赤ちゃんの中耳炎の4つの症状と見分け方!原因・治し方・予防法は?

赤ちゃんの病気で多いのが中耳炎です。なかには、一度ならず何度も中耳炎を繰り返すこともあります。夜中に急に機嫌が悪くなり発熱し、翌朝いそいで病院に行くと中耳炎だったということもあるようです。ここでは、赤ちゃんが自分では言葉で伝えられない中耳炎の症状、治し方や予防法について解説します。

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この記事の監修

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耳鼻科医
鳴戸 理佐

目次

  1. 赤ちゃんがかかりやすい中耳炎とはどんな病気?種類は?
  2. 赤ちゃんの中耳炎の原因
  3. 赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方1.発熱・高熱
  4. 赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方 2.耳垂れ
  5. 赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方3.いつもより激しい夜泣き
  6. 赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方4.聞こえづらそう
  7. 赤ちゃんが中耳炎かもと思った場合の受診は小児科?耳鼻科?
  8. 赤ちゃんの中耳炎の治療方法
  9. 赤ちゃんの中耳炎のときのお風呂、保育園はいつから?
  10. 赤ちゃんの中耳炎の予防法
  11. 赤ちゃんの中耳炎に関する体験談
  12. 不安を感じたらすぐに耳鼻科を受診しよう
  13. あわせて読みたい

赤ちゃんがかかりやすい中耳炎とはどんな病気?種類は?

中耳に細菌やウイルスが侵入し炎症が起こる病気

中耳炎とは、細菌やウイルスが中耳に入り、炎症をおこし膿がたまる病気です。多くの場合、風邪や副鼻腔炎など細菌感染やウイルス感染が起きた際に、細菌やウイルスが鼻水とともに鼻の奥の耳管より中耳に入って発症します。

熱を伴い痛みの強い急性中耳炎

急性中耳炎とは、風邪などにより中耳に細菌やウイルスが入り、炎症が起こったり膿がたまったりする状態を指します。症状としては、耳の痛みや発熱などが起こります。子どもが小さいうちは、高熱が出ることも珍しくないようです。急性中耳炎の痛みは、夜中に強くなることが多いといわれています。

気づきづらい赤ちゃんの滲出性中耳炎

滲出性中耳炎とは、鼓膜の内側の中耳に液体(浸出液)がたまる病気のことを言います。急性中耳炎が治りきらず、中耳に膿が残った場合におこることが多いといわれています。また、アレルギー性鼻炎など鼻やのどの慢性的な炎症がある場合も、浸出液を排出する動きが弱まって滲出性中耳炎になりやすいようです。

急性中耳炎に比べて痛みを訴えることは少なく、自覚症状は「耳が聞こえにくい」ことぐらいです。したがって、気づくのが遅れることも多々あるようです。大きな声をかけても、振り向かないなどの様子が続くようであれば耳鼻科を受診しましょう。

3歳までに80%が中耳炎に

中耳炎にかかりやすい月齢には個人差がありますが、海外のデータだと3歳までに80%が中耳炎を経験するそうです(※1)。

赤ちゃんの中耳炎の原因

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耳の構造

中耳炎にかかりやすい原因のひとつが、赤ちゃんの耳の構造です。耳管と呼ばれる耳と鼻をつなぐ管から細菌を吸い込み、細菌が中耳にたまることで、中耳炎を引き起こします。赤ちゃんは大人と比べると耳管が短く、なおかつ水平なため、中耳に細菌がたまりやすいのです。

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免疫力が低い

赤ちゃんは大人よりも免疫力が低いため、風邪をひくとすぐにこじらせてしまいます。長引く風邪で黄色い鼻水がたくさん出ていると、鼻の細菌が中耳に入り込んで中耳炎になるのです。赤ちゃんが中耳炎になるケースの多くが、風邪が原因といわれています。

小学校高学年頃からかかりにくくなる

赤ちゃんのころから繰り返し中耳炎を発症していても、成長するにつれて徐々に中耳炎にかかりにくくなります。耳管が長くなって形状も変化してきますし、免疫力もアップして風邪をひきにくくなるからです。大体小学校の高学年ごろから中耳炎にかかりにくくなるといわれています。


赤ちゃんは、中耳炎にかかっても言葉で伝えることはできません。具体的に赤ちゃんのどのようなサインから、中耳炎を疑うべきなのでしょうか。

赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方1.発熱・高熱

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中耳炎を発症している場合、発熱する事があります。風邪の診断を受けて治療をしているにもかかわらず、3日以上高熱が続いて下がらない場合は、中耳炎による発熱を疑いましょう。

赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方 2.耳垂れ

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中耳炎では耳垂れが出てくることがあります。耳の周りにべったりとした黄色い液体がついていたり、乾いた黄色い物体がこびりついていたりするときは、中耳炎である可能性が高いでしょう。赤ちゃんのシーツにも耳垂れがついていることがあります。

赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方3.いつもより激しい夜泣き

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赤ちゃんがしきりに耳を触ったり、引っ張ったりするときは要注意です。また、機嫌が悪い、おっぱいを飲まない、泣き続けるという場合、中耳炎が原因であることも考えられます。中耳炎の痛みは夜中に強くなるといわれており、赤ちゃんの夜泣きの様子がいつもと違うときは、中耳炎の可能性を疑いましょう。

赤ちゃんの中耳炎の症状や見分け方4.聞こえづらそう

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特に滲出性中耳炎の場合は、自覚症状として痛みが全くなく、聞こえにくい状態でしかないため、赤ちゃんからは何のサインも出ない場合があります。話しかけても反応がにぶい、いつもより聞こえてないように思える、といったときは中耳炎かもしれません。また、赤ちゃんには、耳の奥の痛みを伝えるのは難しいものです。ただ機嫌が悪いだけかもしれないと、放っておいてしまうおそれがあります。

赤ちゃんが中耳炎かもと思った場合の受診は小児科?耳鼻科?

中耳炎の診断では、鼓膜の状態や中耳に水の溜まっている様子を確認します。赤ちゃんの中耳炎の症状が疑われるときには、可能な限り耳鼻科を受診しましょう。鼻水の吸引や、鼻からお薬の蒸気を入れるための機材なども耳鼻科は充実しています。

耳鼻科に行きたくても、診療時間や場所の事情により受診が難しい場合は、小児科を受診しましょう。中耳炎は耳の病気ではありますが、赤ちゃんがよく発症することから、小児科医にも知見が多いです。小児科で診察をし、痛みをとめるための解熱鎮痛剤を処方してもらったうえで、長期的な治療にむけて耳鼻科を紹介してもらうとよいでしょう。

赤ちゃんの中耳炎の治療方法

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急性中耳炎の治療は服薬が中心

赤ちゃんも、もう少し大きな子供と同様、中耳炎と診療されると、解熱鎮痛剤や抗生物質(抗菌剤)が処方されることが多いようです。抗生物質については、日本の中耳炎治療のガイドラインでは、重症度に応じて処方有無を決めるよう勧められています(※2)。したがって、急性中耳炎の場合は鎮痛剤の服薬が治療の中心となります。

また、急性中耳炎を引き起こしたときには、原因となる鼻やのどの炎症を取り除く必要があります。何も症状がなければ家庭でも鼻水の吸引(鼻吸い)が可能ですが、中耳炎を発症しているときは、却って痛みが強くなることもあります。中耳炎の症状があるときには耳鼻科で鼻水の吸引(鼻吸い)の処置を受けましょう。

急性中耳炎で熱がなかなか下がらない場合や薬が効かない場合に、切開手術を行うことがあります。切開手術を行うかどうかは、医師によっても判断が分かれるところのようです。鼓膜の切開と聞くと痛そうなイメージがありますが、手術は局部麻酔をした上で行いますので痛みを感じることはありません。鼓膜は皮膚と同じで再生しますので、メスで切開したあとは数日で閉じるそうです。ただ赤ちゃんが小さいと、耳に麻酔薬を入れることも不安ですよね。医師とよく相談して進めましょう。

なかなか治らない滲出性中耳炎の治療

滲出性中耳炎の場合も、鼻やのどの治療が必要になります。鼻の病気やのどに腫れがある場合、膿を排出しようとする耳管の働きが悪くなり滲出性中耳炎になりやすくなるといわれています。耳管だけ治療しても、耳管の入り口の炎症が改善されなければ、再び耳管に浸出液が流れ込むことになるからです。

通気療法といって、耳管から空気を送って滲出液の排出を促す治療もあります。赤ちゃんの場合は、器具を使うのは難しく代わりに鼓膜マッサージが行われることが多いようです。

浸出液の排出が難しい場合は切開手術を行い、浸出液を吸い出すことがあります。切開手術は局部麻酔をした上で行うため、痛みを感じることはないでしょう。また、入院の必要もありません。鼓膜は皮膚と同様に、再生する器官ですので切った後は数日でふさがります。

重度の滲出性中耳炎で治療開始から3ヶ月以上たっても依然耳が聞こえにくい、鼓膜の状態がおかしい場合、鼓膜にチューブを入れる手術が検討されます(※3)。切開手術と同じように、麻酔した上で鼓膜に穴をあけてチューブを挿入します。治療が終わると、鼓膜にできた穴は自然にふさがります。

赤ちゃんの中耳炎のときのお風呂、保育園はいつから?

お風呂は熱が下がってから

中耳炎は風邪症状が原因ですので、通常の風邪と同様の判断で大丈夫です。赤ちゃんの熱が高い場合、機嫌が悪い(痛みがある)場合、耳だれがある場合や鼓膜切開の直後は入浴を避けましょう。チューブを入れている場合は、耳にお湯が入らないように注意してお風呂に入りましょう。

熱が下がって元気なら保育園の登園可能

中耳炎そのものは、他の赤ちゃんにうつる病気ではありません。赤ちゃんの熱が下がり元気そうであれば保育園に登園できます。また、インフルエンザのように特別な許可も必要ありません。ただし中耳炎のきっかけとなった風邪はうつりますので、配慮は必要です。

中耳炎のときに処方される抗生物質は、1日3回飲む必要があるものが大半です。園に相談して昼間にも飲ませてもらえるようにしましょう。保育園の場合、医師が処方した薬で所定の書式で園に連絡すると、飲ませてもらうことができます(※4)

赤ちゃんの中耳炎の予防法

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風邪を予防する

赤ちゃんが中耳炎になるきっかけのほとんどが風邪です。風邪を予防することが、中耳炎の予防につながるといえます。エアコンや衣服に注意し、体温調節が難しい赤ちゃんの環境を整えましょう。

鼻水が出たらこまめに吸う

鼻水が出始めると、ウイルスや細菌が耳管を通って中耳にたまり、中耳炎になります。赤ちゃんは上手に自分で鼻をかむことができません。大人がこまめに赤ちゃんの鼻水を吸ってあげることが重要です。鼻吸い器を使うと吸い出しやすくて簡単なので、購入しておくと安心ですね。

ミルクを飲む体勢に気をつける

赤ちゃんに哺乳瓶でミルクをあげるときの体勢には、注意が必要です。赤ちゃんを水平の状態にしてミルクをあげると鼻の方にミルクが流れ、耳管を通って中耳にたまり、「ミルク性中耳炎」という炎症を起こすことがあります。赤ちゃんにミルクをあげるときは、母乳を飲ませるときと同じ体勢をとりましょう。

赤ちゃんの中耳炎に関する体験談

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明け方から朝まで夜泣きが続きました

最初の中耳炎は2歳になる前で、しばらく落ち着いていた夜泣きが復活したと思いました。何をやっても落ち着かず、抱っこしてもダメで朝まで泣き通しでした。窓側につれていくとソファー側を指さし、ソファーに連れて行くと窓側を指さして泣き、お手上げ状態でした。耳も真っ赤で自分では触るのに私が触ると嫌がるので、もしかして?と思い耳鼻科に連れて行きました。熱も38℃以上あったはずです。お医者さんには、「これは痛がるはずだよ」といわれました。1週間後に再受診すると、「水がまだ溜まっているからまた来るように」とまた1週間分薬を処方されました。結局3週間くらいかかったのでしょうか。

赤ちゃんの中耳炎は繰り返すといいますが、我が家も二度、三度繰り返しました。耳を触り、熱が出るので見分けやすく、二度目から「あぁ中耳炎ね」とすぐにわかりました。

不安を感じたらすぐに耳鼻科を受診しよう

赤ちゃんの中耳炎はよくあることで、周囲の「うちの子が中耳炎になった」という話も頻繁に聞くのではないでしょうか。少しでも不安に感じたら、すぐに耳鼻科を受診することをおすすめします。

放置すると将来難聴を引き起こすこともあります。耳は脳に近い場所なので、悪化すると本当に怖い病気であるという認識を持ち、赤ちゃんの様子を見守りましょう。

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