茶色いおりものや出血が生理前後に出るのは病気?妊娠初期症状?においやかゆみがあると危険?

おりものが茶色く変色して驚いたことはありませんか。普段は透明や白の場合が多いため、身体に異常があるのではないかと不安に感じる人も多いのではないでしょうか。おりものは、生理や妊娠、病気など、さまざまな情報を与えてくれます。ここでは、おりものが茶色になる原因や病院に行く目安、病気の予防法を解説します。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. おりものとは?
  2. おりものは何のためにある?
  3. 正常なおりものはどんな色?
  4. おりものが茶色になる原因4つ
  5. 生理前後に茶色のおりものが出るのは異常?
  6. 茶色のおりものが妊娠や出産の兆候になることも
  7. ストレスや生活習慣の乱れが原因の場合も
  8. 茶色いおりものと病気の可能性
  9. 茶色いおりものからわかる腟の病気
  10. 茶色いおりものからわかる子宮の病気
  11. 茶色いおりものが出たらどうする?病院に行く目安は?
  12. 不正出血を予防するには?
  13. おりものシートを上手に活用しよう
  14. においやかゆみ、痛みも合わせてチェックして、早く病気に気付こう
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おりものとは?

おりものは、子宮内膜や子宮頸管(しきゅうけいかん)、腟壁、皮脂腺、汗腺などの分泌物が集まってできた液体です。女性ホルモンのはたらきによって分泌されます。

おりものは何のためにある?

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自浄作用がある

おりものには、「自浄作用」と呼ばれる役割があります。自浄作用によって、腟が清潔でうるおいのある状態に保たれるとともに、細菌が腟から身体に入ってくるのを防ぐことができます。

受精を促進する

排卵期になると、おりものは透明で伸びやすいゼリーのような状態になり、精子が卵子のもとに到達するのを助けてくれます。これによって受精が促されます。

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出産をサポートする

妊娠後期~臨月には、おりものの分泌量が増加しやすい傾向があります。おりもののはたらきによって産道がうるおい、赤ちゃんが母体から出てきやすい状態になります。

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正常なおりものはどんな色?

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通常のおりものは、透明や半透明、白、クリーム色です。女性ホルモンのはたらきによって毎日少しずつ変化しています。黄体期には白く濁った状態になり、下着にこびりついて黄色く見える場合もあるでしょう。

白濁色でカッテージチーズのようにボロボロした状態の場合や、鮮やかな黄色や黄緑に変化している場合には、病気の可能性があります。おりものの異変を見逃さないようにしましょう。

おりものが茶色になる原因4つ

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おりものが茶色になるのは、酸化した血液がおりものに混ざるためです。血液が混ざる原因としては、主に次の4つが考えられます。

1.生理による出血
2.妊娠初期の「着床出血」や臨月の「おしるし」
3.ホルモンバランスの乱れによる不正出血(機能性出血)
4.腟や子宮の病気による不正出血(器質性出血)

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生理前後に茶色のおりものが出るのは異常?

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生理前後は、生理の経血の影響でおりものが茶色くなりやすい傾向があります。生理前後の数日間に茶色いおりものが出たとしても、その後すぐに普段のおりものの状態に戻る場合には、それほど心配する必要はないでしょう。茶色いおりものが長期間出続けるときは病院へ行くことをおすすめします。

茶色のおりものが妊娠や出産の兆候になることも

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妊娠超初期~初期は茶色いおりものが出やすい時期

妊娠すると、着床時に子宮内膜が傷ついて出血する「着床出血」が起こったり、胎児が成長するときに子宮内の毛細血管が切れて出血したりすることがあります。出血すると血液が体内で酸化しておりものに混ざり、茶色くなって出てくる場合があるでしょう。

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臨月の茶色いおりものは「おしるし」の可能性も

妊娠後期~臨月には、出産が間近であることを知らせる「おしるし」の影響で、おりものが茶色や赤、ピンクになることがあります。少量のおしるしの場合には、慌てずに様子を見ることが大切です。陣痛が始まったりや破水したりしたら、すみやかに病院に連絡しましょう。

また、婦人科健診の直後には、検査器具によって性器に傷がついて出血する「内診出血」が起こる場合もあります。出血量が多すぎる場合を除いては、落ち着いて様子を見ましょう。

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ストレスや生活習慣の乱れが原因の場合も

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ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れてしまうと、「機能性出血」と呼ばれる不正出血が起こる場合があります。代表的なものとしては、排卵されずに出血する「無排卵月経」や、黄体の機能が低下して女性ホルモンが正常に分泌されなくなる「黄体機能不全」による出血があげられます。

これらの出血によって血液がおりものに混ざると、おりものが茶色くなる可能性があります。おりものの色の変化に加えて、生理前に出血が続く、生理周期が短くなって月に何度も来る、といった症状がある場合には、ホルモンバランスが影響しているかもしれません。

生活習慣を整えたり、ストレスを発散したりすることで良くなる場合もありますが、症状がなかなか良くならないときは病院に相談しましょう。

茶色いおりものと病気の可能性

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病気が原因で起こる不正出血のことを「器質性出血」と呼び、器質性出血が原因でおりものが茶色くなることがあります。「器質性出血」が起こる可能性のある病気には、進行すると不妊の原因になるものや、命に関わるものもあります。できるだけ早く異常に気付いて治療を始めることが大切です。

茶色いおりものからわかる腟の病気

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萎縮性腟炎

「老人性腟炎」とも呼ばれる「萎縮性腟炎」は、更年期にかかりやすい病気であるといわれています。萎縮性腟炎になると、女性ホルモンの分泌量が低下することにより腟壁が萎縮・乾燥し、腟内に細菌が繁殖しやすくなります。炎症が起こって腟が傷つきやすい状態になるため、性交時に出血を伴うのが特徴です。

性交時出血に加え、悪臭のある茶褐色や赤褐色、ピンクのおりものが出たり、細菌の影響でおりものが黄色っぽく見えたりする場合には、萎縮性腟炎の可能性があるでしょう。

細菌性腟症

「細菌性腟症」は、特定の原因菌が特定されない腟の病気で、「非特異性腟症」とも呼ばれています。灰色がかった水っぽいおりもので、腐敗臭がある場合が多いですが、不正出血を伴う場合には、血液が混ざって茶褐色や赤褐色に見えることもあるでしょう。

症状として下腹部痛を伴う場合がありますが、ほとんど症状がないことが多いため、おりものの変化に気を付けることが大切です。子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎につながる場合があるほか、妊娠後期に細菌性腟症になると、早産や新生児の病気のリスクが高まるともいわれています。免疫システムの働きを良い状態に保ち、細菌に感染しにくい身体を作りましょう。

茶色いおりものからわかる子宮の病気

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子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)

子宮頸管が性交や外的刺激の影響で細菌に感染し、炎症が起こってしまうことを「子宮頸管炎」と呼びます。子宮頸管炎になると、おりものが不正出血の影響で茶色くなったり、膿状になったり、性器にかゆみが出たりする可能性があります。

子宮内膜炎や骨盤腹膜炎などに進展することがあり、その場合には腹痛や発熱を伴うことが多いです。

子宮頸管ポリープ

「子宮頸管ポリープ」は、子宮と腟をつなぐ子宮頸管にできる腫瘍です。良性の場合が多いですが、まれにがんの場合もあるといわれています。

子宮頸管ポリープの組織は充血しやすく、傷つきやすいため、ちょっとした刺激でも出血しやすくなる傾向があります。性交や排便、運動による刺激で出血したり、悪臭のある茶褐色や赤褐色のおりものが出たりするときは、子宮頸管ポリープを疑って良いでしょう。通院すれば、内診の際に簡単な処置により切除してもらうことも可能です。

子宮頸がん

子宮頸がんは、「子宮頸部」と呼ばれる子宮の入り口部分にできるがんです。症状としては、おりものが茶褐色や赤褐色に変化し、悪臭を伴うようになることに加え、性交時の出血や、月経時の経血量の増加があげられます。

早く発見することができれば治療しやすく、完治する場合もある病気ですが、進行してしまうと治療が難しくなるといわれています。おりものの変化や不正出血がないかを確認するとともに、定期的にがん検診を受け、早期に発見できるようにしましょう。

子宮体がん

子宮体がんは「子宮内膜がん」とも呼ばれており、子宮内膜にできるがんです。代表的な症状としては不正出血があるほか、排尿時や性交時の痛みや骨盤の周辺の痛みを伴うことがあります。

おりものが茶褐色や赤褐色になるとともに、悪臭がしたり、膿のような状態になったりした場合には、子宮体がんが原因かもしれません。特に、閉経後にも出血が続く場合には、子宮体がんの検査を受けると良いでしょう。

子宮筋腫

子宮の内側や子宮の筋肉の中、子宮の外側にできる良性の腫瘍のことを「子宮筋腫」と呼びます。子宮筋腫の代表的な症状は経血量の増加と月経痛ですが、不正出血や頻尿、腰痛などの症状を伴う場合があります。不正出血を伴う場合には、おりものが茶色くなることがあるでしょう。

子宮内膜症

子宮以外の場所に子宮内膜の組織ができてしまう「子宮内膜症」も不正出血を伴う病気です。病気が進行すると激しい月経痛や貧血といった症状が出たり、不妊につながったりする場合があります。おりものの変色や月経痛、貧血に気付いた場合は、医師に相談しましょう。

子宮腟部びらん

子宮腟部の内側にある粘膜が外に広がっている状態のことを「子宮腟部びらん」と呼びます。子宮腟部びらんは、女性ホルモンの分泌が活発な時期には誰もがなりうる状態ですが、おりものが多すぎて不都合なときや不正出血が多いときは治療を行います。

出血していない場合は、粘り気のある白や黄色のおりものが大量に出る場合が多いですが、不正出血を伴う場合には、茶褐色や赤に変色する可能性があるでしょう。

茶色いおりものが出たらどうする?病院に行く目安は?

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生理前後の出血やホルモンバランスの乱れなどによる一時的な変色の場合は、しばらく様子を見てもとに戻るようなら病院に行かなくても良いでしょう。しかし、次のような症状が出た場合には、必ず病院に行ってください。

茶色いおりものが長期間続く、あるいは大量に出る

茶色いおりものが何日も続く場合や大量に出る場合には、病気が原因で出血しているのかもしれません。生理前後や妊娠初期であっても、一時的な出血で治まらないときは病院に行きましょう。

においや状態など、色以外の変化もある

おりものから悪臭がする、膿のように見えるといった変化がある場合には、身体に異常が生じている可能性があります。おりものの色だけでなく、においや状態にも注意しましょう。

性交時の出血や陰部の腫れ、かゆみがある

おりものの変化に加え、性交時の出血や陰部の腫れ、かゆみといったほかの症状があるときは、病気が原因で不正出血を起こしている可能性が高いでしょう。すみやかに病院に行き、検査を受けてください。

不正出血を予防するには?

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病気やホルモンバランスの乱れによる不正出血を防ぐためには、基本的な生活習慣を整えたり、ストレスをためないようにしたりすることがもっとも大切です。十分な睡眠と適度な運動、栄養バランスのとれた食事で、免疫の働きを良くするよう心がけましょう。

また、ホルモンバランスが乱れている場合は、ナッツ類やアボカド、植物油などに多く含まれるビタミンEや、大豆イソフラボン、マカと呼ばれる植物に含まれる成分などを積極的に摂取すると良いでしょう。ただし、体質により効果がない人もいるので注意が必要です。


おりものシートを上手に活用しよう

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おりものの色が変色すると、下着についたときに目立ってしまい、洗うのが大変ですよね。下着の汚れが気になる場合は、おりものシート(パンティライナー)を使うと便利ですよ。

おりものは、長時間放っておくとにおいが強くなってしまったり、細菌が繁殖しやすくなったりします。おりものシートはこまめに取り換え、下着の中をできるだけ清潔に保ちましょう。

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においやかゆみ、痛みも合わせてチェックして、早く病気に気付こう

おりものが茶色いからといって、必ずしも身体に異常があるとは限りません。しかし異常があるのに放っておくと、病気が進行してしまうかもしれません。

おりものの色だけでなく、においや状態、かゆみ、性交痛といったほかの症状もチェックすることで、病院に行くかどうか判断しやすくなります。病気の症状と重なる場合には、すみやかに病院に行って治療を始めましょう。

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