【令和3年9月に改正】育児休業給付金の受給条件をクリアできる!特例基準日とは?計算方法やメリットについて解説

「特例基準日」という制度をご存知でしょうか。令和3年9月の法改正により育児休業給付金受給の条件が緩和されました。特例基準日とはなにか、どんなメリットがあるのかなど気になる特例基準日についてわかりやすく解説します。「育児休業給付金の受給条件をクリアできるかわからない」という方はぜひ参考にしてください。

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目次

  1. 特例基準日とは?
  2. そもそも育児休業給付金の受給条件とは?
  3. 受給条件の原則と例外、計算方法は?
  4. 特例基準日のメリットは?
  5. 特例基準日の制度を利用して、ゆとりのある子育てを
  6. あわせて読みたい

特例基準日とは?

育児休業給付金を受給するためには「11日以上出勤を12ヶ月以上してること」という条件があります。これまでは育児休業開始日を基準日として計算されており、赤ちゃんが生まれるタイミングによっては受給の対象から外れてしまうケースも珍しくありませんでした。

そのような状況を回避するために新たに設けられた特例基準日とは、育児休業開始日から数えると条件を満たすことができない場合でも、産前休業開始日等を基準日として数えることで受給の対象になる特例の制度です。

特例期基準日が設けられたことにより、これまでは育児休業給付金受給の条件を満たさなかった方でも対象となる可能性がありますよ。「受給条件の背景」から「特例基準日がなんなのか」まで詳しく見ていきましょう。

解説するのは…

ベンゾー

本業で社会保険労務士事務所に7年以上勤務し、SNS等で年間200件以上の育休相談に対応しているベンゾーです。

【運営メディア】
・育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」
https://ikukyu-hotline.com/
・出産内祝いのマナーの本音を解説「内祝いとか正直めんどい」
https://uchiiwai-mendoi.com/

そもそも育児休業給付金の受給条件とは?

引用:育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」https://ikukyu-hotline.com/

おそらくこの記事を読んでる方は、育児休業給付金の受給条件をご自身で調べたことがあるのではないでしょうか。ところが…

・なんか条件がたくさんある
・専門用語ばっかり
・正直よくわからない

って思っていませんか?

でも大丈夫です。細かい受給条件はたくさんありますが重要なポイントは1つだけ。それは「11日以上出勤を12ヶ月以上してること」です。

この条件は余裕でクリアしてるのに、他の条件をクリアしてなくて受給できないということはありません。この条件さえクリアしていれば、他の条件は必然的にクリアしていくものと思って良いでしょう。

受給条件の原則と例外、計算方法は?

引用:育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」https://ikukyu-hotline.com/

【原則】受給条件の基準日は「育休開始日」から数える

「11日以上出勤を12ヶ月以上してること」という条件には、原則と例外、そして例外の例外があります。ここが難しいところで、会社の人事担当者も間違えることが多いのです。(まれにハローワークの方が間違えることも…)

今回はたくさんある例外の内「特例基準日」について解説します。その他の例外や、「11日以上出勤を12ヶ月以上」という条件について詳しく知りたいという方は下記をご覧ください。図表付きで解説していますよ。

受給条件の重要なポイントは「11日以上出勤を12ヶ月以上してること」です。これは、一体いつから数えて「11日以上出勤を12ヶ月以上」なのでしょうか?正解は「育児休業の開始日」から数えます。

たとえば、育児休業開始日が11月15日だった場合、前日の11月14日からさかのぼった期間で区切ります。

【例】育休開始日が11月15日の場合

(1ヶ月)10月15日~11月14日
(2ヶ月)9月15日~10月14日
(3ヶ月)8月15日~ 9月14日
      :

この区切った期間の中(上記の例ならば毎月15日~翌月14日)で11日以上出勤してる期間を1ヶ月とし、それが12ヶ月以上あればOKということです。このように「育児休業開始日」を基準に数えるのが原則です。

【例外】基準日を「産休開始日」から数えることができる

先に解説したように原則は「育児休業開始」から数えます。この原則に対し、例外として「産休開始日」から数えることができるのが特例基準日という制度です。

特例基準日というと難しく感じるかもしれませんが、原則との違いは基準日の開始日が違うだけです。

特例基準日のメリットは?

産休開始日はある程度自由に選べる

出産する人は予定日の6週前からお休みに入ることができます。これが「産休(産前休業)」という制度です。産休は6週間丸ごと休む人もいれば、わりと出産ギリギリまで働く人もいたり。休むタイミングを自由に決めやすいのが特徴です。特例基準日は産休開始日を基準として数えることができるため、自分にとって都合の良いタイミングを選びやすいといえるでしょう。

※育児休業も本来自由なタイミングで休めますが、実態として出産の8週間後から開始するケースが大半です。

「産んでみないとわからない」がなくなる

特例基準日の法改正前では、育児休業給付金の受給条件がギリギリだと「〇〇日以降に出産しないと受給できない」というケースが珍しくありませんでした。ハローワークに相談をした方の中には「産んでから相談しに来てください」といわれてしまった方もいたでしょう。しかし、法改正後は「産んでみないとわからない」ということなくなりました。

入社2年目で産休に入る人が受給しやすくなる

入社2年目のときに育児休業給付金を受けようとすると、受給条件がギリギリになってしまうことがあります。たとえば4月から入社した方が、翌年の5月上旬に出産したとします。産休には3月下旬、育休には6月下旬から入るでしょう。この場合、入社した4月から産休に入る翌年3月まででちょうど12ヶ月になるかもしれないと思うかもしれませんが、これは対象外になる可能性が高いのです。

なぜなら入社月の4月は「完全月」という制度の関係で、ノーカウントになることが多いからです。この「完全月」というのは簡単に言うと「入社月はノーカウントになってしまう」という制度です。入社月以外では全然関係のない制度なのですが、この1ヶ月で受給できるかどうかが決まる方には非常に重要になっていました。

この完全月の対策ですが、特例基準日ができたことで事前に計算しておけば簡単に対策できるようなっています。なぜなら、産休は休むタイミングを自由に決めやすいのが特徴だからです。「本来は4月20日から産休に入れるけれど、あえて5月1日から産休に入りたい」というのも育休に比べて簡単に実現できますよ。

完全月についてより詳しい解説は下記をご覧ください。

上の子の育休を延長した人が受給しやすくなる

特例基準日を使うと、すでに育休をたっぷり取ったことのある方が受給しやすくなります。

育児休業給付金の受給条件は…

・原則、育休開始日から2年前までさかのぼって確認できる
・例外として、最大4年前までさかのぼって確認できる

※ここでいう例外は、「原則の2年間の中で産休や育休などで休んでいた方」が使えると思ってください。つまり、第二子第三子を出産する方が対象です。

法改正前は、例外でも最大4年前までしかさかのぼれませんでした。たとえば2023年9月15日に育児休業を開始する方なら、2019年9月15日までしかさかのぼれません。しかし、特例基準日ができたことで「育休開始の4年前」ではなく「産休開始の4年前」という計算ができるようになりました。

たとえば、育休が2023年9月15日開始の場合は以下のようになります。

・出産日(予定日):2023年7月20日
・産前休業開始日:2023年6月9日

この方が特例基準日を使って最大4年前までさかのぼった場合、2019年6月9日までさかのぼれます。従来に比べて、特例基準日は約3ヶ月多めに見ることができるようになったわけです。育児休業給付金の受給条件ギリギリという方にとっては、この3ヶ月が非常に大きいでしょう。

特例基準日の制度を利用して、ゆとりのある子育てを

引用:育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」https://ikukyu-hotline.com/

赤ちゃんとの生活は喜びや感動が多いですよね。その反面、お金のことで不安を感じる方もいるかもしれません。そんなときに育児休業給付金を受給できるかどうかは大きなポイントとなるでしょう。

特例基準日についてのまとめ

・特例基準日とは産休開始日を基準にできる新制度
・「産んでみないとわからない」が無くなる
・入社2年目の方や、上の子の育休をたっぷり取った方が受給しやすくなる

育児休業給付金は満額受給すれば年収の約半分をもらえる制度。受け取れるなら絶対に受けとるべき給付金です。

ネットの情報も人事の方も誤っていることは多々あります。場合によってはハローワークの方が誤ることも。少しでも不安がある方は、ぜひ私(ベンゾー)にご相談ください。早めのご相談で、提案できる方法が増えます。

相談希望の方は「【育児休業給付金】「私の場合はどうなる?」をベンゾーに実質0円で相談する方法」をご覧ください。

執筆者情報

ベンゾー

■ベンゾー
・育児休業給付金の解説と相談の専門家
・SNSで始めた育休相談は累計500件以上対応
・社会保険労務士事務所に7年以上勤務
・子育て世代のための情報を発信するWebサイトを運営

【運営メディア】
・育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」
https://ikukyu-hotline.com/
・出産内祝いのマナーの本音を解説「内祝いとか正直めんどい」
https://uchiiwai-mendoi.com/

※この記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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