生理周期が長い「稀発月経」の原因・対処法!妊娠確率は?排卵日はいつ?

稀発月経は生理周期が39日以上90日未満と長い状態をさします。生理周期が長くても排卵があれば妊娠に影響はありませんが、無排卵の場合もあり注意が必要です。稀発月経の原因はホルモンバランスの乱れのほか病気や体質などさまざまです。治療法と予防法についても解説しますので、生理周期が不安定な人はチェックしてみてくださいね。

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目次

  1. 稀発月経とは
  2. 稀発月経の原因
  3. 稀発月経の治療法
  4. 稀発月経の予防法
  5. 生理周期を知るための排卵日の計算方法
  6. 稀発月経でも妊娠は可能?妊娠確率が下がる?
  7. 産後の生理再開と生理周期について
  8. 生理周期が長い場合は放置しない!
  9. 稀発月経の関連記事はこちら

稀発月経とは

生理周期が39日以上と長い

「稀発月経」(「希発月経」とも)の医学的な定義は、生理周期が39日以上90日未満と長いことです。正常な生理周期は一般的に25~38日間とされ、逆にこれよりも短いサイクルで生理周期が繰り返されることを「頻発月経」といいます。

稀発月経と頻発月経が交互に起こる、それぞれが不定期に起こるというケースもあり、毎回の生理周期の変動が7日以上あることを「不整周期月経」といいます。

稀発月経はおもにホルモンの分泌異常を原因とし、排卵がある場合とない場合とがあります。排卵があれば妊娠が可能であり、とくに心配はありません。

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90日以上生理が来なければ無月経

生理周囲が39日以上となることを稀発月経と呼びますが、妊娠していないのに生理周期が90日を超えること、つまり3ヶ月以上生理が来ないことを「無月経」(初経のあった女性の場合は「続発性無月経」)と呼びます。また、40歳未満の女性で妊娠していないのに生理が1年以上来ない状態は、無月経ではなく「早発閉経」と呼びます。

稀発月経の原因

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稀発月経のおもな原因は、無理なダイエットや精神的なストレスなどによるホルモンバランスの乱れです。体質やほかの病気が原因となることもあります。

ホルモンバランスの乱れ

生理周期が正常(25~38日)であれば、女性ホルモンの分泌が正常に行われている証拠となります。また排卵は通常、生理開始から14日前後に起こります。しかしホルモンバランスが乱れると排卵までに長い期間を要するようになり、稀発月経を引き起こす場合があります。ホルモンバランスが乱れる原因には、無理なダイエットによる急激な体重の減少や精神的ストレスなどがあげられます。

ダイエットのために無理な食事制限を行うと、栄養不足によって生殖機能が低下し、ホルモンバランスが崩れて稀発月経を引き起こす可能性があります。精神的なストレスもホルモンバランスに大きな影響をおよぼします。卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌する脳の下垂体(かすいたい)や、そこに指令を出す視床下部(ししょうかぶ)はストレスの影響を受けやすく、ストレスが過度になると機能が低下するといわれます。

脳の下垂体や視床下部に何らかの機能障害が起こると、卵胞刺激ホルモンが正常に分泌されず、排卵に必要な卵胞の成長が遅れてしまいます。すると生理が正常に発来せず、生理周期の長い稀発月経となるのです。

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体質

稀発月経になっている人は、体質的に卵胞の成長に時間がかかったり、もともと39日以上の生理周期が通常のサイクルとなっていたりすることがあります。生理周期が39日以上であっても毎回ほぼ同じサイクルで生理が来ていて、排卵があることも確認できれば、妊娠への影響は特に心配ないでしょう。

早発閉経

早発閉経とは、40歳未満で自然閉経を迎えることをいいます。閉経が近づくことでホルモンバランスが崩れるため、しだいに生理周期が長くなり、稀発月経を引き起こすと考えられます。

日本人の平均閉経年齢は約50歳といわれています。早発閉経の人は閉経が早いというだけでなく、骨密度が減少したり、生活習慣病になりやすくなったりするなど、身体全体の老化を早める心配があります。

早発閉経が起こる原因には、遺伝子疾患や自己免疫疾患、過去に受けた卵巣手術などによる疾患があげられますが、90%は原因不明です。傾向としては、甲状腺や副腎の病気がある人が早発閉経になりやすいようです。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

本来、排卵の際は卵巣の中で卵胞が成長し、ある程度の大きさになると排出されます。しかし「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の人だと、卵巣の中に卵胞はできるものの成長が遅く、ある程度まで成長しても排卵されにくいため、卵巣内にたくさんの卵胞がたまってしまいます。排卵が遅れたり排卵されなかったりすることで、稀発月経となるのです。

多嚢胞性卵巣症候群の原因ははっきりとはわかっていませんが、内分泌異常と糖代謝の異常が原因ではないかと考えられています。また稀発月経だけでなく、不妊症や生活習慣病などを引き起こす可能性もあります。

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高プロラクチン血症

「プロラクチン」は脳の下垂体から放出される刺激ホルモンのひとつで乳汁分泌ホルモンとも呼ばれます。「高プロラクチン血症」とは、プロラクチンの分泌異常によって「無排卵月経」などが引き起こされることをいいます。

プロラクチンが多量に分泌されると、卵巣での排卵が抑制されます。そのため、生理が遅れたり止まったりする原因となるのです。高プロラクチン血症の場合、プロラクチンの血中濃度の数値は異常に高くなっています。

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甲状腺機能障害

「甲状腺機能障害」には、「甲状腺機能低下症」と「甲状腺機能亢進症」があります。甲状腺の機能が低下する甲状腺機能低下症になると、月経血の量が多い、生理周期が長くなる、無排卵になるなどの症状があらわれます。甲状腺機能低下症は、甲状腺刺激ホルモンとプロラクチンの分泌による影響で、生理不順を引き起こします。

一方、甲状腺が過度に機能する状態をさす甲状腺機能亢進症になると、経血量が少ない、生理周期が長くなる、無排卵になるなどの症状があらわれます。甲状腺機能亢進症が卵巣機能に与える影響のメカニズムは、まだ解明されていないようです。

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稀発月経の治療法

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排卵誘発剤

稀発月経で排卵が起こらない場合は、排卵誘発剤を使って排卵を起こす治療法がとられます。特に生理周期が60日を超えている、長期的に稀発月経の状態が続いているという場合は、無排卵や無月経を引き起こしてしまう可能性があります。

そのため、妊娠を希望している女性には、排卵を起こす排卵誘発剤が使用されることが多いでしょう。

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低用量ピル

稀発月経によって生理周期が大幅に乱れてしまっている場合は、低用量ピルを使って生理周期を整える治療法がとられます。低用量ピルを服用しているあいだは妊娠することはできませんが、妊娠しやすい身体を作るために効果的な治療法のひとつです。

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ホルモン療法

生理周期の乱れを整えるため、ホルモン療法による治療が行われる場合があります。ホルモン剤であるエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤をあわせ、生理を起こしたり生理周期を整えたりする効果により稀発月経を治療します。

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排卵が確認できると経過観察

稀発月経で排卵が確認できる場合は、特別な治療を行わずに経過観察となることが多いです。ただし、すぐに妊娠したい場合や生理周期が60日を超える場合は、治療が必要でしょう。

排卵がなく妊娠を希望しない場合

稀発月経で排卵がない場合でも、必ず治療が行われるというわけではありません。初潮からまだあまり時間が経っていない中学生・高校生など思春期の人や、卵巣機能が低下することによって生理周期が乱れることの多い40代以上の更年期の人の場合は、排卵がなくても経過を見ることが多いでしょう。

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稀発月経の予防法

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生活リズムを整え、適度な運動と十分な睡眠を

夜ふかしや睡眠不足などで生活リズムが乱れていると、自律神経のバランスも崩れてしまい、精神的なストレスや疲れがたまりやすくなります。ホルモンバランスを整えるためにも、規則正しい生活で十分な睡眠をとることを心がけましょう。仕事などの都合で就寝時間を一定にすることが難しい場合でも、毎朝決まった時間に起きることを心がけると、生活リズムの改善に効果的です。

精神的なストレスからホルモンバランスが乱れることを防ぐには、適度な運動を毎日の習慣にすることも大切です。ストレスは十分な睡眠のほか、適度な運動によっても解消されるでしょう。

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無理なダイエットをせず、栄養バランスの取れた食事を

ダイエットのための食事制限で栄養バランスが偏ると、体重が急激に減ってしまい、稀発月経を引き起こす原因となります。栄養バランスの取れた食事を心がけることは、生理不順の改善だけでなく健康な身体づくりに大切なことです。ダイエットをするときには栄養バランスの良い食事と並行して、健康的な方法でゆるやかに体重を落としていくようにしましょう。

また、身体の冷えは卵巣機能低下の原因とも考えられるため、みそ汁、スープなどの温かいものを意識して食べるのがおすすめです。身体を温めるといわれるショウガを料理に取り入れるとより効果的でしょう。

基礎体温を測る

基礎体温を測ることによって、自分の身体の生理周期を把握しやすくなります。排卵が起こっているのかどうか、稀発月経は一時的なものなのかどうかを判断することもできるので、ぜひ基礎体温を測るようにしましょう。

基礎体温は3ヶ月間ほど測り続けると、自分の生理周期をだいたい把握できるといいます。生理周期が不安定な状態であっても、基礎体温をつけていれば、基礎体温表をもとにした排卵日の予測や出産予定日の計算が可能だといわれます。

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身体を冷やさない

卵巣は身体の冷えによる影響を受けやすい器官だといわれています。身体が冷えることによって卵巣機能が低下し、稀発月経につながることもあります。身体の冷えを防ぐためには、シャワーではなく湯船につかる、腹巻きをする、靴下の重ね履きをするなどの対策をとると良いでしょう。

生理周期を知るための排卵日の計算方法

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オギノ式

「オギノ式」は、産婦人科医である荻野久作氏により考案されました。排卵周期を目安に妊娠しやすい日を割り出す方法ですが、避妊目的でも用いられています。

生理周期は人によって異なり、一定ではありません。しかし、黄体の寿命は生理周期に関係なく、ほぼ14日で大多数が一致しています。排卵直後に作られる黄体は、次の生理が始まる前になくなります。次の生理が始まる前日から逆算し、15日前が排卵日となるのがオギノ式の計算方法です。

たとえば、生理周期が28日の人は、28日から黄体期の14日を引き、生理開始日から14日目が排卵日ということです。ただし生理不順により生理周期が不安定になっている場合、オギノ式はあくまでも目安となるため、オギノ式だけに頼るのは得策とはいえません。

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基礎体温表

生理周期や排卵日を知るためには、基礎体温表をつけることが大切です。正常な基礎体温であれば、低温期から始まって高温期に移行していきます。生理開始時は低温期が続くのですが、ぐっと高温期に上がるときがあります。基礎体温が上がったことが、排卵が起こった証拠となるのです。

一般的に、低温期の最終日から前後4~5日間が排卵期となり、ほとんどの人は高温期に移行する1~3日間のあいだに排卵が起こります。その後、10日以上高温期が続きますが、16日以上高温期が続く場合は、妊娠している可能性が高いでしょう。

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排卵検査薬

生理不順で排卵日の予測が難しいときは、排卵検査薬を使えば排卵日を知ることができます。基礎体温表と併用して計算することで、より詳しく排卵日を把握できるでしょう。

排卵検査薬は、排卵を促進する「黄体形成ホルモン(LH)」を尿から検出する仕組みです。排卵検査薬は薬局やドラッグストアで購入可能です。

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頸管粘液(おりもの)による排卵日予測

おりものの状態から排卵日を予測する方法があります。頸管粘液とは、子宮頸管から分泌されるおりものですが、排卵日が近づくと頸管粘液の分泌量が増えます。

検査方法は、清潔な指を腟に入れ指先で粘液をとることです。親指と人差し指でつまむようにしてから、指先をゆっくりと離します。おりものの粘液は4~15cmほど糸を引いて伸びるものですが、7cm以上伸びるときは排卵日が近い証拠となります。

同時におりものの量も増えるため、排卵日近くから毎日チェックしておりものの変化を見極めましょう。

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稀発月経でも妊娠は可能?妊娠確率が下がる?

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稀発月経でも、排卵があれば妊娠することはできます。しかし、一般的な周期で排卵が起こるわけではないので、基礎体温表をつけることで排卵のタイミングを予測することが大切です。

また、排卵が起こっていない場合でも、治療を受けて排卵を起こすことで妊娠できるようになる可能性はあります。稀発月経の治療をせずに無排卵や早発閉経となってしまうと、妊娠できる確率はどんどん下がってしまうので、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

産後の生理再開と生理周期について

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産後しばらくは母乳の分泌や子宮の回復により、排卵が起こりにくく生理は再開しない状態となります。また、母乳育児や育児ストレス状況の影響により、生理再開時期には大きな個人差があります。

一般的に、母乳育児をしているママは、ミルクで赤ちゃんを育てているママより生理再開が遅いといわれています。ただし子宮の回復が進んで順調であれば、産後2ヶ月ほどで生理が再開するママもいます。

母乳育児の場合は、母乳を分泌するホルモンであるプロラクチンの分泌量が増えます。プロラクチンには、多量に分泌されると排卵を抑制する働きがあるため、授乳中は生理がストップしてしまうことが多いのです。

産後は子宮回復の遅れや骨盤の歪み、内臓下垂による子宮への圧迫などのさまざまな原因により、生理が再開しても生理不順となるケースが少なくありません。正常な生理周期を目指して、基礎体温表をつけたり、ストレスをためないようにしたりする生活を心がけましょう。

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生理周期が長い場合は放置しない!

普段つらい生理痛に悩まされている人は、生理が来ないと楽で良かったと感じてしまうこともあるかもしれません。生理不順でもともと生理周期が不安定な人は、生理周期に無頓着になってしまうこともあるでしょう。

しかし稀発月経は、放置すると通常の生理周期に戻すことが難しくなるといわれます。別の病気が原因で発症している可能性もあるので、いざ妊娠を望んだときに手遅れとなってしまわないよう、妊活を始める前から注意しておきましょう。

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