ランドセルの語源はオランダ語!小学校に採用された歴史と色の変遷もご紹介
小学校で6年間お世話になるランドセル。ひと昔前は黒や赤が定番のシンプルなものでしたが、最近では豊富な色やデザインがありますね。刺繍が施されたランドセルやオーダーメイドで作れる自分だけのランドセルなど、種類がたくさんあります。ここでは、小学生の必須アイテムであるランドセルの語源や色の変遷などをわかりやすく解説します。
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目次
ランドセルの語源は?
ランドセルという言葉は、オランダ語の「ransel(ランセル)」が由来だといわれています。「ランセル」とは背負うかばんのことを意味し、日本語風になまり「ランドセル」になりました。
ランドセルを使うようになった歴史は?
日本では軍の装備品として採用された
ランドセルの歴史はとても古く、江戸時代終期の幕末時代までさかのぼります。ランドセルは当時の幕府が軍隊を編成する際に、兵士の持ち物を入れるための装備品として配布された、背嚢(はいのう)が起源だといわれています。
伊藤博文が当時の皇太子に入学祝いとしてプレゼント
もともとは軍の装備品であったランドセルが、子どもたちの通学かばんになったのは、明治中期ごろだそうです。その当時のランドセルはリュックサックのような布製のものだったそうですが、明治20年に当時の皇太子が学習院に入学する際に、伊藤博文が入学祝いとして革製の箱型ランドセルをプレゼントしました。
その丈夫な革製のかばんがランドセルの原型とされており、「学習院型」と呼ばれ現在まで受け継がれています。
高度成長期から一般に使われるように
革製のランドセルは高価なもので、当時の子どもがみんな持てるものではありませんでした。革製のランドセルは都市部の富裕層の子どもたちが使用していることが多く、風呂敷や斜め掛けのショルダーバッグで登校していた子どもが多かったようです。
一般の子どもたちがランドセルを使えるようになったのは、昭和30年以降の高度成長期です。学習用具が増えたり、宿題というスタイルが確立されたりしたため子どもたちの荷物が増え、しっかりとした作りの便利なランドセルが普及しました。
当時の革製のランドセルはとても重く、1,600g以上あったといわれています。重さとは反対に、ランドセル自体は現在のものと比べると小さかったそうです。
現在もランドセルを使う理由は?
古い歴史を持つランドセルを現在でも使う理由はどのようなものがあるのでしょうか。軍の背嚢として使われていたことからもわかるように、ランドセルはとても丈夫で、背負う人の動きをさまたげない形です。ランドセルを背負っていれば両手があくので安全面から見て小学生にぴったりですね。
ランドセルが濡れてしまっても中の教科書やノートが濡れる心配もありません。傘が上手にさせない子どもでも中身を守ることができます。また、転んでしまったときにランドセルがクッション代わりになることもあります。
さらに、ランドセルは身体の負担を軽減させることができます。手さげや斜めかけバッグなどの場合は、身体の片側にだけ負担がかかります。この状態が6年間続くと、身体のゆがみにつながる可能性も否定できません。両肩で背負うランドセルであれば身体にかかる負担が分散・軽減されます。
このようにランドセルは安全性や機能性が高いことから、元気に動く小学生にぴったりなのです。
ランドセルの色の歴史は?
黒と赤の2色になった理由は?
ランドセルといえば、ひと昔前までは黒と赤が定番カラーでした。なぜ黒と赤になったのか、その理由はいったいどのようなものなのでしょうか。
当時のランドセルは天然の牛革が使用されていました。牛革はムラなく染色することが難しいなか、黒と赤は比較的きれいに染色することができたので黒と赤のランドセルになったという説があります。
その他にも、単純に男の子と女の子をひと目で見分けることができるよう、黒と赤になったという説もあります。
カラフルな色が好まれるようになったのはいつから?
黒と赤が定番カラーだったころも、黒や赤以外のランドセルは販売されていたそうです。しかしみんなと違う色だと、いじめの原因になってしまうのではないかと考える親が多く、普及には至らなかったといわれています。
2000年代に入り、現在のような黒・赤以外のランドセルが都心の百貨店に並び始め、地方でも販売が開始されていきました。ネット通販も普及したため、カラフルなランドセルの人気が一気に高まったようです。個性が尊重される時代になったことで、カラフルなランドセルがみんなに受け入れられたのですね。
女の子には、ピンクや水色などのかわいい色や、茶色などの落ち着いた色が人気のようです。男の子は現在でも黒が人気ですが、ツートンカラーやステッチに赤や青などを使用しているランドセルが人気です。
新しいファッションアイテムとしてのランドセルも
大人のランドセルとしての商品も
Instagramでおしゃれにランドセルを使いこなす写真が投稿されたり、Twitterで「大人ランドセル」のハッシュタグが流行ったり、大人向けのランドセルが注目を浴びています。大人向けのランドセルはかわいいデザインや、通勤に使えるようなシックなデザインのもの、ちょっとした旅行にも使えるような収納力のあるものなど、種類も豊富です。
■サイズ:縦40×横28×奥行15cm(持ち手高さ含)
■カラー:ブラック×グレー・ブラック×ワインレッド・ベージュ×ブラック・ブラウン×ベージュ・ホワイト×ライトブルー・キャメル×レッド
■素材:表地/樹脂・ポリエステル・ポリウレタン 裏地/ポリエステル 金具/亜鉛合金
Lilyの大人ランドセルは通勤や普段使いまで、さまざまなシーンで活躍する大人ランドセルです。開口部は大きく開き、小物の出し入れも簡単に行えます。A4ファイルが入る大きさなので、書類を持ち歩くときにも便利です。7つのポケットがあり、中のものをすっきり収納することができますよ。
海外ではランドセルがファッションアイテムに
海外ではファッションアイテムとして、日本のランドセルが流行っているそうです。パリではランドセルのファッションショーが開かれたこともあり、20~30代の普通の人からおしゃれなセレブまで、男女を問わず人気を集めています。
ランドセルが海外で流行ったきっかけは、海外セレブやハリウッド女優が使っていたからだといわれていますが、日本のアニメにランドセルが登場しているのも影響しているそうです。
ランドセルは長い歴史を持つ優れもの
ランドセルの歴史はとても古く、もともとは兵士の持ち物を入れる装備品だったとは驚きですね。子どもたちの通学かばんとして使用されるようになったころのランドセルは、重くて小さいものでした。
今では子どもの負担を軽減するため、収納力があり軽いランドセルがたくさんあります。教科書やノートを入れて登校する子どもの強い味方であるランドセルは、これからもどんどん進化し続け受け継がれていくことでしょう。