赤ちゃんの自己肯定感を高める7つのポイント!芽生える時期はいつから?接し方のポイント&おすすめの本

赤ちゃんや子どもの自己肯定感を高めてあげたいと思うママやパパは少なくありません。そもそも自己肯定感の基本的な意味や、自己肯定感が高い子の特徴はどのようなものなのでしょうか。ここでは赤ちゃんや子どもの自己肯定感の高め方について、最近の海外の動向も含めて詳しく解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 赤ちゃん・子どもの自己肯定感とは?
  2. 自己肯定感はいつから芽生える?
  3. 自己肯定感の高い子ども・低い子どもの特徴は?
  4. 子どもの自己肯定感を高める7つのポイント
  5. 【編集部が選んだ】子どもの自己肯定感を育むために読みたいおすすめの本3選
  6. 自己肯定感を家族みんなで育てよう
  7. あわせて読みたい

赤ちゃん・子どもの自己肯定感とは?

子育てをしていると、「子どもの自己肯定感(じここうていかん)を高める」と耳にする機会が増えたという方もいるかもしれません。そもそも自己肯定感とは、どのようなものをいうのでしょうか。

自己肯定感とは

自分の能力や存在意義を理解して、自分の良いことも悪いことも認めて肯定的な評価ができる感情を自己肯定感といいます。自己肯定感は、自分を信じて将来への道を進むための基礎力となるものといわれることもあります。

日本の若者はアメリカ、中国、韓国などの諸外国と比べて自己肯定感が低く(※1)、ものごとに対する意欲や将来に対する希望が諸外国に比べて薄いといったデータがあります(※2)。しかし、これは国の文化や環境などが要因といった考えもあるようです。

子ども自身が自分を大切に感じ、自分を信じて好きなことにチャレンジする力を持つことは、親にとっての大きな願いであるというママやパパも少なくありません。幅広い可能性を秘めた未来を見据え、子どもの自己肯定感を高めるよう働きかけるママやパパも近年増えてきているようです。

自己肯定感のとらえ方

幼少期に自己肯定感を育んだとしても、生涯を通じて見てみると自己肯定感のとらえ方は常に一定ではありません。思春期に差し掛かると他者との比較や他者からの評価などを意識するようになり、自分の心に大きく影響します。そのため、他者と比べ自分が劣っているといった感情を抱きやすい思春期には、自己肯定感が低下するといった考えもあります(※3)。

乳幼児・児童・思春期・青年期と発達段階によっても、自己肯定感のとらえ方は変わります。奈良女子大学の伊藤美奈子氏の研究によると、子どもの成長過程における自己肯定感のとらえ方は以下のように考えられています。(※4)

・乳幼児期(幼稚園)…「愛して!」
・学童期(小学校)…「ほめて!」
・思春期(中学校)…「わかって!」
・青年期(高校)…「認めて!」

子どもの成長に合わせて声がけや寄り添い方にも工夫をしていくと、子どもたちの自己肯定感の成長をサポートすることができそうですね。

また、自己肯定感が低いことが悪いわけではありません。自己肯定感の基準やとらえ方はさまざまな環境や要因、文化が関係しているといった考え方もあるので、自己肯定感が低いと感じても考えすぎずに前向きに過ごせると良いですね。

自己肯定感はいつから芽生える?

生まれたばかりの赤ちゃんや小さな子どもは、ママやパパの腕に抱かれ安心して眠りにつくことがほとんどです。こうして安心・安全を感じることは赤ちゃんの自己肯定感を育むことにつながるといわれています。さらに、赤ちゃんの自己肯定感はママのお腹の中で気持ちよく揺られるところから形作られているとも考えられているようです。

自己肯定感の基盤には、3つの側面があるといわれています。(※5)

1.あるがままの自分を受け入れるという、自分の内面に向けた肯定感。
2.社会の中で役割がある、役に立ってうれしいというような他者との関係性の中で生まれる肯定感。
3.あらゆる選択肢の中から、自分で選ぶ決定権を持つという肯定感。

子育てではこの3つの側面を意識して、子どもと向き合っていくことが大切ともいえますね。

自己肯定感の高い子ども・低い子どもの特徴は?

自己肯定感の高い子どもの特徴

自己肯定感が高い子どもは、自分のことが好きで、良いところも悪いところも含めて自分を認めることが得意です。周りの人から大切にされているという実感があり、人の意見を聞くのが上手で社会のルールを守る気持ちが高いといえます。

自分の気持ちを大切にでき意思表示がはっきりしているので、判断が早いという傾向にあります。とはいえ、優柔不断な人は自己肯定感が低いというわけではありません。ものごとを慎重に吟味してさまざまな選択肢の中から選ぶ力があるのだと肯定的にとらえることができれば、自己肯定感は高いといえます。

失敗や間違いを恐れず、前向きにチャレンジできることも自己肯定感が高い特徴のひとつです。こうした子どもはたとえ失敗したとしても、自分は大丈夫だと思えたり、しばらく休んだあとにまた歩き出せたりするしなやかさがあります。

自己肯定感の低い子どもの特徴

自己肯定感が低いと、何かに取り組むときに失敗するかもしれないという感情や失敗するのが怖いというネガティブな感情を持ちやすい傾向があるといわれています。

自分の言葉や思ったことに自信が持てず、相手に自分の気持ちを伝えたり人と話したりすることが苦手と感じるケースもあるようです。自分の思い通りにいかないとすねたり落ち込んだりしやすといった特徴をあげられることもあるでしょう。

子どものやる気がなかなかわかないと、ママやパパが悩んでしまうこともありますよね。子どもの個性や物事の感じ方には個人差があります。子どもがどのようなことを感じているのか知るためにも、時間の余裕があるときに遊んだり話したりと子どもに合ったコミュニケーションをとるよう心がけても良いですね。

子どもの自己肯定感を高める7つのポイント

1.子どもの話を聞く

話を聞くときはしっかりと目線を合わせて1日5分でも話を聞く習慣を作るよう心がけてみてはいかがでしょうか。子どもの言葉を先取りせず、話してくれたことに共感することがなにより大事なことです。

ママやパパが話を聞いてくれると、自分の存在を認められているという安心感が生まれます。どうしても手が離せないときは、子どもの年齢によって今話をすることが無理な理由を説明し、いつなら聞けるか伝えると子どもは気持ちよく待つことができますよ。

2.否定しない

注意するときに「ダメ」という言葉を使っていませんか。ママやパパは子どもがとった行動に対して「ダメ」と言ったつもりでも、子どもはやった自分がダメな子なんだと受け止めてしまうことがあります。

注意するときは「そこは危ないよ」「そんなことをしたら痛いよ」など、ダメな行為を具体的に示すような声かけを心がけてみてはいかがでしょうか。

「だから言ったでしょう」も避けたい言葉です。子どもの意思で動いた結果を頭ごなしに否定することになるからです。失敗した事実とやってみようと思った気持ちは別ものです。「残念だったね」「悲しいね」と気持ちを共有し、失敗は淡々とやり過ごすことを心がけても良いですね。

3.決めつけない

「まだ無理だよ」「こっちが良いよ」と、子どもがなにかを始める前に親の尺度で能力や考えを決めつけないようすることも大切です。失敗して学ぶチャンスや考える機会を奪ってしまいます。

子どもを応援するつもりで「やればできる」というのも注意が必要です。すでにがんばっているのだとしたら、そのがんばりが認められていないことになります。逆に、「やればできるなら、今はやらない」とやる気がそがれることもあります。

4.「できる」「できない」で判断しない

がんばってもできないことや、運良くできてしまうことはたくさんあります。できる、できないというのは結果です。結果で判断すると、それまで子どもが考えたりがんばったりした過程が見過ごされてしまいます。

評価するときはできる・できないにフォーカスせず、プロセスを認めることが大切といわれています。具体的にほめることもポイントです。たとえば食事を完食しないことが悩みでも、おいしそうに食べたことをすかさずほめれば、次へのモチベーションにつながります。

5.周囲と比較しない

やる気を引き出すために「妹のほうができてるよ」「○○ちゃんはこうだって」と比較することは、親が理想とするラインを暗に示しています。

血のつながったきょうだいでも親しい友だちでも、親と子であっても一人ひとり違った個性があるのが当たり前です。目指す目標ややりたいことも違います。子どもの個性を尊重し、その子どもなりのペースやゴールを見守っていけると良いですね。

6.共感して受け入れる

保育園でお友だちにいじわるをされた、じょうずに絵が描けなかったという話を聞いたら、詮索やアドバイスよりも先に子どもの気持ちに寄り添い共感することが大切です。

子どもの気持ちを「理解しているよ」「失敗しても良いよ」というメッセージが傷ついた子どもの心を癒やし、自分は大丈夫だと信じる心を取り戻させます。

今までできなかったことができたときに、一緒に喜ぶのは大事なことです。さっそく次の目標を提示したり、こうするともっと良いねと成果を否定したりすることは避けたい行為です。

7.自然や社会と触れ合う

自然の中での体験や社会と触れ合いが多いほど、自己肯定感は高まりまるといわれています(※6)(※7)。海や川で泳ぐ、満天の星を観察する、虫を捕まえるなど、うつりゆく自然の中で五感をフル活用する体験が、自分の存在を意識することにつながるのでしょう。

社会との触れ合いとは、たとえばお手伝いをする、地域のボランティア活動に参加する、小さい子の面倒を見るといったことです。地域の人にほめられたり小さい子になつかれたりして誰かの役に立つことは、自分への評価を高めます。

【編集部が選んだ】子どもの自己肯定感を育むために読みたいおすすめの本3選

子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ

子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ
¥1,540〜(2021/11/17 時点)

マザーズコーチングスクール認定トレーナーである著者がまとめた子育て本です。子育て中につい使ってしまいがちな言葉に焦点をあて、ほめるとき、促すとき、止めるときなど実際のシーンにあわせて紹介します。普段使っている言葉を見直すきっかけになりますよ。

子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば

子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
¥1,540〜(2021/11/17 時点)

学習塾の講師として生徒を教えるかたわら、ママ対象の勉強会を開催するなど精力的に活動する著書がおくる子育て本です。子どもたちに使ってはいけないNGワードと、自己肯定感を高める魔法の言葉を使い方のコツともに4コマ漫画やイラストを使ってわかりやすく紹介します。

お母さんの自己肯定感を高める本

お母さんの自己肯定感を高める本
¥1,650〜(2021/11/17 時点)

医学博士・臨床心理士などの資格を持つ気鋭の心理学者が母親の自己肯定感を高める方法をまとめました。ポジティブ心理学をベースに、ママが幸せになる14の行動習慣を紹介します。バランスチェックシートや書き込み式ワークが満載で、気持ちの整理にも活用できます。

自己肯定感を家族みんなで育てよう

子どもの自己肯定感を育てるには、親自身が自分を受け入れていることが重要です。欧米では、家族で自己肯定感(ファミリーセルフエスティーム)を育てるという考え方が広まっているといわれています。

ママやパパなどの保育者は、育児について不安になったり反省したりすることがあったとしても、一番大事なことは子どもの命を守ることです。育児でつまずいても一日やりきった自分をほめ、明日を信じる糧にしてはいかがでしょうか。

その一つひとつの積み重ねがママやパパの自己肯定感を高め、家族に良い循環を生みだします。ママやパパも子どもと一緒に自己肯定感を高め、家庭内の笑顔を増やしていけると良いですね。

※この記事は2021年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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