シャフリングベビーとは?原因やその後の成長の特徴は?リハビリもできるの?
シャフリングベビーとは、ハイハイではなく座ったまま前に進む赤ちゃんのことを指します。シャフリングベビーは歩行開始が遅れやすいことから、発達に問題がないかと心配するママやパパは多いでしょう。ここでは、そんなパパやママの疑問にお答えすべく、シャフリングベビーの動画紹介や原因、発達障害との関係について解説します。
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目次
シャフリングベビーとは?特徴を動画で見てみよう!
シャフリングベビーとは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、いわゆる「いざりっ子」のことを指します。シャフリングとは引きずるという意味の「shuffle」に由来する言葉です。シャフリングベビーは、手を床につけずに座ったまま前に進みます。
まずはシャフリングベビーの特徴を動画で見てみましょう。動画に登場する赤ちゃんは、あぐらの姿勢でお尻と足を使って飛ぶように動き、前に進んでいます。
シャフリングベビーの特徴
赤ちゃんは、ハイハイをするときに両手両足を使って移動します。一方、シャフリングベビーは、お座りの姿勢から両足で床を漕いだり、お尻を動かしたりして移動するのが特徴です。
多くの赤ちゃんがお座り、ハイハイ、つかまり立ちという発達過程をたどりますが、シャフリングベビーの場合はシャフリングからにつかまり立ちに移行します。そのため、シャフリングベビーは歩き始めるのが遅い傾向にあります。
シャフリングベビーは発達のひとつのバリエーションなので、ハイハイをしなくてもあまり心配する必要はありません。
シャフリングベビーにみられるそのほかの特徴は次の通りです。
・うつ伏せを嫌がる
・床に立たせようとしても足をぴょんぴょんしない
・寝返りの時期が遅い、または寝返りをしない
・足を床につけることを拒否する
・両親やきょうだいがシャフリングベビーだった
・抱っこのときに足を曲げたまま伸ばそうとしない
シャフリングをする時期
シャフリングをする時期は、お座りから伝い歩きまでのあいだです。おおむね生後8ヶ月頃から見られます。シャフリングベビーは歩き出すのが遅い傾向にあり、1歳半を越えてもシャフリングをしていることがあります。
歩き始めるのが遅いと心配するパパやママも多いですが、シャフリングベビーのほとんどはその後問題なく成長しています。
シャフリングベビーの原因は?
シャフリングベビーになる原因は何か、さまざまな意見がありますが、実はまだ専門家のあいだでもよくわかっていません。ここでは、あくまでも可能性としてシャフリングベビーの原因と考えられることについてお伝えします。
うつぶせが嫌い
赤ちゃんのなかにはうつぶせが苦手な子もいます。パパやママがうつぶせの体勢に変えても、すぐに寝返りをしてお座りに戻ってしまいます。うつぶせの姿勢が保てないため、なかなかハイハイをしたがりません。
特に体重が重い赤ちゃんはうつぶせが苦手なケースが多いといわれていますが、うつ伏せが嫌いでも発達上問題があるわけではありません。気になるようであれば、うつぶせに慣れるための練習をしてみても良いでしょう。ただし、赤ちゃんが極端に嫌がる場合は無理強いしないでくださいね。
臆病で慎重派の子どもが多い
シャフリングベビーは赤ちゃんの性格が関係しているといわれています。臆病で慎重な赤ちゃんは、安定したお座りの体勢が心地良く、ハイハイで動き回ることに消極的なことがあります。シャフリングはその赤ちゃんの個性として受け止めてはいかがでしょうか。
シャフリングに赤ちゃんがメリットを感じている
シャフリングベビーは、座ったまま移動できるようになると、その術をどんどん上達させていきます。ハイハイをしなくても自分の行きたいところに行けるので、ハイハイの必要性を感じていないことがあります。
シャフリングはハイハイと違い、両手におもちゃを持ったまま移動でき、目線が高いままで周りを見渡せます。赤ちゃん自身がシャフリングにメリットを感じているのではないでしょうか。
厚着をしている
1980年代に福岡県で行われた3,206名の赤ちゃんを対象にした調査では、5月から9月のあいだに生まれた赤ちゃんにシャフリングベビーの割合が多いことがわかりました。
5月から9月に生まれた赤ちゃんは、ちょうど冬にハイハイの時期を迎えます。ハイハイの時期に厚着で過ごすことが増えるので、腹ばいや身体を自由に動かすことが阻まれるのではないかという意見があります。
シャフリングベビーはリハビリできるの?
シャフリングベビーは正常な発達の範囲であると考えられています。しかし、運動発達が遅く不安がある場合や、健診時に医師や保健師に薦められた場合はリハビリを検討しても良いでしょう。
シャフリングベビーのリハビリは、全国に各地にあるリハビリテーションセンターや療育センター(地域によって名称は異なる)などで実施されています。施設では乳幼児の発達について相談できるので、シャフリング以外に気になる発達上の問題がないか、リハビリの必要性の有無など、専門家に一度見てもらいましょう。
リハビリの内容は赤ちゃんの状況や施設の方針によって異なります。誘発帯と呼ばれるツボのようなものを押して筋肉の反射を促す方法や、トランポリンなどの器具を使う方法など、さまざまなアプローチがあります。医師、理学療法士、作業療法士などの専門家が中心になって進められます。
リハビリと聞くと苦しくつらいものをイメージしてしまいますが、シャフリングベビーのリハビリは遊びを通して行われることも多いです。見学や相談だけでも対応してくれる施設もあるので、一度問合せてみてはいかがでしょうか。
シャフリングベビーは発達障害と関係があるの?
シャフリングベビーについての研究はまだ十分ではありませんが、少なくとも全体の赤ちゃんの約1%の割合でシャフリングベビーがいるといわれています。ほとんどのシャフリングベビーは、歩行が始まってからはほかの子どもと同じように問題なく発達するといわれています。
シャフリングベビーは神経の病気がある赤ちゃんや自閉症・発達障害の赤ちゃんに多いといわれているので、心配になるパパやママは多くいます。しかし、シャフリングベビーだからといって必ずしも病気や障害があるとは限りません。
何らかの病気や障害が原因として疑われる場合は、シャフリング以外の特徴がないか見てみましょう。たとえば、ミルクやおっぱいの飲みが弱い、あまり泣かない、視線があわない、手や足の使い方が不自然であるなどです。気になることがあれば医師や保健師に相談してみましょう。
シャフリングベビーのその後の成長は?
シャフリングベビーは座ったまま移動するほか、つかまり立ちや伝い歩きがほかの赤ちゃんより遅いことでも知られています。一般的には赤ちゃんは1歳前後で歩きますが、シャフリングベビーの場合は1歳半を過ぎても歩かないことがあります。
なかなか歩かずに不安に思うママは多いですが、2歳までには歩くようになり、その後も発達上に問題がなく過ごしている子どもがほとんどです。歩行以外の発達に問題がなければ、あまり心配する必要はないでしょう。
赤ちゃんの発達は十人十色
赤ちゃんがハイハイをしないと不安になってしまうパパやママも多いでしょう。しかし、最近ではシャフリングもハイハイの一種と考えられており、あまり心配する必要はないという意見が多いようです。
子どもの発達過程は十人十色です。片足だけでハイハイをする赤ちゃんや、ずりばいから伝い歩きに移行する赤ちゃん、バタフライのような格好でハイハイする赤ちゃんもいます。シャフリングベビーも赤ちゃんの個性のひとつとして認識してはいかがでしょうか。
赤ちゃんの発達でほかに気になることがあれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。