【小児科医監修】9〜10ヶ月健診の内容は?服装や費用は?ひっかかるのはどんなケース?

9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、体格や運動面において個人差がでやすい時期です。多くの自治体で9ヶ月健診または10ヶ月健診を実施しているので赤ちゃんが順調に成長しているのか不安な場合には医師や保健師に相談することができますよ。ここでは、9~10ヶ月健診の内容や服装、健診にかかる費用やひっかかりやすいケースについて解説します。

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この記事の監修

千葉 智子
小児科医
千葉 智子

目次

  1. 9~10ヶ月健診とは?
  2. 9~10ヶ月健診の内容は?
  3. 9~10ヶ月健診はいつ受ける?
  4. 9~10ヶ月健診はどこでする?
  5. 9~10ヶ月健診の費用は?
  6. 9~10ヶ月健診での服装と持ち物
  7. 9~10ヶ月健診でひっかかるのはどんなケース?再検査が必要?
  8. 健診を受けて赤ちゃんの成長を確認しよう
  9. あわせて読みたい

9~10ヶ月健診とは?

9~10ヶ月健診(9ヶ月健診または10ヶ月健診)とは、生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんが受ける乳幼児健康診査(乳幼児健診)のことです。赤ちゃんが健やかに成長しているか、発達状況や病気がないかを確認するために行われます。専門の小児科医や看護師、栄養士、保健師などが健診を行うので、ママやパパは子育ての悩みを相談することもできますよ。

乳幼児健診は母子保健法に基づいて実施されており、国によって定められた法定健診には1歳6ヶ月健診と3歳健診があります。このほかに自治体には必要に応じた健診の実施やママたちへ奨励することが定められており、3~4ヶ月児健診や2歳児歯科健診などさまざまな健診が行われています。

3~4ヶ月児健診に次いでほとんどの自治体で行われているのが、9~10ヶ月健診です。内容や対象月齢は自治体により異なりますが、9ヶ月健診または10ヶ月健診を含む「9~12ヶ月児健診」は全国の自治体のうち81.4%の地域で実施されています(※1)。

9~10ヶ月健診の内容は?

体重・身長・頭囲・胸囲の測定

赤ちゃんの体重・身長・頭囲・胸囲の計測を行います。生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、寝返りやつたい歩き、ハイハイなど活動が盛んなため、体重の増加は今までより緩やかでしょう。

身長や体重は、赤ちゃんの発育状況や栄養面の判断材料のひとつです。母子健康手帳に記載された「乳児身体発育曲線」から、赤ちゃんが順調に成長しているかを医師や保健師に判断してもらいます。

心音や全身のチェック

赤ちゃんの心臓の音が一定のリズムか、雑音が入っていないかを心音から確認します。生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、人見知りが強くなる時期でもあるため、聴診器を当てるときに泣いてしまう赤ちゃんもいるかもしれません。ママが膝の上に赤ちゃんを抱っこして、落ち着かせてあげると良いでしょう。

他にも、聴覚、視力、皮膚など全身のチェックが行われます。たとえば、赤ちゃんの後ろからささやき声で呼びかけたときに音へ反応するか(聴覚)や、ペンライトやおもちゃを動かしたときに赤ちゃんが目で追うか(眼球運動や斜視の判断)などの検査が行われるでしょう。

発達状況の確認

9~10ヶ月健診では、主に赤ちゃんの運動面での発達状況を確認します。「お座り」「ハイハイ」「つかまり立ち」「小さなものをつかむ」など、いくつかの動作から発達状況を判断されるでしょう。

たとえば、ひとりでお座りができるかや、うつ伏せの状態からお座りに移行できるかなどを確認します。ハイハイをしないでいきなりつかまり立ちをしたり、座ったままお尻をずらして移動したりする赤ちゃん(シャフリングベビー)もいますが、赤ちゃんの発達には問題ないことがほとんどです。

また、赤ちゃんに積み木や小さなおもちゃを持たせて、親指と他の指を使ってはさみ持ちをするか、おもちゃを持ち替えるかなど、指先の発達状況を確認することもあります。

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言葉の発達(喃語)のチェック

赤ちゃんは言葉が話せるようになる過程で、喃語(なんご)という声を発することで、周囲とコミュニケーションを取ろうとします。生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、喃語を話せるようになる時期です。

9~10ヶ月健診では、喃語が話せるか、喃語の種類が増えているか、ママやパパに口頭で確認をします。「マ、マ、マ」「ダッ、ダッ、ダッ」と反復喃語があるかも同時にチェックしています。

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歯の生え方のチェック

赤ちゃんの歯の生え方や本数には個人差があります。一般的に、生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんの歯は、上下4本ずつ生えているでしょう。まだ生えてこない子もいますが、1歳までは経過観察でよいでしょう。健診では、赤ちゃんの歯が何本生えているかを確認するだけではなく、虫歯にならないための予防についてもアドバイスがもらえます。

虫歯予防のために、歯ブラシで歯を磨く習慣をつけることや、食後に水やお茶を飲ませることなど、子育てに役立つ情報を教えてくれますよ。3~6ヶ月ごとにフッ素を塗るよう勧められることもあるでしょう。

離乳食の進み具合の確認

生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、離乳食後期に入り1日3回食に進むケースが多いでしょう。健診では、離乳食が順調に進んでいるかや、母乳やミルクの1日に飲む量や回数など、赤ちゃんの食事について確認されます。

赤ちゃんは、遊び食べや食べ物の好き嫌いがはっきりしてくるころなので、ママやパパは離乳食をあげるのに苦労するかもしれません。しかし、赤ちゃんの成長過程として誰もが通る道だと割り切り、ママやパパはあたたかく見守ってあげましょう。

また、離乳食の味付けや食べさせ方について指導を受けることができます。離乳食を薄味にしているか、歯茎でつぶせる固さにしているかなど、離乳食の内容や調理方法についての確認もあるかもしれません。

そのほか、赤ちゃんにおやつを与えている場合は、1日にあげるおやつの回数や種類、量をチェックされます。赤ちゃんの離乳食に関する疑問や悩みがあれば、相談をしてみると良いでしょう。

事故防止のための指導

赤ちゃんがハイハイやつたい歩きを始めると、いろいろな場所に移動できるようになり、ケガをする危険が増えます。椅子やベッドから転落したり、落ちているものを飲み込んでしまったり、ママやパパは目が離せません。

あらかじめ事故を防ぐために、「赤ちゃんの目の高さに危険なものを置かない」「転落や火傷防止にベビーガードを使用する」「テーブルやタンスの角にコーナーガードを取り付ける」などの指導が行われるでしょう。

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9~10ヶ月健診はいつ受ける?

9~10ヶ月健診の内容や実施方法、対象月齢は自治体により異なります。たとえば、9~10ヶ月健診を9ヶ月健診、10ヶ月健診としてそれぞれの月齢に対象を絞って実施している自治体もあれば、9ヶ月から11ヶ月までと対象を広げている自治体もあります。

9ヶ月健診や10ヶ月健診を行っていない自治体もあるため、乳幼児健診をいつ受けるのか、自治体の窓口で確認しましょう。

9~10ヶ月健診はどこでする?

9~10ヶ月健診は、自治体が指定した場所で一斉に行う集団健診と、自治体が委託した医療機関で行う個別健診があります。自治体によって異なりますが、9~10ヶ月健診は、だいたい集団健診と個別健診が半々で行われているようです。

集団健診の場合は、保健センターや区役所などの広い会場で行われるでしょう。自治体が委託している医療機関で個別健診を受ける場合は、あらかじめ予約が必要なことがあります。事前に医療機関へ問い合わせすると良いでしょう。

9~10ヶ月健診の費用は?

9~10ヶ月健診は、自治体により異なりますが、補助金が出ていることが多いようです。なかには、一部が自己負担となるケースや全額自己負担となるケースもあります。

無料で9~10ヶ月健診が受けられる場合は、事前に健診券が配布されていることが多いでしょう。ただし、無料で受診できる期日が決められており、期日を過ぎると自費となる可能性もあるため、注意してくださいね。

9~10ヶ月健診での服装と持ち物

赤ちゃんの服装は脱ぎ着しやすいものを

9~10ヶ月健診の内容には赤ちゃんの身長や体重の計測があり、その際に赤ちゃんは裸になります。赤ちゃんの服装は、脱ぎ着しやすいものを着せるのがおすすめです。

お座りができる赤ちゃんは、上下が分かれていてボタンが少ないものを選ぶと良いでしょう。お座りがまだ上手にできない赤ちゃんは、寝かせたままでもスムーズに脱ぎ着ができる前開きのカバーオールがおすすめですよ。

健診会場では、暖房や冷房がききすぎていることがあります。計測時に裸で赤ちゃんが待つこともあるため、大判のタオルやブランケットなど、羽織れるものが一枚あると便利でしょう。

健診に必要な持ち物をチェック!

9~10ヶ月健診に必要な持ち物は以下の通りです。

・母子健康手帳
・問診票
・健診券
・おむつ
・着替え
・ミルクやおやつ
・おもちゃ、赤ちゃんのお世話に必要なもの

自治体により指定された持ち物がないか、事前にチェックして準備をしましょう。また健診中は待ち時間が長いため、赤ちゃんがぐずったり飽きたりしないよう、絵本やおもちゃなどお気に入りのものを持っていくと良いでしょう。

9~10ヶ月健診でひっかかるのはどんなケース?再検査が必要?

赤ちゃんの発達の遅れがみられる場合、再検査を勧められることがあります。生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんは、とくに運動面での発達の遅れ(運動発達遅延)を指摘されることも少なくありません。ただし、再検査を受けることになったからといって、必ずしも赤ちゃんに問題があるとは限りません。

運動面での発達の遅れを指摘された場合、1歳半健診まで様子を見ることもあります。しかし、その前に再検査を勧められた場合は、医師の指示に従い再検査を受けましょう。

運動発達遅延と診断されても赤ちゃんに異常がないことがほとんどですが、必要に応じてリハビリを受けることを勧められるかもしれません。リハビリといっても、遊びを通して赤ちゃんの発達をうながしてあげることが多いようです。適切な指導を受けて、赤ちゃんの運動面の発達をサポートしてあげられると良いですね。

なお、自治体によって異なりますが、再検査の場合は健診費用が自己負担となるケースもあるでしょう。

健診を受けて赤ちゃんの成長を確認しよう

乳幼児健診は、赤ちゃんの成長を確認できる場です。9~10ヶ月健診は、全体の8割近くの自治体で実施されています。赤ちゃんの発育に少しでも不安を感じる場合、そのままにせず、健診のときに相談をするようにしましょう。

健診の結果、もし再検査を勧められたとしても、9~10ヶ月頃の赤ちゃんの運動能力には個人差があるため、あまり心配しすぎないようにしてくださいね。

また、育児の悩みや子育てにストレスを感じているなど、さまざまな不安や心配があるときは、健診で専門医に相談しましょう。ママやパパの悩みを解決するためのアドバイスやサポートをしてくれますよ。

※この記事は2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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