【睡眠コンサルタント解説】「妊娠中に知りたかった…!」間違いやすい寝かしつけの方法とは?
「赤ちゃんの睡眠に関するお悩み」は誰しも一度は直面したことがあるのではないでしょうか。ここでは、子育て中だけでなく妊娠中のママにもぜひ知っておいてもらいたい、「正しい寝かしつけ方法」をご紹介します。赤ちゃんのねんねについて学びたいママさん必見ですよ。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
授乳の仕方やおむつの替え方は産院で教えてもらえますが、赤ちゃんの睡眠については自分から勉強しない限りなかなか教えてもらう機会がないですよね。でも、出産直後のママにとって一番必要な情報のひとつが、赤ちゃんの睡眠です。ママたちから「妊娠中に知りたかった!」と声のあがるポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
ねんね上手の鍵は寝床づくり
ベビーベッドが最適?
赤ちゃんの寝床としてすでにベビーベッドを用意している方も多いでしょう。赤ちゃんの安全を考えたときに、睡眠コンサルタントからのもっともおすすめの寝床はベビーベッドです。
ベビーベッドは赤ちゃん専用に開発され、安全基準をクリアした物が販売されているので安心して使用できます。赤ちゃんがひとりで寝る空間を作ることができるので、「ママに触りながらでないと寝られない」「隣にいないとすぐに目を覚まして泣いてしまう」といった寝かしつけの癖もつきづらく、赤ちゃんがセルフねんねを早く習得できる傾向があります。
大人のベッドで添い寝は危険
クイーンサイズやキングサイズのベッドを購入し、家族全員で添い寝をするという家庭の話も聞くことが多いです。もしくは、ダブルサイズなどのベッドでママと添い寝をしている赤ちゃんもいます。こういった添い寝は、すぐ横に赤ちゃんがいるのでママはお世話はしやすいのですが、実は危険がいっぱいです。
まず、大人のベッドは床からの高さがあるので、赤ちゃんが動くと転落する危険性があります。まだねんね期の赤ちゃんなので大人のベッド置いておいても動かないから…と思うかもしれませんが、赤ちゃんは寝ながらでも足の力でグイグイと上に動いていくこともあります。
また、大人のマットレスは赤ちゃん専用のものと比べてやわらかい素材でできているので、力の弱い赤ちゃんがうつ伏せになってしまったときに窒息するリスクがあります。他にも、大人の掛け布団がかかってしまう可能性があることや、大人の枕に顔が埋まってしまう可能性があることなどにも同様に窒息のリスクがあります。
赤ちゃんに添い寝をする場合は転落の心配がない布団を使い、できるだけ赤ちゃんとの空間を開けるようにしましょう。
布団でおこるトラブル
布団は転落の心配がないので、添い寝をしていても比較的安全に寝ることができます。ですが、こういったママたちからよく聞かれるのが「ママに触りながらでないと寝られない」「隣にいないとすぐに目を覚まして泣いてしまう」といった寝かしつけの癖のトラブルです。
布団では赤ちゃんと一緒に横になって寝かしつけをすることができるため、赤ちゃんの小さなころからママも横になって授乳をしたりトントンしたりして寝かしつけることが習慣化しがちです。すると、赤ちゃんは「これが当たり前なんだ」と学習し、ママが横に寝ていてくれないと眠れない、ママがいなくなったと気付くと火がついたように泣く、というようになってしまうのです。
こういった癖を防ぐには、寝かしつけの際にも一緒に横になるのではなく座って寝かしつけしてみることや、布団でもしっかりと境界線を引いておくことが有効です。
布団の上手な使い方
布団で境界線を引く方法をご紹介します。
大人エリアと子どもエリアの境界線を引くために、ベビーサークルを使用します。子どもエリアの周りをベビーサークルで囲ったり、部屋の構造によってはベビーゲートで仕切りを作ったりします。
写真は我が家の寝室です。狭小なので少しでも広く場所を取るためベビーサークルを2辺に使用していますが、安定性のためには4辺とも囲うのがおすすめです。
布団セットは全部使わない
出産前に必ず準備することになるのが布団セットですが、ここにも注意が必要なポイントがあるので解説していきます。
掛け布団は赤ちゃんには不要
布団セットにはほぼ必ず入っている掛け布団ですが、赤ちゃんのうちは掛け布団は不要です。むしろ掛け布団をすることで赤ちゃんの窒息の危険性が高まりますので、使用しないようにしましょう。「赤ちゃんが寒そう」「包まれていたほうが赤ちゃんが安心するのでは」と思う方も多いかもしれません。
赤ちゃんは大人よりも体温が高く暑がりです。大人が適温と思っている室温だと赤ちゃんには暑すぎる可能性もあります。意外に思うかもしれませんが、赤ちゃんにとっては寒いことよりも暑いことのほうがリスクが高いのです。
赤ちゃんは体温調節機能が未発達で、暑くてもうまく自分で体温を下げることができません。掛け布団をしていることによって熱が布団の中にこもってしまい、体温が上がりすぎてしまうという心配があります。1歳未満では掛け布団を使用しないことを推奨します。「それでは寒そう」と心配な場合は、着る布団であるスリーパーを活用するようにしてみてください。
マットレス(敷布団)は硬めを選ぼう
やわらかいマットレスでは、うつ伏せになった際に赤ちゃんの顔が埋まってしまう心配があります。それは敷布団でも同様です。
硬めのマットレスは大人からすると「こんなに硬いと寝心地が悪いのでは」と感じるかもしれません。しかし、やわらかいものは赤ちゃんの身体が沈み込んでしまい、マットレスと身体が密着して背中に熱がこもりやすくなります。
体温調節機能が未発達な赤ちゃんにとって、体温が上がりすぎてしまうことは乳幼児突然死症候群にもつながるリスクがありますので、硬めを選ぶようにしてください。
シーツはぴったりとはさみ込もう
赤ちゃんの寝相は自由自在です。大人が想像するよりも大きな動きを寝ながらしています。
シーツがぴったりとはさみこまれていなかったり、シーツの上にバスタオルが敷いてあったりすると、赤ちゃんが動いた拍子にそれらがめくれあがって顔にかかってしまう危険性があります。そのようなことがないよう、マットレスの隙間や布団の下にしっかりと挟み込むようにしてください。
吐き戻したりおしっこが飛んだりして、シーツはすぐに汚れてしまいます。複数枚用意しておくと安心ですね。
赤ちゃんは光に敏感
寝室の環境づくりでとても大事なのが遮光です。これは大人も赤ちゃんも共通で、光には人を覚醒させる効果があり、光が目に入ると寝つきや睡眠の質が悪くなったり早朝に起きやすくなったりしてしまいます。
お世話には足元を照らすライトを使おう
天井の豆電球や常夜灯の光は寝ている赤ちゃんの目に入りやすく、覚醒の要因になる可能性があるので使用しないようにしましょう。
しかし、真っ暗だとおむつ替えや授乳の際に手元が見えなくなってしまいますので、その場合は足元に置くタイプのナイトライトを活用するのがおすすめです。最低限の手元が見える明かりで、光が赤ちゃんの視界に直接入らないベビーベッドの下などに置くことをおすすめします。
遮光カーテンは一級を選ぼう
たった一筋の光漏れによって覚醒し、朝の4時や5時に寝なくなってしまう赤ちゃんもいます。そういったトラブルを防ぐために、寝室の窓には遮光カーテンを設置して少しの光漏れもないようにするのがおすすめです。
遮光カーテンには等級があり、できれば一級遮光を選ぶと良いでしょう。遮光性も等級や色によってかなり性能が変わるので、ダーク系カラーの1級か、もしくは白系のカラーにするなら100%完全遮光タイプのカーテンを取り付けることをおすすめします。
隙間の遮光も忘れずに
見落としがちなのがカーテンレールの上や横の隙間、ドアの上下や引き戸の隙間からの光漏れです。遮光カーテンを設置しても隙間からの光漏れで赤ちゃんが起きてしまうこともありますので、日中でも真っ暗な部屋を実現できるよう、タオルや遮光テープを活用して隙間を埋めてみてくださいね。
※この記事は2020年6月時点の情報をもとに作成しています。
和氣春花先生による子育てのアドバイス動画はこちら!
YouTubeのままのてチャンネルでは、専門家の先生による育児に関するお役立ち情報を配信しています。和氣先生の動画も好評配信中ですよ。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いたします。
著者情報:和氣 春花(わけ はるか)
乳幼児睡眠コンサルタント。
我が子のひどい夜泣きに悩んだ経験から、米国IPHIにて妊婦と子どもの睡眠コンサルタントの資格を取得。YouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を中心に、ブログやSNSで子どもの睡眠についての情報発信を行う。睡眠に悩むママやパパへのコンサルティング提供、寝かしつけ講座の講師としても活動中。