働くママをサポート!送迎保育ステーションとは?利用条件や料金についてご紹介

子育てしやすい街の取り組みのひとつとして、自治体によるお迎えステーション・送迎保育ステーションが開設されています。駅の近くに設置されるなどアクセスが良く仕事との両立がしやすいと評判の施設について、利用条件や使い方、メリット・デメリットをご紹介します。

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目次

  1. 送迎保育ステーションとは?
  2. 送迎保育ステーションの役割は?
  3. 送迎保育ステーションの利用条件や料金は?
  4. 送迎保育ステーションを利用する日の流れ
  5. 送迎保育ステーションがある自治体例
  6. 送迎保育ステーションのメリット
  7. 送迎保育ステーションのデメリット
  8. 送迎保育ステーションや子育て支援サービスを利用しよう
  9. あわせて読みたい

送迎保育ステーションとは?

待機児童ゼロを目指す取り組みのひとつ

送迎保育ステーションは、お迎えステーションや保育ステーションなどとも呼ばれます。保護者のニーズと保育施設とのあいだに生じるミスマッチを解消し、待機児童ゼロを目指すための取り組みのひとつとしてスタートしました。

保護者が仕事などで保育園が開所している時間帯に送迎が困難な場合や、住まいや勤務地と保育園が離れていて利用できない場合、通園可能な範囲に保育園の空きがない一方で遠方の保育園には空きがあるといった場合に利用できるよう、一部の自治体で整備が進められています。

厚生労働省は「広域的保育所等利用事業」の一環として送迎保育ステーションの設置を推進しており、現在開設されているのは34自治体・41ヶ所です(※1)。近年は保育園だけではなく幼稚園にも対象が広がっています。

送迎保育ステーションの役割は?

保育園・幼稚園への送迎

送迎保育ステーションは、子どもが日中に在籍している保育園や幼稚園への送迎拠点となる施設です。保育園や幼稚園には専用バスによる送迎が行われ、朝の登園前と夕方の降園後に一時保育を行っています。

駅前など利便性の良い場所に開設されているため、ママやパパが子どもの通う保育施設に送迎してから勤務先に向かうよりも利便性が増し、保育施設利用の選択肢が広がります。

降園後の保育

保育施設への送迎とともに、送迎保育ステーションが担っているのが降園後の預かり保育です。日中子どもは在籍する保育園や幼稚園で過ごしたあと、送迎保育ステーションに戻ってからその場で一時保育が受けられます。ほとんどの送迎保育ステーションでは延長保育が実施されているので、ママやパパは柔軟な働き方が可能となります。

送迎保育ステーションの利用条件や料金は?

送迎保育ステーションの利用条件は設置している自治体により定められています。利用対象の条件として掲げられているのは、自宅から保育施設までの距離や通勤時間、指定の保育施設への入所、子どもの年齢などです。

対象年齢は満1歳~2歳以上としているところが多く、利用料金は1日あたり200~500円、月額上限は2,000円が相場となっています。そのほかおやつ代、給食代、延長保育代などが費用として別途必要な場合があります。

送迎保育ステーションを利用する日の流れ

送迎保育ステーションは朝7時から子どもを預かり、日中に在籍している保育施設の開所時間に合わせて8時ごろから送迎を開始します。夕方は15時から16時のあいだに各保育施設へ専用バスがお迎えにまわり、18時まで送迎保育ステーションで保育が行われます。延長保育は20時までとするのが一般的です。

自治体によっては朝のみもしくは夕方のみの申込が可能です。利用できる曜日は月~金曜日の平日のみという場合と、土曜日も実施している場合とに分かれます。

利用した場合のタイムスケジュール例

■朝(登園)
7:00 ステーションで預かり
8:00 在籍園へ送迎
9:00 在籍園で活動

■夕方(降園)
16:00 送迎
17:00 ステーションで預かり

■夜間(延長保育)
18:00 ステーションで預かり
19:00 保護者のお迎え

送迎保育ステーションがある自治体例

東京都町田市

町田市では系列の園に送迎することを目的に、私立の幼稚園による送迎保育ステーションが設けられていましたが、市内の待機児童解消と定員に余裕がある施設を有効活用するため、2017年に自治体が町田市受託送迎保育ステーション事業に乗りだしました。

これにより、小田急線町田駅近くに送迎保育ステーション「つながり送迎保育園・もりの」が開設され、徐々に利用が拡大しています(※2)(※3)。

【町田市】施設の概要

・対象児童:送迎対象施設に入所するクラス年齢1~5歳児(規定あり)
・定員:32人
・対象施設:市内12の保育施設
・利用料金:月額 2,000 円
・延長保育:150円/30 分
・月額上限:6,000 円
・利用日時:平日・土曜日 朝7時~9時、夕16時~18時、延長18時~20時

千葉県流山市

流山市は2005年につくばエクスプレスが開業し、市内にも新駅が建設されました。しかし、新しく開業した駅ともともとあった保育施設は距離が離れており、駅周辺に居を構える子育て世帯が通いやすい立地ではありませんでした。

そこで流山市では2007年に流山おおたかの森駅と南流山駅に日本初となる送迎保育ステーションを設け、市内の保育園に送迎するという取り組みを開始しました。2ヶ所の送迎保育ステーションを合わせると、送迎対象となる保育施設は全部で79ヶ所にのぼり、ママたちの働きやすさを実現しています。

【流山市】施設の概要

・対象児童 :
1.流山市内の保育所(園)に入所(園)している満1歳以上
2.自分でリュックサック等の荷物を持ち、かつ歩けること
3.送迎中、バス車内のシートに座っていることができること
4.送迎対象園に入所中であること(一時保育は不可)
5.教育・保育給付認定の標準時間認定を受けていること
・対象施設:市内79の保育施設
・利用料金:月額2,000円、1日100円
・延長保育:施設ごとに別途
・利用日時:平日・土曜日 朝7時~9時、夕16時~18時、延長18時~20時(土曜日は19時まで)
※別途、利用条件あり

【関東エリア】そのほかの自治体

町田市、流山市のほかにも送迎保育ステーションの導入が進められている自治体はいくつかあります。東京都江東区では、本園と分園をつなぐサテライト型保育事業に取り組んでいます。一方で、小規模保育園の拡充にともない送迎保育ステーションの利用者が減少したという理由で事業の廃止・見直しが進められている事例もでています。

【関東エリア】送迎保育ステーションがある自治体例

・千葉県:流山市、船橋市、市川市
・埼玉県:越谷市、さいたま市、三郷市
・東京都:町田市、世田谷区、江東区
・神奈川県:大和市、厚木市、藤沢市

送迎保育ステーションのメリット

仕事と育児が両立しやすくなる

働くママ・パパにとっては入園可能な保育園が勤務地や駅から遠いと、子どもの送迎だけでも大きな負担になりますね。駅の近くに開設されている送迎保育ステーションを利用すれば、出勤時に子どもを預けてそのまま電車で勤務地に向かうことが可能です。

送迎保育ステーションは朝と夕の出・退勤時間にあわせてオープンしているので、保育園の開所時間に合わせて勤務時間を調整する必要もありません。時間の組み立てがしやすく、仕事と育児の両立がスムーズになります。

保育園・幼稚園の選択肢が増える

定員に空きがあっても遠くて送迎できなかったり、希望する園の開所時間だと仕事に間に合わなかったりと、立地や時間的なことで入所をあきらめている方にとっては園への送迎を送迎保育ステーションが担うのは大きなメリットといえるでしょう。

送迎保育ステーションの送迎対象施設は決まっていますが、自分たちで送迎できる範囲に限定されていた保育施設の選択肢の幅が広がりますよ。

きょうだい別園の負担が軽減

子どもがふたり以上いると、きょうだいが同じ園に通えるかどうかも大きな関心ごとですね。同じ園に通えれば良いのですが、きょうだいが別々になるとママやパパの負担は大きくなります。

送迎保育ステーションがあればきょうだいが別園であっても送迎が一ヶ所にまとめられるため、ママやパパの送迎の負担は大幅に軽減されるでしょう。

送迎保育ステーションのデメリット

交通事故の心配

安全に配慮しながら運行されている専用バスですが、期せずして起こるのが交通事故です。バスの運行中はもちろん、降車後の安全が保たれているか気になりますね。園バスへの置き去り事故も気がかりです。

心配なことは送迎保育ステーションや保育施設の職員に伝え、子どもにはシートベルトを着用して背中をつけて座ること、バスを降りるときに走ったりバスの近くにいたりしないことを伝えましょう。心配なことは送迎保育ステーションや保育園の職員に確認しておくと安心です。

保育園とのコミュニケーションが少ない

保育園に直接出向く機会が減るため、保育園とのコミュニケーションが少ないと感じることがあるかもしれません。

流山市は保育園と保護者とのつながりを保つことを目的に、週に1回程度は自身で園に送迎することをすすめています。このように送迎保育ステーションの利用時は、保育園の先生たちと会話する機会を意識して設けると良いでしょう。

子どもの様子を確かめる機会が少ない

園に直接送迎していると、子どもがお友だちと触れ合う様子や保育士との関係性が垣間見えますね。しかし、送迎保育ステーションへ送迎するだけでは日中の様子を知る機会が限られしまうのもデメリットといえるでしょう。運動会や発表会などはできるだけ参加し、ときには直接送迎する機会を設けたいですね。

送迎保育ステーションや子育て支援サービスを利用しよう

送迎保育ステーションを設置している自治体は限られていますが、保育園だけではなく幼稚園も送迎対象となるなど、設置されている自治体によってはニーズに応じたサービスの拡充が行われています。厚生労働省による事業も進められているため、住んでいる自治体で該当のサービスがあるか確認してみましょう。

送迎保育ステーションがある自治体は、子育てしやすい街を目指してさまざまな取り組みを重ねています。そのほかの子育て支援もあわせてチェックし、ママの負担を軽減しながら子どもの保育・教育を充実させていきたいですね。

※この記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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