【おすすめ絵本】読み聞かせで読解力アップ?低下している子どもの読む力を育もう
2018年に行われた国際的な学力調査によると、日本は以前より子どもの「読解力」が低下している傾向にあります。読解力とは、文章を理解する力をさします。どうすれば子どもの読解力は伸びていくのでしょうか。ここでは、読解力不足の原因や、読解力を伸ばすために必要な習慣を解説します。読解力を育てる絵本も紹介しますよ。
本ページはプロモーションが含まれています
目次
子どもの読解力が低下している?
2018年の国際的な学力調査の結果
経済協力開発機構(OECD)では、3年ごとにPISAと呼ばれる調査を行っています。PISAは学習到達度に関する国際的な調査で、15歳を対象に「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の三つの分野で平均得点を出しています。
2018年6〜8月に行われた調査で日本は「数学的リテラシー」が1位、「科学的リテラシー」が2位と世界トップレベルでした。
しかし「読解力」に関しては11位という結果に終わっています。OECD加盟国の平均よりは高いのですが、2015年の前回調査(6位)よりも平均得点・順位が統計的に低下してしまいました。
読解力とはテキストを理解できる力
PISAは、読解力を次のように定義しています。
PISAでは読解力を調査するために3つの能力を測定しています。ひとつは「情報を探し出す能力」です。文章内の情報にアクセスして取り出す力や、関連する文章を探して選ぶ力ですね。
次に「理解する能力」です。言葉の意味を理解しているか、文章全体をまとめて、自分なりの推論を作ることができるかどうかです。最後に「評価し、熟考する能力」です。文のクオリティーや信ぴょう性を評価できるか、内容と形式が正しいのか、矛盾を見つけることができるかを試されます。
子どもの読解力が低下した原因は?
文部科学省の国立教育政策研究所は、読解力低下には以下のような要因が複合的に影響していると分析しています。
・文章を読むことへの関心・意欲が薄い
・自由記述が苦手
・課題内容への知識や経験がなかった
・コンピューター画面上の長文読解に慣れていない(※2018年の調査はコンピューターで行われたため)
また、LINEやSNSの普及で長文に触れる機会が減ったことが原因ではないかと考える専門家も多いようです。
子どもの読解力をアップさせるには?
読解力が高い子どもの傾向
子どもたちが本を読む頻度は、日本だけではなく世界的に減少傾向にあります。その中にあっても、読書を肯定的にとらえる人や本を読む頻度の高い人が、読解力が高いという調査結果が出ました。
「読書を肯定的にとらえる」というのは、たとえば「読書は大好きな趣味のひとつ」という質問にYESと答えることをさします。本のジャンルに関しては新聞、フィクション、ノンフィクション、コミックのいずれにおいても、よく読む子どもの読解力は高い傾向にあります。
どんなジャンルであれ、本に触れる機会が多い人が本を好きになり、結果的に読解力につながっているようですね。
絵本の読み聞かせで本に触れる
幼いときに本や雑誌、図鑑などが身近にあることで、読解力向上につながるケースが多いようです。文章を目で追っているうちに文字の意味を知り、文章のリズムを覚えます。読むことに慣れれば読書の習慣が根付き、物語の理解力や想像力、相手への伝達力といった「読解力」につながっていきますね。
子どもが初めに手にする本といえば、やはり絵本でしょう。定期的に絵本の読み聞かせをすることで、子どもは本に触れる機会が増えます。最初は絵本に興味を持たない赤ちゃんも、読み聞かせを続けるうちに文のリズムや色とりどりの絵を「楽しい遊び」として感じるようになりますよ。
お気に入りの絵本ができると、他の本も読みたいという興味が自ずから出てきます。絵本でコミュニケーションをとりながら、子どもの好奇心と読解力を伸ばしていってあげましょう。
【0歳~1歳】おすすめの人気絵本
色彩がはっきりしている赤ちゃんが好みやすい絵本
1歳までの赤ちゃんは物語を理解するのは難しく、絵本は「色と音を楽しむもの」という感覚です。とくに濁音や半濁音、オノマトペは赤ちゃんが興味を持つ「音」なんですよ。この「じゃあじゃあびりびり」ははっきりした色づかいと赤ちゃんが好む擬音で、最初の読み聞かせ本として大人気です。破れにくい、丈夫な作りで長く楽しめますよ。
繰り返しのリズムを楽しむ絵本
赤ちゃんは繰り返しのリズムが大好きです。この「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」はタイトル通り、りんごという単語が何度も繰り返し出てきます。歌を歌うように強弱をつけて読み聞かせると、赤ちゃんは声を出して喜びますよ。シンプルで味のあるりんごの表情は、読み聞かせする大人もほっこりします。
【1歳~2歳】おすすめの人気絵本
発見が楽しめる絵本
1~2歳ごろになると、絵本での「発見」を楽しめるようになります。この「きんぎょがにげた」は色鮮やかな金魚が、おうちのさまざまな場所にかくれんぼする絵本です。読み聞かせをしながら、一緒に逃げた金魚を探してあげてくださいね。絵本の中には金魚以外にも家具やおもちゃが散りばめられていて、何度でも新しい発見ができますよ。
幅広い年齢で人気が高い「こぐまちゃん」シリーズ
「こぐまちゃん」シリーズのなかでも、子どもたちに一番人気なのが「しろくまちゃんのほっとけーき」です。おいしそうなホットケーキができあがる様子を見開きいっぱいに並んだフライパンで表現しています。楽しい擬音だけではなく、ホットケーキができる工程やおいしそうなにおいまで表現されていて、子どもの情緒に働きかけますよ。
【2歳~3歳】おすすめの人気絵本
子どもの悪戯心と道徳心をくすぐる絵本
「ぜったいにおしちゃダメ?」は海外を中心に爆発的な人気を博した、ちょっと変わった絵本です。「ぜったいにおしちゃダメ?」を読み聞かせする前に、子どもにはひとつだけルールを伝えます。「絵本のボタンをおしちゃダメ」というルールです。このルールは子どもの悪戯心と道徳心、どちらも絶妙にくすぐります。読むあいだはワクワクソワソワが続き、終わった後も何度も読み返したくなる一冊です。
絵本の主人公と一緒に楽しめる物語
3歳頃になると、物語も楽しめるようになってきます。こちらの「おうさまのたからもの」は、ファンタジーな世界観とかわいい動物たちが子どもの興味を引き付けます。一生懸命宝物を探す王様を一緒に応援している気持ちになれますよ。人を思う気持ちを育てる一冊です。
絵本の読み聞かせで読解力を育てよう
子どもたちは、ママやパパに読んでもらう絵本が大好きです。絵本との楽しい思い出が積み重なって、読書の習慣は身につきます。本への愛情は好奇心や想像力だけではなく、読解力につながりますよ。無理に読書を強要するよりは、幼いときからの読み聞かせで文章を読み解く力を育ててあげてくださいね。
※この記事は2019年12月時点の情報をもとに作成しています。