新生児から1歳までの頭囲の平均は?頭の病気の可能性は?

赤ちゃんが生まれて幸せな気持ちでいっぱいだけど、同時にさまざまなことが心配になってきますよね。頭の大きさもそのひとつではないでしょうか。他の子に比べて頭が大きい・小さい、母子手帳に書かれている曲線からずれている……そんなときはつい病気の可能性を考えてしまいませんか?そこで頭囲の平均や病気の可能性についてご紹介します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 新生児から1歳までの頭囲の平均は?
  2. 新生児の頭囲が大きい・小さい場合は病気の可能性がある?
  3. 頭囲が小さい原因
  4. 頭囲が大きい場合の病気
  5. 新生児の頭に関係のある病気は?
  6. 頭囲の大きさで病院を受診した方が良いケース
  7. ママやパパからの遺伝も大きな要因 気にしすぎないで
  8. あわせて読みたい

新生児から1歳までの頭囲の平均は?

乳児健診などで頭囲を測る機会がありますが、まずは新生児から1歳までの頭囲の平均を見ていくことにしましょう。生まれたばかりの赤ちゃんの頭囲の平均は男児で33.5cm、女児で33.0cmほどです。

これが徐々に大きくなっていき男児の場合は生後1ヶ月で36.8cm、3ヶ月で41cm、6ヶ月で43.5cm、1歳の誕生日を迎える頃には46cmと大きくなっていきます。女児は男児の平均値よりも少し小さめです。

新生児の頭囲が大きい・小さい場合は病気の可能性がある?

頭囲を計測し、平均の範囲に入っていないととても心配になってしまいますよね。平均よりも頭囲が大きい・小さいという場合、ただ単にその子の個性や両親からの遺伝が原因ということも多々あります。

成長曲線に沿ってその子なりに大きくなっているようであればあまり心配することはありません。ただ、急激に頭囲が大きくなる、逆に頭囲が全く大きくならない、といった場合は病気の可能性も考えられますので医師に相談をしましょう。

頭囲が小さい原因

頭囲が小さくてもその子なりに成長曲線に沿って大きくなっているのであれば、あまり心配する必要はありません。原因は遺伝や個性であることも多くあります。ただし頭囲が全く大きくなっていかないようなときは「小頭症」という病気の可能性もあります。小頭症を引き起こす病気には、下記のようなものが含まれます。

染色体異常

遺伝子の欠損や染色体異常で小頭症になることもあります。これらのことが原因で小頭症になる場合、頭が小さいこと以外のことが問題になることもあります。そのため他の合併症にも注意をする必要があります。

胎内感染

赤ちゃんがお腹の中にいるときに起こる胎内感染でも、小頭症になる場合があります。ママが妊娠中に風疹やサイトメガロウイルスなどに感染した場合に、後天的に赤ちゃんが小頭症になってしまうこともあるようです。

中枢神経感染症

ウイルスや細菌などが脳や脊髄に感染する中枢神経感染症でも、小頭症を発症するケースがあります。

周産期障害

妊娠22週以降から生後7日未満までを「周産期」と呼ぶのですが、この期間に重症仮死などの周産期障害が起こることでも小頭症を発症することがあります。

様々な病気が原因となり小頭症が発症します。頭の小ささといった見た目の問題だけに留まることはなく、合併症が問題になることも多いです。かかりつけの医師に相談をしながら、対処方法について相談をしましょう。

頭囲が大きい場合の病気

赤ちゃんの頭囲が大きい場合、個性であることが多いのですが急に大きくなった場合には病気の可能性もあります。頭が大きくなる「巨頭症」がありますが、巨頭症の原因となるいくつかの病気があるのでご紹介します。

水頭症

巨頭症の原因となる水頭症は脳の内部の髄液が過剰になる病気です。頭蓋内の圧力が上がることにより頭囲が大きくなる、発達運動障害、けいれんなどの症状を引き起こします。

脳は髄液に浮かんだ状態です。髄液は脳の中心にある脳室で作られ、細い通路を流れて脳の表面に出てきて吸収されます。しかし細い通路が閉塞して流れが止まってしまった場合や、吸収する能力が落ちたときに水頭症を発症します。

水頭症には先天的なものと後天的なものがあります。先天的な水頭症は、赤ちゃんがまだ胎内にいたときに、ママが風疹やトキソプラズマなどの感染症に感染したことによって起こります。後天的な水頭症は、ケガによる頭蓋内出血や感染症などでの炎症が原因となる場合もあります。

脳腫瘍

頭囲が大きくなる巨頭症の赤ちゃんの中には、まれに脳腫瘍が原因となっているケースがあります。子どもの脳腫瘍は小脳や脳幹にできる事例が多く、髄液の流れを悪くしてしまいます。これが原因で脳内に髄液がたまって水頭症を発症、そして頭囲が大きい巨頭症になってしまうのです。

ソトス症候群

患者数1~2万人に1人と推定される難病の「ソトス症候群」でも、巨頭症の症状がでます。5番染色体の遺伝子の異常が原因で、出生時から頭囲や体つきが大きい、その後の成長も早いといった特徴があります。運動発達や知的発達の遅れもみられます。

硬膜下血腫

硬膜下血腫は脳の表面に血液がたまってしまう疾患です。転んで頭をぶつけたり、誤って転落してしまった際に、頭の中に血がたまって腫れあがる血腫ができ、これが原因で頭が大きくなることもあります。

硬膜下水腫

人の脳は頭蓋骨や硬膜、くも膜などで保護されています。硬膜下水腫はくも膜が裂けて、そこから髄液や浸出液がくも膜と硬膜の間にたまってしまう病気です。硬膜下水腫の原因にはケガによるものや細菌性の髄膜炎、まれに脳腫瘍が原因となる場合もあります。

くも膜のう胞

くも膜のう胞はくも膜に髄液がたまり、袋状にふくらんで脳を圧迫する病気です。症状が現れにくいという特徴がありますが、小児期に発症することが多く、場合によっては手術が必要になることもあります。

新生児の頭に関係のある病気は?

脳に関係のある病気は、頭囲が大きい・小さいだけではありません。頭の形でも病気が隠されている場合があります。

頭蓋縫合早期癒合症

赤ちゃんの頭蓋骨は、まだ骨と骨がくっついていません。赤ちゃんの脳は成長とともに急速に拡大するのですが、このとき骨と骨のつなぎ目である頭蓋骨の縫合部分も、脳の成長にあわせて大きくなります。成長するにつれて縫合部分がきちんと癒合し、固い頭蓋骨が作られるのです。

しかし何らかの原因で、頭蓋骨縫合が早い時期に癒合してしまう病気が、頭蓋縫合早期癒合症です。早い段階で骨がくっついてしまうので、頭蓋骨が十分に発育できず、頭蓋が狭くなってしまう、頭蓋骨が変形してしまうなどの症状が現れます。

斜頭症

赤ちゃんの頭の形がいびつな場合は、斜頭症である可能性があります。頭のゆがみで最も多いもので、どちらかに頭を傾けて寝ている状態が長く続くことで、圧迫されている側がへこみ、圧迫されていない側が出てしまう症状となります。ひどくなると目や耳などの位置が変わってしまうこともあります。

頭囲の大きさで病院を受診した方が良いケース

頭囲が大きい・小さい場合の病気であるケースはいくつかあります。ただ単に両親のどちらかが頭が大きいという遺伝の可能性も十分に考えられます。遺伝の可能性が十分にあり、赤ちゃんの様子に目立った心配事がなければしばらく様子を見ても良さそうです。

しかし「それでも安心できない」という方のために、病院で受診する目安を紹介します。病院で受診した方が良い目安は小頭症・大頭症を引き起こす病気に関連した症状が見られる場合や、母子手帳の成長曲線から極端に外れている場合です。また頭囲が急激に大きくなった場合も要注意です。

ママやパパからの遺伝も大きな要因 気にしすぎないで

赤ちゃんのお世話をする中で、頭囲の大きさが平均値より大きかったり小さかったりすると「もしかして頭の病気かも」と思ってしまいがちです。しかし、ママやパパのどちらかが頭が大きいことによる遺伝のことも多いのです。それは個性であり、気にし過ぎる必要はありません。

ただし頭が極端に大きくならない、急激に大きくなったなどの症状があれば迷わず医師に相談しましょう。ママやパパは赤ちゃんのちょっとした数値に敏感になってしまいますが、赤ちゃんの頭囲の大きさ以外に特に心配するような事柄がなければしばらく様子をみてみましょう。

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