赤ちゃんの【先天性内反足・外反踵足】症状・原因・治療法は?

赤ちゃんの先天性内反足(せんてんせいないはんそく)や外反踵足(がいはんしょうそく)は、足が生まれつき内側・もしくは外側に曲がっている症状を言います。いずれも先天性のものですが、生まれたばかりの赤ちゃんに病名が付くと、ママは心配が大きいですよね。ここでは、先天性内反足・外反踵足の症状や原因・治療法について紹介します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 赤ちゃんの先天性内反足と外反踵足とは?
  2. 赤ちゃんの先天性内反足と外反踵足の症状
  3. 赤ちゃんの先天性内反足の原因と特徴
  4. 赤ちゃんの外反踵足原因と特徴
  5. 先天性内反足・外反踵足の治療法
  6. 先天性内反足・外反踵足と妊娠中のママの生活との関係
  7. 先天性内反足・外反踵足は防ぎようのない症状
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赤ちゃんの先天性内反足と外反踵足とは?

赤ちゃんの足首が曲がっている?

生まれたての赤ちゃんの足に何かしらの異常がある場合、先天性内反足(せんてんせいないはんそく)と外反踵足(がいはんしょうそく)が考えられます。このふたつは、赤ちゃんの足が、生まれつき内側もしくは外側にねじれているようにみられることが多いでしょう。

先天性内反足と外反踵足は、主に出産してから医師の診断により判明します。赤ちゃんの足が内側や外側に変形していて、先天性内反足にいたっては足首が硬いことから、医師が診断しやすい症状といわれています。

赤ちゃんのレントゲンを撮り、足以外の部分に奇形がないことを確認して、出産後の入院中に指摘を受ける人がほとんどのようです。

新生児から治療をする先天性の症状がほとんど

先天性内反足や外反踵足は生まれつきの症状であるため、妊娠中には防ぎようのないものといわれています。早期治療によりスムーズに矯正できる確率が高いことから、新生児から治療を行うことがほとんどでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんが検査を受けたり必要に応じてギプスをつけたりと、ママは心配が絶えません。医師の診断や治療法をしっかりと確認して、ママの不安を解消しながら治療をすすめていけると良いですね。

赤ちゃんの先天性内反足と外反踵足の症状

先天性内反足(せんてんせいないはんそく)の症状

先天性内反足(せんてんせいないはんそく)とは、赤ちゃんの足が生まれたときから内側に曲がり、足の裏全体が内側を向かいあっている状態を言います。先天性内反足と診断された赤ちゃんの約半数は両足にみられ、片足だけ症状がみられる場合は、約1/3が右足に現れるようです。

先天性内反足の場合、足首がかたく動かしにくいのが特徴です。軽度の場合は大人の手で足首が真っすぐに近い状態になることもありますが、重度の場合は、ほとんど動かないといわれています。そのため、足の裏が内側に向いていても手で正しい位置に戻せる場合は、お腹の中にいたころの位置が関係していると判断されて、経過観察をすることがほとんどでしょう。

外反踵足(がいはんしょうそく)の症状

外反踵足(がいはんしょうそく)とは、赤ちゃんの足首から足の裏が外側を向いているため、小指が床から反り上がり、かかとが下を向いている症状を言います。外反踵足の症状には個人差があり、少しだけ足が外に反っていることもあれば、足先がすねについた状態で生まれてくるケースもあるようです。

しかし、症状の度合いによらず、先天性内反足のように足首がかたく回らないなどの症状は軽いことがほとんどのようです。赤ちゃんの足首を優しくひねることで、ストレッチができる程度のやわらかさがみられるでしょう。

まれに、外反踵足のなかでも症状が強いと、先天性垂直距骨(せんてんせいすいちょくきょこつ)と診断されることがあるようです。歩くようになるとと外反扁平足(がいはんへんぺいそく)といって、足の裏の外側が浮く症状がみられるでしょう。これは、骨に異常があるわけではなく、関節のやわらかさによるものとされています。大きくなってから特別なインソールを使用し歩行を助けることもありますが、生活に大きな影響はないことがほとんどのようです。

赤ちゃんの先天性内反足の原因と特徴

先天性内反足の原因

日本整形外科学会によると、内反足の原因はわかっていないようです。(※1)一説では、遺伝子が関係しているという専門家もいますが、足の骨・じん帯・関節など、どの部分の異常が原因かは、はっきりしていないとされています。

男の子のほうが発症率が高い?

先天性内反足の発症率は、日本ではおよそ1000人に1人とされ、男女の比率は、男2:女1と、男の子のほうが多く発症するという調査結果があるようです。また、病態がみられた赤ちゃんの半数は両足に症状があり、片足の場合は2:1で右足が多いといわれています。(※1)

赤ちゃんの外反踵足原因と特徴

外反踵足の原因

外反踵足は、胎内での姿勢が関係しているといわれています。ママのお腹の中でうずくまるような姿勢をとっているときに、足首が外側に反るような形に固定されて、そのままの状態で生まれてくることが原因のようです。

第一子に多い?

外反踵足は、お腹の中にいたころの姿勢が原因とされていることから、子宮壁の柔軟性が少ない第一子に多い症状という専門家もいるようです。とはいえ、第二子以降に外反踵足がみられないかといえば、そうとは言い切れません。胎内での赤ちゃんの体勢によるものなので、第二子や第三子で外反踵足と診断されるケースもあります。

いずれにしても比較的多くの赤ちゃんにみられ、自然と治ることが多い病態とされています。

先天性内反足・外反踵足の治療法

先天性内反足は早期治療が必要

生まれてきた赤ちゃんが先天性内反足と診断された場合、早い段階で治療を行うことで、足を正常な位置へ矯正できるとされています。まずは医師が手で赤ちゃんの足の変形を矯正しながら、ギプス包帯を巻きます。その後、矯正ギプスや矯正靴などの矯正具を使用して、赤ちゃんの足を正常な位置で固定します。

これらの治療で十分な成果がみられない場合は、変形が強い部分の腱を切ったり緩めたりする手術を行い、医師の指示にしたがい矯正具で固定します。治療を行うのは生後間もない赤ちゃんです。疑問や治療の流れなど気になることは迷わず医師に尋ねて、ママの不安を和らげながら治療に取り組めると良いですね。

外反踵足は経過を観察して

外反踵足は、自然と治ることが多いとされています。同じ外反踵足でも症状によって治療の流れが異なることがあり、軽度の場合は、力加減に気をつけながら、足の裏側を曲げるストレッチが効果的とされています。ママは医師から指導を受けて、赤ちゃんの足を日常的にストレッチすることになるでしょう。

外反踵足の症状が強かったりストレッチの効果が薄い場合は、足を正常な位置に固定するハーネスという棒のような器具を添えて、テープで巻いたり、矯正ギプスで固定したりといった治療を行います。

外反踵足は自然に治りやすい病態とはいえ、治療には数か月かかることもあります。ストレッチの方法が正しいか迷ったり、赤ちゃんの症状が改善されているか気になったりした場合は、受診の際に医師に不安なことを尋ねられると良いですね。

先天性内反足・外反踵足と妊娠中のママの生活との関係

生まれたばかりの赤ちゃんに、なにかしらの病名が付けられるとママの心配は絶えません。ママは妊娠中の生活が悪かったのではないかと、自分を責めることもあるでしょう。

先天性内反足や外反踵足は、原因がはっきりしていかったり、胎内での赤ちゃん姿勢が原因であったりと、生まれつきによるものです。いわば防ぎようのない症状であり、ママの妊娠中の生活が影響したとは考えにくいといわれています。

必要なのは、これから赤ちゃんが無理なく生活を送ることができるようにと、治療を前向きに考えることかもしれません。そのためにも、医師の診断や治療の流れ、赤ちゃんの症状を把握して、最善の方法を判断してあげてはいかがでしょうか。

ママは赤ちゃんの痛々しい姿に目を背けたくなることもあるでしょう。しかし、自分を責めることなく、赤ちゃんの成長と治療の過程を見守りながら、日々のお世話に励むことができると良いですね。

先天性内反足・外反踵足は防ぎようのない症状

生まれたばかりの赤ちゃんの足が、内側や外側に反っていると診断されたら「立つことができるのだろうか」「歩くことができるのだろうか」と心配になります。先天性内反足や外反踵足は、医師が判断しやすいことから、早期治療で矯正しやすい症状といわれています。

また、先天性内反足や外反踵足のような生まれつきの症状は、妊娠中に防ぎようがないものです。治療に前向きに取り組み、赤ちゃんとママにとって最善の方法を考えていきましょう。また、不安なことや疑問に思うことは、医師や助産師に迷わず尋ねて、ママの不安を解消しながら治療をすすめていけると良いですね。

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