【小児科医監修】予防接種の副作用・副反応とは?風邪の見分け方&副反応(副作用)の対処法!予防接種後の注意点を紹介

予防接種は、病気から我が子を守るためのものです。しかし、接種後に「熱が出た」「腫れた」などの副反応(副作用)を経験した方もいるでしょう。副反応は未熟な身体の子どもには珍しいことではありませんが、どう対処したら良いのか戸惑いますよね。ここでは、予防接種の副反応の対処法と予防接種後の注意点を解説します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 予防接種の副反応(副作用)とは
  2. 予防接種の副反応と風邪の見分け方
  3. 予防接種の副反応で発熱したときの対処法
  4. 予防接種を受けた後の注意点
  5. 同時接種の場合副反応はどうなる?
  6. 重篤な副反応には救済制度がある
  7. 予防接種の副反応に関する体験談
  8. 予防接種の副反応は子どもの免疫機能が働いている証拠
  9. あわせて読みたい

予防接種の副反応(副作用)とは

予防接種とは、予防したい病気への抗体を作らせるために、わざとウイルスやそれに類似した物質を体内に注射することです。微量ですが、身体の中に本物のウイルスまたはウイルス似たものが入るので、身体の中ではウイルスに抵抗しようと免疫反応が起こります。これが副反応、いわゆる副作用です。

副反応は、身体の中に入ってきた異物に抵抗している結果起こるものなので、子どもの免疫機能が正常に働いている証拠であると言えます。そのため、副反応自体は悪いことではありません。

予防接種の副反応と風邪の見分け方

予防接種の副反応で最も多いのが「発熱」です。予防接種後に発熱が起こった場合、副反応によるものなのか風邪によるものなのか、どう判断したら良いのでしょう。

小児肺炎球菌ワクチンなどで発熱することが多い

予防接種のひとつである「小児肺炎球菌ワクチン」を接種したときに、発熱の副反応が起こることが多いようです。熱は37~38℃前後で、注射した部分が赤く腫れたり発疹が出たりすることもあります。

予防注射による発熱の特徴

予防接種による副反応の発熱であれば、数日程度で症状が治まる傾向があります。予防接種当日から翌日にかけて発熱の症状が出る場合が多く、鼻水や咳といった発熱以外の風邪の症状がないことも特徴です。

風邪による発熱の特徴

風邪による発熱では、同時に咳や鼻水などの症状も見られます。予防接種による発熱でも風邪による発熱でも子どもの機嫌は悪くなるので、機嫌だけで判断することは難しいです。発熱以外に風邪症状がないか、よくチェックしてみましょう。

注射した部位に異常が伴うことが多い

予防接種の副反応で熱が出た場合は、注射した部位にも発赤などの異常を伴う場合が多いです。赤く腫れていないか、発疹が出ていないかよく観察してみましょう。

予防接種の副反応で発熱したときの対処法

37~38℃前後なら様子をみる

予防接種後に発熱した場合、注射した部位が赤く腫れていたり発疹が出たりしているなら、予防接種による副反応の可能性が高いです。副反応による熱であれば数日後には下がります。37~38℃前後の発熱のときは、まずは様子をみましょう。

水分補給を小まめに行う

自宅で様子をみる場合に気をつけたいのが脱水症状です。脱水にならないよう、こまめに水分補給しましょう。水分が摂れない場合は受診してください。

身体を冷やす

子どもが熱を出した場合はおでこを冷やしたくなってしまいますが、あまり効果がありません。身体を冷やしたいときは、大きな血管のある首・脇の下・足のつけ根などに、タオルを巻いた保冷剤などをあてて冷やしてあげましょう。

38℃を超えるようなら受診する

38℃を超えてしまった場合は、他の病気の可能性があるので、速やかに小児科で受診しましょう。

予防接種を受けた後の注意点

予防接種後30分は安静に過ごす

予防接種を受けた後は、できれば接種した医療機関で30分は安静に過ごすようにしましょう。ワクチン接種後に、アナフィラキシーショックという激しいアレルギー反応を起こすことがあります。顔や唇の腫れ・蕁麻疹・吐き気や嘔吐が起こる場合はアナフィラキシーショックの可能性が考えられるので、できるだけ接種した場所で子どもの様子を観察しましょう。

子どもの様子に変化がないか注意する

予防接種の副反応は、接種後すぐに出るとは限りません。生ワクチンでは約20日間、不活化ワクチンでは24時間は副反応が出る可能性があるので、子どもの様子に変化がないか注意深く見るようにしましょう。

当日は激しい運動は控える

予防接種を受けた当日は、激しい運動は控えましょう。予防接種には、健康な身体にウイルスを摂取させることで抗体を作る目的があります。しかし、接種後に激しい運動をしたことによって疲れたり体力が落ちたりすると、抗体を作ることができず、予防接種の効果がなくなってしまう場合があります。

また、激しい運動の後に、身体がだるくなったり熱がこもってつらい状態になったりすることもあるでしょう。運動をしてしまうと、予防接種の副反応の症状なのか激しい運動をしたことによるものなのか、判断できません。そのため、予防接種後は激しい運動を避けるべきとされています。

注射した部分を強くこすらない

予防接種をした日に入浴しても問題ありません。しかし、接種した部分を強くこすって洗わないように気をつけましょう。強くこすってしまうと赤く腫れてしまう可能性があります。

同時接種の場合副反応はどうなる?

赤ちゃんが受ける予防接種は、任意のものを含めるととてもたくさんあります。感染してしまう前にできるだけ早く予防接種を受け終える必要があることから決められたスケジュール内での同時接種が推奨されていますが、気になるのは同時接種による副反応なのではないでしょうか。

単独接種とほぼ同じ症状

同時接種によって副反応が出やすくなったり、特別な副反応が出たりすることはありません。同時接種の場合も、単独接種と同じように発熱や接種した部位が赤く腫れるなどの副反応があらわれることがあります。

どのワクチンが原因なのかわからない

同時接種した後に副反応が出た場合、どのワクチンで副反応が起きたのか原因を突き止めることが難しくなります。

重篤な副反応には救済制度がある

予防接種によって起こる副反応は、発熱や発赤など軽い症状がほとんどですが、ごくまれに重篤な健康被害が生じる場合があります。

こうした健康被害に対する補償として、予防接種法に基づく救済制度が設けられています。予防接種と健康被害の因果関係が認められた場合に、医療にかかった費用や障害の程度に応じた年金などが自治体から給付されます。給付を受けるには自治体への申請が必要です。心配なことがあれば、自治体に相談しましょう。

予防接種の副反応に関する体験談

筆者には2人の子どもがいます。赤ちゃんのころの予防接種の際には、副反応にビクビクしていました。予防接種を受けに行くときは、いつも「熱が出たらどうしよう」と不安になったものです。

今までに経験した副反応は「発熱」と「接種部位が赤く腫れる」です。発熱のときは他に症状がなかったので、風邪ではなく副反応だろうと思い、自宅で様子を見ていました。翌日には下がり、接種部位の赤みや腫れも2~3日後には引いていました。「副反応はイヤだけど、重大な病気になってしまうのはもっとイヤ」という気持ちで、なんとか乗り切ることができましたよ。

予防接種の副反応は子どもの免疫機能が働いている証拠

予防接種の副反応は子どもの免疫機能が正常に働いている証拠で、嬉しい反応でもあるのですね。予防接種の副反応が怖いと感じていたママも、少し気持ちが楽になったのではないでしょうか。

予防接種は将来かかるかもしれない病気を防いでくれる大切なものであり、副反応は身体がワクチンに対して正常に反応しているということです。子どもの身体がひとつ丈夫になったととらえてみましょう。予防接種の副反応をあまり心配し過ぎず、前向きな気持ちで受けてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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