子宮頸がんの治療とは?治療費用や期間、方法は?どんな手術をする?

子宮頸がんは、近年若い女性の患者が増えており、国が積極的に検診をすすめている病気のひとつです。子宮頸がんと診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか。子宮頸がんの治療費用や期間についても気になりますよね。子宮頸がんのステージごとの治療方法や手術の内容、かかる費用や期間、術後の過ごし方について解説します。

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この記事の監修

産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 子宮頸がんとは?
  2. 子宮頸がんの治療費用と期間は?
  3. 子宮頸がんの治療方法の選択とステージ
  4. 子宮頸がんの手術とは?
  5. 子宮頸がんの放射線治療・抗がん剤治療とは?
  6. 子宮頸がんの治療ガイドラインとは?
  7. 子宮頸がんの術後・治療後の過ごし方
  8. 子宮頸がんの治療方法はよく話し合って決めよう
  9. ままのて限定!無料相談でプレゼントがもらえる
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子宮頸がんとは?

子宮頸がんは婦人科系のがんの中でもっとも多い「子宮がん」の一種で、1年間に新しく子宮頸がんと診断される人は1万人以上、子宮頸がんによって命を落とす人は年間3000人前後といわれています。

子宮の入り口付近(子宮頸部)にできる

子宮頸がんは子宮の入り口部分である「子宮頸部」にできるがんです。身体の奥深くにできるわけではなく、また検査の感度が高いため、初期段階、あるいはがんにまで発展していない段階でも比較的簡単に発見することができます。

初期症状がない場合が多い

子宮頸がんは、初期では症状がまったくない場合がほとんどです。そのため早期に発見するためには検診を定期的に受けることがもっとも効果的です。病気が進行すると、不正出血や生理の経血の増加、生理が長引くといった症状が出てくることがあるでしょう。

早期に発見すれば治療しやすく予後が良い

子宮頸がんは、早期に発見できれば治療しやすく、予後(病気や治療の見通し)が良いがんです。しかし進行するとがんの広がりが深くなることに加え、子宮以外の部位に転移し、手術によってがんを取り除くことが難しくなってきます。定期的に検査を受けることで治療が困難になる前に発見し、できるだけ早く元気な身体を取り戻したいですね。

子宮頸がんの治療費用と期間は?

子宮頸がんの治療を行うためには、どのくらい費用と期間がかかるのでしょうか。

子宮頸がんの治療費用

子宮頸がんの治療費用は、治療の種類や回数、入院期間など、さまざまな要素によって大きく変わります。がんが進行すればするほど手術で摘出する範囲が大きくなったり、放射線治療や抗がん剤治療を併用したりすることが考えられるため、かかる費用も大きくなってしまうことが予想されます。

治療が手術のみの場合は切除する範囲によって25万~100万円程度、放射線治療や抗がん剤治療を上乗せするときはさらに25万~50万円程度かかると見積もっておくと良いでしょう。放射線治療と抗がん剤治療のみの場合も100万円以上かかるのが一般的です。

高額療養費制度を活用しよう

公的医療保険が適用される部分については、「高額療養費制度」という制度によって医療費の助成を受けることができる場合があります。年齢や所得によって助成額が変わるため、あらかじめ調べて確認しておきましょう。また、一定以上の自己負担がある場合には「所得税の医療費控除」という制度で税金が戻ってくる可能性があります。公的な助成を上手く活用して費用を少しでも抑えたいですね。

子宮頸がんの治療期間

子宮頸がんの治療期間は、手術のみの場合は切除範囲によって2、3日~数週間、放射線治療や抗がん剤治療の場合は1ヶ月半~2ヶ月程度が目安です。退院後にも定期的に通院して検査を受けたり、放射線治療や抗がん剤治療を行ったりする場合もあります。

子宮頸がんの治療方法の選択とステージ

子宮頸がんと診断された場合、どのような治療方法が選択されるのでしょうか。子宮頸がんの病状は、がんの広がり具合によって4つのステージ(病期)にわけることができ、ステージや患者それぞれの事情・希望によって治療方法が変わってきます。各ステージにおける治療法や生存率について以下で確認していきましょう。

ステージ I(I期)

がんの広がり:子宮頸部のみ。他の部位への広がりはない。
  5年生存率:90~95%
  治療方法:手術

ステージ II(II期)

がんの広がり:子宮頸部を超えて広がる。骨盤壁や腟の下部3分の1には達していない。
  5年生存率:80%前後
  治療方法:手術、放射線治療、抗がん剤治療

ステージ III(III期)

がんの広がり:骨盤壁まで、あるいは腟壁の下部3分の1まで広がる。
  5年生存率:60%前後
  治療方法:放射線治療、抗がん剤治療

ステージ IV(IV期)

がんの広がり:小骨盤腔(しょうこつばんくう)を超えて広がる。
       または膀胱、直腸(肛門の手前の腸の部分)の粘膜に広がる。
  5年生存率:20%前後
  治療方法:放射線治療、抗がん剤治療

子宮頸がんの手術とは?

子宮頸がんのステージ I~IIで行われることが多い外科手術とは、どのようなものなのでしょうか。がんの広がりや転移の範囲によって手術で切除する範囲は異なります。広範囲を切除すると術後に後遺症が残ることがあることや、子宮を摘出すると妊娠できない身体になることを踏まえつつ、医師とよく相談して手術方法を決定しましょう。

円錐切除術

子宮頸がんのステージ I や、がん細胞になる前の「異形成(軽度・中等度・高度)」、がんが上皮にとどまっている「上皮がん」のようにステージ I にも達していない段階では、子宮頸部を円錐形に切除する「円錐切除術」を行うことがあります。費用は25万円程度でほかの手術よりも少なく、入院期間も1泊2日~3泊4日程度と短い場合が多いでしょう。

単純子宮全摘出術

子宮全体のみを摘出する手術を「単純子宮全摘出術」と呼び、腟もしくは腹部から子宮を取り出します。がんの広がり方によっては子宮に加えて卵巣や卵管を同時に取り除く場合もあります。費用は70万~80万円程度、入院期間は2週間程度と考えておくと良いでしょう。

広汎子宮全摘出術

子宮だけでなく腟、卵巣、卵管、リンパ節、基靭帯(きじんたい)まで広範囲にわたって切除する手術方法を「広汎(こうはん)子宮全摘出術」といいます。主にステージ II の治療として行われます。2週間~1ヶ月程度入院し、100万~120万円程度の費用がかかることになるでしょう。

手術の後遺症

手術で切除する範囲が広くなると、術後に排尿・排便がしにくくなったり、足がむくんだり(リンパ浮腫)、更年期障害のような症状が出たりすることが考えられます。手術前にしっかりと医師から説明を受け、納得して手術を受けましょう。

子宮頸がんの放射線治療・抗がん剤治療とは?

子宮頸がんのステージII ~ IV における治療や、術後の再発防止、再発した場合の治療として選択されることが多い治療が「放射線治療」と「抗がん剤治療」です。それぞれどのような治療なのでしょうか。副作用はあるのでしょうか。

放射線治療

身体の外から、あるいは腟からX線やガンマ線でがん細胞に照射してがん細胞を傷つけ、小さくする治療です。放射線治療は抗がん剤治療と併用すると効果が高いといわれているため、セットで行うことが多いでしょう。手術せずに放射線治療と抗がん剤治療を行った場合、100万~120万円程度の費用がかかることが予想されます。

抗がん剤治療

がんが再発したときや、子宮から遠い臓器(肝臓・肺など)にも転移が認められるときには、抗がん剤治療を行うことになると考えられます。がんの末期(ステージ IV )の段階では、抗がん剤治療が中心となるでしょう。点滴や飲み薬で身体の中に抗がん剤をとり入れ、がん細胞の増殖を防止したりがん細胞を破壊したりします。

放射線治療・抗がん剤治療の副作用

放射線治療や抗がん剤治療を受けると、さまざまな副作用があらわれることがあります。放射線治療では、皮膚炎や粘膜炎、吐き気、嘔吐(おうと)、だるさ、食欲不振、膀胱炎、直腸炎、白血球の減少、抗がん剤治療では、脱毛や口内炎、吐き気、下痢、動悸・不整脈、白血球の減少、臓器の障害が副作用としてあらわれるかもしれません。

症状がひどくてつらいときには、使用する薬を変えたり、治療を休止・中断したりすることがあるでしょう。治療の効果と治療の苦しみの両方を考慮しつつ、医師と話し合いながら治療を進めていく必要があります。

子宮頸がんの治療ガイドラインとは?

公益財団法人「日本婦人科腫瘍学会」では、子宮頸がんの治療に関するガイドラインを作成・公開しています。医療従事者を対象にしているため、専門的な知識が多く登場しますが、子宮頸がんの治療方法についてさまざまな例を取り上げて説明しているため、詳しく知りたい方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

子宮頸がんの術後・治療後の過ごし方

術後や治療後はどのような点に気をつけて生活すると良いのでしょうか。そして、後遺症やつらい気持ちとどのように向き合っていけば良いのでしょうか。

退院直後は安静に

手術や治療を終えて退院した直後は、体力が低下した状態であると考えられます。無理しすぎず、疲れたときにはしっかりと休憩をとりましょう。体力が回復してきたとしても、最初から激しい運動はせず、少しずつ運動量を増やしていくようにしてくださいね。

治療後も通院

治療が終わっても、術後の経過や後遺症を確認したり、再発していないかを検査したりするために定期的に通院することになります。治療後1、2年のあいだは、毎月あるいは3ヶ月に1回程度の間隔で通院し、問題なければ半年ごと、1年ごとというように徐々に間隔が長くなっていきます。

定期通院では、医師による問診のほか、必要があれば細胞診、内診、直腸診、CT検査、MRI検査、X線検査、腫瘍マーカーといった検査を行うことがあるでしょう。

性生活は続けられる

子宮頸がんの手術では、子宮や腟、卵巣など女性の性生活にとって大切な器官を切除すため、性生活を続けられるのだろうかと心配になりますよね。こうした手術を行った場合、子宮や卵巣の摘出によって妊娠できなくなることがありますが、性生活を続けることは必ずしも不可能ではありません。

腟の一部を切除した場合、手術で縫ってあるため最初は腟が痛むことがありますが、徐々に腟が伸びるようになり、痛みが少なくなっていきます。両側の卵巣を取り除いたために女性ホルモンが分泌されず、分泌物が出ない場合には、潤滑油を用いて性交渉を行うと良いでしょう。

数か月で手術前と変わらない感覚を得られるようになるため、パートナーと相談しながら少しずつ慣らしていってくださいね。

気持ちを整理して前向きに

術後・治療後は、治ったことによる安心感よりも、今後の生活への不安や後遺症による悩み、女性器を失ったことや妊娠できなくなったことによるつらい気持ちでいっぱいになる人も多いことでしょう。

こうした不安やつらさはそう簡単にやわらぐものではありませんし、決まった解決方法があるわけでもありませんが、周囲の人や医師に相談しながら少しずつ気持ちを整理し、できるだけこれからの人生について前向きに考えられるようになると良いですね。つらいときには我慢せず、泣いて吐き出したり人を頼ったりしてくださいね。

排尿・排便の後遺症への対処法

広範囲にわたって切除する手術を行うと、術後に排尿・排便に支障をきたすことがあります。排尿・排便障害がある場合は、膀胱の訓練や尿漏れ対策、便秘・下痢対策や肛門の刺激などを行いながら、従来の機能にできるだけ近づくようにリハビリしていきます。

足のむくみへの対処方法

リンパ節を取り除いた場合には、術後に足がむくみやすくなることが考えられます。足のむくみ対策としては、「リンパトレナージ」と呼ばれるリンパの流れを良くするマッサージをしたり、頻繁に姿勢を変えるようにしたり、弾性ストッキングを履いたりすることが効果的です。

マッサージやストッキングについては、医師や看護師に相談し、正しい方法で行うように、あるいは装着するようにしてくださいね。

更年期障害の症状への対処法

両側の卵巣を摘出した場合や、放射線治療によって卵巣機能が失われた場合には、女性ホルモンの分泌量が減って更年期と同様の状態になる可能性があります。

更年期の症状は、のぼせやほてり、イライラ、抑うつ状態、肩こり、頭痛、不眠、動悸など多岐にわたります。徐々に収まる場合がありますが、症状がひどくてつらいときには医師に相談してください。ホルモンを補充する治療を行うことになるかもしれません。

また、確実に症状をやわらげる方法はありませんが、お風呂や運動、人と話すことでリラックスして毎日を送ることで、症状を感じにくくなる人がいるようです。自分がリラックスしやすい方法を探ってみましょう。

子宮頸がんの治療方法はよく話し合って決めよう

子宮頸がんの治療にはさまざまな方法がありますが、どんな治療を受ける場合にも、医師や家族、パートナーと十分に話し合い、できる限り納得した状態で治療を受けることが大切です。治療方法や副作用、後遺症について医師からしっかり説明を受けると同時に、わからないことや不安なことがあれば質問しましょう。

治療前も治療中も、治療後も、不安やつらい気持ちが大きくなることがしょっちゅうあるかもしれません。そんなときにはストレスをためこまず、医師や周囲の人に頼れるだけ頼りましょう。強い気持ちを持って前に進んでいくことはもちろん大切ですが、不安になるのは当たり前です。無理しすぎず、自分に負荷をかけすぎないようにしてくださいね。

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