【助産師監修】「あれ?子どもの口が臭い!」子どもの口臭の原因と対策を知ろう
ふと気付いたら「子どもの口がくさい…」と感じたことはありませんか。子どもにも口臭につながってしまう原因があります。また、もし子どもの口臭が気になりだしたら、どのように対処すれば良いのでしょう。今回は、子どもの口臭が発生する原因と対策についてご紹介します。
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目次
意外と多い!子どもの口臭に悩む親の声
子どもの口臭に悩んでいる親は意外にも多いようです。毎日一緒に生活している親だからこそ、口臭は気付きやすいですよね。しかも、虫歯もなく毎日しっかり歯磨きもしているのに口がくさいとなると、親も心配になってしまいます。
口臭の分類
口臭の原因はさまざまにあり、日本口臭学会では「口臭への対応と口臭症治療の指針2014」において口臭を「生理的口臭」と「病的(器質的・身体的)口臭 」に分類しています(※1)。
生理的口臭はお腹がすいたときや緊張したとき、においの強い食べ物を食べたときなど、身体に異常がなく、一時的に発生する口臭をいいます。病的口臭は、歯周病や副鼻腔炎などの身体の疾患によるものとされています。
口臭自体は珍しいものではなく、ママやパパも自覚したことがあるかもしれません。しかし、子どもの口臭は自分で自覚していないことが多いようです。子どもの口臭が気になるときは、子どもの口臭がなぜ発生しているのか原因を探り、早めに対処してあげたいですね。
子どもの口臭の原因
虫歯や歯磨き不足
子どもの口臭が発生する主な原因のひとつが、虫歯や歯磨き不足です。虫歯の原因となる細菌は、歯についた食べかすなどを分解する際に、口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」などを発生させます。これが口臭の原因です。
さらに虫歯が進み歯に穴があくと、そこに食べ物が詰まりやすくなり、食べ物の腐敗臭が発生します。虫歯が神経まで進むと、組織の腐敗臭が加わることもあります。
虫歯ができていなくても、子どもの歯磨きが上手にできていないと食べ物が歯に詰まったままの状態が続き、においを発生させる原因となります。
口呼吸により口が乾燥するため
普段から口呼吸をしている子どもは口の中が乾燥し、雑菌が繁殖しやすい状態となっています。唾液には殺菌作用や口の汚れを流れ落とす働きがあるため雑菌の繁殖を防ぐ役割を果たしているのですが、口呼吸により口内が乾燥すると唾液の作用もなくなり雑菌が増えやすくなります。
その結果、細菌により口臭の原因となるVSCが生成され、口から嫌なにおいを発します。また、口の中が乾燥していることで虫歯ができやすいという悪循環も引き起こすのです。
鼻炎やアレルギーによるもの
鼻炎やアレルギーにより、鼻や喉に炎症を起こすことで鼻の奥に膿がたまることがあります。この膿自体が直接の口臭の原因となるほか、膿がたまることで鼻呼吸ができなくなり自然と口呼吸をしてしまいます。そうすると口呼吸により口内の乾燥が進み口臭を発生する原因となっています。
風邪や胃腸が弱っている
子どもの口のにおいで風邪かなと感じることがありますが、免疫力が低下していると雑菌が繁殖しやすいため、喉の痛みや発熱は口臭の原因となります。また、胃腸が弱っていると悪玉菌が増え悪臭を発します。その悪臭が血管を通って体臭や呼気に混ざり口臭となるのです。
ストレス
子どもにもストレスを感じることがあります。ストレスを感じると緊張状態となり、緊張することで唾液の分泌が低下するといわれています。このような体調の変化は口内環境を悪化させることとなり、結果として口臭につながります。
食べ物が原因
ニラやにんにく、ネギといった強いにおいを発する食材を食べたことにより、口臭が気になる場合があります。これは子どもだけでなく大人にもいえることです。子どもだけがにおうのか、食べたものにより口臭が原因なのかにより、子どもの体調が悪いかどうかの見極めになります。
子どもの口臭、どう対処する?
仕上げ磨きを忘れずに
子どもの口臭の原因ともなる虫歯や歯磨き不足に対しては、しっかり親が最後の仕上げをしてあげましょう。乳歯が生えそろったら、子ども用のフロスを使って歯と歯のあいだの磨き残しを取り除くことも雑菌の繁殖を抑えるポイントとなります。子ども用フロスは、キシリトール配合やフレーバー付きのものなどが販売されています。
歯の表面が溶ける時間をできるだけ減らすよう、だらだら時間をかけて食べるのはNGです。歯医者さんへ行って正しい歯の磨き方を親子で教えてもらうのも子どもの口臭対策になります。
鼻呼吸に転換させるトレーニングをしよう
鼻呼吸ではなく口呼吸をしている子どもは、鼻呼吸へ転換する必要があります。口呼吸を改善するには、鼻で息をすることを意識する必要がありますが、ママやパパが「鼻で息をして」と注意するだけではお口ぽかんの状態を改善するのは難しいかもしれません。
口臭のほかに、常にお口がぽかんと開いていたり、舌が前に突出していたりするなら歯科を受診してみましょう。鼻が詰まって息がしづらい、もしくはいびきが続くといった症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
歯科では歯並びの矯正や口腔筋機能療法(MFT)を行い、口回りの筋肉を鍛えて呼吸の改善を目指します。耳鼻咽喉科では鼻炎やアデノイド・扁桃肥大がないかを診察し、必要に応じて治療します。
歯科や耳鼻科で特に問題が見つからなかった場合は、姿勢を口の周りや舌の筋肉を鍛えるための「あいうべ体操」に取り組んだり、猫背にならないように姿勢に気をつけたりして過ごしましょう。舌を鳴らす「タッピング」や風船を膨らませる遊びも口腔機能を高めてくれます。
必要ならば耳鼻科やアレルギー科の受診を
鼻炎やアレルギーによる鼻づまりが原因で口呼吸となっている場合や、副鼻腔炎を発症している場合の口臭はなかなか自然に治す難しいところもあります。そのためには耳鼻科やアレルギー科を受診し、どのように改善していくか相談することが大切です。
食物繊維豊富な食事で腸内環境を改善
風邪や胃腸が弱っているときには、十分な休養と免疫力を上げる必要があります。しっかり水分補給をすることや、腸内環境改善のため食物繊維豊富な食事を取り入れることが大切です。また、便秘の場合は特に口臭が出やすいため、お腹の調子を整える必要があります。
食べ物の場合は一時的なので気にせずに
においがきつい食べ物を食べたことが口臭の原因となっている場合は、一時的なものであるためガムを噛むなどして気にしないようにしましょう。逆に、口臭が長く続く場合は食べ物以外の原因が考えられるため、ほかに考えられる原因を見つけて改善する必要があります。
子どもの口臭の原因から受診する病院を決めよう
子どもの口臭の原因はさまざまあることがわかりましたね。病気が原因で口臭が発生している場合は、病院の受診が必要となる可能性があります。風邪や胃腸なら小児科、鼻炎やアレルギーは耳鼻科やアレルギー科、または状況により歯科の受診となることもあります。
まずは、子どもの口臭の原因を突き止めてその原因に合った対策をしてみてください。もし、対策をしても改善されない場合は病院に相談しましょう。受診する科に迷った場合は、病院へ行く前に電話で問い合わせてみると安心でしょう。
子どもの口臭が気になったら、早急に対策を
子どもも気にしていないように見えて、実は口臭に気付いて落ち込んでいるかもしれません。周りのお友達に「口がくさい」と言われ悲しい思いをしてしまうかもしれません。そうなる前に、子どもの口臭に気付いたら早急に対処してあげてください。
また、ママが子どもに口がくさいことを指摘するときの言い方にも注意が必要です。子どもだから気にしないだろうと思わず、子どもが気にならないよう傷つかない言い回しで伝えてあげることも大切です。
※この記事は2025年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。