フレネ教育とは?日本でも受けられる?対象年齢は?内容&教具やメリット・デメリットを紹介

フレネ教育とは、モンテッソーリ教育など日本でも広まっているオルタナティブ教育に大きな影響を与えたとされる教育法です。現代の学校教育に合わせ今もなお発展を続けるフレネ教育とは何か、理念や内容、メリット・デメリットについて解説します。日本でフレネ教育を実践している学校もあわせてご紹介します。

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目次

  1. フレネ教育とは?
  2. フレネ教育の対象年齢は?
  3. フレネ教育の内容&教具は?
  4. フレネ教育にデメリットはある?フレネ教育のメリット・デメリット
  5. フレネ教育は日本のどこで受けられる?
  6. フレネ教育のおすすめ本
  7. フレネ教育で子どもの可能性を広げよう
  8. あわせて読みたい

フレネ教育とは?

フレネ教育とは、フランスで小学校の教員をしていたセレスタン・フレネにより考案された教育法です。子どもたちの一人ひとりの個性を大切にし、自由な表現を引き出すために一斉授業は行わず、個人学習を奨励しています。

手仕事や印刷機を取り入れるなど学校教育の現代化に貢献したフレネ教育は、ヨーロッパをはじめ世界38ヶ国に広まっています(※1)。日本では1980年代に研究会が発足しました。画一的な教育法にとらわれず、社会的環境や教育風土に合わせて発展しながらさまざまな形で実践されています。

フレネ教育の対象年齢は?

フレネ教育では、異年齢の子どもたちが同じ環境で学ぶ縦割りのクラスで編成されています。フレネ教育発祥の地である南フランスのフレネ学校では、3~5歳、6~7歳が中心のクラス、8~11歳までの3クラスで運営されています(※2)。

日本では、保育園・幼稚園から小学校までの年齢の子どもたちがフレネ教育で学んでいますよ。

フレネ教育の内容&教具は?

自分たちで作る教科書

フレネ教育は実体験から得た気づき・興味・関心をもとに、自分自身で考え、主体的に学び、自由に表現することを重視しています。そのため、学習指導要領に基づいて作られた既成の教科書は使いません。

代わりに、自然や町の暮らしを観察して気づいたことをまとめ、自分たちで教科書を作りあげます。これを「自由作文」と呼びます。子どもたちは作った自由作文をみんなの前で読み上げます。その中で一番支持を集めた作文がテキストとして採用され、教室に備え付けた印刷機で印刷されるのです。

自分で作った作文が活字となり、みんなに読まれる状態となることが子どもたちのモチベーションになり、表現する意欲を生み出しています。

活動計画表に基づく授業

フレネ教育は暗記を中心とした授業ではなく、子どもたちの自己表現や考える力を最大限に伸ばすことを考え、一斉授業を廃止しました。

子どもたちは自分自身で活動計画表を作成し、自分のペースで学習の進み具合を管理します。わからないところを教師に質問するというスタイルなので、主体性をもって学習に取り組めます。

計画表通りに進んでいるかを子どもたちは毎日自分でチェックして、2週間ごとに自己評価をみんなに公表します。その成果が適正かみんなで話し合い、最終的な評価を決定するのもフレネ教育の特徴のひとつです。

社会を学ぶ取り組み

フレネ教育では「子どもは自分が役立ち、自分に役立ってくれる理性的共同体の内部で、自己の人格を最大限に発展させる(※3)」と考え、子どもたちが社会に属する一員であることを学ぶ取り組みも行っています。

その活動のひとつが、生徒による自治組織の運営です。生徒から集めた会費をもとにケーキや学校通信を作って販売し、その売り上げを組織の運営資金にあてるというもので、計画や決定は生徒自身が行います。

フレネ教育ではこうした活動を通じ、責任感を持って自分の役割を果たすことを覚え、自立した大人になるための基礎を築いています。

フレネ教育にデメリットはある?フレネ教育のメリット・デメリット

フレネ教育のメリット

フレネ教育は自分の興味や関心から学び表現することを大切にしているため、自主性や表現力が育まれます。異年齢クラスや自治組織の運営により、子どものうちから社会性を身につけられるという利点があります。

人の意見に耳を傾け話し合いをする機会が多いことから、相手を尊重しながら意見を交換するコミュニケーション能力も磨かれます。お互いを認め合う関係性が構築されることで自尊心が育ち、自己肯定感が形成されるのもメリットといえるでしょう。

フレネ教育のデメリット

フレネ教育のデメリットとして、日本では公立で認可されている教育機関がなく、フレネ教育の実践園・実践校が少ないことがあげられます。同じフレネ教育の理念を掲げながらもそれぞれが独自の教育活動を行っているため、子どもに合う・合わないをしっかりと検討したほうが良いでしょう。

学習指導要領に沿った学習を求めていたり受験を検討していたりする家庭の場合は、各家庭での対策が必要になってきます。

フレネ教育は日本のどこで受けられる?

箕面こどもの森学園

大阪府箕面市で認定NPO法人コクレオの森が運営するオルタナティブスクールです。生きていくために必要な読み書きや計算、自分を伝えるために必要な表現や子ども哲学など、フレネ教育やイエナプラン教育をベースにした教育を実践しています。

在籍しているのは小学1年生~中学3年生までの子どもたちですが、募集人員は年度によって違うため事前に確認しておきましょう。

けやの森学園

埼玉県狭山市にある幼稚舎・保育園です。自然に触れて身体で学ぶ体験、心を鍛える仏教教育、社会を作るフレネ教育を教育方針に掲げています。

詩や絵の創作活動、自然遊び、縦割り保育と、子どもたちの豊かな感性を磨き育む取り組みを通じて生きる力を養います。小学1年~6年生までを対象とした学童クラブも運営し、保育園児と年長者との触れ合いの時間を設けているのも特徴です。

ジャパンフレネ

東京都豊島区にあるフリースクールです。6~18歳までの子どもが集います。個性教育を掲げ、子どもが興味・関心を示したものから学びを引き出します。日本語、数学の基礎学習以外は自分で作成したスケジュール表をもとに学習します。散歩の授業や科学実験教室、英会話などにも取り組んでいますよ。

フレネ教育は家庭でも実践できる?

フレネ教育が大切にしていることに文章で表現することがあります。小さいうちから本の読み聞かせを通じて、子どもが文字や言葉に興味を示すよう働きかけていきたいですね。

文章を書き始めるのは3歳からです。自分で見たもの聞いたことを文章にしたら、声に出して読み上げてみましょう。子どもの作文に対して、ママやパパが意見を伝えることもフレネ教育の大事な要素です。

習いごとや宿題などの目標を自分で決めて管理することもフレネ教育につながります。ママやパパと意見を交換しながら、計画を立てて実践してみてはいかがでしょうか。

フレネ教育のおすすめ本

世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書

世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書
¥1,760〜(2023/10/10 時点)

発売日:2019年06月
著者/編集:おおた としまさ(著)
出版社:大和書房

世界で支持される教育法を集めた書籍です。フレネ教育だけではなく、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、レッジョ・エミリア教育などの教育法について解説しています。それぞれの教育法の違い、子育てにいかせるヒントが満載です。

ヴァンスのフレネ学校

ヴァンスのフレネ学校 学校形式の再構築に向けて
¥5,500〜(2023/10/10 時点)

発売日:2020年08月
著者/編集:アンリールイ・ゴ(著), 阿部一智(訳)
出版社:ひとなる書房

フレネ教育を小学校で実践したフランスの学者による研究本です。フレネ教育の基本的な概念と自由作文、個別学習、学習計画などの実践論についてまとめられています。世界に通用する人になるための教育法として、深く理解したい人におすすめです。

フレネ教育で子どもの可能性を広げよう

フレネ教育を日本で専門的に取り入れている教育機関は多くありませんが、日本でフレネ教育の普及に貢献しているフレネ教育研究会では、多くの教育関係者がフレネ教育の技法を学び裾野を広げています。そうして技法を学んだ教師たちが、授業の中でフレネ教育を実践している事例も見られますよ。

主体的に学ぶこと、社会の一員として考えることは生きていくために欠かせない力です。フレネ教育を通じて、子どもの可能性を広げながら自立した大人へと導いていきたいですね。

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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