子どものしつけで叩いたことがあるパパ・ママが7割!怒鳴るママ・怒鳴られる子どもの気持ちと体験談

国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査によると、7割のパパ・ママが過去に「しつけのために叩いたことがある」ことがわかりました。一方で、調査結果からは本当は怒鳴ったり叩いたりしたくないパパ・ママの姿もみえてきました。ここでは、子どもの頃叱られた体験談と、しつけに悩むママの声とともに調査結果を紹介します。

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目次

  1. 子どもをしつけのために叩いた経験があるパパ・ママが多数
  2. しつけのために「怒鳴る」「にらむ」など態度で示すことも多い
  3. 子どものしつけの仕方に日本の大人は寛容?
  4. しつけの経験は子どもの心に残る
  5. 本当は叩かない・怒鳴らない育児をしたいパパやママが多い
  6. ママやパパが安心して相談できることが大事
  7. あわせて読みたい

子どもをしつけのために叩いた経験があるパパ・ママが多数

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、0~18歳の子どもを持つ男女1,030人(男性515人、女性515人)に対し、子育ての実態についてのインターネット調査を実施しました(※1)。その中で、過去にしつけのために叩いた経験があるパパ・ママは約7割でした。日常的に叩いているというパパ・ママは2%に満たない結果でしたが、4割弱が「時々叩く」という結果となっています。

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データ出典:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」、2018年2月

しつけのために叩く場所は「おしり」「手の甲」を選ぶパパ・ママが多い

今回の調査では、どんなときに叩いているかを聞いていませんが、パパ・ママなりにしつけの深刻度、子どもの年齢で叩く場所を配慮しているのでしょう。3ヶ月以内の叩いた経験では「おしり」や「手の甲」と答えるパパ・ママが多くいました。

どんな状況であれ叩くことは良いとは言えませんが、叩いてしまったパパ・ママにも本当は助けやアドバイスが必要なのかもしれません。

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データ出典:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」、2018年2月

孤独、引きこもりがちの実感があるほど、しつけのために叩いた経験も

今回の調査結果で目をひいたのは、パパやママの日常で、「孤独を感じる」「引きこもりがち」なパパ・ママほど、叩く頻度が高いという事実です。

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子どもに親のストレスをぶつけることは、決して良いことではありません。しかしながら、子どもに感情をぶつけてしまうことに悩んでいる、パパ・ママもいるというのが実態です。育児中のパパ・ママが孤立しない社会が求められているのではないでしょうか。

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しつけのために「怒鳴る」「にらむ」など態度で示すことも多い

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実際に手をあげることはなくても、約6割のパパ・ママは最近3ヶ月に「怒鳴る」ことがあったようです。

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データ出典:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」、2018年2月

国立青少年教育振興機構が、日本の高校生を対象に行った調査によると、自分はダメな人間だと「とても思う」と回答した割合が25.5%もあったそうです(※2)。お隣の韓国や中国、アメリカより自己肯定感が低いという結果となっています。しつけのためと思って投げかけた言葉が、長く子どもの心に残ること、将来の自己肯定感に影響することをパパやママは考える必要がありそうです。

子どものしつけの仕方に日本の大人は寛容?

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大人の過半数が、「しつけのために叩くこと」を仕方ないと感じている

現役のパパ・ママだけでなく、日本の大人の意識全体がしつけのために叩くことに寛容なようです。セーブ・ザ・チルドレンが実態調査とあわせて行った、20歳以上男女2万人に行ったウェブアンケートでも、「決して叩いてはいけない」と答えた大人は4割に留まりました。

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データ出典:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」、2018年2月

「口で言うだけではわからない」(42.8%)「すぐに問題行動をやめさせるため」(23.6%)「痛みを伴う方が子どもも理解する」(20.6%)というのがその主な理由ですが、わずかながらも「叩く以外にしつける方法がわからない」(2.6%)という回答もありました。

あくまでアンケート調査ですので、回答した人がどの程度強く「叩く」と想定したかは不明です。とはいえ、子どもにも「言葉で言われたことを理解する力がある」と大人が信じることが、子どもが叩かれない社会の第一歩かもしれません。また、叩く以外にしつけの仕方がわからない人が、相談しやすい社会になると良いですね。

日本の法律では、家庭・児童福祉施設での体罰は禁止されていない

日本には、家庭や児童福祉施設における体罰を明確に禁止する法律はありません(※3)。子どもの体罰に関する法整備では、ヨーロッパが先行しています。そのヨーロッパにおいて、法律で体罰を禁止する国とそうでない国を比較調査したところ、体罰を法律で容認する国で「叩く」行為が圧倒的に多くみられたというデータがあります(※4)。

ここ数年、日本でも「しつけ」と称した体罰が虐待につながった悲しいニュースを目にすることが多くなりました。日本においても、法整備の検討の過程で、社会全体が子どものしつけについて考え直し、学ぶ機会を増やすことが必要なのかもしれません。

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画像引用:Global Initiative to End All Corporal Punishment of Children Prohibiting corporal punishment

しつけの経験は子どもの心に残る

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ままのてに寄せられた幼少のころの「叱られた体験談」からは、親がなぜ怒っているか理解しようとする子どもの姿がみられました。

心配のあまり怒った様子や、叱った後の親の接し方で、子どもには反省する気持ちが芽生えるようです。また、親に怒りっぽい時期があったとしても、親の子育てに対する想いや他の家族からの優しさに、目を向けるたくましさもあるようです。

普段子育てや家事に追われて、ついイライラして子どもをつい怒鳴ってしまったというパパ・ママもいることでしょう。もちろん反省は必要ですが、あまり自分を思いつめるよりは、子どもに愛情を伝え続けることを心がけると良いかもしれません。しつけに悩む場合は、友人や家族、あるいは自治体の保健師さんなどに相談してはいかがでしょうか。

一方で、あまりにも強い怒りの表現や、日常的に叩く行為は子どもの心に傷を残すようです。今回の体験談でも、大人になってカウンセリングが必要になったという例が紹介されています。

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心配のあまり叩かれて

私が幼稚園の年長のころだったか、隣に住んでいた1歳上の女の子と「家出ごっこ」をしようということになり、夜7時くらいに家をこっそり出たら、すぐに母親に見つかり家に連れ戻され、お尻をぺんぺん叩かれて怒られました。そのときは泣きながら「なんて悪いことをしてしまったんだ」と反省しました。

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叱られた後の抱っこで反省

母はわりと怒鳴る怒り方をする人でした。ただ、私が反省して「ごめんなさい」をした後には、必ず抱っこをしてくれました。怒られて嫌だったという感情よりも、自分が悪いことをしたんだなと反省する気持ちが大きかったように思います。

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父は叱り役、母は見守り役

子どものころ、父からよく叱られていました。父が不機嫌なときに八つ当たり的に怒られることがあったので、当時はあまり父に近づかないようにしていました。母から叱られることはほとんどなかったので、叱り役は父、見守り役は母、と両親のあいだで(結果的に)うまく役割分担をしていたのではないかと思います。

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叱ることは必要だけど、叱り方やポイントは考えてほしい

母は怒りっぽく、怒鳴ったり手を挙げたりすることがしょっちゅうでした。そんな母を見て育ったからか、小学校低学年のころは友達に対してキツイ言い方で怒鳴ってしまうことが多く、学校の先生から注意されることがよくありました。その経験もあってか、物心がついてから、自分に子どもができたら叱り方には気を付けようという気持ちが芽生えました。

ただ、母は子どもに厳しい試練を与えて這い上がらせる教育方針だったらしく、私の好奇心の芽を摘まずに何にでも挑戦させてくれたことには感謝しています。また、父は礼儀やマナー、「人としてこうあるべき」というような部分では厳しいほうですが、基本は穏やかで優しい人でした。このように両親のタイプが違っていたことで、緩和された部分もあったと思います。

叱ること自体は必要なこともありますが、叱るポイントや叱り方は子どもの情緒の安定や心の成長に影響するので、慎重に考えて欲しいと感じます。

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怒りでは人は動かせないと学んだ

わりと母親はヒステリック気味に怒鳴ることが多い人でした。高校生ぐらいから人は怒りの感情では動かないし、動いたとしてもそれは本質的な解決につながってないと思い、僕自身はあまり怒らないようになりました。


ただ、中学生で友達と万引きをして警察に連行されたときには、親が泣きながら怒ったのを見て、法律は守っていこうと心から誓いました。

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日常的に叩かれるとつらい記憶に

夫は子どものころに父によくげんこつされていたそうで、そのときの話を聞こうとすると「つらいから思い出したくない」と言っていました。義姉もやはり手をあげられることが多かったようで、大人になってからカウンセリングを受けていたそうです。義姉は「うちのきょうだいはみんなアダルトチルドレンだと思う」と言っていました。

本当は叩かない・怒鳴らない育児をしたいパパやママが多い

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子どものしつけに奮闘するパパ・ママも、その多くが叩いたり・怒鳴ったりすることが正解とは思っていないようです。

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データ出典:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」、2018年2月

ままのてにも、しつけに悩んだり、工夫したりするママの体験談が寄せられています。

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私がイライラしていたのかも

息子が3歳後半から4歳のころ、とにかく癇癪がひどくてほどほど手を焼いていました。「死ね」「死ぬ」という言葉もどこで聞いたか口にするようになり、その言葉が出たときは手をあげたこともあります。今思うと、私が単にイライラしていたのでしょう。

私の母から「この子は何の問題もなく育っている。ただ心と頭の成長のバランスがくずれるときがあるだけ。あなた(私)が叱りさえしなければ、自分で成長していく」と言われ、しばらく怒鳴ることも自重するようになりました。そのためかあるいは時が解決したのか、だんだん息子の言動も落ち着いてきました。

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自分の育て方が正しいのかわからない

娘がイヤイヤ期まっただ中です。身の危険に関わることや、他人を傷つけること以外は、好奇心や自尊心を尊重するようになるべく叱らないように努めています。

とはいえイライラして怒ってしまうこともあり、そのたびに「また子どもの好奇心を削いでしまった…」と反省して落ち込みます。

一人目の子どもということもあり、自分の育て方が正しいのかどうか、しつけの仕方については日々悩みがつきません。

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怒るときは理由も一緒に

4歳の息子がいます。言葉がある程度わかるようになってからは、何か注意したり怒ったりする場合に、できるだけ理由も一緒に伝えるようにしています。

たとえば、「こら!片付けなさい!」ではなく「片付けしないと、おもちゃを踏んで足を怪我しちゃうかしれないよ」というような感じです。最近息子が「片付けしないとパパがおもちゃ踏んで足が痛くなっちゃうから」と言って自ら片付けるようになり、成長を感じました。(もちろんいつもではないですが…。)

また、「なんで〇〇するの!」と詰めるような言い方はなるべくしないように気を付けています。なんでと言われても、子どもの行動に深い理由なんてないだろうし、説明できないことが多いかなと思うので…。

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子どもに正直に気持ちを伝える

子どもにはなるべく怒鳴るのではなく冷静に諭すようにしたいと思いつつも、子どもが言うことを聞かないことが続くと、自分の気持ちに余裕がなくなり、イライラしてしまうことが度々あります。そのようなときには「お母さんだって疲れているのにご飯も作らなきゃいけなくて本当に大変なんだよ!」とやや感情的に子どもに訴えます。(子どもが癇癪をおこす横で私も癇癪をおこす感じです)

そうすると子どももハッとするようで「お母さん、ごめんね」と謝ってくれて、私も「お母さんもごめんね」で仲直りということがあります。こうなるとしつけではなく喧嘩ですが、ときには母も人間で感情があるということを伝えるのは悪いことではないのかなと思っています。

ママやパパが安心して相談できることが大事

今回紹介したセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの報告書でも、体罰に頼らない子育ての考え方や方法を伝えること、支援することの重要性を訴えて結んでいます。
初めての子育てているパパ・ママはもちろん、何人子どもを育てていても、自分のしつけが正しいとはなかなか確信が持てないのではないでしょうか。

子どもは、パパ・ママの叱る姿だけではなく、普段の様子もちゃんとみてくれています。一度感情的に怒ったからといって思い詰めずに、素直に子どもに謝ってみてはいかがでしょうか。また、怒りに任せて子どもを叩く前に、家族や友人、保育園や幼稚園の先生、保健師さんに弱音を吐いてみてくださいね。

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