帝王切開の傷跡ケアにテープはおすすめ?かぶれ予防や貼り方

帝王切開の傷跡に悩む女性は多いといわれています。赤みや腫れ、痛み、引きつれなど気になる症状はさまざまです。術後の傷跡ケアにはテープやシリコンジェルなどが用いられますが、なかでもテープは人気の高いケアグッズのひとつです。帝王切開手術後のケア用テープの貼り方、剥がし方やケロイド予防などを解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 帝王切開の傷跡に悩む人は多い
  2. 帝王切開の傷跡をきれいに消すケア方法、おすすめは?
  3. 帝王切開の傷跡ケアはいつからいつまで?
  4. 帝王切開の傷がケロイドになる原因は?
  5. シリコンに不織物、傷跡に使うテープの種類
  6. 帝王切開の傷跡ケア、テープの貼り方・貼り替え方
  7. 傷跡ケア用のテープが原因でかゆい?
  8. 帝王切開の傷に化膿・出血・かぶれなどが起こったら
  9. 帝王切開の傷跡テープを楽天・Amazonで探す
  10. 帝王切開の傷には症状にあったテープなどで対処を
  11. あわせて読みたい

帝王切開の傷跡に悩む人は多い

自然分娩と帝王切開手術での分娩は、母子の状態によりどちらの方法でのお産になるかが決まります。前回の出産が帝王切開だった人や逆子である場合などには帝王切開になることが多いですが、自然分娩予定だった人でもお産の途中で母子の状態によっては帝王切開になることがあります。昨今、日本では分娩の約2割が帝王切開になったという調査例があり、そのうちの約3割が肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)・ケロイドといった傷跡の症状に悩んでいるといわれています。

事前に覚悟ができていた人も途中で思わぬケースで帝王切開になった人も、術後の傷跡を見ると「ちゃんときれいに治るのか」と不安になってしまうかもしれません。術後すぐの痛みやかゆみといったものをある程度覚悟していた人でも、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年と時間が経つにつれて不安が増すこともあるでしょう。帝王切開とはいえ手術になるので、根気強く傷跡のケアを続ける必要があり、適切なケアにより傷跡が目立たなくなる可能性が高くなります。

帝王切開の傷跡をきれいに消すケア方法、おすすめは?

帝王切開の傷の大きさは赤ちゃんの大きさによって決まります。切開方法としては縦に10センチ程度切る「タテ型」と横に3〜4センチから10センチ程度切る「ヨコ型」があります。緊急の場合や他の手術と併せて帝王切開を行う場合などはタテ型になることもありますが、基本的にはヨコ型が多いといわれています。タテ型は傷が目立つものの皮膚の繊維に沿って切開するため治りが早く、ヨコ型は傷跡が下着のラインに沿うことで目立ちにくいといわれています。

帝王切開後の傷跡ケアには手術後のケア用テープ・クリーム(軟膏)などがあります。術後の傷の経過によって、その人にあった傷跡のケア方法の指示が医師からあるでしょう。指示がない場合には傷跡をきれいに治したい旨を医師に相談し、どのようなケアをすべきか確認すると良いでしょう。一般的には手軽に使用できるケア用テープを使用する人が多いようです。傷跡がきれいな状態になるかどうかは傷口が閉じた後のケアによって左右されます。きれいな傷跡を目指すのであれば、症状にあった適切なケアを継続的に行うことが大切でしょう。

帝王切開の傷跡ケアはいつからいつまで?

帝王切開の傷は、術後3日程度で傷口が閉じるといわれています。傷口がくっつくと治ったように見えるかもしれませんが、実際には皮膚の下で炎症が起こり続けているため、痛みやかゆみが生じる人も少なくありません。傷口が閉じるまでは医師の指示で処置が行われることが多いです。

傷口が閉じた、術後3日くらいから専用のテープやクリーム(軟膏)などでのケアが始まります。帝王切開の傷のケアは、痛み・赤み・かゆみなどの症状がなくなるまで続けると良いとされています。ケアを続ける目安としては術後3ヶ月から1年くらいといわれていますが、肌の状態や適切なケアができているかによって痛みや赤みが1年以上ものあいだ長引くこともあります。

帝王切開の傷がケロイドになる原因は?

一般的に手術後の傷は3日程度で一度傷口が閉じる「炎症期」を迎えます。一見すると傷が治ったかのようにみえますが、赤い腫れや痛みが生じていることが多く、傷口の下では炎症が続いています。術後3日から1週間程度で、閉じた傷口の下で新しい細胞が生まれて傷を埋めていく「増殖期」に入ります。この時期にはまだ赤みやかゆみが生じる人も多いかもしれません。その後、順調に新しい細胞が育っていくと「成熟期」と呼ばれる肌の色に近い傷跡になります。肌の状態によりますが、成熟期を迎えるのは3週間から1年近くかかるといわれています。

帝王切開の傷跡が目立たなくなる人と目立つ状態で残ってしまう人の違いは、「術後のケア」がポイントになります。帝王切開の場合には炎症期は入院中のため、医師の指示の下で適切な処置が行われるでしょう。このため重要になってくるのが、増殖期のケアです。ここで傷跡や周囲の皮膚が引っ張られたり、下着や洋服などでこすれたりすることで肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドになります。肥厚性瘢痕はその後のケア次第で正常な状態に戻ることもありますが、ケロイドは自然に治ることは少ないといわれています。

シリコンに不織物、傷跡に使うテープの種類

帝王切開の傷跡ケアには専用のクリーム(軟膏)や手術ケア用テープ、シリコンジェルシートなどがあります。手術後のケア方法に関しては、傷の経過や体質などによって適切な処置が変わることもあるため、基本的には医師の指示に従いましょう。事前に帝王切開が予定されている場合であれば、産後に使いたい術後ケア用のテープなどのグッズを持参し、医師にあらかじめ今後使用したい旨を相談しておくのも良いでしょう。

帝王切開の傷跡ケアとして、手術後ケア用テープは最も用いられているケア用品のひとつかもしれません。日常で使うセロテープから医療用テープまで製造・販売する「ニチバン」や化学・電気関連メーカーとして有名な文具などの日用品まで手がける「スリーエム(3M)」など大手メーカーからの市販品が薬局などで気軽に入手できるのが人気の秘密のひとつでしょう。

手術後ケア用テープは「不織布タイプ」、「シリコンタイプ」、「プラスティックタイプ」などがあります。患部に直接貼って良いものやパッドなどをあてるときに固定するものなど用途によって使用する種類は異なります。サイズも5センチ以内の小さな傷から15センチ程度の大きな傷までカバーできるさまざまなサイズのものがあります。傷跡のケア方法は傷の状態により異なるため、初めは医師にどのような商品をどのように使うべきか相談すると良いでしょう。用途にあった適切なテープの使い方を心がけましょう。

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帝王切開の傷跡ケア、テープの貼り方・貼り替え方

傷跡ケア用のテープは商品により使い方、注意点が異なる場合があります。市販品を使用する場合には添付文書をきちんと確認しましょう。

貼り方

一般的には帝王切開の傷跡にあわせて、テープを貼るのがポイントです。貼る際にテープを伸ばして貼ると、皮膚もあわせて伸びてしまったり縮んでしまったりすることで刺激となり、傷跡の治りが悪くなることがあります。傷跡の端からテープを貼らずに、傷跡の中央から上からおさえるようにする貼り方が良いでしょう。傷のまわりの毛はできれば短く切っておきましょう。

貼り替え方

一般的なテープの貼り替え方としては、テープを剥がす際には皮膚をおさえてテープの端から折り返すような形でゆっくり剥がしましょう。適切なテープの貼り替えが必要ですが、テープの貼り替え時期は商品により異なります。必ず商品の添付文書を確認しましょう。

傷跡ケア用のテープが原因でかゆい?

傷跡ケア用のテープが原因でかゆみや赤み、痛みといった症状が現れる場合があります。テープを必要以上に伸ばして貼ることで皮膚に刺激を与えている、不適切な剥がし方をしている、毎回同じ場所に貼っている場合の「機械的刺激」、テープに使用されている物質が肌に合わない場合の「アレルギー反応」、消毒剤や粘着剤の成分による刺激で起こる「化学的刺激」といったものが原因である可能性があります。

帝王切開の傷に化膿・出血・かぶれなどが起こったら

退院後にしばらくしてから傷が化膿、出血、かぶれなどが起こることは珍しくありません。あまりにも治りが悪い、痛みや出血、化膿などが止まらない場合には自己判断でテープなどの市販品を使い続けずに病院を受診しましょう。病院ではテープやシリコンジェルなどを使う方法以外でも、塗り薬や注射、必要によっては飲み薬や手術といった方法を検討してくれるでしょう。傷跡が悪化することで治りが悪くなり、結果的に目立つ傷跡になってしまうことが多いため、気になるようであれば病院に相談するのが良いでしょう。

帝王切開の傷跡テープを楽天・Amazonで探す

楽天・Amazonで他の傷跡テープを探したい方は、以下のリンクを参考にしてください。

帝王切開の傷には症状にあったテープなどで対処を

術後すぐの期間は、帝王切開の傷跡のケアのなかでも重要な期間となりますが、産後の場合には赤ちゃんのお世話とも重なり、なかなか自分のケアにまで手が回らない人もいるでしょう。時間はかかってしまうかもしれませんが、気がついたときにケアを再開し、必要であれば病院を受診して相談するのがきれいな傷跡にするポイントになります。できるだけ、傷口が閉じてから継続的に適切なケアを続けていきましょう。

また傷跡の症状によってテープやシリコンジェルパッド、ベルトなど最適なものを選ぶことも大切です。症状によっては圧迫する必要がない、逆効果であるケースもあるため、退院時に医師に使用する予定のグッズについて質問し、理解を深めておくと良いかもしれませんね。

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