胎児ドックとは?どんなことがわかる?検査方法や費用について解説
お腹の中の赤ちゃんに異常がないかを調べる「出生前診断」に関心があるママやパパは多いのではないでしょうか。出生前診断にはいくつかの種類があり、なかでも身体への負担が少ない検査として実施されているのが胎児ドックです。胎児ドックとはどのような検査なのか、その方法や検査でわかることなどについて解説します。
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目次
胎児ドックとは?
出生前診断のひとつ
胎児ドックは、お腹の中の赤ちゃんの状態を知るために行う「出生前診断」のひとつです。出生前診断は超音波検査と染色体検査に大きく分けられており、胎児ドックでは超音波検査が用いられます。
ここでわかるのは、主に胎児の形態学的な先天異常です。四肢や顔面、骨格をはじめ、臓器の異常を調べられます。
通常の超音波検査より精度が高い
超音波検査は妊婦健診でも行われますが、妊婦健診の場合は「一般超音波検査」、胎児ドックの場合は「精密超音波検査」と違いがあります。精密超音波検査では、より立体的に胎児の状態を確認できるのが特徴です。
精密超音波検査は胎児ドックのほかに「胎児形態スクリーニング」や「胎児エコー」と呼ばれることがあります。
胎児ドックでわかることは?
妊娠初期(妊娠10週〜13週)
妊娠初期の胎児ドックでは頭部、顔面、脊柱、心臓、肺、四肢や発育などを確認します。ここでわかるのは無脳症や心疾患、手足の欠損などです。首の後ろのむくみや血液の流れから、染色体異常が疑われる場合もあります。この時点で外性器がうつることもありますが、胎児はまだ小さいため、精度は高くありません。
妊娠中期(妊娠18週〜20週)
身体が大きくなる妊娠中期には小脳、頭蓋および顔面、胸部、横隔膜、心臓、血管、胃、臍帯、腎臓、骨格、四肢、外性器と、初期に比べて各器官をより詳しく観察できます。各臓器や唇、血管、四肢がはっきりしてくるため、口唇口蓋裂、横隔膜ヘルニア、血管系の異常、四肢の短縮などが判明することがあります。
妊娠後期(妊娠28週以降)
基本的に確認する項目は妊娠中期と同様です。身体が発達することで、妊娠中期では見えなかった項目が妊娠後期では診断できるようになります。妊娠中期に見つかった異常の状態が変化したり、異常がなかった場所に疾患が見つかったりしていないかなども確認します。
なお、妊娠中期の検査で異常が見つかった場合には、妊娠後期の再検査を実施して今後の治療方針を固めていきます。
胎児ドックの検査方法や費用は?
胎児ドックで行う精密超音波検査は、一般超音波検査と同じように腹部にジェルを塗り、お腹の外側から胎児の様子を観察します。一般超音波検査よりも時間がかかりますが、針を刺したり腟の中に器具を入れたりする必要がなく、身体への負担が少なく済むのが利点です。
胎児ドックは自由診療です。費用は施設により異なり、妊娠初期・中期・後期で確認する項目が変わるため、同じ施設でも1回の金額が別に設定されている場合があります。一般的な施設での相場はおおむね3~5万円です。
胎児ドックを受ける前に家族で相談しよう
お腹の中にいる赤ちゃんの様子は外から見えないため、元気に育っているかどうか心配になりますね。胎児ドックで赤ちゃんの様子や状態を詳しく知ることができれば安心につながります。
しかし、胎児ドックで何らかの病気や障害が見つかる可能性はゼロではありません。何か異常が見つかった場合、より安全な分娩方法や赤ちゃんに必要な産後のケアについて検討が進められるほか、必要に応じて追加検査や治療、大きな病院への転院が判断されます。
検査結果によっては、大きな決断に迫られるかもしれません。検査で異常がなくても、生まれた後に疾患がわかることもあります。胎児ドックを受けるときには、さまざまな可能性について事前に家族で話し合い、どのような情報を知りたいのか、病気が見つかった場合どこまで教えてもらうのかを医師に伝えるようにしましょう。
出生前診断はあくまで任意の検査のため、定期的な妊婦健診でママの健康状態や赤ちゃんの発育状況を確認することが大切です。
※この記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。