クラミジアの治療薬は?抗生物質の市販薬はある?薬の副作用は?

女性の性感染症の約6割を占め、若い女性の感染が増加している「クラミジア(性器クラミジア感染症)」は、原因菌の作用を抑える薬(抗生物質)を使って治療します。そもそもクラミジアとはどのような病気なのでしょうか。クラミジアの治療薬とはどのようなものなのでしょうか。クラミジア治療薬の種類や入手方法、副作用について解説します。

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この記事の監修

産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. クラミジア(性器クラミジア感染症)とは?
  2. クラミジアの治療薬は?
  3. クラミジアの治療薬の入手方法は?
  4. クラミジアの市販薬はある? 
  5. クラミジアの治療薬の副作用・服用上の注意点は?
  6. 医師に相談して自分にあったクラミジア治療薬を
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クラミジア(性器クラミジア感染症)とは?

クラミジア(性器クラミジア感染症)は、性交を通じて「クラミジア・トラコマティス」という細菌に感染することによって発症する病気です。自覚症状がない場合がほとんどですが、不正出血やおりものの異常、発熱や腹痛を引き起こすこともあります。

女性の性感染症の約6割を占める

クラミジアは自覚症状がないまま進行してしまうことが多いため、治療しないまま他の人に広めてしまうリスクが高い性感染症です。感染者は年間1万人以上で、女性がかかる性感染症の約6割を占めます。性行為の低年齢化や風俗の影響で、10代~20代の若い女性の感染者が増加しています。

複数のセックスパートナーがいる人や、コンドームを使用しない性交をしている人は特に注意が必要な病気です。念のため病院で検査を受けてみましょう。

不妊の原因になることも

クラミジアは妊娠のさまたげとなることがあります。不妊検査でクラミジアが見つかるケースも多く、その場合は不妊治療の最初のステップとしてクラミジアの治療を行う必要があります。

クラミジアになったからといって妊娠できないわけではありませんが、腹腔内で癒着などを起こすことがあり、妊娠しづらくなり、治療のために手術が必要になることもあります。また、妊娠してからクラミジアが見つかると治療を慎重に行わなければならなくなったり、産道感染して赤ちゃんの健康に影響を与えたりするリスクがあります。自分の身体のためにも赤ちゃんのためにも、妊娠する前に発見して治療してしまいたいですね。

クラミジアの治療薬は?

クラミジアに感染している場合には、菌を殺したり、作用を弱めたりする効果のある抗生物質を服用または注射(点滴)します。クラミジアに処方される主な薬は以下の8種類で、原則として(4)~(8)は妊娠中の人には投与しません。他の薬を使用する場合も、慎重に治療を進める必要があります。それぞれの特徴や飲み方を確認していきましょう。

(1)ジスロマック(主成分:アジスロマイシン)

クラミジアが原因で子宮頸管炎を発症しているときに処方される抗生物質で、もっともポピュラーな薬のひとつです。病原菌がタンパク質を合成するのを阻害します。マクロライド系という系統に属する薬で、1日1,000mg(4錠)を1回服用するのが基本です。重症な場合には、ジスロマックの点滴を行ってから経口薬に移行することもあります。

(2)ジスロマックSR(主成分:アジスロマイシン)

ジスロマックの成人用ドライシロップです。粉末状の薬を水に溶かして服用します。1日2gを1回だけ服用します。飲みきりタイプなので、飲み忘れや自己判断による服用中止を防ぐことにつながります。

(3)クラリス、クラリシッド(主成分:クラリスロマイシン)

クラミジアをはじめ、さまざまな感染症の治療に用いられる抗生物質です。ジスロマックと同じくマクロライド系に属します。1日400g(2錠)を2回に分けて7日間服用するのが一般的です。服用中の飲酒や性交は、治癒をさまたげるので行わないことが大切です。

(4)ミノマイシン(主成分:ミノサイクリン)

細菌の増殖を抑える抗菌薬で、テトラサイクリン系と呼ばれる系統に属します。100g(1錠)を1日2回×7日間服用する場合が多いですが、ケースによっては投与量が増減します。保険適用外なので、他の薬と比べて薬価がかさむかもしれません。重症の場合には、ミノマイシンを静脈から注入する点滴を3~5日間行うこともあるでしょう。

(5)ビブラマイシン(主成分:ドキシサイクリン)

感染症のさまざまな原因菌の蛋白合成を阻害し、菌を殺す作用を発揮するテトラサイクリン系の薬です。100gを1日2錠服用するか、200gを1錠服用します。それを7日間くり返すこともあれば、薬の量を減らしていくこともあるでしょう。ミノマイシンと同じく保険適用外です。

(6)クラビット(主成分:レボフロキサシン)

感染症にかかったときに、細菌のDNA複製を阻害して菌を殺す効果を発揮する薬です。ニューキノロン系と呼ばれる系統に属しています。500mg(2錠)を1日1回服用し、7日間継続します。

(7)オゼックス、トスキサシン(主成分:トスフロキサシン)

細菌のDNA複製を阻害して菌を殺す作用を持つ抗生物質で、クラビット同様にニューキノロン系の薬です。1日300~400g(2〜3錠)を1日2〜3回に分けて服用し、7日間継続するのが一般的です。重症の場合にはさらに薬の量を増量することもあります。

(8)グレースビット(主成分:シタフロキサシン)

グレースビットも細菌のDNA複製を阻害して菌を殺すニューキノロン系の薬です。1回50mg(1錠)を1日2回、あるいは1回100mg (2錠)を1日1回で、7日間服用します。効果が弱いときには薬の量を増量し、1回2錠(100mg)を1日2回服用する場合もあるでしょう。

クラミジアの治療薬の入手方法は?

クラミジアの治療薬は、原則的に病院で処方してもらいましょう。クラミジアの治療薬にはさまざまな種類があり、年齢や症状の強さ、妊娠しているかどうかによって処方する薬の種類や量が変わってきます。病院でしっかりと診察を受け、自分にあった薬を処方してもらいましょう。持病や体質によっては使用すると重大な副作用を起こす薬もあります。自分のアレルギーや過去の病歴を医師に正確に伝えてくださいね。

クラミジアの市販薬はある? 

クラミジアの薬は、市販薬として薬局や通販で販売されているのでしょうか。

クラミジアの薬は、薬局では市販されていません。忙しくて病院に行く時間がとれない人や、クラミジアの治療をしていることを他の人に知られたくない人もいるかもしれませんが、薬は必ず医師に処方してもらいましょう。

通販では海外から個人輸入する形で治療薬を手に入れることが可能ですが、保険は適用されませんし、医師から処方されているわけではないため何が起こっても自己責任です。品質やリスクの保障もないので、薬の処方はくれぐれも自己判断せず、医師の判断をあおいでくださいね。

クラミジアの治療薬の副作用・服用上の注意点は?

妊娠中・授乳中の人は医師に相談

妊娠中にクラミジアの治療薬を服用すると、赤ちゃんの身体に悪影響を与えることがごくまれにあります。ただ、クラミジアを放っておくと流産や早産、赤ちゃんへの産道感染の恐れがあるため、抗生物質を投与することのリスクとクラミジアを放っておくことによるリスクとを比較し、医師の判断によって治療するかどうかを決定することになります。

また授乳中は、母乳に薬が混ざる危険性があるため基本的には服用しませんが、どうしても必要な場合は授乳を中止して治療を行うことがあります。一部の薬では授乳を継続したまま治療が可能なものがありますが、感染の状態などによって変わってきます。妊娠中・授乳中には医師と十分に話し合ってから治療を開始しましょう。

薬のアレルギーがある人は注意

過去に薬を服用してかゆみや発疹などのアレルギーが出たことがある人は、事前に医師に伝えておきましょう。薬の系統によっては使用できないものがあるかもしれません。クラミジアの治療薬を飲んでアレルギー反応が起こったときには医師に診てもらい、薬の種類や量を変更してもらいましょう。

副作用が出たらすぐに病院へ

頻度は多くありませんが、抗生物質の服用によってショックや呼吸困難、肝障害など重度の副作用が起こることがあります。また軽度な副作用としては、吐き気や嘔吐(おうと)、眠気、便秘、下痢、腹痛といったものが考えられます。副作用が出たら病院へ行き、医師の判断によって薬の種類を変更したり、薬の投与を中止したりしてもらいましょう。

また、肝障害や腎障害のある人は最初から薬の投与が禁止されていたり、慎重な投与が求められたりします。あわない薬を使用すると病気が悪化して命にかかわることもあるため、持病をあらかじめ医師に伝えておきましょう。

医師に相談して自分にあったクラミジア治療薬を

クラミジアの治療薬は種類がいくつもありますが、医師に具体的な症状や病歴、妊娠・授乳しているかどうか、アレルギーがないかといった情報をしっかりと伝え、自分にもっとも適した薬を処方してもらえると良いですね。また、薬の量や飲み方は年齢や症状によっても変わってきます。必ず医師の指示に従い、用法・用量を守って服用しましょう。

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