赤ちゃんの果汁はいつから?生後2~3ヶ月からは古い考え?生後6ヶ月未満の乳児には果汁は不要!

保健師監修|いつごろから赤ちゃんに果汁を飲ませるのでしょうか。かつては生後2~3ヶ月頃から与え始めるのが一般的でしたが、現在は、母乳やミルクが最も最適な栄養源のため、離乳開始前にはあえて与える必要はないといわれています。ここではその理由を説明します。赤ちゃんに果汁を飲ませるときの注意点も参考にしてください。

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この記事の監修

二見  朝子
保健師
二見 朝子

目次

  1. 赤ちゃんに果汁はいつからあげて良い?
  2. 生後6ヶ月未満の赤ちゃんに果汁をあげてはいけない理由
  3. 生後6ヶ月以降の赤ちゃんに果汁をあげるときの注意点
  4. 赤ちゃんの果汁デビューに気を付けよう
  5. あわせて読みたい

赤ちゃんに果汁はいつからあげて良い?

生後2~3ヶ月からというのは古い考え方

一昔前まで、赤ちゃんが生後2~3ヶ月くらいになると果汁を飲ませるのが一般的な考え方でした。実際に、2008年3月以前に発行された母子手帳には、生後3~4ヶ月の赤ちゃんの成長記録を残す欄に「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という記述があります。保健師など育児指導者のあいだでも、離乳前から赤ちゃんに果汁を飲ませることが推奨されていたそうです。

生後2~3ヶ月の赤ちゃんに果汁を推奨していた理由には、昔は粉ミルクにビタミンを配合することができなかったことがあげられます。ビタミンは赤ちゃんの成長にとって大切な栄養素なので、ビタミン不足を補うために果汁を与えるように指導されていたのです。母乳や粉ミルク以外の味を覚えさせるためという意識もあったといわれています。

しかし、2001年にアメリカ小児学会は、生後6ヶ月未満の赤ちゃんにとって、果汁は母乳や粉ミルクよりも栄養学的に劣ると結論づけています(※1)。生後6ヶ月未満の赤ちゃんに果汁を飲ませるべきではないと勧告したため、厚生労働省は、2008年3月末で母子手帳の「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という記述を削除しています。

離乳開始後の生後6ヶ月以降が目安

母乳や現代の粉ミルクには、赤ちゃんの成長に必要なビタミンがしっかり含まれています。離乳前の生後6ヶ月未満は、母乳育児または粉ミルクを飲ませるだけで、十分に栄養が足りているのです。赤ちゃんに果汁を与える場合は、離乳を開始してからにしましょう。

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1歳までは与えないほうが良いという意見も

アメリカ小児学会は、1歳までは果汁を与えないのが望ましいとも言っています。栄養面において1歳までの乳児に果汁を与えるメリットがない、果物アレルギーの心配があるなどの意見もあるようです。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんに果汁をあげてはいけない理由

母乳やミルクに比べて栄養が少ない

生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、母乳で必要な栄養がとれるため、基本的に母乳育児が推奨されています。粉ミルクにも赤ちゃんの成長に十分な栄養が含まれているため、果汁を与える必要はありません。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんには果汁を与える必要がないうえ、果汁は母乳や粉ミルクに比べて栄養が少ないのです。離乳が始まる前に、母乳や粉ミルクの代わりに果汁を与えてしまうと、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル類が不足する可能性があります。

果汁の過剰摂取は栄養障害につながるおそれがある

果汁の味は甘くて赤ちゃんに好まれます。果汁の味を覚えると、赤ちゃんはもっと飲みたいと要求してくることがあるかもしれません。果汁を与えすぎると、栄養不足や発育障害を引き起こすおそれがあるといわれています。

果汁は下痢の原因になることがある

果汁を過剰に摂取すると、赤ちゃんの腸が糖質を吸収しきれず、下痢を引き起こすことがあります。もともと下痢の症状がある場合はさらに重症化してしまうことがあるため、注意しましょう。

果汁は虫歯の原因となる

赤ちゃんの歯は生後7~8ヶ月頃から生え始めます。果汁は糖類を多く含むため、果汁を飲ませることで虫歯の原因を作ってしまう可能性があります。

生後6ヶ月以降の赤ちゃんに果汁をあげるときの注意点

最初は少し薄めてあげる

赤ちゃんに果汁をあげるときは、果汁100%を白湯で2~3倍に薄めましょう。味が濃すぎたり種が入ったりしていないか、赤ちゃんに飲ませる前にチェックすることが大切です。

果汁を初めて口にする赤ちゃんは、最初は驚いて飲まないことがあります。赤ちゃんが嫌がるときは、無理に与える必要はありません。果汁を飲ませるときは赤ちゃんの様子をしっかり観察し、スプーンで舐める程度の量から始めてくださいね。

たくさん飲ませない

赤ちゃんに果汁を与える場合は、少量にとどめてください。アメリカ小児学会では1~3才の適量として1日120ml以内を推奨しています(※2)。哺乳瓶やパック入りの果汁を長時間くわえている事は、虫歯のリスクにもつながります。

果汁の過剰摂取が良くないのは、生後6ヶ月以降の乳児だけでなく幼児でも同じです。子どもは甘くておいしい果汁が好きです。子どもにジュースの紙パックやペットボトルをそのまま与えると、飲みすぎてしまうことがあります。

果汁は身体に良いイメージがあるかもしれません。しかし、乳幼児の果汁の過剰摂取は栄養不足や栄養過多、下痢などの症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

なるべく果物そのものを食べる

果物には食物繊維が含まれていますが、果汁には含まれていないため、果汁より果物そのものを食べる方がおすすめです。

果汁と果物のカロリーは同じくらいなので、飲みやすい果汁をあげすぎてしまうと、カロリーオーバーで肥満の原因となり得ます。なるべく果汁に頼らず、果物そのものをあげるようにしましょう。

果汁飲料には特に注意をする

果汁は、果物そのものを絞ったりつぶしたりして出した汁のことです。加熱したり、甘味料や香料などがプラスされているジュースは、赤ちゃんに飲ませるのは不向きでしょう。

果汁で赤ちゃんがアレルギーを起こすことはあるの?

赤ちゃんは、果物によってアレルギー反応を起こすことがあります。アレルギーによって重篤な健康被害がみられている果物には、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナがあげられています。(※3、4)

アレルギー症状には、蕁麻疹や唇の腫れなどの皮膚・粘膜症状、下痢などの消化器症状、咳やゼーゼーするなどの呼吸器症状など様々なものがあります。もし、果汁をあげた後に、そのような症状が出たらアレルギーの可能性がありますので、迷わず受診しましょう。

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赤ちゃんの果汁デビューに気を付けよう

昔は生後2~3ヶ月で果汁を与えるのが一般的であったため、おじいちゃんおばあちゃんから果汁をあげるように催促されることがあるでしょう。しかし、生後6ヶ月未満の赤ちゃんは母乳や粉ミルクで十分な栄養を補給できているため、果汁をあげる必要はありません。理解が得られるよう、果汁を与えるリスクをきちんと説明できるようにしたいですね。

初めて赤ちゃんに果汁を与えるときは赤ちゃんの様子をしっかり観察し、少しずつすすめると良いでしょう。赤ちゃんの果汁デビューを家族でゆっくり見守ってあげてくださいね。

※この記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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