帝王切開の傷跡は消える?ケロイドや化膿を防ぐ傷跡ケア
帝王切開の傷跡の経過が気になる人は少なくありません。傷跡は綺麗に治るのか、傷跡の痛みやかゆみ・ケアはいつまで続けるべきか、術後の傷跡ケア用テープやシリコンジェルの特長、ケロイドは皮膚科や整形外科などに相談できるのか、さまざまな帝王切開の傷跡の疑問について解説します。
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目次
帝王切開の傷跡はきれいに治る?傷跡を残さないためには
逆子や前回、帝王切開で出産した場合、お産中の母子の状況などで帝王切開分娩になることがあります。あらかじめ帝王切開手術が予定されている場合には妊娠中から術後の傷跡が心配になったり、緊急で帝王切開になった場合には突然のお腹の手術跡に戸惑ってしまったりとさまざまなケースがあるでしょう。なかでも「帝王切開の傷跡はきれいに治すことができるのか」という悩みは、帝王切開で出産した多くの人たちが抱えるものかもしれません。
平成20年の厚生労働省の調査では妊婦の4〜5人にひとりが帝王切開手術での分娩となっており、増加傾向にあるようです。帝王切開の傷跡が残るか・残らないかは、体質も関係ありますが、術後のケア次第でも変わってきます。帝王切開とはいえ開腹手術ですので、根気強くケアしていくことが大切です。下腹部は手術跡が残りやすい部位でもあるため、しっかりと適切なケアを続けていきたいですね。
糸やホチキス、帝王切開の傷の処置方法の種類
一般的に傷の処置には、糸による縫合・医療用ステープラー(ホチキス)を用いた固定・皮膚用テープを用いた固定・医療用の皮膚表面接着剤を用いた固定などがあります。帝王切開では糸と医療用ステープラーが主流だといわれています。体内で溶ける糸は抜糸の必要はありませんが、体内で溶けない糸は抜糸の必要があります。傷・身体の状態や医師の判断により処置方法は決定されます。
傷の処置方法により傷跡は異なりますが、真皮埋没縫合(しんぴまいぼつほうごう)と呼ばれる傷跡が目立ちにくい処置が行われることもあります。基本的にはどの処置方法でも、術後のケア状況により傷跡の経過は変わることがあり、傷跡への継続的なケアは必要になります。
まれに、手術時に十分に殺菌できずに手術を行なったことにより、傷口が炎症を起こしてしまう場合もあるようです。
帝王切開の傷跡には、痛み・かゆみなどさまざまな悩みが
帝王切開の傷跡で気になることには個人差があるようです。傷跡の痛み・かゆみ・赤みといったものは比較的多くの人が経験する代表的なものかもしれません。チクチクする・熱をもっているようなヒリヒリ感がある・引きつる・麻痺したような感覚・膿が出る・傷口が開く・出血・癒着といった「傷跡の症状」が気になるケース、ミミズ腫れ・傷口が盛り上がる・しこりのような固いところがあるといった「傷跡の様子」が気になるケースが多いようです。
帝王切開の傷跡は縦横の切り方・複数回の手術で差が出る?
帝王切開の傷は縦に切る場合(縦切開)と横に切る場合(横切開)があります。一般的には横に切るケースが昨今は多く、緊急の場合や他の手術がある場合には縦に切ることも多いようです。横切開はビキニラインを目指して切開するため術後は下着で目立ちにくいですし皮膚割線に沿ってますので傷跡がくっつきやすいです。
第一子で帝王切開を経験している場合、第二子以降も帝王切開になる場合が多いです。複数回の帝王切開で術後の傷跡に直接影響が出ることはありませんが、帝王切開で出産した人は子宮破裂の可能性があるため、2回目・3回目の出産にはそれぞれ一定期間あける必要があります。
帝王切開の傷跡の痛み・かゆみ・ケアはいつまで続く?
帝王切開手術による傷は、術後から3日程度で傷口が閉じる「炎症期」となり、皮膚の下で炎症は続いており赤い腫れや痛みが生じます。傷が閉じると新しい細胞が生まれ傷を埋めていく「増殖期」が約3週間〜1ヶ月のあいだ続き、赤みやかゆみが生じることがあります。増殖期を過ぎると次第に肌に近い色になっていく「成熟期」を迎えます。新しい細胞が生まれる増殖期に下着のこすれやテープかぶれ、皮膚が引っ張られるといった外部刺激を受けると、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドになる可能性があります。治るまで時間がかかり、かゆみや痛みが増すこともあるため注意が必要です。
基本的には術後1ヶ月を過ぎたあたりの増殖期を経て、徐々にかゆみ・赤みは引いていきます。傷跡が治る早さは体質にもよる部分も大きいため断言はできませんが、術後3ヶ月から1年ほどかけて帝王切開の傷跡が肌の色に近づくにつれて、痛み・かゆみといった症状も落ち着いていきます。ただし、外部刺激などで肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)(ひこうせいはんこん)やケロイドになってしまうと炎症が続き、痛み・かゆみなどの症状が長く続き、目立つ傷跡になる可能性が高くなります。肥厚性瘢痕は2年から5年で元の肌色に近い状態になることもあります。
傷跡のケアは各種症状が落ち着き始める3ヶ月程度は続けた方が良いという意見もありますが、ケアに使用する商品によって推奨使用期間は異なります。購入時に確認しましょう。
帝王切開後の傷跡ケアにはテープやシリコンジェルが人気
帝王切開の傷跡ケアができるグッズには、薬局などで入手できる市販品もあります。手軽に使うことができるテープやシリコンジェルシートなどの人気が高く、帝王切開後に使用できるニッパーや傷跡の治療に効果が期待できるクリーム(軟膏)などもあります。傷跡の状況によっては使用が好ましくないものもあるため、入院時にあらかじめ使用したいグッズを医師に相談しておくと良いでしょう。また、使用中に出血や腫れなどの異変が現れたらすぐに使用を中止しましょう。
テープ
日常で使用するセロハンテープから医療用テープまで手がける「ニチバン」や付箋などの日用品でも有名な「スリーエム(3M)」などから販売されており、帝王切開の傷跡ケアとしておすすめする人は多いようです。シリコンテープや不織布タイプ、そのまま患部に貼ることができるものからガーゼなどの固定用などさまざまなものがあります。貼り方などは商品により異なる場合もあるため、テープかぶれを防ぐためにも正しい方法で使用しましょう。剥がす際に気になることがあるため、周囲の体毛は短くしておきましょう。
シリコンジェルシート
テープでのケアが主流だった帝王切開の傷跡ケアですが、昨今少しずつ増えてきているのがシリコンジェルシート(シリコーンゲルシート)です。紙製のテープよりも刺激が少なくかぶれにくい、クッション性があり傷跡の保護にも役立つ、ジェルシートなのでずれにくく密着性があるといった点が人気なようです。商品によって使用できる時期や条件等が異なるため、必ず使用前に確認しましょう。
ニッパー
ニッパーは帝王切開の傷跡を保護する目的のものが多いようです。特に術後すぐには傷口に刺激を与えないように、しめつけずにお腹を保護できるものがあると安心ですよね。ただし、傷の状況によってはニッパーの使用は好ましくない場合もあるため、退院前に産後にニッパーを使用したい旨を医師に相談しておくと良いでしょう。
帝王切開の傷跡が化膿した!どうすれば良い?
帝王切開を含む手術跡の傷口が開いて出血した、化膿したというケースで注意が必要なのが「感染症」です。かゆみを感じて傷跡をかいてしまうことなどで傷口から細菌が入り、膿がたまり、発熱・痛み・赤み・腫れが生じることがあります。傷口が開かないように無理をしないことが大切ですが、出血や化膿に気づいた段階で症状が深刻化する前に病院を受診しましょう。病院に行くほどではないと思うような出血、膿であったとしてもケア方法次第では強い痛みに変わることもあります。
帝王切開の傷跡がケロイドに!治療はできる?
帝王切開の傷跡ケアを怠ってしまったり、傷跡が治りにくい体質だったりすると、傷跡が肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドになってしまうことがあります。肥厚性瘢痕は2年から5年ほどで自然に治ることもありますが、ケロイドになると自然に治るケースはあまりないといわれています。ケロイドは傷の周囲のみならず広い範囲に赤みや盛り上がりができることもあるため、術後かなり年月が経っていても治療方法をずっと探している人も少なくありません。
肥厚性瘢痕やケロイドになってしまったら、早い段階で医師に相談しましょう。形成外科や皮膚科で相談が可能です。病院での治療では、圧迫や軟膏・飲み薬の処方やステロイドテープ、手術といった方法があります。治療法は傷跡の状況により判断されます。目立つ傷跡を消すのみであれば美容整形でも取り扱っているケースがありますが、炎症がおさまっていない状態での対応はできない場合が多いようです。
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継続的なケアが傷跡を目立たなくさせる
体質もありますが、術後のケアは帝王切開の傷跡が目立つ形で残ってしまうか、あまり気にならない程度になるかを左右するといっても過言ではないかもしれません。術後3ヶ月から1年で傷跡は落ち着くといわれていますが、ケアを怠り悪化した場合はケロイドになり自然に治るのは難しくなる可能性もあります。気長に付き合わなければいけないため、たまには怠ってしまうこともあるかもしれませんが、なるべく適切なケアを続けてきれいな傷跡を目指しましょう。