2020年10月よりロタウイルス予防接種の無償化!ワクチンの必要性や副作用は?
生後2ヶ月になると予防接種が始まります。さまざまな予防接種がありますが、2020年10月よりロタウイルスの予防接種が無償化となりました。ロタウイルスは発症すると胃腸炎の原因になるもので、ほとんどの赤ちゃんがかかりますが、重症化すると危険な病気です。ロタウイルスの予防接種について解説します。
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目次
ロタウイルスの予防接種とは?
2011年から自費による予防接種スタート
ロタウイルスは毎年のように流行し、幼い子ほど重症化しやすい病気です。これを防ぐために日本では2011年から任意接種による予防接種が開始しました。しかし、任意接種の費用は自己負担であり、子育て世帯には大きな負担となっていたのです。
ワクチンの種類
ロタウイルスワクチンには2種類あります。
・ロタリックス
ロタリックスは 1価の抗原に有効とされています。ロタリックスは最も流行しやすく重症化しやすい血清型G1Pのヒトロタウイルスを弱毒化したもので 、接種回数は2回です。
・ロタテック
ロタテックはウシロタウイルスにヒトロタウイルスを組み込んだものなど数種類のウイルスを混ぜた遺伝子組み換えワクチンで、G1、G2、G3、G4、Pの5種類を組み合わせたものです。接種回数は3回となります。
どちらも経口ワクチンなので、注射ではなく飲むタイプです。どちらを摂取しても得られる免疫には変わりがないことがわかっています。
接種スケジュール
ロタリックスの初回接種は、生後20週まで(15週未満が望ましい)に行い、24週までに摂取を完了させなければなりません。また、ロタテックの初回接種は生後24週までに行い、生後32週までに完了させる必要があります。
2020年10月からは無償化・定期接種化
定期接種化により無料で接種可能に
厚生労働省は、2020年10月からロタウイルスの予防接種を定期接種にすると方針を固めました。自治体によってはすでにロタウイルスの予防接種の費用を助成しているところもありましたが、2020年10月以降は原則無料で接種できるようになりました。
無償化は2020年8月以降に生まれた0歳児が対象
ロタウイルスの予防接種について、無償化の対象となるのは2020年8月以降に生まれた0歳児のみです。また、ロタリックスは生後6週から生後24週まで、ロタテックは生後6週から生後32週までが無償化の対象となります。
ロタウイルスの症状
ウイルスが原因の感染性腸炎
ロタウイルス胃腸炎は乳幼児に多く起こる感染性胃腸炎のひとつで、ロタウイルスというウイルスが原因です。感染性胃腸炎はその原因によってウイルスによるものと細菌によるものとに分けることができます。
胃腸炎の原因ウイルスはロタウイルスだけではありません。日本では毎年冬の前半にノロウイルス、冬の後半から春にかけてロタウイルスによる胃腸炎が流行します。
突然の激しい嘔吐と下痢
ロタウイルスに感染すると、突然の嘔吐や白っぽく水のような下痢が見られます。その他にも、咳や鼻水、発熱などを起こすことがあり、重症化するとけいれんや肝機能に異常を起こすこともあります。
初めてかかったときは重症化しやすい
ロタウイルス胃腸炎は、世界中のほぼ全員が5歳までに一度は経験する病気です。しかし、身体が小さいうちに初めて感染すると重症化しやすく、入院による治療が必要になることもあります。日本では、ロタウイルス胃腸炎で入院する小児の3割が0歳児、4割が1歳児です。
一方、ロタウイルスに一度感染すると免疫がつくのでその後は感染しても胃腸炎の症状は軽くなっていきます。
感染力が強い
ロタウイルスは環境に強く、乾いた場所では約10日間生きています。そのため、家族内で感染しないように注意が必要です。嘔吐や下痢で汚れた衣類を消毒するのはもちろんのこと、おむつを処理した後の手洗いも入念に行いましょう。
ロタウイルスの予防接種のメリット
幼稚園や保育園で流行したときの予防対策になる
ロタウイルスの感染で特に注意しなければいけないのが集団生活の場です。乳児の場合は、ほとんどの感染源が保育園だといいます。ロタウイルスに感染するとママやパパも看病のため1週間は仕事を休まなければならなくなります。予防接種を受けて免疫をつけていれば、感染を予防できるかもしれません。
きょうだい間での感染を防ぐ
上の子どもが保育園か幼稚園へ通っている場合は、園でウイルスをもらってくる可能性があります。反対に赤ちゃんが感染してしまった場合、それがきょうだいへ感染する可能性も高いでしょう。家族内の集団感染を防ぐために、予防接種を受ける人もいるほどです。
感染しても症状が軽く済むことがある
ロタウイルスは予防接種をしてもかかることがありますが、感染した場合でも症状が軽く済んだり重症化を防いだりすることができるといいます。特に生後6ヶ月~2歳までは感染しやすく重症化しやすいといわれているため、早めの予防接種が必要です。
重症化や合併症の予防
初めてロタウイルスにかかる乳幼児の重症化の確率は40人に1人といわれており、もし重症化した場合は入院が必要となります。重症化すると、脱水になったり、脳症になったりする恐れもあります。予防接種を受けることにより、入院などの重症化する可能性を90%以上防げるとされているので、重症化を防ぐためには予防接種を受けると良いでしょう。
ロタウイルスの予防接種のデメリット
生後6週~24週(あるいは32週)と早い時期に接種する必要がある
赤ちゃんが受けることができる予防接種は、ウイルスに感染する可能性を考え接種できる時期になったらできるだけ早く接種すると良いとされています。ロタウイルスの予防接種は生後6週から24週、あるいは32週までに接種を終えなければいけません。赤ちゃんが生まれて間もない時期に予防接種を受けなければならないため、ママの負担が大きいという意見もあります。
無料対象ではない赤ちゃんもいる
2020年10月よりロタウイルスの予防接種は定期接種化されますが、対象となるのは2020年8月以降に生まれた赤ちゃんです。地域や病院によっても異なりますが、ロタウイルスの予防接種にはおおよそ30,000円ほどかかります。無料で接種できない場合は、負担が大きいと感じるかもしれません。
副作用、後遺症などのデータが少ない
予防接種に副作用・副反応はつきものです。特にロタの予防接種は飲むタイプなので、赤ちゃんが吐いてしまうことがあります。接種後に機嫌が悪くなる赤ちゃんもいるため、ママが疲れてしまうことがあるかもしれません。
ワクチンで完全には防げないこともある
ロタウイルス予防接種の効果は接種後3年間といいます。免疫は一時的であり、予防接種を受けても完全にロタウイルスを防げるわけではありません。そのため、予防接種は不要と判断する人もいるようです。
ロタウイルスの予防接種の副作用
主な副作用
ロタウイルス予防接種の主な副作用は、ぐずりや発熱、鼻水、嘔吐、食欲不振などです。ただし、これらの症状は、数日程度で治ることが多いとされています。
国内臨床試験で報告された副反応
ぐずり(7.3%)、下痢(3.5%)、咳・鼻水(3.3%)その他:発熱、食欲不振、おう吐などが予防接種後30日間に報告された副反応です。
海外臨床試験で報告された副反応
ぐずり、下痢、(1~10%未満)、鼓腸(お腹がふくれること)、腹痛、皮膚炎(0.1~1%未満)などが海外で報告された副作用になっています。
被害救済の対象
ロタリックス内用液を適正に使用したにもかかわらず、副反応などにより疾病や障害などが生じた場合は、胃薬品医療機器総合機構法に基づく被害救済の対象となります。健康被害の内容、程度に応じて、薬事・食品衛生審議会での審議を経た後、医療費、医療手当、障害年金、遺族年金遺族一時金などが支給されます。
ロタウイルスの予防接種に関する体験談
筆者も息子が2ヶ月のときにロタウイルスの予防接種を受けさせました。もちろん費用面や副作用などいろいろ考えましたが、万が一ロタウイルスに感染して重症化してしまうようなことになっては困るということから接種を決めました。
生後2ヶ月から始まる膨大な数の予防接種は大変でしたが、かかりつけ医が的確にスケジュールを組んでくれたためスムーズにすべてを終えられたのが救いです。接種を迷っている人は、まず医師に相談するのが良いかもしれませんね。
予防接種は万が一にそなえる保険のようなもの
ロタウイルスは重症化することもある病気です。2020年10月以降はロタウイルスの予防接種が無料化されたので、赤ちゃんにきちんと接種して病気を予防してあげたいですね。赤ちゃんの予防接種は数が多いためスケジュール管理が大変ですが、万が一に備えるために漏れなく予防接種を受けることをおすすめします。
※この記事は2020年10月時点の情報をもとに作成しています。