赤ちゃんとのスキンシップの効果とは?遊びや歌で赤ちゃんと触れ合おう!
赤ちゃんとのスキンシップは、親子の絆を強くするだけでなく、赤ちゃんの成長のためにも大切です。かつて神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ2世は、赤ちゃんにスキンシップを取らないというおそろしい実験を行い、赤ちゃんにはスキンシップが欠かせないことがわりました。赤ちゃんとのスキンシップの効果やふれあい遊び歌を紹介します。
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目次
赤ちゃんとのスキンシップの効果は?
かわいい我が子を見ると、ついつい抱きしめたくなる経験はないでしょうか。生まれて間もない新生児の頃には、寝ている赤ちゃんの頬をそっとつついたことがある方もいるでしょう。赤ちゃんを抱っこしたり、頭をなでたり、キスをしたりと、赤ちゃんとのスキンシップを無意識に行っているママやパパは多いはずです。
赤ちゃんへのスキンシップには、赤ちゃんの心と身体の発達を促すだけでなく、親にとっての癒しにもなるでしょう。親子や夫婦・恋人のスキンシップについて研究を行っている桜美林大学の山口創教授によると「皮膚は露出した脳」といわれています。スキンシップには下記のような効果があるとされています。
・お互いに安らぎや安心をもたらす効果がある
・安らぎを感じるホルモン「オキシトシン」が脳から分泌され、情緒が安定する
・赤ちゃんに触れることで親自身もオキシトシンが分泌される
・赤ちゃんの身体を成長させ病気に対する免疫力や抵抗力を強くする
・温もりを感じることで親子の絆を作る
赤ちゃんとのスキンシップに関する実験と孤児院での死亡率
フリードリヒ2世の実験
今から約800年前、学問と芸術を好み、時代に先駆けた近代的君主として名高い神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ2世は、ある赤ちゃんの実験を行いました。
彼は「言葉を教わらないで育った子どもが、どんな言葉を話すのか」疑問を持ちました。6ヶ国語を話すことができたフリードリヒ2世は、人間は生まれたときから自分の言葉をもっていると思っていました。それはきっとヘブライ語に違いないと期待していたのです。
フリードリヒ2世はこの実験のため、部下に50人もの赤ちゃんを集めさせ、部屋に隔離させました。そこで下記のような条件で実験を行ったそうです。
・赤ちゃんの目を見ない
・赤ちゃんに笑いかけない
・赤ちゃんに語りかけない
・赤ちゃんとふれあいを一切しない
・しっかりとミルクを与える
・お風呂にはきちんと入れる
・赤ちゃんの排せつの処理をする
つまり、赤ちゃんが生きるのに必要なことはすべて与えた一方で、スキンシップすなわち愛情を与えなかったのです。実験の結果はおそろしいものでした。子どもたちは、愛情を示してもらえず、言葉もかけてもらえず、誰ひとりとして育ちませんでした。全員が1歳の誕生日を迎えることなく亡くなったそうです。
心理学者ルネ・スピッツの実験
フリードリヒ2世と同じように心理学者のルネ・スピッツ(1887-1974)も、戦争で孤児になった乳児55人に対し、人間的スキンシップを一切行わない実験をしました。その結果、55人中、27人が2年以内に死亡。残った子どもも17人が成人前に死んでしまい、11人は成人後も生き続けましたが、その多くには知的障害や情緒障害が見られたとのことです。
20世紀初頭の欧米の孤児院での状況
20世紀初頭の欧米の孤児院でも赤ちゃんの死亡率が高かったようです。そのころの最新の育児法は、理性的な子育てのために子どもにあまり触れないというものでした。
裕福で最新の育児法を取り入れている孤児院では、従来通り赤ちゃんを抱いたりあやしたりしていた貧乏な孤児院に比べ、子どもの死亡率がはるかに高かったといわれています。
赤ちゃんの成長にはスキンシップが欠かせない
フリードリヒ2世やルネ・スピッツの実験、20世紀初頭の孤児院での死亡率からわかるのは、赤ちゃんにとってスキンシップは欠かせないということです。
泣くという行為は言葉の話せない子どもの唯一のコミュニケーション方法です。これを無視すると子どもの情緒に大きな影響を与えるだけでなく、子どもが生命の危機にさらされる可能性すらあるのです。
一説では、スキンシップには成長ホルモンの分泌を促す働きがあるともいわれます。成長ホルモンには新陳代謝を高める、疲労を回復させる、肉体を再生させるなどの働きがあります。成長ホルモンの分泌が悪くなると、赤ちゃんの成長に悪影響が出るのです。
最近では、思春期にキレやすい子が問題視されています。乳幼児のころにスキンシップが不足していた子どもは、衝動的に攻撃する傾向が強くキレやすいという説もあるようです。
赤ちゃんとのスキンシップにはふれあい遊び歌がおすすめ!
赤ちゃんのお世話をしていると、抱っこや授乳など、無意識のうちにスキンシップをとっているものです。赤ちゃんともっとコミュニケーションを楽しみたいというママやパパもいるでしょう。しかし。まだネンネの時期の赤ちゃんとどのようにスキンシップを取って遊べば良いか迷う方もいるかもしれません。
ネンネの時期には、ふれあい遊び歌がおすすめです。ふれあい遊び歌には、赤ちゃんが小さいうちから実践できるものが多いですよ。成長するにつれ、赤ちゃんが笑ったり身体をよじらせたりと反応が増えてくるので、親子で楽しんでみてください。
らららぞうきん
自治体の赤ちゃん学級などでも紹介されることの多い、赤ちゃんとのふれあい遊び歌です。赤ちゃんをぞうきんに見立て、全身をさわったりくすぐったりして遊ぶことができます。赤ちゃんを寝かせた状態で遊べるので、生後1ヶ月頃から実践できますよ。
きゅうりができた
赤ちゃんをきゅうりに見立て、洗ったり塩もみをしたりします。少し月齢が上がった赤ちゃんも喜ぶふれあい遊びです。
赤ちゃんとのスキンシップに関するおすすめ本
スキンシップは赤ちゃんや子どもが喜ぶあそびのひとつです。スキンシップをすることで、親子にとってさまざまなメリットがあるということをコンセプトに、さまざまな触れ合いが紹介されています。今すぐに行えるとても簡単なスキンシップを試してみましょう。
スキンシップを親子で楽しんで!
過去の実験からもわかるように、赤ちゃんの成長にとってスキンシップは大切なことです。赤ちゃんの心と身体が正常に成長するためにスキンシップは欠かせません。
育児に家事に仕事にと忙しい毎日のなかで、赤ちゃんとゆっくりスキンシップを取ることができないと気になっている方もいるかもしれません。しかし、抱っこや授乳など日々のお世話をしながら赤ちゃんに声を掛けてあげたり、赤ちゃんに触れたりすることは、立派なスキンシップです。ママやパパのペースで赤ちゃんとスキンシップを取るようにしましょう。
赤ちゃんとスキンシップを取ると、ママやパパの気持ちが癒やされることもあるでしょう。赤ちゃんとふれあうなかで、赤ちゃんの成長を感じられることもあるかもしれません。普段のお世話やふれあい遊びなどで、赤ちゃんとのスキンシップを楽しんでくださいね。
※この記事は2022年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。