その際、過去の予防接種の有無などについて聞かれる場合もあるので、事前に確認しておくとスムーズです。その後は、できるだけ人との接触をさけて病院へ行くことが重要です。

状況によっては難しいかもしれませんが、公共交通機関なども利用しないようにする必要があります。移動手段で迷った場合には、決して自己判断をせずに、病院に相談して行動するようにすると安心ですね。

麻疹(はしか)に治療薬はない

合併症など重度な症状を引き起こす可能性のある麻疹(はしか)ですが、特効薬や専用の治療薬などがないため、症状に応じて治療をする対症療法を行うしかありません。この場合の対処療法とは、熱や痛みをやわらげたり、かゆみを抑えたりするような治療のことを指します。身体に発疹が出てから、3~4日ほどで次第に熱が下がり、発疹も徐々に引いていきますので、その期間はできるだけ負担がないよう安静にしつつ身体をケアしていくようにしましょう。

麻疹のウイルスに対する治療薬がないとはいえ、自宅療養で完結しようとすることは決しておすすめできません。麻疹を発症した人のうち、30%ほどの割合で肺炎や中耳炎、クループ症候群、場合によっては脳炎や心筋炎などの重篤な合併症を引き起こしてしまう可能性があるためです。症状が軽いからといって決して安心せず、麻疹の可能性がある場合には、必ず医療機関にかかるようにしましょう。

麻疹(はしか)と診断されたら療養が必要

麻疹(はしか)と診断された場合には、極力他の人との接触を避け、ゆっくりと身体を休める必要があります。痛みや発熱により、食欲の低下や脱水症状などがみられる場合もあるため、無理をせず症状が治まるまで療養するようにしましょう。

麻疹の症状が出てから、落ち着くまでに1週間以上かかる場合もあるでしょう。回復までに比較的長い期間を要する病気です。状況によっては入院を必要とする場合もあるため、医師が日常生活を送っても問題ないと診断をするまでは、一定の療養期間が必要だと考えておく必要があるでしょう。

麻疹(はしか)にかかったら登園できない

感染力が非常に強い麻疹(はしか)は、インフルエンザと同じ種別である第二種の学校感染症に定められています。発症している期間はもちろん、解熱後3日を経過するまでは、保育園や幼稚園などへは登園できません。また、家族に麻疹の感染者がいる場合にも、登園停止となるケースがあります。判断に迷ったら、病院や園に確認するようにしましょう。

熱が下がって3日が経過すれば、登園自体は問題ないとされています。幼稚園や保育園によっては、医師による登園許可証や意見書が必要となることもあるため、必ず確認をしてから登園を判断するようにしましょう。

赤ちゃんや子どもが麻疹(はしか)に感染する可能性は?

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ワクチン接種を受けていない人が麻疹(はしか)に感染した人と接触をした場合、空気感染も含みかなりの高確率で感染するといわれています。大人と違い赤ちゃんの場合は、まだ一度も麻疹の予防接種を受けたことがない子もいるなど、免疫に大きな差があります。それぞれ、状況に分けて感染の可能性はどれくらい異なるのでしょうか。

予防接種前の赤ちゃんの場合

麻疹(はしか)の予防接種であるMRワクチン(はしかと風疹の同時)の接種は、基本的に1歳の誕生日を迎えて初めて受けるものです。そのため、1歳未満の赤ちゃんやMRワクチンを摂取していないという赤ちゃんの場合には、麻疹感染者と接触することで感染してしまう可能性はかなり高いといえるでしょう。

ただし、MRワクチン接種前であっても、ママ自身が抗体をもっている場合には、少なからず赤ちゃんにも麻疹に対する免疫を持っている可能性があります。この場合、完全な免疫とはいえないために確実に感染を防げるわけではありません。また、感染したとしても、症状が軽い「修飾麻疹」で済むことが多いとされていますが、赤ちゃんにとって負担になることには違いないでしょう。

予防接種後(1回)の赤ちゃんの場合

MRワクチンなど麻疹含有ワクチンの摂取を一度受けると、95%以上の人に麻疹ウイルスに対する免疫がつくとされています。摂取したうちの5%ほどは、免疫が十分につかない場合があるため、感染する可能性は0%というわけではありませんが、万が一麻疹に感染したとしても、症状が比較的軽く短期間で済む「修飾麻疹」ことが多いとされています。

修飾麻疹であっても、発疹や高熱が出るなどの症状は起こりえます。また、合併症を引き起こす可能性もあるでしょう。感染力自体は弱まるものの、他者へ感染しないというわけではないため、注意が必要であることには変わりありません。

予防接種後(2回)の子どもの場合

予防接種を2回受けることで99%の人に免疫がつくといわれています。さらに1回目の摂取で十分に免疫がつかなかった人にも免疫をつけられるため、年数が経過することで免疫が低下してくるような子どもに対しても、さらに免疫を高められます。2回の摂取を受けてしっかりと免疫をつけている場合には、麻疹にかかる可能性はほとんどないとされているので、しっかりと2回の予防接種を受けることが大切です。

赤ちゃんや子どもが麻疹(はしか)に感染したら後遺症は?

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赤ちゃんや子どもが麻疹(はしか)にかかった場合、まれに脳炎などの合併症による後遺症を引き起こす場合があります。麻疹から脳炎にかかる割合は患者の1000人に1人とされていますが、そのうちの約20~40%に精神発達遅滞、痙攣、行動異常、神経聾、片麻痺、対麻痺といった中枢神経系の後遺症が現れるケースがあるとされています。

またこの脳炎などの合併症とは別に、幼いころに麻疹かかった子が、7~10年後に脳や運動機能に障害を起こし、やがて死に至るという亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症するケースも、ごくまれにあると報告されています。

赤ちゃんや子どもの麻疹(はしか)感染予防法は?

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麻疹(はしか)は感染力が非常に強く、場合によっては重症化し、命の危険性もあります。合併症や後遺症の可能性もあるともされる麻疹の感染から、赤ちゃんや子どもを守るためにはどうすれば良いのでしょうか。

予防接種を受ける

最も大切なことは、麻疹(はしか)の予防接種を赤ちゃんや子どもにしっかりと受けさせることです。生後6ヶ月未満の子どもには基本的にはMRワクチンなどの摂取ができないことになっていますが、生後6ヶ月以降であれば1歳になる前からでも摂取が可能です。通常は1歳を過ぎてからと、小学校に上がる前の1年間のあいだに摂取を受けるMRワクチンですが、1度の摂取でも95%の赤ちゃんに免疫がつくため、まずは早めに予防接種を受けることが大切です。

人混みをさける

麻疹(はしか)は、非常に感染力が強い病気です。その感染力はインフルエンザの10倍ともいわれており、接触や飛沫だけでなく、空気感染で伝染することもあります。たとえば、電車やバスなどの密閉された空間に感染者と一緒にいるだけであっても、麻疹に感染する可能性があるでしょう。マスクなどをしていても効果がないといわれているため、外出時にはできるだけ人混みを避けて行動することも感染予防につながりますね。

赤ちゃんや子どもだけでなく大人も麻疹(はしか)に注意

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麻疹(はしか)は赤ちゃんや子どもだけでなく、実は大人であっても注意が必要な病気です。基本的に1度麻疹に感染したことがあるという場合や、2回の予防接種を受けている場合には、その免疫は続くとされていますが、なかには免疫が十分でない方もいるようです。いったいどのような場合なのでしょうか。

年代により免疫が十分でない場合も

現在は2回の摂取が必要とされている、麻疹(はしか)の予防接種ですが、摂取回数が2回となったのは1990年4月2日以降に生まれた人が対象です。1977年から1990年4月1日のあいだに生まれた人の場合、ワクチン接種の回数が1度しかないため、免疫が十分についていない可能性や経年によって免疫が低下しているケースがあるようです。この年代に生まれ、過去に麻疹にかかったことがないという方は、免疫が十分でない可能性もあるため、麻疹ワクチン1回摂取しておいたほうが良いとされています。

それ以前に生まれた世代については、まだ麻疹の予防接種が行われていない年代に当たります。予防接種を受けていないために、多くの方が麻疹にかかった経験を持っているようです。そのため、予防接種を受けていなくても、麻疹に感染したことによって免疫が付いているケースがほとんどでしょう。抗体の有無が不明な場合には、抗体検査を受けるか1度は摂取を受けるようにしておくと安心ですね。

妊婦は特に注意が必要

妊娠中、麻疹(はしか)にかかると流産や早産を起こす可能性があります。世代によっては幼少期に1度しか予防接種を受けておらず、免疫が十分でない可能性がある方は注意が必要です。免疫がついているかどうかは、採血による抗体検査で確認できます。妊娠してから予防接種を受けることはできませんので、妊娠中で不安という方は、かかりつけ医に相談しましょう。

2018年は麻疹(はしか)が流行?

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日本国内における麻疹(はしか)は、2015年3月には世界保健機関(WHO)から排除状態にあると認められていました。ところが、それ以降も海外から持ち込まれた麻疹ウイルスによって、麻疹自体は発生しています。

最近では2018年3月23日に、沖縄県内を旅行中の台湾からの旅行客が麻疹と診断されました。これをきっかけに、日本国内で続々と麻疹に感染した人が確認されているのです。今後も流行が続くことが考えられますので、引き続き注意が必要ですしょう。

国立感染症研究所│麻しん 2018年第1〜16週

赤ちゃんや子どもを予防接種で麻疹から守ろう

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麻疹(はしか)は、空気感染もするほど非常に感染力の強い、ウイルス性の急性伝染病です。しかし、MRワクチンや麻しんワクチンなど、計2回の予防接種を受けていれば99%感染を防げるとされています。赤ちゃんの場合には、1度目の公費での摂取は1歳になってからとされているため、まずはその1回目を受けているかどうかが重要になってきます。

パパやママのなかには、世代的に1度しか接種を受けていないために、感染の可能性があるという方もいるかもしれません。採血によって抗体検査をすることができるので、不安な場合には抗体の有無を確認しておくことをおすすめします。予防接種により感染の可能性を低くすることができる病気なので、赤ちゃんや子どもはもちろんのこと、パパやママ自身も身を守れるように対応できると良いですね。

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