【助産師監修】お餅は何歳から食べて良い?お餅を詰まらせたときの対処法と応急処置について解説
助産師監修|お正月の定番料理といえば、おせち料理とお餅を使ったお雑煮やぜんざいですよね。なかにはお正月にお餅つきをするという方もいるのではないでしょうか。しかし、お餅を食べるときに気を付けないとのどに詰まらせてしまう危険があります。お餅は何歳から食べてよいのか、お餅を詰まらせたときの対象についても解説します。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
お正月といえばお餅
お正月の定番といえばお餅ですよね。ただ、非常に糖質の豊富なお餅は、食べすぎると太る原因になってしまうのでママやパパ、子どもたちには少しだけ注意が必要です。
そして、もうひとつ注意が必要なのは、お餅は飲み込みにくいことです。噛む力や飲み込む力の弱い小さな子どもやお年寄りがお餅をのどに詰まらせる事故は、よく起こっています。
消費者庁も注意喚起「もちによる窒息にご注意!」
消費者庁は、お餅による窒息を防ぐために「子ども安全メールfrom消費者庁」で注意喚起を行ったことがあります。特に子どもは、歯が生えそろっていなかったり、飲み込む力が弱かったり、遊び食べをしたりするので、それが原因でお餅による窒息事故が多く発生してしまうそうです。
お餅を食べさせてもよい目安は?
消化できる?
お餅はもち米を蒸して杵と臼で叩いてつぶしてできるため、そのままもち米を食べるよりも消化が良いとされています。消化の面だけで考えると、離乳食を食べている小さな子どもが食べても問題はないでしょう。
しかし、離乳食が始まっていればどんな子でも食べられるというわけではありませんので、子どもの様子や状況などをよく見てからお餅を食べさせても良いか判断してくださいね。
噛み切れる?
お餅は大きなかたまりのまま飲み込んでしまうとのどに詰まる心配があります。したがって、奥歯が生えそろって、食べ物をすりつぶして食べられるようになったころから与えてください。ただ、奥歯が生えていても、噛まずに飲み込む癖のある子どもにはお餅は控えたほうが良いでしょう。
お餅を子どもに与えるときは、まずは一口大よりも小さく、豆粒ほどの大きさにカットしてから与えるようにしてください。
熱いものを食べられる?
お餅は冷ましてしまうと固くなって食べづらくなってしまいます。それだけでなく、冷めて固くなったお餅は消化も悪くなってしまうといわれています。そのため、子どもがやけどをしないある程度の熱さになってから与えると良いかもしれません。
ママやパパのお話が理解できる?
お餅を食べさせるのは、「よく噛んでね」や「ゆっくり食べてね」などママやパパが話しかけた言葉をきちんと理解し、行動に移せるようになってからの方がより安心できるでしょう。ただ、子ども自身が気を付けて食べられるようになっても、ママやパパはお餅を食べている子どもから目を離さないようにしましょう。
お餅は何歳から食べさせて良い?
お餅を食べさせる年齢は、上記の条件を満たす3歳頃を目安にすると良いといわれています。肉やおせんべいなど、固いものを噛んで食べられるようになっていることが目安になります。もちろん個人差はありますので、上記の条件をある程度満たしていれば、年齢にかかわらずママやパパの判断でお餅を食べさせてあげても問題はありません。
ただ、お餅を食べさせる上で大切なことは、子どもの年齢や発育状況ではなく、ママやパパが子どもから目を離さずに見守ってあげることです。お餅を食べさせるときは、いつも以上に子どもの食事の様子を注意深く見守りましょう。そして、与える前にもう一度、窒息の危険があるお餅を食べさせなければならないのかを考えてみましょう。
もし、お餅がのどに詰まったら「まず119番」
万が一、お餅が子どもののどに詰まってしまったら速やかに「119番」に電話をしてください。ママやパパ自身でお餅を取り除くことができて窒息死に至らなくても、低酸素状態が長時間続いてしまうと、身体麻痺などの後遺症が起きる可能性があります。早めに医療措置がとれるよう、救急車を呼んでおきましょう。
119番に繋がったら、お餅による窒息、子どもの年齢や状態、お餅をいつ、どれくらいの量を食べて窒息したのか、住所と氏名、すぐに連絡の取れる電話番号を落ち着いて伝えましょう。
ママやパパができる応急処置
119番への電話と並行して行いたいのが、ママやパパ自身でできる応急処置です。119番に電話をすると、電話口の救急隊員の方が応急措置の方法を教えてくれる場合もあります。万が一のときに落ち着いて行動できるよう、いくつかの応急措置の方法を知っておくと良いでしょう。
背部叩打法
まず、ママやパパなど救済者の片腕に乳児(1歳未満の子ども)をうつぶせにのせ、手のひらで乳児のあごを支えつつ、頭を身体よりも低く保ちます。
その後、もう一方の手のひらの基部で、背中の真ん中を数回強くたたく方法です。(※1)
胸部突き上げ法
片手で体を支え、手の平で乳児の後頭部をしっかり支えます。心肺蘇生法の胸部圧迫と同じやりかたで圧迫します。
日本小児呼吸器学会は詳しい方法をイラスト付きで掲載しておりますので、チェックしてみてくさいね。
NGな応急処置は?
もう一点知っておきたいのがNGな応急処置です。良かれと思って行った応急処置でさらに状況が悪化する可能性があるので、注意してください。
腹部突き上げ法
腹部突き上げ法はみぞおちを突き上げてのどに詰まったものを取り出す、窒息の応急処置の一般的な方法です。1歳未満の子どもでは、みぞおちを突き上げると内臓破裂などの損傷を伴う可能性か高いため行いません。
指で取ろうとする
のどに詰まったお餅が見えていても、指で取ろうとするのは避けたほうが良いでしょう。かえって、お餅がのどの奥に入り込んでしまう可能性があるのでとても危険です。
意識がない場合は?
意識がない場合は、心肺蘇生法を実施しましょう。まずは2分間、5サイクルの心肺蘇生法を行ってください。心肺蘇生法はなるべく硬い床の上で行ってくださいね。
1.声をかけながら足の裏を叩く。幼児(満1歳から小学校就学前)は成人と同じで、両肩をやさしく叩く。
2.119番とAEDを依頼する。(ひとりの場合はママやパパ自身が119番をする。)
3.胸とお腹の動きを見て呼吸を確認する。
4.両乳首の間を胸の約1/3の深さまで強く押し込み、1分間に100回以上のペースで胸骨圧迫を繰り返す。両手の付け根でしっかり圧迫するようにする。
5.あごを上げ、 頭を後ろに曲げて、 顔は少しのけぞるようにして人工呼吸を行う。(できない場合は無理にしなくても良い。)
6.4と5を胸骨圧迫30回:人工呼吸2回の割合で繰り返す。
7.到着次第、AEDパッドを装着する。
8.泣き出すか、救急隊と交替するまで続ける。
(※2)
お餅の事故に気を付けよう
お餅はお正月にはさまざまな料理で登場し、お餅が大好きな子どもたちも多いのではないでしょうか。しかし、食べ方や子どもの年齢によってはお餅をのどに詰まらせて事故につながる危険性があります。子どもがお餅を食べるときは必ずママやパパが見守ってくださいね。
※この記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。