【助産師監修】産後の育児不安。育児ノイローゼになりやすい人の特徴&環境は?どういう症状?原因と対処法

育児は出産まで想像もしていなかったことがたくさんあります。育児の悩みを誰にも相談できずひとりで悩んでいるママもいます。気分が落ち込み無気力になる状態を「育児ノイローゼ」と呼ぶことがあり、他にも「育児ストレス」「育児不安」など様々な言葉で表されています。今回は、育児にまつわるストレスや産後の不安についてまとめました。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 産後の育児の不安!育児ノイローゼの原因は?
  2. 育児ノイローゼの可能性がある症状
  3. 育児ノイローゼになりやすい人の特徴
  4. 育児ノイローゼになりやすい人の環境
  5. 育児ノイローゼの対処法
  6. 育児ノイローゼに関する体験談
  7. 心も身体も休息をとりながら育児をしよう
  8. あわせて読みたい

産後の育児の不安!育児ノイローゼの原因は?

育児にかかわるストレス

産後に育児への不安を感じるママは少なくありません。医学用語ではありませんが、育児への不安が深くなり急に落ち込んだりイライラしたり、決断力が低下したりする症状のことを「育児ノイローゼ」と呼ぶことがあります。これらは、主に育児にかかわるストレスの影響で精神的に不安定になってしまうことが原因とされています。

育児不安から育児ノイローゼと呼ばれる症状がエスカレートしてしまうと、子どもに手をあげてしまったり生きていくのがつらくなったりするなどの重い症状に進むことがあります。

産後のホルモンの変化の影響

出産すると妊娠継続を助けていた女性ホルモンの量が急激に変化し、妊娠前の状態に戻ろうとします。赤ちゃんのお世話で昼夜なく睡眠時間も細切れで過ごすママの身体は慢性的な寝不足になり、自律神経の乱れや睡眠障害を起こすケースもあります。

ママがホルモンの変化の影響で感じるストレスはさまざまですが、少しずつ不満が蓄積される状態が続く場合は注意が必要です。ストレスに耐える脳の抵抗力が低下すると考えられており、悲観的に考えてしまい平常心でいられなくなり、育児ノイローゼにおちいりやすいといわれています。

精神的に不安定な状態でうつに似た症状

睡眠障害やうつ状態になってママが情緒不安定になってしまう産後の症状を「産後うつ」と呼びます。主に育児の不安やプレッシャー、寝不足などがストレスとなり発症することが多いとされます。

産後うつは産後数日から数週間で発症する病気です。生後1ヶ月を過ぎても気分が晴れない、落ち込みなどの気になる症状がある場合は医師や助産師に相談しましょう。育児の不安で気分が落ち込んだりやる気が出なかったりしても、医師に診断されなければ産後うつとはいいません。誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなることがあります。

育児ノイローゼの可能性がある症状

ささいなことでイライラする

産後に不安が積み重なると神経がとても敏感になります。自分でも驚くほど小さなできごとにイライラしたり、我慢がきかなくなったりすることもあるでしょう。たとえば、お気に入りのテレビ番組がなかったり、食べようと思っていたおやつがなかったりというささいなできごとで、子どもや家族に当たり散らし、涙するほどのストレスを感じてしまいます。

思考力の低下

産後に無気力、脱力、思考が働かないといった日々が続いたら、育児ノイローゼといわれることがあります。台所のシンクに洗い物がたまっている、おもちゃや洋服が散乱している、数日前のパンやお菓子が置いてある、異臭が漂うほど部屋の中が汚れているという場合は、少し休息を取って身体と心を休めてみましょう。

子どもへの興味関心の薄れ

新しい命がこの世に誕生することは奇跡です。ママが命がけで赤ちゃんを生んだことは間違いありません。しかし、産後、育児にストレスがたまり精神的に不安定になると、不思議と我が子がかわいいと思えなくなるときがあります。

極端にマイナス思考になる

育児の不安やストレスが重なると、「これをやらなかったら自分はダメな人間だ」「失敗したらどうしよう」など、極端なマイナス思考や悲観的な考えになるのも特徴のひとつです。何事も自分が悪いと責めてしまったり、逆に自分ばかりが大変だと思ってしまったりするなど、さまざまな不安の症状が現れます。

外出がおっくうになる

赤ちゃんを連れてのおでかけは荷物が多く大変なことが多いでしょう。しかし、日々の食料品や生活雑貨の買い出しすらおっくうになり、外出が怖くなったりした場合、育児の不安から育児ノイローゼの兆候があります。育児の不安が強くなると無気力から自宅にこもる時間が増え、ストレスがたまって子どもや物に八つ当たりするという負の連鎖が続いてしまうケースもあります。

対人関係がおっくうになる

子育てや夫の悩みなど誰かに聞いて欲しいけれど、誰とも関わりたくない場合も注意が必要です。どんなに親しい人でも誰かと関わりを持つことはエネルギーを必要とするものです。育児ノイローゼの可能性がある場合、無気力・脱力状態で他人に対応できないと感じることが増えてきます。

人と関わらずに子どもとふたりきりの時間が増えるほど、ストレスがたまってしまうという負の連鎖を引き起こします。

育児ノイローゼになりやすい人の特徴

完璧に育児をしようとする

子育て中はきちんと子育てをしなければいけないと感じるママは少なくありません。しかしあまりにもきちんとしなければと完璧を求めてしまうと、心に余裕がなくなりストレスがたまりやすくなります。なかには育児が自分の理想通りにできないと、自己嫌悪におちいってしまうママもいるでしょう。

たとえば乳児の場合、3時間おきにミルクを与えるといったルーティンがあります。これはあくまでも目安であり、必ずしもその時間に与えなければいけないわけではありません。赤ちゃんは必ずしもその時間にミルクを飲んでくれるとも限りませんし、母乳との混合で育てている場合はもっと時間通りにならないことがあります。

このように完璧を求めてしまうと、きちんとしなければという思いがストレスにつながることがあります。

真面目で手を抜けない

育児書に書いてあることや育児はこうあるべきだといった育児の理想があると、それに沿ってお世話をしようとするママもいます。真面目で良いことですが、できるだけゆとりを持って育児をするよう少し肩の力を抜くことも必要ですよ。

息抜きがうまくできない

育児中は赤ちゃんのお世話に付きっきりになることが多く、自分の趣味や好きなことに没頭できないケースがあります。一日中赤ちゃんと過ごして、ときには息が詰まってしまうこともあります。

好きな味のお茶を飲んだりアロマなどでリラックスしたりするだけでも息抜きとなる場合があります。息抜きがうまくできないとストレスがたまりそれが育児の不安につながることがあるので注意しましょう。

育児以外のストレスがある

育児ノイローゼの原因は、赤ちゃんの育児に対するストレスだけではありません。金銭面での苦しさや夫への不満、祖父母との関係などでもストレスがかかります。育児以外のストレスがたまっても心に余裕がなくなり育児ノイローゼにおちいることがあります。

育児ノイローゼになりやすい人の環境

赤ちゃんとふたりの時間が多い

赤ちゃんが生後間もない場合や病気の場合などでなかなか外出ができないケースがあります。近年ではコロナウイルスの影響で、赤ちゃんと二人で過ごす時間が増えたというママも少なくありません。赤ちゃんとふたりで過ごす時間が多い場合、育児の責任や家事などの仕事を一人で抱え込んでしまい心に余裕がなくなるママが多いでしょう。

夫の理解や協力が得られない

パパが育児に対しての理解がなかったり、仕事が忙しく在宅時間が少なかったりする場合は、家事育児の負担がママにかたよります。パパが休日に家事や育児を少しでも手伝ってくれれば休む時間が確保できますが、一方で理解や協力がないとさらにママに負担がかかることになるでしょう。

このような場合、ママの気持ちが追い詰められ育児ノイローゼといわれる症状におちいることがあります。

気軽に祖父母の協力を得られない

育児ノイローゼにおちいりやすい環境として、核家族のママが多いようです。実家が遠い、家族がいないなどで気軽に育児について頼れる環境がないと、ママの負担になりやすいです。頼る人がいないというのは、ママにとってプレッシャーになることがあります。祖父母など頼る人が近くにいない場合、ファミリーサポートや一時保育の登録を済ませておくなど対策しても良いでしょう。

ママ友がいない

今自分が置かれている状況を聞いてくれる人、育児のことを相談できる人がいないという場合、ママが孤立してしまうことがあります。孤立していると感じるととても不安になり、さらに育児の不安が深まることがあります。

育児ノイローゼの対処法

休息をとる

疲れてきた、ストレスがたまっていると感じたら、まずは身体を休めるための休息をとるよう心がけましょう。睡眠によって身体が休まることで心も落ち着くケースが多いようです。赤ちゃんのお昼寝時間やご機嫌な時間は、まずママの身体をいたわり横になってはいかがでしょうか。

寝ようとしてもう眠れないなどの睡眠障害があるようですと、専門の病院を受診してみましょう。

自分を責めない

子育ては責任を伴うものと感じているママは多いでしょう。子どもに何かあったり育児がうまく進まなかったりすると自分を責めてしまうこともあります。

しかし、何かひとつがうまくいかなくても自分を責める必要はありません。たまには自分で自分をほめてみてはいかがでしょうか。赤ちゃんと過ごして育児をしている自分をきちんとほめてあげましょう。

心配しすぎない

育児には不安がつきものですが、あまり心配しすぎるのも自分を苦しめる原因のひとつとなります。心配しすぎると育児に対する不安がつのり、より心が不安定になる可能性があります。のびのび育児をするというのは難しいかもしれませんが、できるだけ心配しすぎず周囲の人を頼り、心にゆとりを持った育児を心がけてみてください。

人との交流を心がける

育児に不安を覚えたら、まずはパパや近しい人などに相談してみましょう。育児の悩みは決して悪いことではありません。

誰かと話してみることもリフレッシュのひとつです。話すことは自分の現状や悩みを客観的に受け止めることにつながりますよ。

厚生労働省管轄のもと、市町村ではさまざまなママの子育て支援を実施しています。電話相談や子育てサロン、一時保育などのサービスを利用して、パパ以外の大人と話したり、相談したりできる場所を作ると良いでしょう。

安心できる息抜きをする

パパや祖父母に頼り、ママが育児を休む日があっても良いのです。パパに子どもを預けるなどして、気分転換にショッピングや美容院などに行ってみても良いでしょう。

パパに頼めない場合は、厚生労働省の子育て支援や保健所、市町村の支援の利用を検討してはいかがでしょうか。各自治体や施設によりシステムや使用料が異なりますが、ファミリーサポートや一時保育ではママがリフレッシュタイムを作れるように子どもを預かってくれます。

家族以外の人に子どもを預けて母親が休息を取ることに罪悪感を感じる必要はありません。休息は、子どもと安定した関わりを持つために必要なことなのです。

育児ノイローゼに関する体験談

夫の仕事が激務で育児に行き詰まりました

今は子どもがだいぶ大きくなりましたが、今思うと一種の育児ノイローゼだったのかもしれません。筆者の場合はとにかく夫の激務が原因な気がします。日曜日以外、子どもと顔をあわせる時間帯にはほとんど家にいない状態なので、まさにひとり育児でした。夫がおむつを交換するのも子どもをお風呂に入れるのも、子どもが1歳くらいになってからだったような気がします。

人付き合いが苦手でこもりがちになりました

夫と結婚してから引っ越しました。知らない土地で人付き合いも苦手なほうなので、積極的に児童館や支援センターに行く勇気も初めは持てませんでした。とにかく孤独に耐えきれず、日曜日はほぼ毎日夫と喧嘩。もう本当に離婚したほうが楽になるのでは?と思ったことすらありました。

この気持ちが落ち着いたのは、子どもが幼稚園に入園するくらいでした。

児童館のクラスに入り気持ちが上向きになりました

産後、育児に不安を覚えてイライラすることがありました。

子どもが生後4ヶ月頃に勇気をだして児童館のクラスに入ることにしました。ダメならダメで行かなければ良いという気持ちです。結果この児童館がとても気に入り、人付き合いが苦手な私でも同じ月齢を持つママは似たような心境なんだと励まされました。

ただ、同じ何を持つママたちの元に行って情報交換ができるというだけでもストレスが減り、夫にも優しくなれました。子どもが少し大きくなった今では、日曜日に夫に子どもを預けてランチができるようにもなりました。

心も身体も休息をとりながら育児をしよう

産後、育児に不安を覚える方は少なくありません。産後うつと医師に診断されなくても、育児に必要以上に悩んだり無気力になったりすると育児ノイローゼではないかと感じることもあるでしょう。

そういったときは、まずは身体を休めることが大切です。赤ちゃんのお昼寝時間や機嫌の良い時間を利用して休息をとりましょう。気分が少しだけ上向きになったら、赤ちゃんをパパや一時保育、ファミリーサポートに預けてママのリフレッシュをしてみてはいかがでしょうか。どのようなときも自分を責めずに、できるだけ余裕を持って育児できると良いですね。

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