母乳の保存とは?母乳の冷凍保存や冷蔵保存の方法やメリットとは
搾乳した母乳は冷凍や冷蔵で保存ができることを知っていますか。母乳を保存して必要なときに使用することは、ママにとってさまざまなメリットがあります。ここでは、母乳の冷凍保存や冷蔵保存の方法、保存期間、母乳パックや袋・哺乳瓶など保存に使う容器の解説や、冷凍・冷蔵保存した母乳の解凍・加熱の際の注意点についてお伝えします。
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目次
母乳の保存とは?母乳を保存する方法
授乳期でも、どうしても赤ちゃんを人に預けなければならないときがあるものです。冠婚葬祭への出席、産後早々に仕事復帰しなければならない場合や、ママや赤ちゃんが入院することになる場合もあるでしょう。そんなとき、冷凍や冷蔵で保存した母乳を利用すれば、ママがいなくてもママのおっぱいを赤ちゃんに飲ませてあげることができるのです。
ときには、パパに授乳を代わってほしいと願うママもいるでしょう。母乳を絞って保存しておけば、パパでも授乳が可能になります。完全母乳で育てられた赤ちゃんでもミルクは飲まないけれど、冷凍・冷蔵保存した母乳を解凍したものなら飲むというケースは珍しくありません。
授乳はママだけの仕事ではなく、ママが病気のときや息抜きしたいときにはパパにもできることとなると、授乳期の大変な時期のママの気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。
1.母乳を搾乳する
母乳を搾乳する方法は、手で搾乳する方法と、搾乳器で搾乳する方法の二つがあります。手で搾乳する場合、少し時間はかかりますが乳腺を傷つける恐れは少ないといわれています。
搾乳器の場合は、「メデラ」や「ピジョン」などがママたちのあいだで人気となっています。
搾乳するときは手で搾乳する場合であっても搾乳器を使用する場合であっても、手は清潔にし、搾乳器は必ず消毒して、衛生面に配慮して搾乳しましょう。
2.母乳の保存
通常、25度以下の室温や常温の状態では、母乳は最長で4時間程度保存できるといわれています。しかし、常温での保存母乳は30分~1時間程度での使用をおすすめする産院や病院が多いでしょう。また常温での保存の場合、直射日光が当たったり湿度が高すぎたりすると母乳に菌などが繁殖しやすくなるため、冷凍・冷蔵保存がおすすめです。
搾乳した母乳は、母乳パックか哺乳瓶での保存が一般的です。冷凍のほうが母乳の品質は落ちにくいのですが、短時間ですぐに飲ませる場合は、冷蔵保存も良いでしょう。
母乳の冷凍方法
母乳を冷凍するときには下記の方法があります。
・母乳パックに入れて冷凍保存
・哺乳瓶に入れて冷凍保存
自宅の冷凍庫のサイズなどに合わせて自分に合った方法を試してみてくださいね。
母乳パックに入れて冷凍する方法
母乳を冷凍保存するときには、母乳パックに入れて保存することが一般的です。母乳パックには、密封されることで細菌繁殖が防げ衛生面でも安全というメリットがあります。専用のパックなので、冷凍した場合も破損の恐れが少なく、メモリが付いているので与える母乳の量を確認しやすいでしょう。
母乳を哺乳瓶などに搾乳し、母乳パックに移し替えます。冷凍時にパックがやぶれないよう、母乳パックの7分目くらいを目安に搾乳した母乳を入れましょう。パックは平らになるようにして冷凍庫に保存をします。なかには搾乳器につなげて直接母乳パックに搾乳できるものもあるようです。
搾乳した日付を母乳パック書き込んでおけば、いつ搾乳したものかわからなくなるというトラブルを避けることができます。病院や保育施設に冷凍母乳を預けるときには、母乳パックに入れたものに限っていることがあるようです。
哺乳瓶に入れて冷凍する方法
哺乳瓶に搾乳した母乳をそのまま冷凍することもできます。哺乳瓶を冷凍庫から出して直接流水をかけて解凍し、湯せんにかけて温めたら、そのまま赤ちゃんに授乳することができます。搾乳した日にちは、紙などに書いて、哺乳瓶に貼っておくと良いでしょう。
ただし哺乳瓶で母乳を冷凍して保存する場合は、母乳保存の専用キャップが必要です。哺乳瓶の乳首が常温用だとゴム製のため劣化してしまうこと、密封されず衛生面が不安なためです。もし哺乳瓶にひびなどが入っている場合は、中に入っている母乳は赤ちゃんに与えることができず、破棄しなければなりません。冷凍保存の前にマイナス何度まで対応している容器か確認するようにしてください。
また哺乳瓶で保存をする際には、容器の内部まで冷やされるのに時間がかかるということがあるようです。特に冷凍保存した母乳を持ち歩く際は、母乳が十分に冷えているかよく確認をしましょう。
母乳の保存容器は普通のジップパックで代用できる?
ジップロックや市販のジップ付きの密封袋を母乳パックの代用として使うことはおすすめできません。見た目は似ていても、母乳専用のパックはきちんと滅菌がされており、母乳の保存用に改良されているため、扱いも簡単で安全です。
母乳の冷蔵方法
母乳を冷蔵庫で冷蔵する場合には、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れての保存がおすすめです。哺乳瓶を使って母乳を保存するメリットは、そのまま湯せんにかけられ赤ちゃんに飲ませることができ手軽な点です。
冷蔵保存をする際には、哺乳瓶の口をしっかり密閉をして冷蔵庫の奥の位置で保存をしましょう。冷蔵庫の手前やドアポケット付近では開閉の際に高い温度にさらされてしまう可能性が高く母乳の成分が変化する恐れがあります。
冷凍・冷蔵保存した母乳の解凍方法・温め方
冷凍母乳の解凍方法
冷凍した母乳は、まずは流水もしくは冷蔵庫で解凍します。解凍する時間がない場合には、30~40度程度のぬるま湯につけ、ゆっくりとゆらします。ぬるま湯で解凍する場合には20分以内に行うようにしてください。
つけるお湯の温度が高くなりすぎると、母乳の栄養成分が損なわれてしまう可能性もあります。間違っても、熱湯や電子レンジ、直火での解凍は避けましょう。
解凍後の母乳・冷蔵母乳の温め方
解凍した母乳や冷蔵保存していた母乳を母乳パックに入れていた場合には、パックの周りをふき取り、清潔な哺乳瓶に移し替えます。哺乳瓶をお湯を張ったボールなどにつけ、人肌に温めます。温めた母乳を哺乳瓶の口から手の甲に少したらしてみて、少し温かいくらいであれば飲みごろです。
ただし母乳を冷蔵保存したり冷凍母乳を解凍したりすると、成分が分離していることもあります。少し哺乳瓶を振ってから飲ませるようにしてあげましょう。
冷凍・冷蔵母乳の保存期間
家庭用の冷凍庫、冷蔵庫で母乳を保存する場合の目安は下記の通りです。
・冷凍保存:2週間~1ヶ月ほど
・冷蔵保存:24時間ほど
ただし、母乳は赤ちゃんの成長段階にあわせた免疫や成分で構成されています。冷凍保存した母乳であっても搾乳から一週間を目安に飲みきれると良いでしょう。
解凍した母乳は冷蔵保存で24時間以内に使い切ることが原則です。母乳を冷蔵したり解凍したりしてから24時間以上を経過した場合は、決して赤ちゃんに与えず捨ててください。また一度解凍した母乳を再冷凍することはできません。赤ちゃんが一度口をつけたものも、雑菌が繁殖する恐れがあるため余った場合はそのまま捨てるようにして下さい。
母乳の冷凍、冷蔵保存の体験談
子どもを実家の母に預けて出かける用事があるときに、搾乳した母乳を冷蔵・冷凍していました。基本的には半日程度の外出だったため、出かける半日前ほどから何度かに分けて搾乳した母乳を冷蔵して使っていました。しかし、その日の体調によってはなかなか母乳が出ず、うまく搾乳できないこともあったため、余裕があるときに母乳パックに搾乳した母乳を冷凍していました。冷凍母乳の出番はほとんどありませんでしたが、母乳が絞れずに出かけられないのではないかと焦る気持ちを和らげてくれたので、安心感がありました。
ピジョンの母乳フリーザーパックを利用し、定期的に搾乳したものを冷凍保存していました。生後4~5ヶ月を過ぎて夜間の授乳回数が減ってきたころに、私のほうが胸の張りの痛みで起きてしまうことがあったので、捨てるのももったいないなと思い、絞って保存していました。
冷凍保存であれば比較的長めに保存ができるので、ちょっとした外出でパパや実家の母に子どもを預けるときには、その冷凍母乳を渡して飲ませるように伝えていました。外出前に搾乳するとバタバタしてしまったり、授乳の時間と重なってしまうと出なかったりするので、いつも冷凍庫にストックがあることで私自身も気持ちに余裕ができました。
生後2ヶ月のときに子どもが尿路感染症になり半月ほど入院しました。その際に、母乳を病院に届けるために、カネソンの母乳バッグとピジョンの母乳フリーザーパックの両方を使用しました。カネソンの母乳バッグの方がピジョンより搾乳した母乳を入れやすかったのですが、袋が長方形ではなかったため、冷凍庫に安定して立てて保存ができずに苦労した覚えがあります。カネソンもピジョンも封入した母乳量が大まかでもわかるのが良い点でした。
育児に協力を得られるときは保存した母乳も利用しよう
授乳中に、心や身体が疲れてしまったときは、冷凍や冷蔵で保存した母乳を活用するママも多くなってきました。赤ちゃんの入院などでやむをえず冷凍母乳にしなければいけない、仕事復帰しても母乳をあげたい、などさまざまなケースで冷凍、冷蔵保存された母乳は活躍します。
今、完全に母乳だけで育児しているママも、「母乳を保存する方法もある」と知っておけば、今後の育児で役立つこともあるでしょう。冷凍、冷蔵保存した母乳をうまく使って、周囲の人と協力しながら育児をしていけると良いですね。