【元保育士執筆】3歳児の反抗期って?イヤイヤの理由と関わり方について解説!

自分でできることがどんどん増えてくる3歳児。大人の手助けに反抗することも多いのではないでしょうか。そんなわが子の姿に「どうしたものか…」と頭を悩ませるパパやママもきっと多いはず。ここでは、3歳児の反抗期の内容とその理由、関わり方について元保育士の編集者が解説します。

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目次

  1. 3歳児の反抗期は「自我」のめばえ…?
  2. 3歳児の反抗期って、どんなもの?
  3. 3歳児の反抗期、どうしたら良い…?
  4. 3歳のこのときは今しかないということ
  5. あわせて読みたい

3歳児の反抗期は「自我」のめばえ…?

3歳児はさまざまな物事への関心が深まり、だんだんと理解力が増していく時期です。

子どもは、生まれてから1~2年のあいだに、日々「できること」が増えていき、「できること」をたっぷり楽しみます。「できること」が増えると自己意識が高まり、自分でやろうとする気持ちが強くなっていくため、相手の要求をあえて拒否することも増えていきます。そして、「自分でしたい」わけでも「したくない」わけでもなく、むやみに「いやだ」を連発するようになっていきます。

こういった心のメカニズムから、とにかく反抗したいから反抗するということが増えてくるのです。

【保育士ヒトコト】「反抗期」角度を変えると…

「どうしたものか…」と悩みが尽きない子どもの反抗期。保育園でも、2歳後半以降の子どもたちに多く見られます。しかし、この反抗期、角度を変えて考えてみると、大きな「心の成長」とも考えられます。

そもそも、子どもから見て大人は、絶対的な存在です。親や大人にできることが、自分ではうまくいかないということに、子どもたちは直感的に気づいているのです。
反抗期は、この関係性への挑戦といえます。言い換えるなら、子どもの反抗は、それを受け止める大人がいて成り立つものといえます。子どもたちの心の成長ステップの1つとして、とらえてみてはいかがでしょうか。

3歳児の反抗期って、どんなもの?

その子どもによりさまざまですが、ここでは3歳前後の子どもに見られる反抗期の主な特徴について解説します。子どものイヤイヤに悩むママやパパは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

自分の欲求を無理にでも通そうとする

3歳頃の子どもは、自分の欲求や好みをよりはっきりと自分で理解できるようになってきたことから、それを強く主張し、無理にでも通そうとします。発達心理学では、これを「自己主張的行動」といい、自我の発達と深く関係があるとされています。

この時期の子どもは、「いやだ、いやだいやだ!」と言って大泣きしながら、スーパーのおもちゃ売り場などでひっくり返る様子などが見られます。これは、自分の思いどおりにいかないことに激しく自己主張している姿といえるでしょう。

また、着替えや食事などを大人が手伝おうとすると、怒りながら「じぶんで!」と言い、反発しようとする姿も、この時期にはよく見られます。

【助産師監修】イヤイヤ期はいつから?第一次反抗期の8つの対応とやっては…

何に対しても、わざと反対のことをする

3歳頃は、それまでできなかったことがだんだんとできるようになってくることから、何でも「自分で」やってみたいという気持ちが強くなってくる時期です。これは、それまで「絶対的な存在」であった親や大人を妥協させられるか、自分はどのくらいで妥協すべきかという、他者との交渉を学んでいる段階ともいえます。

この時期の子どもたちは「自分の思いはあるけれども、どうしたら良いかわからない」といった、自分の気持ちと向き合いながら成長していきます。このような反抗は、今後の社会性を身につけている大切なステップのひとつともいえるでしょう。

3歳児の反抗期、どうしたら良い…?

3歳児の反抗期はなかなかやっかいなものですよね。「どうしたものか…」と、手をこまねいているママやパパも多いのではないでしょうか。
ここでは、そのような子どもたちの「困った」についてどのように対応すべきか、解説していきます。

子どもの気持ちを受けとめる

「あまり叱りたくないのに…」そう思いながらも、多忙や体調不良から、ついつい叱ってしまい、後ほど落ち込んでしまう…。そんなママやパパもいるのではないでしょうか。そのようなときは、一度大きく深呼吸をして気持ちを整え、「どうして子どもが反抗しているのか」を考えてみましょう。

そのように頭を動かして考えてみることで、自分の気持ちも整理され、「つい言ってしまった」ということも少なくなるのではないでしょうか。

【保育士ヒトコト】子どもの気持ちを代弁してみて

「子どもの気持ちを受けとめる」のにプラスして、さらに「その(子どもの)気持ちを代弁する」ことができるようになると良いですね。3歳頃の子どもたちは、自分や他人の気持ちがあやふやで、はっきりとした理解が難しいです。

そのような子どもたちにとって、「こうしたかったんだよね?」などと自分の気持ちを代弁してもらうことは、「自分の思いを理解してもらえた!」といった満足感や、他者への信頼感を得るだけでなく、周囲の人々の心的状態に気づくチャンスともなります。大人が子どもの気持ちをくみ取り、言葉に変換して伝えることで、子どもの社会性を育むことができると良いですね。

状況を子どもに説明する

3歳児は状況把握がなかなか難しいため、周りのお友達への興味や関心は強くなってくる一方で、いざこざも多くなってきます。そのような際には「ママはこうしたいと思ったんだ」「パパはこう思ったから、こう言ったんだ」などと、子どもが状況を正しく把握できるように言葉で伝えてみてはいかがでしょうか。

だんだんと、適切な社会性を身につけられるようになると良いですね。

【保育士ヒトコト】大人が話したことを子どもはよく聞いています

保育園で3歳児の子どもたちと過ごしていると、こんな遊びの場面を目にすることがあります。それはおままごとのワンシーンで、携帯電話を耳に当てて、ママの真似をして話す子どもの様子です。

その子ども(Aちゃん)は、ママのことが大好きで、よくママの話を園でもしてくれます。あるとき、お友達とのままごとの中で、Aちゃんはおもちゃの電話を耳に当てながら、言いました。
「もしもしー?そうそう、そうだってば…!牛乳とたまごって言ったでしょ!しっかりしてよー!」
…どうやら、パパにおつかいを頼むママの電話だったようです。保育園でのおままごとの中で、Aちゃんは見事にママのおしゃべりを再現していました。

このような場面には、園で過ごしているとよく遭遇します。子どもたちが「いかに大人をよく見ているか」がわかりますね。子どもは、大人が話す様子を見て、自分の話すスキルを身につけていきます。そのような意味でも、言葉の発達が著しい3歳児には、子どもとの会話の機会を多く持ちたいですね。

解決策を提案する

3歳児になると、周りの人たちが話していることを理解する力がついていきます。パパやママに反抗してみせたり、「イヤイヤ!」と駄々をこねてみせたりしてきた際には、子どもの思いを受けとめたうえで、解決策を提案してみましょう。

「どうしたかったの?」と子どもに質問してみて思いをくみ取ったうえで、「じゃあ、こうしてみると良いんじゃないかな」と案を提示してみてはいかがでしょうか。そのようにして、さまざまな解決法を具体的に体験する機会を設けられると良いですね。

【保育士ヒトコト】子どもと一緒に考えてみよう

大人として子どもと接している際に「子どもを正しいほうへ導こう」と思うのは、当然のことです。それは「わが子に痛い思いや苦しい思いをしてほしくない」と思う、ママやパパの愛情から生まれてくる感情です。しかし、3歳頃の子どもは「自分をひとりの人間として認めてほしい」という思いが強くなってきます。

そのような子どもとは「まだ子どもだからわからないかな…」などと思わず、「一緒に解決策を考えてみよう」といった心持ちで接してみてはいかがでしょうか。「どうしたら素早く丁寧に靴下が履けるか」「どうしたら後ろ・前反対にシャツを着れるか」といったことは、意外と大人でも難題なもので、考えてみると楽しいものですよ。

3歳のこのときは今しかないということ

おしゃべりも上手になってきて、さまざまなものへの好奇心が旺盛になっていく3歳ごろ。パパやママへ反抗してみせる姿もよく見られますが、それは「こんなに成長してきた自分を認めてほしい」という思いの表れといえるでしょう。

もちろん「だめ」なことは「だめ」と伝えることも大切ですが、身支度や食事のマナーなど、ひとりでできるようになったことは「すごいね!」「もうお兄(姉)さんだね!」と認め、その成長を一緒に喜んでみてはいかがでしょうか。ママやパパに認められることが、子どもは何より嬉しいもの。たくさんの愛情を注いで、楽しい毎日を過ごしてくださいね。

※この記事は2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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