【体験談あり】子どもの頻尿の原因は?心因性の場合の克服方法や親の対処法は?

子どもの頻尿は、膀胱炎などの病気だけでなく、精神的なストレスが原因で起こることがあります。ここでは、子どもの頻尿の原因や判断基準、症状、心因性の場合の克服方法を紹介します。子どもの頻尿のきっかけに関する体験談も参考にしてみてください。子どもの頻尿は珍しいものではなく、親が根気良く見守ってあげることが大切ですよ。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 子どもの頻尿の原因は?
  2. 子どもの頻尿の判断基準は?
  3. 子どもが精神的に頻尿になるきっかけ
  4. 子どもの心因性頻尿の克服方法と親の対処法?
  5. 子どもの頻尿!病院は何科を受診する?
  6. 子どもの頻尿は珍しいことではない
  7. あわせて読みたい

子どもの頻尿の原因は?

精神的なストレス(心因性頻尿、神経性頻尿)

精神的なストレスによる頻尿は、繊細な子どもに多く、「心因性頻尿(神経性頻尿)」と呼ばれています。心因性頻尿には、以下のような特徴があります。

・排尿痛がない
・発熱がない
・ほかのことに集中しているときは症状が出ない
・眠っているときは症状が出ない

心因性頻尿は3~5歳頃の子どもに起こりやすいとされています。精神的なストレスは、チックとして表れることも少なくありません。チックとは、わざとではないのに首や顔、手足などの動きを繰り返してしまうことをいいます。しかめっ面をしたり、舌打ちをしたりとチックの症状はさまざまです。

チックの症状は子どもの約1割に起こるとされており、成長とともに治まることが多いようです。チックの原因は育て方やしつけではなく脳の体質によるものだといわれていますが、精神的なストレスによって症状が強くなることがあります。日常生活に支障が出るほど症状が強い場合は、医師に相談するようにしましょう。

膀胱炎などの病気

子どもの頻尿で一番多いのが、膀胱炎だといわれています。膀胱炎は尿道に大腸菌などの細菌が感染することによって起こるもので、頻尿のほかに以下のような症状が起こるのが特徴です。

・排尿痛
・残尿感
・血尿
・下腹部痛

高熱や腰痛などの症状がある場合は、細菌が尿管を通って腎臓に入り、腎盂などに感染する「腎盂腎炎(じんうじんえん)」を引き起こしている可能性があるので、注意が必要です。子どもが腎盂腎炎になると、食欲不振や嘔吐、ひきつけなどの症状を起こすことがあります。

糖尿病や尿崩症(にょうほうしょう)も、頻尿を引き起こす病気です。糖尿病や尿崩症になるとおしっこの量が多く、すぐに喉が渇いて水分を多く摂るようになります。

排尿機能が成熟していない

排尿機能が未熟なうちは、膀胱でためておけるおしっこの量が少ないので「過活動膀胱」になりやすいとされています。過活動膀胱とは、おしっこをしようとしていないのに、勝手に膀胱が縮んでしまう病気のことをいいます。頻尿のほか、尿漏れなどの症状が起こるのも特徴です。

子どもの排尿機能が完成するのは3~4歳頃といわれているので、過活動膀胱の治療は5歳を過ぎても症状が続いている場合に行われることが多いでしょう。排尿機能が未熟な時期に焦ってトイレトレーニングを行うと、排泄障害につながることもあるので気をつけてくださいね。

子どもの頻尿の判断基準は?

子どものトイレの感覚が近いと感じていても、どこからが頻尿にあたるのかよくわからないママは多いのではないでしょうか。子どもの1日のトイレの回数と間隔の目安は以下の通りです。

・1~2歳:8~12回/2時間おき
・3~4歳:5~9回/3時間おき
・4歳以降:4~8回/3~6時間おき

年齢が低いほどトイレの間隔が近いことがわかりますね。子どもの頻尿の目安は、トイレの間隔が2時間より短い、または1日のトイレの回数が8~10回以上とされています。

ただし、トイレの回数や間隔には個人差があるため、あくまで参考程度に考えてくださいね。普段よりもトイレの間隔が近い期間が続いているようなら、一度医師に相談しても良いかもしれません。

子どもが精神的に頻尿になるきっかけ

環境の変化

子どもにとって環境の変化は、大人が想像するよりも大きなストレスを与えるものです。以下のような環境の変化が心因性頻尿を引き起こすきっかけとなることがあるでしょう。

・入園・入学
・きょうだいの誕生
・引っ越し

環境が大きく変わる時期は、普段よりも子どもの様子を気にかけてあげましょう。

入園前は頻尿になる子どもが多いようです

3歳になる息子が、突然何度もおしっこに行くようになりました。5分おきにトイレに駆け込む息子を見て膀胱炎を疑い、病院を受診しました。しかし、尿検査の結果は陰性でした。医師に「もうすぐ入園式かな」と聞かれ「そうです」と答えると、入園前に頻尿になる子どもが多いという話をされました。

我が家では少し前に下の子が生まれており、赤ちゃん返りをする息子を何事も優先して生活していました。息子優先の生活をそろそろやめようかと考えていた矢先の出来事でもあったため、そのストレスも原因のひとつだったのかもしれません。

園や学校行事へのプレッシャー

幼児の場合は幼稚園や保育園などの発表会、小学生の場合はテストなど、園や学校行事へのプレッシャーが頻尿を引き起こすことは少なくありません。発表会やテストなどの行事当日にトイレが近くなるのは一過性のもので、どのような子どもにでも起こりうるものなので、心配いらないでしょう。

ただし、頻尿が日常生活に支障をきたすような慢性的なものにつながる可能性もあるので、その場合は医師に相談するようにしてくださいね。

歌の発表会のストレスで頻尿に

小学生の娘が学年で歌の発表会をすることになり、体育館での練習の日々を送っていました。しかし、娘は音痴を気にしており、歌うことをとにかく嫌がっていたのです。そういったとき始まったのが頻尿でした。5分おきにトイレに駆け込む娘を心配し病院へ連れて行ったところ、精神的な頻尿と診断されました。

膀胱炎だと思ったら、心因性頻尿でした

子どもが幼稚園の年長のころ、運動会で組体操をすることになりました。しかし、練習がなかなかうまくいかず、プレッシャーから頻尿が始まったのです。当初は膀胱炎かと思っていたのですが、心因性頻尿だと診断されて驚きました。

おもらしやおしっこを我慢することへのトラウマ

おもらしをして怒られたりからかわれたりした経験や、おしっこを我慢しておもらししてしまったことなどがトラウマになり、頻尿になる子どももいます。車の渋滞などによって長期間トイレを我慢したことが、トラウマとなってしまうこともあるようです。

おもらしが心配で頻尿に

夜に2日続けておもらしをしたことが原因で、娘が頻尿になったことがありました。日中のトイレの回数も増えたのですが、顕著だったのが眠る前のトイレの回数でした。布団に横になると1分も経たないうちにトイレに行き、布団に戻ってはまたすぐにトイレに行っていました。

しかし、トイレに行くたびにおしっこが出ていたわけではなく、むしろトイレでおしっこが出ないことが娘の不安を駆り立てていたようです。少量のおしっこが出ても、まだ出るのではないかという不安が強いようでした。

娘に付き合って寝室とトイレを往復するのは大変でしたが、気のすむようにさせようと根気よく付き合いました。それが良かったのか、数日ほどで頻尿の症状は落ち着いたのでほっとしたものです。

子どもの心因性頻尿の克服方法と親の対処法?

まずは原因を把握する

子どもが心因性頻尿になったら、その原因を把握することが大切です。「きょうだいが生まれた」「小学生になった」など頻尿の原因がわかりやすい場合は、対処しやすいでしょう。

しかし、「お友だちがおもらしをしたのを見てしまった」など親が把握していない出来事が原因となっていることもあります。頻尿の原因がわからないからといって、子どもを問いただすことは控えましょう。子どもが話したくないようなら、無理に聞き出すのは逆効果となる可能性があります。

ストレスの原因を踏まえて対処する

たとえば、きょうだいが生まれたことによって上の子の頻尿が始まった場合、上の子とママがふたりで過ごす時間を作ってみてはいかがでしょうか。下の子を見ていてくれる人がいない場合は、普段よりも多く声をかけたり気を配ったりするだけでも十分でしょう。

このように、ストレスの原因を踏まえたうえで、ストレスを和らげられるよう対処してあげることが大切です。

困った顔を向けたり怒ったりしない

子どもが何度も何度もトイレに行くからと「またトイレに行くのか」などと責めることはしないようにしましょう。トイレに行くことを我慢させたり、トイレに頻繁に行くことに困った顔をしたりすると、頻尿を悪化させてしまいかねません。

心因性頻尿はストレスが原因となっているため、子どもの緊張や不安を和らげられるようにやさしく対応することが大切です。トイレに行けたことをほめてあげたり、トイレの失敗を受け止めてあげたりすることで、徐々に症状が改善していくことが多いでしょう。

トイレ以外のことに注意を向ける

心因性頻尿は、ほかのことに熱中しているときには症状が現れないのが特徴です。そのためトイレやおしっこから注意をそらし、遊びなどに興味を向けてあげてはいかがでしょうか。

子どもの頻尿!病院は何科を受診する?

子どもの頻尿が気になるときは、泌尿器科や小児科で相談するようにしましょう。病院では以下のような検査が行われます。

・尿検査
・採血
・問診

膀胱炎と診断された場合は、抗生剤が処方されることが多いです。心因性頻尿の場合は薬を使うことは少ないですが、長期間改善されないようなら抗コリン薬が使用されることがあります。抗コリン薬は膀胱をリラックスさせる薬なので、処方されたら医師の指示にしたがって服用させましょう。

子どもの頻尿で受診するかどうか悩むママは少なくありません。小学生になる前の幼児の場合、幼稚園や保育園などでは先生が頻繁にトイレに連れて行ってくれるため、問題なく日常生活を送れることが多いでしょう。しかし、小学生になると、休み時間が短く授業時間が長いため、学校生活で困る可能性があります。

排尿機能が未熟な4歳未満の幼児は家庭で様子を見ても良いかもしれませんが、5歳以降で頻尿の症状がある場合は病院を受診しましょう。ただし、4歳未満の幼児であっても、排尿痛や血尿などの症状がある場合は膀胱炎などの病気の可能性が高いので、早急に受診することをおすすめします。

子どもの頻尿は珍しいことではない

子どもの頻尿は珍しいものではありません。繰り返し何度も何度もトイレに駆け込む子どもに不安になるかもしれませんが、パパやママが心配そうにしていては、子どもはよりストレスを感じてしまいます。

頻尿は子どもからの不安のサインだと考え、たっぷりと愛情を与えて安心させてあげましょう。精神的なストレスが原因の頻尿は、2~3週間ほどで自然と落ち着くことが多いですよ。

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