乳がんとは?症状・検査・治療・ステージ別の生存率について解説
乳がんとは、乳腺にできる悪性の腫瘍です。日本では年々増加傾向にあり、とくに40代から50代の女性に多く見られます。しこりやただれ、湿疹、ひきつれの症状があり、セルフチェックや検査をすることで早期発見が可能です。今回は乳がんの原因、ステージごとの状態、生存率、治療法について解説します。
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目次
乳がんとは
乳がんは、乳房の乳腺という部位にできる悪性の腫瘍です。乳腺は、乳頭から放射状に張りめぐらされた、母乳を分泌するための組織です。乳腺はさらに、母乳を作る「小葉」とできた母乳を運ぶ通路になる「乳管」に分かれ、これらの細胞が異常に増殖すると乳がんになります。
乳がんは30代から増え始め、40歳代後半から50歳代前半の女性に多いといわれています。日本では年々乳がんの患者は増加傾向にあり、30歳~64歳女性の死亡原因のトップとなっています。
男性にも乳腺が存在するため、乳がんになる可能性はあります。女性に比べると数は少ないですが、他の組織に転移しやすく進行が早い傾向があります。
乳がんの原因
乳がんの原因はさまざまですが、エストロゲンという女性ホルモンが関係していることがわかってきています。体内のエストロゲン濃度が高いと、乳がんのリスクが高くなるといわれています。
一般的に初経年齢が早い人、閉経年齢が遅い人は、エストロゲンが分泌される期間が長いため、乳がん発症リスクが高いといわれています。この他にも、出産経験のない女性は出産経験のある女性よりも、月経の回数が多く、それだけエストロゲンにさらされる期間が長くなるため乳がん発症リスクが高くなっています。
また、食事の欧米化や、生活習慣の変化も、乳がんの増加に関係しているといわれています。飲酒や喫煙、運動不足、脂肪の多い食事などは、乳がんの原因のひとつとされます。
乳がんは必ず遺伝するわけではありませんが、乳がんを発症しやすい遺伝子をもつ人は、乳がん発症の可能性が上がります。家族に乳がんの既往歴がある場合、セルフチェックや乳がん検診をより注意深く行うことが推奨されます。
乳がんの症状
乳がんは自覚症状で発見されることも多い病気です。どのような症状が出てくるのでしょうか。
しこり
乳がんの症状で、代表的なものがしこりです。部位はさまざまですが、乳房や脇の下に小さなしこりがあるときは注意しましょう。一般的に、乳がんのしこりは痛みがないうえに、硬くて境目がはっきりせず、生理周期では変化しないといわれています。
しかし、初期の段階ではしこりが小さすぎて気づかないことも多いようです。また、しこりがあるからといって、必ずしも乳がんであるとは限りません。良性の腫瘍、乳腺症、皮下脂肪の塊などの可能性もあります。しこりが見つかったときは、すぐに病院でいくつかの検査をして、原因を探っていきましょう。
ただれ
乳房の一部が赤くただれる種類の乳がんも存在します。「乳房パジェット病」や「炎症性乳がん」とよばれるものです。乳頭や乳房の皮膚が赤く腫れたり、ただれたりしたときは、すぐに病院に診察してもらいましょう。
ただれの原因は乳がんではなく、乳輪炎や乳頭炎の可能性もあります。自分だけでは判断できないので、医師に検査、診察してもらいましょう。
湿疹
乳がんでは、乳頭や周辺の皮膚に、かゆみがある赤い湿疹ができることもあります。湿疹はなく、かゆみだけのこともあるようです。皮膚の治療を続けても改善しない場合は、乳がんの可能性があります。
症状が広がると、乳房全体が湿疹で覆われてしまうこともあります。診るだけでは皮膚炎と判別できないため、生検でがんかどうかを調べます。
ひきつれ
乳がんが進行すると、乳房の皮膚の一部がえくぼのようにくぼんだり、乳頭が通常とは違う方向に向いていたり、左右の形が変わったり、乳房が縮んだりすることがあります。
乳がん患者全てに見られるわけではありません。ひきつれの下にしこりが存在するケースもあります。気になる症状があるときは、すぐに専門医に相談してみましょう。
セルフチェックの方法
乳がんの症状は、日々のセルフチェックで気づくことも可能です。お風呂上りなどに、上半身裸で鏡の前に立ってみましょう。両腕を下げた状態で、左右の乳房や乳頭の形を覚えておきます。両腕を上げた状態で、乳房にくぼみやひきつれ、ただれがないかを確認します。前だけではなく、横や斜めからも見ましょう。生理前にはホルモンの影響で乳腺が発達しておりしこりがわかりにくいので、生理後に行うと良いでしょう。
次に床に寝転んだ状態でのチェックです。右の乳房から始める場合、右腕を頭の後方に置き、左手の指の腹で圧迫しながら、乳房の内側を調べます。外側を調べるときには、右腕を下げ、同じように左手の指の腹でまんべんなく触ります。
脇の下に手を入れてしこりの有無を確認します。同様に左の乳房もチェックします。最後に乳首を軽くつまんで、分泌液がないかも調べます。
乳がんは、セルフチェックではわからないこともあります。乳がんの症状が出ていても、乳腺症の可能性もありますし、自分だけでは判断ができません。セルフチェックと並行して、年に一度は病院で検診を受けましょう。
乳がん検診とは?
視触診
従来の検査では、視診と触診が中心でした。医師が乳房を観察し、分泌物や湿疹、しこりの場所や大きさ、首や脇の下のリンパの腫れを確認します。しかし後に国の方針が改められ、現在では視触診を行う場合にはマンモグラフィ検査と併用することが多いようです。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査は、乳腺専用の装置でX線撮影する検査です。被爆量を抑えるため、板状のプレートに乳房をぎゅっと挟み、圧をかけて引き伸ばして撮影します。乳房に多少の痛みはありますが、視触診で発見できない病変も見つけることが可能です。
がんで細胞が死滅すると、乳管のなかでカルシウム成分がたまります。これを石灰化とよび、X線写真では白く写ります。マンモグラフィ検査で、白い点々が発見された場合はさらなる精密検査が必要となる可能性があります。ただし、授乳経験のある人では、良性の石灰化がみられる例も多く、石灰化があっても必ずしもがんを発症しているというわけではありません。
マンモグラフィでは、乳腺の発達している人や、乳腺の密度が高い人は病変が確認できないこともあるため、超音波検査と併用することがすすめられています。また、乳腺の発達度合いと被曝による影響を考えると、一般的にマンモグラフィは40歳以上での検査が効果的といわれています。
超音波検査(エコー)
乳房に超音波をあて、しこりがあるかどうかを画像で確認します。この検査では放射線を使わないので、妊婦でも可能です。乳腺の濃度に影響を受けないので、乳腺が密な若い人にも適しているといわれています。ベッドに仰向けに寝た姿勢で受ける検査で、痛みもありません。
マンモグラフィでは全て白くなりがちな乳腺、嚢胞、腫瘍は、超音波検査では別の画像として確認できます。一般的に、嚢胞は良性の所見でがんになるリスクは低いといわれていますが、エコーでは嚢胞の大きさ、内部の性状なども注意深く観察します。超音波検査で悪性腫瘍が疑われた場合は、細胞や組織を取って詳細を調べます。
細胞診
細胞診は、マンモグラフィ検査や超音波検査で、乳がんの疑いがある場合に行われる病理検査です。がんと疑われる部位に細い注射針を刺して、注射器で細胞を吸い取ります。
吸い取った細胞を顕微鏡で観察する「穿刺吸引細胞診」と、乳頭からの分泌液を顕微鏡で調べる「分泌液細胞診」があります。針が細いので、局所麻酔はほとんどの場合必要ありません。
組織診
細胞ではなく組織の一部を調べる検査もあります。局所麻酔をした後、エコーで採取部位を確認しつつ太い針で組織の一部を取る「針生検」、さらに太い針を使う「マンモトーム生検」、皮膚を切開して組織を取る「外科的生検」があります。
細胞診に比べると、確認できる細胞や組織の量が多いので、より詳しくがんの検査ができます。採取した組織は顕微鏡で検査し、がんなのかどうか、がんだとしたらどのような性質を持つのか調べます。
乳がんの病期(ステージ)と生存率は?
がんは、進行度によってステージが分かれています。
0期
非常に早期のがんで、まだ発生した乳腺の中にとどまっている段階です。「非浸潤がん」ともよばれます。
I期
しこりの大きさが2cm以下の状態で、乳房の外のリンパ節には転移していない段階です。Ⅰ期の5年後の相対生存率は100.0%というデータがあります。
II期
II期の5年後の相対生存率は95.7%というデータがあります。以下の通り、II期にはさらにII期a、II期bの2つの段階があります。
【II期a】
しこりの大きさが2cm以下でリンパ節に転移がある段階、またはしこりの大きさが2~5cmでリンパ節に転移がない段階です。
【II期b】
しこりの大きさが2~5cmで、リンパ節に転移がある段階です。
III期
III期の5年後の相対生存率は82.6%というデータがあります。III期をさらに細かく分けるとⅢ期a~III期cの3つの段階があります。
【III期a】
しこりの大きさは2cm以下で、リンパ節に転移があり、リンパ節同士が癒着している段階です。
【III期b】
しこりが胸壁に固定していたり、皮膚にしこりが顔を出したり、皮膚がむくんでいる段階です。
【III期c】
脇の下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節の両方に転移のある段階です。
IV期
肺、肝臓、脳など遠くにある臓器にも転移している段階です。Ⅳ期の5年後の相対生存率は34.9%というデータがあります。
乳がんの治療法
手術
乳がんの手術には、乳房温存手術と胸筋温存乳房切除術があります。乳房温存手術は、腫瘍から1 ~ 2cm離れたところで乳房を部分的に切除する手術です。病巣を取り除いても乳房自体は残るため、美容面、精神面で、こちらの手術を臨む患者が多いようです。
胸筋温存乳房切除術は、がんの進行度によって、乳房温存手術ができない場合に行われます。胸の筋肉を残して、乳房すべてを切除する手術法です。がんの位置や大きさ、乳房の大きさ、患者の希望などによって手術の種類は変わるので、担当医とよく相談する必要があります。
薬物療法
乳がんの薬物療法には「抗がん剤」「分子標的薬」「ホルモン療法」といったものがあります。手術の前にがんを小さくする、手術を行ったあとにがんの再発を防ぐといった目的があります。がんの広がりや性質、本人の希望によってどの種類の薬を使うかは変化します。
抗がん剤はがんの転移を抑えるはたらきをします。正常な細胞にもダメージを与えるため、脱毛や吐き気などの副作用があります。これに対して、新しく開発されたのが、がん細胞のみに作用する「分子標的薬」です。代表的なものにトラスツズマブがあります。抗がん剤に比べると、大きな副作用が少ないといわれています。
また、多くの乳がんは女性ホルモンであるエストロゲンに反応して大きくなるといわれています。このエストロゲンの働きを抑えるのが、ホルモン療法です。閉経前か後によって薬の種類は変わり、LH-RHアゴニスト製剤やアロマターゼ阻害薬などが選択肢となります。
放射線治療
乳房温存手術の後や、乳房切除術で転移がみられた場合は、再発を防ぐために放射線治療を行うのが一般的です。放射線治療は骨転移など、局所的な痛みの軽減にも有効です。
放射線治療では、高エネルギーのX線や電子線を身体の外から照射します。放射線ががん細胞を通ると、細胞の増殖を防ぎ、がんを小さくします。放射線治療後には、倦怠感や皮膚炎などの副作用が出る可能性もあります。
無治療を選択する人も
放射線治療や薬物療法は副作用もあるため、なかには無治療を選択する人もいます。無治療の経過をつづっているブログも数多く存在します。乳がんの治療においては、正解はありません。医師や家族、パートナーとよく相談し、後悔しないように治療の方針を決めていきましょう。
早期発見して乳がんを治そう
乳がんは、早期に発見することで、生存率が大きく上がります。月1-2度のセルフチェックに加えて、年に一度は病院で検査をすることで、初期での発見が可能です。
手術になった場合でも、がんの広がりや性質によっては乳房を残すことが可能です。また、副作用が少ない薬も開発されています。医師や家族と協力し、早期の発見を心がけ、乳がんと診断されても諦めずに治療を続けていきましょう。
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