揺さぶられっ子症候群はいつまで心配?「高い、高い」遊びはダメなの?

揺さぶられっこ症候群とは、赤ちゃんを激しく揺さぶることで脳や神経などに損傷を与えることです。虐待による事例が多く報告されていますが、高い高いなどによるあやし方でも発症することが知られています。ここでは、揺さぶられっ子症候群の症状や解説動画、どれくらい揺さぶったらなるのか、いつまで注意すべきかといった情報をお伝えします。

62490

この記事の監修

小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 揺さぶられっ子症候群(乳幼児揺さぶられ症候群)とは?
  2. 揺さぶられっ子症候群の症状
  3. 揺さぶられっ子症候群になりやすいのはいつまで?
  4. どのくらいの揺れで揺さぶられっ子症候群になるの?
  5. 「高い高い」遊びで揺さぶられっ子症候群になるの?
  6. 育児ストレスで赤ちゃんを揺さぶる前にSOSを!
  7. 揺さぶられっこ症候群の危険性をパパとも共有しておこう
  8. あわせて読みたい

揺さぶられっ子症候群(乳幼児揺さぶられ症候群)とは?

「揺さぶられっこ症候群(乳幼児揺さぶられ症候群)」とは、赤ちゃんの身体を激しく揺さぶることにより、脳に損傷を与えることです。英語では「Shaken Baby Syndrome(シェイクン・ベイビー・シンドローム)」といい、「SBS」と表現されることもあります。揺さぶられっこ症候群では、生涯にわたり後遺症を残すほか、死にいたる事例もあります。

危険な揺さぶり方の事例として、赤ちゃんの脇を持って上下に激しく揺さぶる行為があげられます。赤ちゃんの頭が激しく揺れ、脳震盪(のうしんとう)になったり、脳に出血を起こしたりします。

厚生労働省は、乳幼児揺さぶられ症候群を虐待事件の一種として扱い、広く注意を呼び掛けています。次の動画は揺さぶられっ子症候群のメカニズムをわかりやすく解説したものです。赤ちゃんを激しく揺さぶることがなぜ危険か、約1分半で理解できるでしょう。

揺さぶられっ子症候群の症状

頭蓋骨に脳が激しくぶつかり、脳や神経が損傷を受けることで、揺さぶられっこ症候群の赤ちゃんは低酸素状態に陥ります。そのため、強い揺さぶりの後に次のような症状が見られます。

・すぐに眠ってしまう
・嘔吐
・けいれん
・意識障害(呼びかけても反応しないなど)
・呼吸困難
・昏睡状態(目覚めない)

症状がひどい場合は死にいたることもあります。揺さぶられっこ症候群の疑いがあるときは、一刻も早く救命救急センターなどの医療機関を受診しましょう。

命が助かった場合でも、次のような後遺症や障害を残すことがあります。

・失明、視力低下
・言葉の遅れ
・学習障害
・脳損傷
・けいれん発作
・知的障害
・脳性まひ

揺さぶられっこ症候群は、生涯にわたり赤ちゃんの健康に影響を与えるものとして認識しましょう。

揺さぶられっ子症候群になりやすいのはいつまで?

首すわり前

揺さぶられっこ症候群になりやすい時期として、特に注意が必要なのは首すわり前です。抱っこをするときは必ず首を支えるようにする、バウンサーやベビーカー、抱っこ紐は正しく装着し、月齢に応じたものを使用することを徹底しましょう。

首すわりは生後3ヶ月頃から始まります。しかし、一見首はすわったようでも、首の筋力が弱く、首や身体が安定していないことがあります。過去には、生後5ヶ月頃の赤ちゃんでも揺さぶられっこ症候群になったという事件があります。生後6ヶ月頃までは特に注意が必要です。

赤ちゃんの首すわりはいつから?始まる時期と確認、練習の方法

頭蓋骨の成長が完了する2歳まで

首がすわってからも、頭蓋骨の成長が完了する2歳頃までは引き続き注意が必要です。2歳頃までの子どもは、頭蓋骨と脳のあいだにわずかな隙間があります。

よって、強い振動があると脳が頭蓋骨に打ち付けられ揺さぶられっこ症候群を起こす可能性が考えられます。通常のあやし方であれば問題ありませんが、幼児であっても激しく揺さぶり続ける行為は絶対にやめましょう。

3~4歳児においては、揺さぶられっ子症候群の事件や事例は報告されておらず、揺さぶられっこ症候群になることはほぼないと考えてよいでしょう。しかし、大人の強い力で幼児を激しく揺さぶり続けることは大変危険です。揺さぶられっ子症候群にならずとも、体調を害したり子どもの心に強いショックを与えたりするので、激しく揺さぶることはしないでください。

どのくらいの揺れで揺さぶられっ子症候群になるの?

揺さぶられっこ症候群はどれくらいの揺れで起こるのか、不安や心配に思う人は多いでしょう。揺さぶられっこ症候群の事例のほとんどは、虐待によるものです。

赤ちゃんの抱っこやベビーカーでの移動や、首や身体を支えた横向き抱っこで揺らすことや、げっぷをさせるために軽く背中をたたくことなど、一般的なお世話によって症状が出ることはほとんどないと考えてよいでしょう。

バウンサーやベビーカーの揺れは心配ない

バウンサーやベビーカーで寝ているときの揺れは心配ありません。ただし、ベビーカーは月齢に応じたものを使用することが大事です。バウンサーやベビーカーを使うときはしっかりベルトを着用し、赤ちゃんが落下しないように気を付けましょう。

車での移動での注意点は?

車で移動するときは、必ずチャイルドシートを正しく使用しましょう。舗装されていない道を運転するときは特に注意してください。長時間の移動は避けるようにし、適宜休憩を挟むと良いですね。

「高い高い」遊びで揺さぶられっ子症候群になるの?

首がすわるまでは「高い高い」遊びは厳禁です。あやす目的で激しく揺さぶることも絶対にやめましょう。

首がすわって身体が安定していれば、「高い高い」遊びで揺さぶられっこ症候群になることは考えにくいです。しかし、落下事故を招く危険があるため、おすすめできません。低い位置でゆっくり持ち上げるだけでも、赤ちゃんは喜んでくれますよ。

育児ストレスで赤ちゃんを揺さぶる前にSOSを!

乳幼児揺さぶられ症候群にいたった事例の多くは、育児ストレスによる虐待事件です。慣れない育児や睡眠不足が続くなどして精神的に追い込まれ、泣き止まない赤ちゃんを揺さぶってしまったという事例が多くみられます。保護者にとっては一時的な揺さぶりかもしれませんが、赤ちゃんの明るい未来を奪ってしまう危険な行為です。

育児に不安やストレスを感じるのは決しておかしいことではありません。少しでも自分の心に異変を感じたら、周囲の人に相談したり、行政の相談窓口や児童相談所を頼ったりすることが大切です。

全国共通ダイヤル「189」に電話をすると近くの児童相談所につながります。「いちはやく」と覚えておきましょう。

次の動画は、赤ちゃんの泣きの特徴とその対処法を示すために、厚生労働省が作成したものです。動画では、揺さぶられっこ症候群の注意を促すとともに、赤ちゃんが泣いたときにどうすれば良いか解説しています。

揺さぶられっこ症候群の危険性をパパとも共有しておこう

揺さぶられっこ症候群の危険性は、ママが知るだけではなくパパにもしっかり共有しておきましょう。揺さぶられっこ症候群のほとんどは虐待事件によるものですが、そうでない事例も存在します。たとえば、パパが赤ちゃんの扱い方をよく知らずに、高い高いなど激しいあやし方をして、赤ちゃんを危険な目にあわせてしまう可能性があります。

揺さぶられっこ症候群の情報は母子健康手帳に記載されていることが多いです。赤ちゃんを悲しい事故から守るために、家族みんなで気を付けましょう。

あわせて読みたい

育児ストレスを溜めやすいママの特徴は?パパに知っておいてほしいこと
https://mamanoko.jp/articles/24657
子どもができたら必読!育児中の父親がしてはいけない行動9ヶ条
https://mamanoko.jp/articles/8146
安全性を過信しないで!使い方によっては危険度の高いベビーグッズとは?
https://mamanoko.jp/articles/19324
赤ちゃんの寝返り防止グッズは必要?クッションは危険?
https://mamanoko.jp/articles/29579
ベビーベッドガードには窒息事故の危険性も!海外では使用を禁止されている国もある!大人用ベッドにつけるベッドガー…
https://mamanoko.jp/articles/26765